ホーム ブログ ページ 10

オフィスをレンタルして約2年過ごして感じた、鳥羽なかまちという町。

僕が個人事業主になったのは2019年4月1日で、後数ヶ月したらもう2年が経つことになる。約7年半、サラリーマンとして働いて2度転職。「いっそのこと、何か自分でしてみよう。」となったのが2018年8月頃で、そこから創業スクールに通ったり、一次生産者の現場体験のご縁で2ヶ月間ほど紀北町に滞在してキャンプ場の手伝いをしたり、千葉県のフリーランスの聖地に1ヶ月行ってみたり、後、そういえば小型船舶2級の免許も取った(ただし、船の免許は現在全く活用できていない。)

千葉県から帰ってきたのが、3月中旬。そして、4月1日に開業届けと青色申告承認申請書を提出して、早速つまずいたのがオフィスをどうするか問題だった。

自宅でも仕事はするものの、ふと気づくとダラケてしまう自分がいる。少しあてにしていたレンタルオフィス候補は断念する結果になって、どこか良い場所はないものかと行き着いたのが「鳥羽なかまち」にあるクボクリだった。

鳥羽なかまちとクボクリ

クボクリ2F レンタルオフィスの様子

鳥羽なかまちは、昔は鳥羽の台所と呼ばれた鳥羽市街地の呼び名。商家のお家が多く、町を歩くととても興味深くて楽しい。

有名どころとしては、『⿃⽻⼤庄屋かどや』がある。また、鳥羽なかまちで過ごす人は多彩だ。豆腐屋さんに住職さん、燻製屋さんに酒屋さん、ガス屋さんに・・と鳥羽を支えている方々が暮らしている。僕がまだ知らないだけで、もっとたくさん色んな人が身近にいるに違いない。

そんな鳥羽なかなちの方々で結成されたグループが「鳥羽なかまち会」。合同会社NAKAMACHIも設立され、鳥羽なかまちで活動されている。僕がお借りしている「クボクリレンタルオフィス」は合同会社NAKAMACHIが管理している施設で、とても楽しい空間で鳥羽なかまちを体現しているように思う。

クボクリ1階 コワーキングカフェ
花清水さんの鳥羽ちゃんぽん
N3Coffeeさんの珈琲

1階はコワーキングカフェ&水・木はクボクリカフェ「N3Coffee」さんと水・木・金・土で鳥羽ちゃんぽんのクボクリキッチン「花清水」さん、2階は僕がお借りしているシェアオフィスになっている。シェアオフィスは現在、満員でライターや食品加工会社、小説家など、ここにも色んな人がいる。

そもそも、クボクリって何だ?と思う人もいるだろう。聞いてなるほどと納得する、旧久保クリーニング店の名前を引き継いで「クボクリ」となったそうだ。空き家だった久保クリーニング店を鳥羽なかまち会の方たちでリノベーションし、現在のクボクリの原型ができあがった。

僕と鳥羽なかまち

西念寺さんでの「鳥羽なかまちマーケット 竹明かり」の様子

僕が過ごした約2年の間にも、鳥羽なかまちもクボクリもどんどん変化していっている。町を形成するものはなんだろう、建物、人、生活、経済、季節?

合同会社NAKAMACHIの代表 濱口和美(以下、和美さん)さんと鳥羽なかまちを歩いた時と比べても、新しいお店が出来たり、建物が無くなったりで、また変わってきている。

町で暮らす住民と一緒にまち歩き 鳥羽市中之郷 濱口和美さん

つい先日、鳥羽なかまちのアニメ・動画クリエーターの佐藤創ちゃんの手料理をありがたく頂戴している時に「1年前を思い出しても、今って全然違うよね。」という話をした。お互いに個人事業主かつ駆け出し同士の会話なので仕事や働き方はもちろんそうだが、それでも町や人のコミュニティの変化など思い当たることが多くあった。

和美さんは、空飛ぶタクシーの話をよくする。2030年頃には離島に向けて空飛ぶタクシーが飛んでいたり、今過ごしている鳥羽なかまちの町並みも、ガラッと変わっていたりするのだろう。1年前で全然違うということは、約9年後はもっと違うということは明らかだ。

鳥羽なかまちの春 場所は西念寺さん
鳥羽なかまちの秋 場所は大庄屋かどやさん

鳥羽なかまちで過ごしていると、町の歴史に触れる機会も多い。明治時代の白黒写真を眺める。すると、今は鳥羽の主要道路だった場所は海になっていたことを知る。僕にとってはとても信じられず実感もわいてこないが、それが現実。

遠く離れた人ともリモートで画面越しに打ち合わせが誰でもできてしまう時代になった。10年前にどれだけの人が想像できていたのだろうか。

鳥羽なかまち クラウドファンディングに挑戦

鳥羽なかまちクラファンに挑戦 クボクリ入り口前にて

色んな課題も市町も県も国も世界も、考え出すと切りがない。まずは客観視して、状況を把握しなければと常々思っている。ただひとついえるのは、何もしない訳にはいかないということで、鳥羽なかまちも僕も友人も、おそらく誰もがそうなのだと思う。

僕らは何かをし続けるしかなく、そして何かを見出す機会を探し続けている。

僕は鳥羽なかまちにきてから約2年、居心地がよくて日々を楽しく過ごさせていただいている。これからも鳥羽なかまちで多くの時間を過ごしていきたい。

そんな鳥羽なかまちで、また新たな取り組みとしてクラウドファンディングに挑戦することになったので、最後に紹介する。

町、海、船、電車と鳥羽らしい光景 鳥羽城跡「城山公園」にて

正直にお伝えしておくと、鳥羽なかまちのクラウドファンディング挑戦に対して、僕が応援できる手段として考えた結果、振り返るように僕視点の本記事を書きすすめていた。

鳥羽なかまちで抱える課題として今まさに取り組んでいることは、「これからの町」の模範にもなっていくのではないだろうか、僕はそう思っている。なので、クラウドファンディングへの挑戦が鳥羽なかまちのことを多くの方に知っていただける機会となり、つながりや交流・新しいことが生まれるきっかけにもなると、果たしてクラウドファンディングは成功するのだろうか不安もありつつ、何だかワクワクもしている。

最後まで本記事を読んでいただけた方は、クラウドファンディングページで掲載されている記事も合わせて読んでほしい。そして、ご支援やシェア・拡散にもぜひご協力ください。

鳥羽なかまちクラファン支援はこちらから

鳥羽なかまちクラファン(レディーフォー):https://readyfor.jp/projects/tobanakamachi-challenge

鳥羽なかまちクラファン(キャンプファイヤー):https://camp-fire.jp/projects/view/366094


鳥羽なかまち情報一覧

鳥羽なかまち公式WEB:https://tobanakamachi.com/

鳥羽なかまち公式facebook:https://www.facebook.com/tobanakamachi/

鳥羽なかまち公式instagram:https://www.instagram.com/toba_nakamachi/

鳥羽なかまちの様子 参考動画

「お魚釣りで天上を」 連載エッセイ【ハロー三重県】第22回

秋ごろ、魚釣りをしようと思い立って、心を整えているうちに冬が深まってしまった。
気がついたら、ものすごく冬になっている。
ものすごく冬になってはいるけれど、ちょうどよく心が整ってしまったので、いざ釣りに行くことにした。
真冬に水場へ出かけるというのは冷静になると、ちょっと信じられない感じがあるんだけれど、心が整ったとなればそうも言っていられないのだ。
心が整うっていうのは、そのくらい重要なこと。

*

まず、前日に近場の釣り道具屋さんで釣りの道具を買いに行った。
なんと言っても私も夫も釣りにはちっとも明るくないので、道具なんて何ひとつ持っていない。
釣り竿はもちろん、それに付随するいろんなあれこれを買った。
なぜか子どもたちにねだられて、セールになっていたルアーも一人ひとつ買わされてしまった。ルアーはとっても色がきれいで、見ているだけでうふふとなる。使い方がみじんも分からないのだけど、ひとつでもうふふとなれるものがあればおでかけはより楽しいものね。

子供用の釣り竿って思っていたよりうんと安価でコンパクトだった。知っていたらもっと早く釣りへの心が整ったかもしれない。
1本1500円ほどだった。

さて買うものは買ったけれども、どこへ釣りに行けばいいのかさっぱり分からない。家の近所の川なのか、海水浴場なのか、それとも、漁港なのか、はたまた釣り堀なのか、北なのか南なのか、分からないにもほどがあるほど分からなかった。
インターネットで検索をして、あれこれ調べるんだけれど、より近いほうがいい気もするし、「初心者におススメ!」と書いてあるところがいい気もする。そもそも私は最初に釣り少年にあった賢島の船着き場で釣りデビューをキメようと思っていたのに、うっかり検索なんてし始めたからいけないのだ。検索は深みにはまる第一歩。あ、一句読んじゃった。

*

それでもどうにか落としどころを見つけて、鈴鹿の白子漁港へ行った。
柵がついた桟橋がある、というのがよい気がした。
こちらは小さい子どもが3人もいるので、ひとりに気を取られているうちにひとりが足を踏み外して海へダイブ、なんてくっきりと想像できてしまう。
安全で、それなりに近いともなれば、なんだかよい場所のように思えたのだ。

当たり前のことを言って叱られそうなのだけれど、1月の海は寒かった。
知っているつもりだったけれど、寒かった。
釣りは待つもの、というのはマグロ漁のテレビ特番が好きな息子の影響でよく知っていたし、待つのは苦手ではないと思っていたし、覚悟はしていたんだけれど、うっかり、そこに寒さを加味することを忘れていた。

寒い中で待つっていうのは、ちっともよくない。

ただじれったくて退屈だった。だって寒いんだもの。あったかいお部屋のことばかり考えてしまうし、あったかい飲み物のことばかり考えてしまう。
待つ時間を愉しもうと、道中で買ってきた、おにぎりせんべいとみかんグミは一瞬で底をついて、食べるものがなくなった後は、茫漠と過ごした。
つまり、魚はいっこうに釣れなかった。

夫と息子はしぶとく粘っていたんだけれど、私と長女と次女はそそくさと車へ戻って暖を取り、からだが温まったらその辺をうろうろして過ごした。
そして、うろうろしていてもそのうち飽きるので、まばらな釣り客に話しかけたりもした。

「釣れますか」
「いえ、まったく」

「釣れますか」
「いえ、全然」

どうやらみんな連れないらしく、へへと苦笑いをしたあと適当に談笑してお互いに暇をつぶした。
おひとりだけ、如意棒(にょいぼう)みたいな長い長い釣り竿を持ったおじさんがいて、彼だけは大物を釣っていた。
我が家はけっきょく一匹も釣れなかったんだけれど、子どもたちはおじさんの大物のお魚を見せてもらい、とても楽しそうだった。

*

後日、知人に、この日の話をしたら、「冬は釣れないよ」と返事が返ってきた。
なあんだ、そうなんだな。

秋頃に釣りに行こうかしらと思い至ってね、と言うと「じゃあ、秋に行かないと。秋はすごく釣れるのに」と言われた。心を整えている間に、釣りの時期が過ぎてしまっていたらしい。
彼女曰く、秋頃、志摩のあたりで釣りをした際にはじゃんじゃん釣れたということだった。
まじか。

では、あのタイミングで善は急げと賢島へ釣り竿を持って行くべきだったんだ。とはいえ、しつこいようだけれど心が整わないことには行けないわけで、仕方がないのだ。
レジャーとか行楽に縁が遠い人生なので、野外での活動にはそれ相応の心の準備が必要で、それは不便なことではなあるけれど、避けて通ることもできないのだから、繰り返すようだけれど、仕方がない。

因みに、その彼女、県内の海辺の育ちらしく、小さいころから釣りを嗜んだらしい。船に乗ってイカや魚を釣ったりもしたと言っていた。
日に焼けた彼女が海の上で生き生きとイカを釣り上げる様子を想像して、小さく感動してしまった。
彼女の身体には食べ物を自ら得るという経験が、刻まれていて、なんだかものすごく丈夫だな、と思った。

私は北国の、しかも町の育ちなので、そういう食べ物を得る豊かさみたいなものを目の当たりにするとなんだか天上を感じてしまう癖がある。
だって、手を伸ばせば食べ物が必要な分以上にそこにあるって、とっても楽園的な感じがしませんか。

*

話が逸れてしまったけれど、そんなふうに、我が家の初めての釣りは収穫ゼロで終わってしまった。
彼女が言うところには、春にはまたよく釣れるということらしいので、暖かくなったらぜひまた海へ出て、魚を釣りたい。
そして、できれば釣れた魚のいくつかは調理して食べたい。
少し天上を感じられるかもしれない。

Jリーグに最も近づいたヴィアティン三重の2020年を振り返るー桑名市博物館での展示から

2020年、Jリーグ入りに近づいたチームがあった。

「ヴィアティン三重」は、2012年に発足したサッカーチームである。2020年シーズンは、JFL(J1から数えて4番目のリーグ)で最終節までJ3昇格の可能性を残し、最終節に勝てば昇格というあと1歩のところまでたどり着いた(最終順位6位)。

愛知、岐阜に続き、Jリーグに所属するチームが三重県から誕生する。その期待は2020年の三重県をサッカーを愛する者を熱くさせた。

2020年12月8日(火)から13日(日)、桑名市博物館でパネル企画展「Go through!~ヴィアティン三重 2020年の軌跡~」が開催され、1年間の激闘を振り返る機会が持たれた。

今回の記事では、パネル企画展の様子を見ながら、2020年のヴィアティン三重の闘いを振り返っていく。

「シーズン開幕」

コロナの影響でシーズン開幕戦は、7月19日(日)までずれ込んだ。

初戦の相手は、テゲバジャーロ宮崎。場所はこけら落としとなった朝日ガスエナジー東員スタジアム。ヴィアティン三重と同じく、Jリーグ入りが可能な百年構想クラブ同士の開幕戦となった。

Jリーグ入りを目指す両者の闘いは、お互いに負けられない意地のぶつかりあいとなり、スコアレスドローでの決着となった。

2戦目は、リーグ4連覇中の王者 Honda FC。

運動量豊富に動き回り、相手にペースを握らせないまま迎えた38分に、佐藤が待望のチーム初ゴールをたたきこんだ。後半、同点には追い付かれたものの、王者相手に接戦を見せ、次戦に向けて希望を持たせる試合を演じた。

「初勝利」と「連敗」

3戦目は、同じくJリーグ加入を目指すFC大阪。

試合が行われたのは8月末ということもあり、35度を超えるコンディションのなか、前半に古川と塩谷の得点でリードを奪う。

後半に1点を返されたものの、守備陣が奮闘し、今シーズン初勝利を飾った。

4戦目は、MIOびわこ滋賀。シーズン初となる観客を入れてのゲーム。

サポーターの前で勝利を飾るべく、塩谷の得点で先生を奪うものの、後半終了間際に立て続けに初の敗戦。サポーターの前での勝利とはならず、初の敗戦となった。

5戦目は、松江シティFC戦。

悪い流れを断ち切るべく臨むものの、序盤から相手の猛攻に合い、前半に2失点。後半には選手交代から流れを取り戻し、塩谷の3試合連続得点も生まれたが、同点には一歩届かず。

悔しさの残る初の連敗となった。

一進一退の中盤戦

6戦目は、同じ東海地方を拠点とするFCマルヤス岡崎。

スタメンに新戦力を起用し、思い切った顔ぶれで臨んだこの試合は、先制点を許す者の、望月、森主、古川の得点で一気に相手を突き放す。

反撃にあったものの、見事に逃げ切り、ホームでのめでたい初勝利となった。

7試合目は、ヴェルスパ大分。ホームで連勝を目指したが、課題のセットプレーから先制点を許す。

積極的に攻撃を進め、勝利を目指すも、カウンターから追加点を許し、万事休す。ホームでの連勝とはならなかった。

8試合目は、奈良クラブ。J3クラブライセンスを持つ両者は、勝ち点でも並び、互いに負けられない一戦となった。

前半終了間際から相手ゴールに迫る場面が増える者ものの、味方のクリアミスから失点。

後半の猛攻も実らず、シーズン折り返し地点で順位を13位まで落とす、痛い連敗となった。

なんとしてもホームで連敗を阻止したい9戦目は、東京武蔵野シティFC。

前半からパスをつなげ、順調に得点を重ね、3得点を記録。守備陣も相手の攻撃を防ぎきり、ホームで完勝を遂げることができた。

10戦目は、ホンダロックSC。勝ち点で並ぶ相手との闘いは、セットプレーが勝敗を分ける戦いに。

FK・PKから失点し、2点を追いかける試合となったが、85分に野垣内が1点を決め、後半ATにPKを獲得する。しかし、PKは失敗となり、勝ち点1を逃す形となった。

念願の3連勝

11戦目は、ラインメール青森。昇格に向けて負けることのできない一戦は、先制点を許すものの、後半開始早々に古川のゴール、62分には塩谷のゴールで逆転。

アウェーで上位に食い下がる貴重な勝ち点3となった。

12戦目は、三重ダービーとなる鈴鹿ポイントゲッターズ。

序盤から激しい試合となったが、71分に塩谷が先制点をゲット。三重県選手権の雪辱をエースの一撃で果たし、久しぶりの連勝となった。

J3昇格に最も近づいた残り2戦

13戦目は、ソニー仙台FC。

強力な相手に対して、体を張ってゴールに向かっていくヴィアティンイレブン。78分に古川が得点し、最後まで守り切った。

今シーズン初めての3連勝となり、上位に迫る勝利となった。

14戦目は、いわきFC。ともに負けるとJ3昇格の可能性をほぼ失う試合は、意地とプライドのぶつかり合う激闘となった。

CKからエース塩谷が得点を奪うものの、1点を取り返され、その後も猛攻を受けるもなんとかしのぎきった。なんとか勝ち点1を奪い、最終節に希望を残した。

15戦目、最終節は、高知ユナイテッドSC。

他チームの結果がすべてヴィアティンにとって好条件となり、勝利のための1点を目指すもゴールが遠く、一瞬のスキを突かれ、まさかの失点。

最後まで猛攻をしかけるも、無情のタイムアップとなった。

Jリーグに最も近づいた今シーズン、今期の悔しさと期待は来季に持ち越しとなった。

最終結果は、6位。「ヴィアティン三重」は、ファン、サポーターに最後まで希望を持たせてくれたのである。

2020年の闘いは、このメンバーで繰り広げられた。

なかなか勝てない時期は、サポーターも辛い思いをしたが、なにより選手たちが一番苦しい思いをしただろう。

今季はコロナの影響で、第1節から第15節が中止とされ、選手もモチベーションを保つのが大変だったはずだ。そのなかで、最後まで希望を持たせる闘いをしてくれた選手たちには、感謝の一言しかない。

2020年、掴みかけた夢の続きは、2021年に持ち越されることとなった。

2021年の開幕戦は、3月14日に行われる。ホーム開幕戦は、3月21日にFCマルヤス岡崎を相手に行われる予定だ。

2021年の「ヴィアティン三重」の闘いが、もうすぐ始まる。その始まりを三重を愛するものとして追い続けていきたい。

日本のカワイイが昆虫食の未来をつくる。バレンタインには昆虫食デビューから3歩進めるクッキーを♡

全国に増えつつある昆虫自動販売機や昆虫食レストラン。都内で開催された虫グルメイベントは盛況を博し、無印良品が販売したコオロギせんべいは全国的ヒット商品となった。日経トレンディによると2021年はコオロギフードが来るらしい。

ゲテモノ扱いではなく栄養価の高い昆虫は、サスティナブルかつスーパーフード。2050年に懸念されている食糧危機の打開策のひとつとして、世界的に注目を集めているのだ。

未来を担う食材とはいえ、虫はちょっと苦手…という方も多いはず。

そこで今回、つい手をのばしてしまう昆虫食グルメを紹介したい。

 

え、むしろ食べたい!昆虫食デビューから3歩進めるクッキー

現在世界で食べられている虫は2000種以上。各国では素揚げなどの原型版が多いなか、日本はそこに工夫と手間を加えているのところがさすが!と外国人から評価されているようだ。

まさにその日本の“Kawaii”がふんだんに施された昆虫食グルメがこちら。

幼虫・バッタ・コオロギの粉末が入ったバレンタイン限定昆虫クッキーセット!!

昆虫食に抵抗がある人でも、むしろ積極的にデビューしたくなるだけでなく、風味の食べ比べまでできちゃう未来へ3歩進めるセットだ。

 

ムツゴロウ王国に憧れるクッキーアートデザイナー

製作にあたっているのは、三重県桑名市にあるアニマルクッキー専門店kurimaroの栗田こずえさん。

動物王国で働くことが憧れだったそう

生きものの豊かな個性や魅力をクッキーで表現することにこだわっており、なんと現在のランナップは350種以上。

わんちゃん、とりさん、エキゾチック、森のどうぶつ、ねこちゃん、深海シリーズなど

飼い主や専門家とコミュニケーションを取り、捉えた魅力をクッキーに落とし込む工夫を施しているというのがおもしろい。

生きものに触れて感じることも大切にしている。水族館の飼育員との共同開発も

素材にもこだわっており、卵は不使用、小麦粉と塩は三重県産で、着色には野菜・果物パウダーなどの天然色素を使用している。

優しい甘さとソフトな口触りが楽しめる

そんなkurimaroさんが最初に昆虫クッキーを手掛けたのは昨年夏。コオロギの粉末入りクッキーを販売し好評を得た。

昆虫の特徴をビジュアルだけではなく、「味わう」という観点からも楽しむ機会にしてもらえたらという想いがあったという。

そして今回はバレンタインバージョンとして、3種の昆虫チョコレートバージョン。

幼虫・バッタ・コオロギの風味はどう違うのだろうか。kurimaroさんと、実食をした友人に感想を聞いてみた。

 

食べ比べしよう、昆虫を。

まずはワーム(幼虫)クッキー。

kurimaroさん「シルクワームの粒が全粒粉のような質感を演出しています。色合いや大きさ、フォルムについてもリアルさを追及致しました。ワームとホワイトチョコレートのクリーミーな味わいが絶妙です」

友人:「どこかに残るもわっと虫感。ホワイトチョコレートととても合いますね」

 

続いてバッタクッキー。

kurimaroさん:「鰹節のような風味が特徴のワタリバッタに相性の良い小松菜を入れ遊びました。爽やかな草むらを思い浮かばせる後味もお楽しみください」

友人:「こんなにおしゃれに虫を食べられるなんて。小松菜と合わせるセンスも光っています」

 

最後にコオロギクッキー。

kurimaroさん:「カカオのような深いコクを持つコオロギ。ココアベースの生地とダークチョコレートで高級感のある大人味に仕上げました。脚の形や頭部のツルっと感もご注目ください」

友人:「これはいい。強めのコオロギを感じます。全体的に初心者でもとても楽しめます!そのうち原材料に昆虫って書いてあっても驚かなくなる日がくるでしょうね」

まだまだ抵抗感のある人も多いかもしれないが、昆虫は来たる食糧危機を見据えた未来食。

“Kawaii”クッキーをきっかけに、昆虫食の魅力に触れ、数ある食材のひとつとして受け入れられるようになったら未来への前進ともいえる。

今年はなかなか会えないバレンタインになりそうだが、大切な人との未来についてじっくりと考える時間にするのもいいかもしれない。

 


kurimaroさんでは可愛いバレンタインアニマルクッキーも販売中です。

プレゼントクッキーのkurimaro
住所:三重県桑名市北寺町49くわなまちの駅内
ウェブサイト:http://cookie-kurimaro.com

バレンタイン昆虫クッキー3種セット
●オンライン販売 :https://shop.cookie-kurimaro.com/?pid=156914080
●本店(三重県桑名市北寺町49くわなまちの駅内)
●ジェイアール名古屋タカシマヤゲートタワーモール4階(愛知県名古屋市中村区名駅1-1-3)
※タカシマヤは1/27~2/14の限定出店

さよなら、頭の中のもんもんぐるぐる。自分と向き合うリセット散歩@松阪市

ついついマイナスに捉えてしまう思考。
わかっていても言ってしまう余計な一言。
いつまでたっても忘れられないあの人。

あ~ダメだな、考えないでおこう…と思っても頭の中は悶々ぐるぐる。

そんな自分をリセットすべく、ぶらりと出かけた松阪市。

感染症対策、しっかりして出かけました。

三重県内で観光といえば主に伊勢志摩。歴史好きなら伊賀かな。お買い物やおしゃれなカフェを目的に出かけるなら桑名や四日市だったりしたけれど、実は県内どの地域からもアクセスの良い松阪は、ぶらりと散歩するのにぴったりの町。

まずは松阪駅前にある観光案内所で地図をいただきます!

市内の地図以外にも、いろんなお店のパンフレットなどもありました。

最初の目的地までは歩いて3分ほど。
大通りの角を曲がると、いきなりノスタルジックな路地に。

少し迷いながらも、こういう寄り道は嫌いじゃないんです。

長い人生、少しくらいまわり道してもいいよね。

そして到着した「みろく院善福寺」。縁切りで有名なお寺さんです。

境内を進むと、弘法大師さんがどーんとお出迎えをしてくれました。

…えーっと、ここで手を洗うのかしら?(←神社とごちゃ混ぜになっている)

きょろきょろ迷っていたところ、優しそうなお寺の方が声をかけてくださいました。

副住職の長谷川 祐光 (はせがわ ゆうこう) さん。

正しくは、手を洗うのではなく、お大師さんにお水を接待するのだそうです。

そうすることでお大師さんと常に一緒という意味となり、お遍路を周る間たとえ1人でも、お大師さんが側で守ってくださるとのこと。

正しい手順はこうでした。

お大師さんの横には、四国八十八ヶ所霊場のお砂踏み。

お砂踏みとは、言わば四国八十八ヶ所巡りの超簡易版。

「南無大師遍照金剛」と唱えながら、阿波の国→土佐の国→伊予の国→讃岐の国と書かれた石の前をぐるっと一巡すると、四国八十八ヶ所巡りをしたのと同じようなご利益を頂けるのとのこと。

20年ほど前、ご住職さんが約3年かけて四国八十八ヶ所を巡り、持ち帰った各霊場の砂を埋めて作ってくださったそう。

ふむふむ。ぐるっと1周

伊勢には、犬が飼い主さんに代わってお伊勢参りをしたというおかげ犬のお話があるけれど、まさか松阪で四国八十八ヶ所巡りの霊場を巡れるなんて!!

自分と向き合うお遍路を、凝縮して体験させていただきました。

本来、四国八十八ヶ所の巡礼で結願した後は、和歌山県にある高野山へお礼参りに行くのですが、みろく院善福寺にはお大師さまが祀られているお堂があり、お礼参りまでできちゃうのです。

いつかちゃんと高野山まで行きたいと思います。

そしていよいよ本日の目的。縁切りの不動明王さんへ。

その昔、不動明王さんが手に持つ剣で病気との縁を切ると云われていたところから、悪縁も断ち切るご利益もあると教えて頂きました。

お札には人やモノだけでなく、自分の直したい習慣や性格なども書いて良いそう。

旅好きな私としては切りたい悪縁はまさにこれ!

綺麗な景色を眺めたり、美味しいものをいただくことで元気を保っていたところ、新型コロナウィルスのせいで日本国内でさえも移動が難しい状況というのがなんともつらい。

世界中の人がコロナウイルスとの縁を断ち切っていただける様お願いしてきました。

お札を水に浸すと…

みるみる溶けてなくなっていきました。

そのお水を不動明王さんにかけることで、悪縁をたち切っていただきます。

悪縁を切った後は、良い縁と巡り会えるよう護摩に願い事を書くというのが一連の流れ。

ここ、みろく院善福寺の歴史は古く、宝亀4年(773)頃まで遡ります。

元々は現・松阪市松ヶ島町の方に在り、天正16年(1588)蒲生氏郷が松坂城を築き、城下町を作る際にお寺や神社を1ヶ所にまとめた流れで今の場所に移されました。

お隣にある八雲神社も、みろく院善福寺さんが管理していたところ、明治時代に神仏分離令によって敷地を半分に割ることとなり、塀で仕切って今の形になったそう。

境内を一周するだけで、歴史ロマンにたっぷり浸れて観光気分。

丁寧に説明してくださった副住職さんは「お参りに来られた際はいつでも声をかけてください」と仰っていました。

静かな境内で、流れる水の音をききながらしばしぼーっと。気持ちの波がすっと凪のように落ち着いていきます。

忙しい日常を離れて、静かな場所でゆっくり。こういう時間が私には必要だったのかもしれないな。

続いて向かったのは、大正元年創業のはちみつ屋「松治郎の舗」。

店内に並んだはちみつが、まるで歓迎してくれているかのように、光を受けてキラキラ輝いていました。性別問わずに喜ばれるはちみつは、贈り物にもピッタリ。

創業時の養蜂の技をそのまま受け継いでいる松治郎の舗。種類がたくさんあるので、試食しながらゆっくり吟味。

食べ比べるとさらさらやこっくりといった質感の違いもわかります。黒糖のような甘さもあれば、香りたつ甘さもあったり。

お土産に人気なのは、松阪・伊勢エリアの花々から採れたはちみつ。

他にも店内には、はちみつのお菓子やマヌカハニー、化粧品や入浴剤の他に、蜜蝋(みつろう)もありました。湯煎して好きなアロマオイルを入れて固めることで、オリジナルのリップクリームやハンドクリームが作れるんですって♪

肌につけるものを、好きな香りで作れるのはいいな。蜜蝋はお肌がつるつるスベスベになる効果もあるみたい。

こちらで絶対頂きたかったのが「はちみつ最中アイス」。真珠をイメージしたまん丸のアイスとあこや貝型の最中が可愛い。

地元の牛乳とはちみつの風味を生かした「ミルク」から、優しい甘さのきなこ味や、京都のお茶専門店から取り寄せた抹茶味まで、迷ってしまいます。

最中は、新潟産のもち米を用いた職人の手焼き。パリパリの食感が濃厚なアイスととてもマッチ。縁切りの不動明王さんで晴れた心に染み入るスイーツタイム。ごちそうさまでした。

実際に使われていた巣箱を机に「いただきまーす!」

続いて、商店街を散策中に目に留まった「駄菓子のあいや」。

創業は大正5年頃。昔ながらの駄菓子を手作りされているのですって!!

にこやかな笑顔で3代目の吉田正博さんが迎えてくださいました。

「あいや」と赤いラベルの貼られた駄菓子は、全て店内の工房で手づくりされているもの。はっかやにっきなどを使用した飴やねじりおこし、麦粉を使った駄菓子など懐かしいものがたくさんありました。

手作りの駄菓子を見ながら、店内を見回すだけで童心にかえって何だかわくわくします。こういうほっとする時間に癒されますね。

手描きのお品書きがたまりません。

駄菓子を作る様子を眺められるのも嬉しい。手作りなので保存料は不使用。子どもからお年寄りまで安心して頂けます。ひとつひとつ丁寧な作業が、みんなに愛される駄菓子の所以ですね。

懐かしい木枠のケース。以前は駄菓子の量り売りもしていたそうですが、コロナ感染症対策のため、今は全て袋入りでの販売となっています。

あれもこれも食べたくなって、しっかり大人買い。心の中で「いつも頑張ってるんだから、これくらいいいよね」と、唱えつつ。

毎日の生活に追われていると、効率重視でいつもの道を車で移動。基本ドアtoドア。

久しぶりにゆっくり歩くと、風の冷たさや道端に咲く花が季節の変わり目を教えてくれる。気が付けば日暮れが驚くほど早い。

松坂城の周りは、御城番屋敷など風情溢れる町並みが続き、散歩するにはぴったりのコースでした。

 

 

最後の目的地は、ひとことの願いを叶えてくれるというお地蔵さん「堀面地蔵」。

小さな路地を歩いてきたから、いきなり大通りに面した場所に出てびっくり!

松阪は城下町を作る際、筋を直線ではなく角を要所に作り、一度に多くの敵に攻め込まれないよう複雑な地形にしたそう。今もほぼそのままの箇所が多いと聞き、いつも迷う理由がわかりました。

「一言」のお願いを聞いてくれるお地蔵さんは全国に何ヶ所かいらっしゃるそうですが、堀面地蔵さんは「一事」のお願いを聞いてくれるちょっぴり珍しいお地蔵さん。

名前の由来は松坂城のお堀の近くにあったことから。昭和16年に今の場所に移転し、来年で80年になるそう。

私がいる間にも自然な手つきでお線香に火を灯し、おりんを鳴らしてお祈りをされている方が何人もいらっしゃいました。堀面地蔵さんに手を合わせることが、生活の一部なんですね。

たくさんの絵馬には1人ひとりの願い事がつまっていて、同じくらい「ありがとうございます」と書かれた絵馬もありました。地元の方々に愛される堀面地蔵さんだからこそ、様々な「一事」が集まる場所になっているのでしょうね。

堀面地蔵奉賛会の方に色々説明も頂きました。

私も手を合わせてお地蔵さんへ一事のお願いをしました。

歩き回って冷えた身体を温めるため立ち寄ったのが、甘党のお店「山作」。

お赤飯やさわ餅にも惹かれつつも、熱々のぜんざいをふーっと。

あったかくて、おいしくて、あったまる。

悶々とした気持ちを断ち切るところからスタートした松阪散歩。

手を合わせて自分の心と向き合うことでスーッと視えてきたものがある。地元の方々の温かさに触れて気持ちは満たされ、五感を研ぎ澄ませて散歩することで新しい発見もあった。もしかしたら私は視野を狭めて無限ループに入っていたのかもしれないな。

今の私に必要だった心のリセット。さよなら、頭の中の悶々ぐるぐる。さぁ明日からまた頑張ろう。

photo / y_imura


※すべての写真において、撮影時のみマスクを外しています。

松阪駅から各地を経由しながら片道約2㎞程。景色を見たり、休憩しながらゆっくり歩けるコースです。

■みろく院善福寺
松阪市日野町701
tel 0598‐26‐0369
https://www.facebook.com/mirokuinzenpukuji/

■松治郎の舗 松阪本店
松阪市中町1873
tel 0598-26-8133
https://www.matsujiro.shop

■駄菓子のあいや
松阪市中町1869よいほモール
tel 0598-21-5861
四五百商店街(よいほモール)
https://yoiho-mall.com

■堀面地蔵
松阪市殿町1465
https://horimenjizou.web.fc2.com

【タイアップ】
松阪市 観光交流課
松阪市殿町1340番地1
tel 0598-53-4196
松阪市hp https://www.city.matsusaka.mie.jp
松阪市観光プロモーションサイト https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/kanko/
松阪市観光インフォメーションサイト https://matsusaka-info.jp/

新しい世界のヒントを求めて。海も空気も私たちの行動も繋がっている。

「コロナ禍において価値観や社会システムが少しずつ形を変えていく中で、新しい未来のヒントがパラオにはたくさんあったような気がした」

ラジオDJでJICA中部オフィシャルサポーターを務める空木マイカさんは冒頭でそう綴った。

エッセイ調で紡がれた言葉には、地球環境について考えさせられる情報が詰まっていた。

 

日本の文化が今でも残るパラオ語。「ビールを飲む」は「ツカレナオス」!

空木さん「私のツアーにしちゃっていいですか??」
快活明瞭な解説付きのパラオ展ツアーが始まった。

ラジオDJでJICA中部オフィシャルサポーターを務める空木マイカさん

1994年、日本とアメリカの統治を経て独立を果たしたパラオ。その歴史から、ベンジョ、ソウジなどの外来語として生活に浸透した言葉や、ビールを飲む事を「ツカレナオス」、美味しいは「アジダイジョウブ」といった1000語近くの日本語や日本の冠婚葬祭の習慣が今でも残っている。

日本統治時代の貴重な写真

「独立の過程では賛成反対の間で涙を流すほど悩み、大事なのはtrust(信頼)だと国中の住民に話をしに行かれたそうです」空木さんは独立に尽力されたクニオ・ナカムラ元大統領に聞いたエピソードを教えてくれた。

クニオ・ナカムラ元大統領への取材風景

実父が三重県伊勢市出身のナカムラ元大統領。三重県は第ニの故郷と呼べる場所で、来年三重県にて開催予定の太平洋・島サミットも楽しみにしておられたそうだが2020年10月にご逝去された。

似ていませんか?と見せてくれたパラオの国旗。

空木さん「パラオの国旗は日本の影響を受けているそうです。ナカムラ元大統領はパラオの人の良いところは悪い記憶を忘れることと仰っていました。日本の統治だったことも、アメリカの統治だったこともある。でも今パラオの人にどの国が好きですか?と聞くとみんな日本とアメリカと答えますと」

国旗の真ん中の黄色い丸は満月。パラオでは満月には良い意味があるため引っ越しをしたり結婚式をしたりする。そこには平和という意味もあるという。

 

環境大国パラオ。「ゴミはすべて持ち帰ります」の本当の意味

太平洋のミクロネシア地域に位置するパラオ共和国。美しい海を求めて、世界中から多くの観光客が訪れる。

その豊かな自然を守るため、入国する際「パラオの環境を守りゴミは持ち帰る」という誓約書にサインする必要がある。

この環境保護誓約は世界初の試み

島国にとって、気候変動の影響による海面上昇や台風被害、珊瑚の白化、海の生き物の現象は、生活にダイレクトに関わってくる深刻な問題。

珊瑚に有害な日焼け止めは禁止、ビニール袋は土に分解される成分を使用、パラオの海の80%は資源採集活動禁止など、レメンゲサウ大統領による環境意識の高い政策が徹底されている。

パラオで使用されるビニール袋

 

意識をすること。そして分別を徹底すること

パラオには焼却施設がない。リサイクル可能なもの以外は埋め立てる。ゴミの中に空気を送り込み、微生物の働きによりゴミを分解し量を少なくする日本の技術が取り入れられている。

世界的にも進んでいる日本のゴミの分別をパラオの人に指導しているのは、三重県四日市市にある公益財団法人国際環境技術移転センター(ICETT)。

コミュニティ毎にある分別小屋。ICETTのプロジェクトはJICAの草の根技術協力事業として行われている

地域住民は毎回ゴミ収集に立ち合い集会で報告。自分たちの地域で出しているゴミの量を把握することで、ゴミの減量化が図られている。

パラオ人アーティストが三重県を訪れ、「分別」に感銘を受けてZero Wasteという歌を制作したというエピソードも。

ゴミの最終処分場にも行かれた空木さん。

微生物でゴミを分解する技術が使われており、匂いは全くしなかったが、日本から持ち込んだプラスチックなどは分解されずに残ってしまっていた。

空木さん:「ゴミの行き先を目の当たりにして、自分が持ってきたビニール袋や壊れてしまったサンダルをここに置いて帰るわけにはいかないと強く思いました」

空港で書いたパラオ誓約の”ゴミはすべて持ち帰ります”という本当の意味を理解したという。

 

ゴミになる前の姿と向き合う

パラオの国土は種子島とほぼ同じ大きさ。生活圏とゴミが行き着く処分場が乖離していない。

空木さん「ゴミは自分の手から離れた後、消えて無くなったかのように思えます。でもゴミは消えない。たとえ燃やしたとしても温室効果ガスを排出する。もしその後の行方が見えたなら、自分ごととして人の行動は変わるかもしれません」

いかに便利か、いかに発展していくか、加速する消費社会の中で起きたコロナは、私たちの暮らしの価値観を変えた。これまで3ヶ月後の手帳に向かって毎日をこなしていたという空木さんにも変化があったようだ。

空木さん「おうち時間が増えたのも重なって生活を見直す機会になりました。洗剤の量が気になったり、1週間分のゴミを子どもたちと床に広げてみて量に驚いたり」

私も家庭ゴミの処理をしているとふと考えることがある。たった今まで食材だったのに…、さっきまで自分の髪の毛だったのに…。一体どの瞬間からゴミになるのだろう。

空木さん「どのゴミもゴミになる前の姿が必ずあります。その段階でできるだけゴミの姿に変身させない工夫、それが分別なのかもしれません。もう一歩徹底することでゴミ以外のものになるチャンスを増やせると感じています」

買うものに責任を持つ。捨てる時にその後の姿を思い浮かべる。物が自分のもとにくる前のストーリーと、手から離れて行った後のストーリーを想像する力は、ゴミと呼ばれる物の量を減らすかもしれないと。

 

新しい世界に望むこととは

―ただただ無事に地球に住み続けられますように。そして子どもたちに美しい地球をプレゼント出来ますように―

それが空木さんの切なる想い。

三重県はレジ袋有料化の前からエコバック持参率が高いらしい。パラオの子どもたちに日本の風呂敷を見せたところ”beautiful”と好評だったそう。知恵を持ち寄り、ひとりひとりが自分事として捉え、出来ることに取り組むことでその輪はきっと世界中へ広がっていく。

空木さん「私たちは自然ともっと調和して生きていかなくちゃいけない。海も空気も繋がっている。私たちの行動も、パラオで起こっていることも、この先私たちに起こるかもしれないことも。新しい世界が輝きを増した明るい未来でありますように」

 

取材:JICA中部オフィシャルサポーター 空木マイカ氏
取材協力:JICA中部
撮影場所:JICA中部なごや地球ひろば

☆パラオ展「新しい世界のヒントを求めて」は終了しております。空木マイカさんのパラオへの取材記録はこちらからご覧頂けます。
https://note.com/maikautsugi/m/mb661f7948f2e


3年ごとに日本にて開催している島嶼諸国との首脳会議「太平洋・島サミット」。2021年に開催が予定されている第9回太平洋・島サミット(PALM9)は三重県志摩市で開催することを決定しました。開催に向けて島嶼諸国について理解を深める情報を発信中です。

facebook https://www.facebook.com/P9mie/
Instagram https://www.instagram.com/p9mie/?hl=ja
Twitter https://twitter.com/p9mie

OTONAMIE PUSH EVENT【2021.1.15update】

\こんにちは!広報担当のともーこです!/
イベント情報をご紹介していきます。
※各イベントへのお問い合わせは、各イベントのお問い合わせ先にお願いします。
※イベントの詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。

第六回おんらいん♨︎さろん
WS「みらいの漁村フィールドワーク」前編(トークライブ)

主催者:度会県・OTONAMIE
主催者からのメッセージ:
リアス海岸が続く度会県(三重県南部)の沿岸部には、人口数百人の小さな漁村が点在しています。家々がギュッと寄り添うように立ち並び、昔ながらの建物が多く、どこかノスタルジックな趣を感じる町並みです。
そんな漁村部は人口減少が進み、漁師など海に関わる後継者不足の課題を抱えています。そこで今回「みらいの漁村フィールドワーク」と題し、前編では漁村部で起きている新しい動きについて二人のゲストにお話を聞かせてもらいます。後半は、実際に船で行く空き家(元真珠の加工場)の利活用方法を参加者と考えながら、関係人口を増やすアイデアをまとめたいと思います。
前編の一人目のゲストは、南伊勢町阿曽浦の友栄水産三代目、漁師の橋本純さん。伊勢まだいのブランド化に参画し、真鯛をはじめ高級魚のクエなどの養殖も行い、魚の流通も独自で開拓してきたパイオニアです。また漁業や漁村の暮らしそのものをコンテンツ化し、漁師体験や漁師のいるゲストハウスまるきんまるの運営も手掛けるなど、ブルーツーリズムにも早くから着手しています。
二人目のゲストは、東京で飲食店を展開する株式会社ゲイトが、漁業をいう一次産業から参入している取り組みについて、熊野市二木島で漁師を担当する田中りみさんに、現場の声を聞かせていただきます。漁師=男性というイメージがありますが、二木島では女性が中心に漁を行い、漁師になりたい女性からの問い合わせも増えていると聞きます。
人材不足と云われる小さな漁村ですが、インターネットで繋がり、ICTが漁業にも活用される現代、海とともにある暮らしは、仕事としてもツーリズムを介した関係人口作りの面でもポテンシャルが高いのではないでしょうか。
今回はWS前後編を通じて、漁村の様々な可能性について探って行きたいと思います。
ジャンル:オンラインイベント
日程:2021年2月4日(木)
時間:19:30〜20:30
ツール:Zoom
費用:無料
お問い合わせ先:otonamie@gmail.com

▼全8回、度会県×OTONAMIE おんらいん♨︎さろんについてはこちら!
https://otonamie.jp/?p=75792
▼橋本純さんに関する記事
https://otonamie.jp/?p=50657
▼友栄水産(まるきんまる)のホームページ
https://yuuei.co.jp/
▼田中りみさんに関する記事
https://gyoppy.yahoo.co.jp/originals/48.html
▼ゲイトのホームページ
http://gateinc.jp/
▼参加申し込みはこちら!
Facebookイベントページ
※参加される際はZoomを本名でご入室ください。プライバシー保護のためカタカナやひらがな、ローマ字でも可能です。
2021年新春企画 三重のウシたち

 

主催者:三重県総合博物館(MieMu)
主催者からのメッセージ:丑年にちなんで、当館の収蔵資料から、「牛(ウシ)」に関連した、ウシの仲間・ニホンカモシカの剥製標本、名前にウシがつく植物や生きもの、丑年の伊勢暦、牛がモチーフになった工芸品など、幅広い分野の資料を展示しします。
ジャンル:展示
日程:2020年12月15日(火)~2021年1月24日(日)毎週月曜日休館(祝日の場合はその翌日)
時間:午前9時~午後5時
お問い合わせ先:059-228-2283 mail MieMu@pref.mie.lg.jp
イベントに関するHPやSNSなどのリンク:https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/p0031300042.htm

 

トピック展 昔の道具を考える

主催者:三重県総合博物館(MieMu)
主催者からのメッセージ:明治時代から平成時代にかけての生活用具について、電気の普及による道具の「電化」を中心に実際に使ってきた人々の感想を交えて紹介するとともに、新しい道具の出現が私たちのくらしにどのような変化をもたらしたのかを考える機会とします。
ジャンル:展示
日程:2020年12月19日(土)~2021年2月28日(日)毎週月曜日休館(祝日の場合はその翌日)
時間:午前9時~午後5時
お問い合わせ先:059-228-2283 mail MieMu@pref.mie.lg.jp
イベントに関するHPやSNSなどのリンク先:https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/000244504.htm

皆様からもイベント情報を募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

今日は何つくろう?ご飯を作りたくなる八百屋さん。なかこう青果店リニューアル!@伊勢市

 

ところ狭しと並べられた野菜たち。

おおきな白菜、キャベツ、人参、玉ねぎ・・ん?これはなんだ?と、見たことのない野菜も。

その場でかぶりつきたくなるような真っ赤なりんご、旬を迎えるいちご、色とりどりの果物もたくさん。

手にとってみると、どの野菜も果物も新鮮。ぷりぷりつやつやしていて、

「これを使って、今日は何作ろう・・!」とわくわく。

ここにくると、いつも家でごはんを作りたくなる。

そんな八百屋さん、なかこう青果店を取材させていただきました!

 

お話を伺った、中村雅美さんと中村日衣子さん。

 

創業は大正5年。

ご主人の中村雅美さんは3代目。高校卒業後からお家の仕事である八百屋さんを手伝い始める。それからこの道一筋でお仕事されてきたそう。

おじいさんが八百屋さんを始めようとした時、伊勢にある八百屋さんはたった1件だったそう。そこへ丁稚奉公に行き、後になかこう青果店を開店。

市内に何件かある八百屋さんは、みんなその八百屋さんで修行をした方が開いたお店だと聞きました。

枝分かれ的に増えていったのね。知る人ぞ知る伊勢の歴史・・・!

そんな話をしてくれた日衣子さんはいつも元気で明るい笑顔が素敵な方。この道ウン十年の大ベテランかと思いきや・・お店を手伝い始めてまだ1年もたっていないそう。

八百屋さんの仕事を手伝い始めた理由を伺いました。

昨年春頃、日衣子さんは娘さんの出産に合わせて(その時勤めていた会社で)休暇を取得。

世の中は新型コロナウイルスの影響が広がり始め、移動に制限がかかりホテルに卸されるはずだった食材が市場でたくさん余ってきていた。いいものだし変わった野菜もあるし、仕入れてはみたものの・・・どう売ろう。

また同じ頃、知人からイタリアン料理に使うような少し変わった野菜も仕入れ始めたので、その2つを宣伝するためにと、インスタグラムを始めた日衣子さん。

 

そこからお店に若い客層のお客さんが増え始め、日々忙しくなっていきます。インスタグラムの効果!すごい!

そのタイミングで近くにあった八百屋さんがお店を閉めることになり、お得意先さんを受け継いだら、配達先も増え、忙しさはさらに加速!

お休みしていた仕事に戻ることなく、そのまま仕事を辞め、お店に立つことを決意。そして夫婦2人でやるなら、いっそのことお店をもっと明るくリニューアルしよう!と一念発起し計画は進みます。

でもインスタのフォロワーはじっくりゆっくりしか増えず、違和感を感じていると・・・「ユウカちゃんのインスタ見てきました!」と、いうお客さんからの声を多く聞くように。

ユウカさんはお2人の姪。カメラやメイクなど色んな方面で活躍されている方です。

そうです、お店のインスタを見て来る方より、実は姪のユウカさんのインスタを見て来られていた方の方が多かったのです。(例にもれず、筆者の私もその1人でした。笑)

でも、日衣子さんのすごい所はその勘違いに気づいても、ええい!とお店のリニューアルをすすめたところ。

きっと、その行動力も人を惹きつける魅力の一つですね。

 

リニューアルされたお店は、外観のおおきな「なかこう」の看板はそのままにコンクリートの天井に、白い壁、カウンター前の青い棚がアクセントとなり、まるでカフェのよう。

照明に照らされた色とりどりの野菜は、まるでスポットライトを浴びているみたいにぴかぴか。その奥には一際目立つ冷蔵庫が!

 

店内奥には小さなキッチンスペースと、更に奥に進むと4畳程のイベントスペースも。ここだけみると、もはや八百屋さんのイメージが覆ります。

キッチンスペースを稼働させる準備もただいま進行中!

イベントスペースを使用したい方の募集もしているそう。

 

続いて、お野菜について大ベテランの雅美さんに伺いました。

お店に並ぶ野菜については「いいもの」しか仕入れないと決めている。と、きっぱり。

やっぱり毎日の生活の中でも大切な「食」の部分だからこそ、安物買いはしないそう。その代わり、スーパーで販売するものの倍近い価格を出すこともしばしば。でも、そこは妥協しないという。

愛情込めて育てられた野菜や果物は、雅美さんの目利きにより、今日もなかこう青果店にやってくる。

仕入れの時点でよいものを選んでくれているから、野菜の事が何もわからない私でもぴかぴかつやつやしてるのは感じるし、美味しいものが食べられるというわけ。

また色んな農園や農家さんから直接仕入れることも最近は多いそうで、その日も午前中に仕入れてきた、pomonaファームさんのトマトや一曜菜園さんのベビーリーフなどがたくさん並んでました。

どこで作られているか、顔が見えるって安心。

 

八百屋さんの1日は早い。

朝は5時には市場へ。仕入れは市場とお店が休みの日以外ほぼ毎日。

お店は7時半頃から動き出す。

まずはパートの方と共に飲食店に卸す野菜の仕分け。

学校など数件の配達を終わらせた雅美さんもお店に戻り、そのまま伊勢市内へ再び配達に。

お店のピークタイムは日によって変わり、午前中に近所の方が来る日もあれば、お昼ご飯を食べ損ねる勢いで午後にお客さんが集中する日も。

夕方にお店を閉めるまで、1日があっという間だという。

 

そんな忙しい毎日だけど、八百屋さんを手伝いはじめてよかった事ありますか?と、日衣子さんに伺うと

「すべて! 楽しくて、おもしろい!人と接するのも好きだし、自分で考えて自分で動けることが楽しくて・・ノンストレス!雨の日や風の日も、仕事行くのが全然苦じゃないの!」と。すごすぎる〜!

そして値札のところでちょくちょく名前を拝見する「奥野さん」についても聞かせてくださいました。

こんな感じ。気になってたんです。

奥野さんはベテランの野菜農家兼なかこう青果店で働くパートさん。

日衣子さん曰く、たくさんの引き出しを持っていて、人の3倍は働かれるというスーパーウーマン。

日衣子さんが雅美さんと仕事のことで口論になりかけていると、なにも言わず日衣子さんの背中をトンっ!として、言い過ぎな事に気付かせてくれたというエピソードも。 素敵な伝え方。

そんなピカイチベテラン野菜農家の奥野さんと、この道一筋経験豊富な雅美さんに、日々指南を受けながら頑張る八百屋初心者の日衣子さん。

なかこう青果店の魅力は野菜だけにとどまりませんね!

色んな人に来てもらえたら。と話すお2人。

 

そして新しくなった店舗は、野菜の他に色んな調味料も販売する予定。

他にもイベントスペースを使って洋服や雑貨なども販売できたらと考えているそうで、まるで小さなマルシェが行われるみたいにわくわくできそう。直近のイベントは1月17日。パン屋さんとのコラボレーション企画が開催予定。

これからの展開に目が離せない、なかこう青果店。

イベントや、オススメのお野菜など、詳しくはなかこう青果店のインスタグラムをチェックしてください。

今回の写真はOTONAMIE記者で、蕎麦屋から転職した異色のカメラマン 古市真崇

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【なかこう青果店】

伊勢市常盤2丁目6−21

0596−28−2305

@nakakou_seikaten

OTONAMIE PUSH EVENT【2021.1.8update】

\こんにちは!広報担当のともーこです!/
イベント情報をご紹介していきます。
※各イベントへのお問い合わせは、各イベントのお問い合わせ先にお願いします。
※イベントの詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。
2021年新春企画 三重のウシたち

 

主催者:三重県総合博物館(MieMu)
主催者からのメッセージ:丑年にちなんで、当館の収蔵資料から、「牛(ウシ)」に関連した、ウシの仲間・ニホンカモシカの剥製標本、名前にウシがつく植物や生きもの、丑年の伊勢暦、牛がモチーフになった工芸品など、幅広い分野の資料を展示しします。
ジャンル:展示
日程:2020年12月15日(火)~2021年1月24日(日)毎週月曜日休館(祝日の場合はその翌日)
時間:午前9時~午後5時
お問い合わせ先:059-228-2283 mail MieMu@pref.mie.lg.jp
イベントに関するHPやSNSなどのリンク:https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/p0031300042.htm

 

トピック展 昔の道具を考える

主催者:三重県総合博物館(MieMu)
主催者からのメッセージ:明治時代から平成時代にかけての生活用具について、電気の普及による道具の「電化」を中心に実際に使ってきた人々の感想を交えて紹介するとともに、新しい道具の出現が私たちのくらしにどのような変化をもたらしたのかを考える機会とします。
ジャンル:展示
日程:2020年12月19日(土)~2021年2月28日(日)毎週月曜日休館(祝日の場合はその翌日)
時間:午前9時~午後5時
お問い合わせ先:059-228-2283 mail MieMu@pref.mie.lg.jp
イベントに関するHPやSNSなどのリンク先:https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/000244504.htm

第五回おんらいん♨︎さろん
トークライブ「おもしろいアイデアで勝負!港町の突破者が見ている未来の風景

主催者:度会県・OTONAMIE
主催者からのメッセージ:尾鷲市出身の伊東さんは、尾鷲商工会議所にて日本初となる商工会議所型「長期実践型インターンシップ事業」の立ち上げ人。現在は、お母ちゃんのランチバイキングや海洋深層水を使ったお風呂などがある夢古道おわせの支配人。尾鷲は木材の産地だが、近年木が売れずに山が荒れるという課題に対し、尾鷲ヒノキの間伐材を使い、メッセージを書いてお風呂に浮かべる「100のありがとう風呂」や「世界遺産風呂」を開発。また休暇を活用したふるさと兼業「旅する助っ人」にも取り組む。コロナ禍では、尾鷲の檜オイルを使った除菌水の開発や、おうちにいながら全国の地域を点々と、気ままに旅する気分をそのままお届けするサービス「旅するおうち時間」に参画するなど、尾鷲のニュースメーカーとして活躍中。以前に度会県で取材を行った「九鬼かいぞく学校」でも、伊東さんにはお世話になりました。
紀北町出身の東さんは港町ならではの面白い経歴を持つ。漁師の家に生まれ、小さいときから学校に行くのが苦手で「学校に行かないのなら家業の手伝いをしなさい」と、何万匹もの魚をさばく。魚を見るのも嫌になり、東京を経てロンドンに留学。留学先でインターネットと出会う。帰国後、広告代理店にてインターネット事業を担当。その後、紀北町に戻りデザイン会社「dgreen(ディーグリーン)」を立ち上げる。ホームページやデザイン制作だけでなく、地元の魚を使ったお魚離乳食「mogcook」を開発。培ったマーケティングスキルを活かし、インターネットで販売。2016年、全国6万店以上の中からネットショップから選ばれるカラーミーショップ大賞にて「mogcook」は特別賞を受賞するなど、デザインやマーケティングを使った地域資源の新しい活用に注目が集まっている。
今回、港町の突破者であるお二人をお招きして、おもしろいアイデアの発想の仕方、実践して感じたこと、地域の可能性、そしてこれからの地域に思うことなど、展望も交えながらお話を聞かせていただきます。参加者からのご質問やご意見もオンタイムで受付中。イベント後はゲスト(歴代含む)と参加者をチャットグループ(messenger)でお繋ぎして、コミュニケーションをサポートします。無料です!ぜひお気軽にご参加ください!
ジャンル:オンラインイベント
日程:2021年1月13日(水)
時間:19:30〜20:30
ツール:Zoom
費用:無料
お問い合わせ先:otonamie@gmail.com

▼全8回、度会県×OTONAMIE おんらいん♨︎さろんについてはこちら!
https://otonamie.jp/?p=75792
▼伊東さんに関する記事
https://an-life.jp/article/1171
▼夢古道おわせのホームページ
http://yumekodo.jp/
▼東さんに関する記事
http://genki3.net/?p=34551
▼ディーグリーンのホームページ
https://www.dgreen.jp/
▼九鬼かいぞく学校の度会県の記事
https://wataraiken.com/project_cat/prj-kuki/
▼参加申し込みはこちら!
Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/279730236913582
またはGoogleフォーム
https://forms.gle/Qj5EkUQsjAWp3hE68
※参加される際はZoomを本名でご入室ください。プライバシー保護のためカタカナやひらがな、ローマ字でも可能です。

皆様からもイベント情報を募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

アルプスで会った山伏さんに教えてもらった三重の行場 伊勢山上(いせさんじょう)に参上!

山伏

去年の夏はアルプス登山にはまって色々な高山を楽しむ。そこでひときわ目立つ衣装で山を颯爽と走るトレイルランナー?を発見。オシャレな衣装で特にお尻に毛皮の敷物を巻いているのが欲しいと思ってネットで探したけど普通のファッションアイテムじゃないのであまり見つからず。

山伏さんがカッコイイので声を掛けて色々お話を伺う。私が三重出身だという話を伝えると「伊勢山上(いせさんじょう)」に行場があり修行によく行くそうな。

山伏さんも通う本物の場所が三重に有るから行ってみよう!

場所は松坂の山奥にある飯福田(いぶた)寺。あれ?ここには以前自転車で来たことがあるなーと思ったら三重四国八十八ヶ所霊場の御朱印を頂きに来たお寺だ。当時は御朱印だけ頂いてそのまま帰ったのですが、その時もここの行場の説明をしてもらって当時はクライミングの趣味が無かったので丁重にお断りさせて頂いた所。

飯福田寺飯福田寺

まずは飯福田寺の受付に行って入山手続きを。各種注意事項を伺い全て自己責任の下いざ出発。この時自信のないときはエスケープルートもあるというのを教えてもらい無理そうなら迂回していけるとわかり一安心。

入山 入山

いざ入山。

油こぼし

いきなり出てきたこの壁。垂直に切り立って鎖を持ち登る。よくあるアスレチックの安全装置はもちろん無く手を滑らせれば岩に頭を打ってハイさよならな所。慎重に3点支持の基本で上にあがる。

行者尊 行者尊

壁を上がった先は見晴らしのよい景色に。行者尊が鎮座してこれからの修行を軽い気持ちで向かうなよと説得している?

鐘掛

たぶんこの場所の一番の見せ場の一つ鐘掛。

鐘掛

先に進んだところから見るとこの鐘掛はこんな場所。鐘をついてから右回りに登ってこの岩のてっぺんに登る。もちろん自信のない方は左回りでエスケープルートもある。

鐘掛 鐘掛

鐘掛

ここは鎖もなく垂直の場所を岩のくぼみを伝って行くのでビビりまくってます。

 

 

岩場 岩場 岩場 岩場 岩場

その後何カ所かの岩場を登ったりおりたり。

 

 

実際の岩登りの動画はこんな感じ。ビビっているのでゆっくりで失礼しました。

表行場 表行場

 

報告

表の行場が終了したので住職にご報告に。生存してちゃんと戻って来れました。
そうすると住職から裏行場があるがいかがかと提案。せっかくの修行で表だけではもったいないので裏も修行に。これはもちろん表の修行を無事終えた物しか提案されないルート。

裏行場

少し離れた場所まで進み裏行場に入る。

裏行場

ここもやっぱり油こぼしからスタート。鳥居のすぐ後ろが鎖場。

 

いきなりの歓迎でこの後もどうなることかとワクワク。

裏行場 裏行場

本当の修行の場合はここでクライマックスの修行があるのですが、今回はそれはヘビーすぎるプレイですので勘弁してもらいました。山伏さんの修行はやはりハードですね。

全コースはこの様な感じ

 

伊勢山上(飯福田寺)の基本情報

住所:三重県松阪市飯福田町273
電話番号:0598-35-0004
アクセス:松阪市内から車で約30分
公式サイト:http://www12.plala.or.jp/ibutaji/gyouba.html

「伝わる」写真を撮るためのヒントを学ぼう。 ~地域とつながるライティング講座・第二回@京都~

住んでいるまちの魅力をもっとたくさんの人に届けたい。そんな思いを形にするために開講した「地域とつながるライティング講座」。3回の講座の中で「人に伝える」コツを学び、記事の作成に挑戦します。伊賀市で行われた講座につづき、第二回目の講座は2020年11月1日に京都・四条烏丸にある「コワーキングスペース京創舎」で行われました。

今回の講座は、記事には欠かせない「写真撮影」について。プロのフォトグラファーから、スマホのカメラでうまく撮るコツやアプリを使用した編集方法などを教えていただき、最終課題である記事作成に活かせるヒントをたくさん得ることができました。

撮影に大切な3つの要素

今回の講師は、フォトグラファーの寺田和代さん。寺田さんは三重県・名張市の出身です。建築事務所、CG制作会社などを経て現在はフリーランスのフォトグラファー、建築に関するCG作成を行うCGレンダラーの2方向において活躍されています。

まずは寺田さんから参加者に質問。「カメラのシャッターを押した時に、何が起こるのか考えましょう」。実は一眼レフでもスマホでも、原理は同じ。シャッターを押すと光を取り込み、写真を撮影することができるのです。その光を調整する上で、大切な3つの要素があります。それが「シャッタースピード」「絞り」「ISO感度」。

シャッタースピードは文字通り、シャッターをきるスピード。分母の数値が大きければ(1/1000など)光を取り込む量が少なく、分母の数値が小さければ(1/30など)光を取り込む量は多くなります。

絞り(F値)の役割は、レンズを一度に通る光の量を制御すること。数値が小さい(F1.4など)と光がたくさん入るため明るく写り、数値が大きい(F11.0など)と暗く写ります。また、絞りにはピントの合う範囲を調節するという大切な役割もあります。

もうひとつは、ISO感度という光の感じやすさを表す値です。ISOの数値が大きくなるほど光を感じやすくなるため、暗い場所でも、手ブレせずに撮影することができます。

一眼レフカメラでは、この3つを調整しなければなりませんが、スマホのカメラはこれらを自動で調整する機能が備わっているのです。

写真の構図と光の向き

次に教わったのは、写真の構図ついて。WEB記事では横写真が使われる事が多いのですが、最近はインスタのストーリーなど縦写真を利用することも。どのメディアに載せるかによって、写真の構図も変わってきます。

また、街並みや風景などを撮影する時には「3分割構図」を意識するとよいというアドバイスもいただきました。カメラに標準装備されたグリッド線を表示して撮影する事で、3分割構図を明確にすることができます。

このグリッド線を使い、被写体を真ん中にして撮ることや、建物をまっすぐ撮影することができます。「まっすぐ撮る」ことに気をつけることで、何を見せたいのかが伝わり、とても見やすい写真になるとのこと。

構図について学んだ後は、光の向きについて教わりました。寺田さんは、「光をどう捉えるかが撮影の大きなポイント」だと言います。撮影する際、最も適した時間は朝と夕方。人物を撮る際は、昼は太陽が一番高く顔に影が落ちやすい。そのため、日陰に入って撮影するなど工夫が必要になるそう。

光の向きには「順光・側光・逆光」があり、それらを意識して撮影することも教わりました。対象物にまっすぐに光が当たるものを「順光」、横から光が当たるものを「側光」、後ろから当たるものを「逆光」。寺田さんが撮影した写真を見せていただきながら、それぞれの見え方を確認しました。

同じ時間に同じものを撮影したのにも関わらず、光の当たり方によってこんなにも雰囲気が変わるのかと、驚きました。仕事にも活かせそうだという方もいて、皆さん興味津々。

加工アプリの使い方

つづいてはアプリを使った加工の方法について教えていただきました。寺田さんのおすすめは、「Snapseed(スナップシード)」。たくさんの加工アプリがありますが、このアプリは28種類ものツールを用いて加工することができます。加工アプリをつかうと解像度が下がってしまうこともあるそうですが、Snapseedはその心配がありません。

中でもおすすめなのは「射影変換」というツールです。スマホのカメラはもともと、広角レンズ。スマホでなくても建物の写真などを撮るときは見上げて撮ることが多くなるため、どうしても歪みがでてしまいがち。そこで、この射影変換を使います。このツールを使うと歪みを補正することが可能になるんです。ツールが使えない場合は、撮影時に予めズームにしておき、被写体から自分が離れて撮影すると歪みが起きにくくなるそう。たくさん並んだ料理や、背の高い建築物を撮影する時に試したいテクニックです。

左:通常モードで撮影した場合 / 右:ズームで離れて撮影した場合

 

もう1つの重要なツールが「ホワイトバランス」。ホワイトバランスとは正確に「白」を表すために調整する機能のこと。例えば暖色系のライトの下では、白いものはそのライトの色が反映してしまいます。「Snapseed」では、写真の中で白い部分を抽出し、ホワイトバランスを調整してくれる機能があります。部屋の照明が影響してしまうときは、一度ホワイトバランスを調整してフラットな状態にしたほうがよいと教えていただきました。

左:ホワイトバランス調整前/右:調整後

いよいよ取材先が決定!

寺田さんからしっかりと撮影について教わった後は、最終課題である取材について情報共有する時間となりました。最終課題は、伊賀市のふるさと納税の特産物についての取材です。「伊賀牛・伊賀米・日本酒・伊賀焼・伊賀組紐」の4つの伊賀特産品について生産者にインタビューを行い、1000文字にまとめます。もちろん撮影も自分たちで行います。

最後にライターの北川さんから取材を申し込む際に送る取材依頼書の書き方や、取材時の質問などを考えるブレストシートについてレクチャーしていただき、第二回の講座は終了。

いよいよ取材先も決まり、次は取材本番。生産者からどんなお話が聞けるのでしょうか。講座の最終回は取材から原稿完成までを取り組みます。参加者の皆さんがどんな記事を書いてくださるのか、今から楽しみでしかたありません!

「肉まんとアイスがあれば、それで」 連載エッセイ【ハロー三重県】第21回

朝が寒くて困る。

お布団から出たくないし、永遠にお布団を抱きしめていたい。
冬の朝6時半なんて、まだ暗くていっそほとんど夜だし、床も壁も冷たいから起きられる気がてんでしない。
アラームを止めて心の中で8回くらい号泣して、ようやくお布団にお別れを告げる。
週の半分は朝からそんなふうにぐずぐず言っているので、起きてからの時間が慌ただしくてしょうがない。
子どもを起こして、着替えている間に朝食の用意をして、食べている間に髪を結ってやって、水筒の用意。目が覚めない長女に何かしらのはっぱをかけて、ごはんを食べさせる。
行ってらっしゃいと見送って、お残しされた朝食を見れば、しっとりと罪悪感が寄り添ってくる。
もっと早く起こさないといけないよねぇ、とか、そもそも私がもっと早く起きないとねぇ、とか、お腹いっぱいたべられなかったかもねぇ、とか、食器を片付けながら後味の悪い朝になってしまう。

*

週の半分はそんな調子で自分にげんなりするばかりなんだけど、そんな私にもスーパーカードが1枚だけある。
そうそれは、泣く子も黙る井村屋の肉まん。肉まんである。

冷蔵庫から出す、3秒。
さっと水にくぐらせる、2秒。
食品ラップをふんわりかける、4秒。
電子レンジで30秒。
やけどに気を付けてお皿に乗せて、食卓へ、4秒。

ここまで、43秒。

これ以上短い朝食への最短ルートを私は知らない。

あとは長女がハフハフしている間に、昨日のお味噌汁を温めて、みかんを渡せばよいのだ。完璧。

肉まんっていうのは、糖質もたんぱく質も、なんなら野菜だって摂れる完全栄養食なので、親心という側面においても安寧。
長女は卵かけごはんすら朝はなかなか喉を通らず、朝食に時間がかかるのだけど、肉まんに関してはその限りではない。
初めて朝食に肉まんを出した日、ぺろりとひとつ平らげた長女を見て、驚いた。肉まん、できる子だった。

そんなわけで、「朝の冷え込みが云々」と天気予報が騒ぎ出したら、とりあえず肉まんを買う。肉まんを買っておきさえすれば大概はなんとかなるのだ。だって肉まんはあったかくておいしい。

今日の朝ごはんは肉まんだよ、と言って喜ばない子はうちにはいない。

*

もちろん一も二もなく肉まんと言えば井村屋の肉まんを買うわけだけれど、井村屋について話すとき、避けて通れない商品があるのでここでついでに書かせてほしい。

井村屋と言えば、あずきバー。はもちろんなんだけど、今日お話ししたいのは「やわもち」。
あれは数年前、出先で初めてやわもちを食べた夫が興奮した様子でその味について話した。

餅が、おいしい。とにかく餅が、黒蜜が、きな粉が。

つまり、やわもちとは、おいしいアイスの上にきな粉とかお餅とかが乗っている、とっても楽しいアイスらしい。聞いた話をまとめれば、和風パッフェのような趣。

そして、しばらくの後、私は三重県総合博物館、通称「みえむ」で、その「やわもち」と出会う。
当時、スーパーではどういうわけかあまり流通していなかったから、夫の話からただ憧れが募るばかりで、期待はどこまでも膨らんでいた。
ショーケースを開けて「これは!」と一同歓声をあげて、いざ、サンショウウオのさんちゃんの水槽の前で実食。
確かにそれは、「餅が!黒蜜が!きな粉が!」という代物だった。
アイスの上にまあるいお餅が5つも(5つも!)乗っている。
へぇ、と簡単に考えないでほしい。餅を凍らせたらどうなるか、カチコチに固まるに決まっている。のだけど、やわ餅に関しては最初こそ少し硬さを感じるものの、次第に柔らかくなって、けれどふにゃふにゃにならず、ちゃんともっちりしているんだった。
そして、黒蜜やきな粉をまぶしながら、もちろんアイスを絡めながら無限の変化を愉しみながら食べられる。すごくない?つまりやっぱり和風パッフェ。
以来、我が家はみえむに行けばアイスを食べるのが通例となって、それはだいたい「やわもち」だ。子どもたちはメロンボール(井村屋)を頂いたりもする。
因みに、メロンボールシリーズにはモモボールとスイカボールもあるというのはあまり知られていない。私もこちらに越してくるまで知らなかった。

*

そして、今年の冬、私はすごいものを知ってしまう。
やわもちファミリーパック。売り場で光を放っていた。
これは……一年頑張った私へのご褒美???冬のお部屋で食べるアイスにぴったりすぎない???最高???だって、ファミリーパックよ???

魂の半分を東海県の片隅に預けてしまったものだから、肉まんと言えば井村屋のものを買ってしまうし、おいしいアイスが井村屋のものであれば、流石ですねと膝を打つ。
一年通してもちろんお世話になるんだけれど、特に今年の冬はことさら、恩恵を受けているので、しみじみと井村屋の三文字をみつめている。

時折、心に出刃包丁を。

松阪市西部に位置する香肌峡は、香肌峡県立自然公園にも指定されており、四季折々の風景を楽しむことができます。紅葉で賑わっていた香肌峡に、静かな冬がきました。

香肌峡の秋。この景色がとても恋しい!
飯南高校のハナノキ

「出刃包丁、作るの見てく?」そう言ってみせてくれたのは、松阪市飯南町下仁柿にある鍛冶屋、鍛冶安大徳さんです。

柔らかな雰囲気で「見てく?」と問いかけてくれたのは幻だったのかと思うほど、ひとたび作業が始まれば、否応なく伝わってくる職人の圧倒的な熱量と、ピンと張り詰めた空気。撮り損ねてはいけないと、カメラを持つ手に力が入ります。(力みすぎて、大半がブレてしまいました。)

鉄に刃の部分となる鋼を貼り付け、また炉の中へ。

 

炉の中から恐ろしいほど赤くなった鉄を取り出し、金鎚で的確に叩いていきます。それを幾度も繰り返すことで、鉄は徐々にかたちを帯びていきます。

これは古くからある「自由鍛造」という技法で、1本の包丁が完成するまで、およそ1週間から10日かかるそうです。それでも納得のいく包丁ができなければ、一から作り直すという職人魂。型にはめて大量生産する技法もあることから、自由鍛造というやり方は一見、時代錯誤のようにも見えるのですが、「効率を重んじる世の中に物申す!」とでもいうように、大徳さんの作るものには、消えることのない職人の情熱が込められており、その情熱が使う人を魅了しているのです。

初めて工房での作業を見て感じたのは、なんだか私も金鎚でど突かれたような感覚でした。普段は、感情の振り子が振れ過ぎないように生活を営んでいることが多い私ですが、その振り子がぶんぶんと大きく振れたような、あの感じ。どう表現すれば良いのかわからないのですが、こんな山奥でとんでもない人に出会ってしまったという、胸熱な余韻でよろけながら、工房を後にしたのでした。

 

時折、心に出刃包丁を。

 なにかの占いで「いつも心に日本刀を持ちなさい。」と書いてあったのを見たのですが、そんなシュッとしたもの持てないわと、占いのことなど忘れかけていた私。しかし、出刃包丁作りを見せて頂いた時、身の引き締まるような思いがして、時折、大徳さんのひとつひとつ個性のある出刃包丁を思い出して、ブレてもいいから基本に戻ろう、そんな風に思うようになりました。貴重な経験をさせて頂き、ありがとうございました。

大徳さんの出刃包丁。

包丁だけでなく、こんなに可愛らしいカトラリーも!

以前、大徳さんのカトラリーを購入し、それらに残る手打ちの鎚跡や感触、温かみがとても気に入っています。カトラリーの出来上がる工程を思いながら、今夜は温かいスープを頂きます。

 

#このひと品 炭焼よこい物語「あてのないピンチはない」

“私は必ずまわりに助けられた”

横井愛子さん

店内は炭火焼きの香ばしい香り。
焼き鳥を手際よく調理しながら、店主の横井愛子さん(以下:ママ)は話しを続ける。

“小さいとき、家がなかったんです”

2歳のときに母を亡くした。1歳の兄弟もいた。船着き場にある3畳ほどの空間で暮らしていたという。

“そこからドラマが始まるわな!”

いつも明るいママは、ヘビーな幼少期もさらっと笑いながら話す。

“あてのない、ピンチはないでな”

カメラを向けると髪を整えながらママは言う。

“スギシンさん(地元の貸衣装屋)行ってこやんでええか?”

 

串5種からはじまった「よこい」。

津市久居、国道165号の野村高架下に店はある。
訪れたのは2020年8月。2020年、飲食業にも大きな被害をもたらす厄介な疫病が蔓延した。緊急事態宣言が開けても、第二波の影響は大きかったという。
書くことで、微力でも何かプラスになることができないだろうか。OTONAMIEの編集会議でそう話すと、どうしても食べたくなるあの店の「このひと品」のことを書こうということになり、私がまず頭に浮かんだのが、よこいの「骨付きモモ肉の唐揚げ」だった。店にきたら必ず注文し、友人にもお節介が過ぎるほどオススメしている。

注文をして、しばらくカウンター越しに調理をしているママと話しをした。

店には久居名物の梨

よこいはママと数名のパートさんで経営している。マスターと呼ばれる男性はいない。
離婚後、28年前にママが二人の子どもを育てるために店を始めた。以前は市内の別の地域で新聞販売店を夫婦で営んでいて、飲食業については全く無知だったという。本当はお好み焼き屋がやりたかったが、什器が高額のため断念。

秘伝のタレ

ママ:別れたおっさん(元夫)のおばあさんが、ダシの作り方を書いた小さな紙を残してくれてあったのを思い出したんです。ダシをアレンジしてタレを作って・・、串を焼くしかなかった。パーマ屋をしていた友人からお金を借りて5月20日にオープンしたときのことは、今でもよく覚えています。

縁のない土地での創業。オープンの日、近くにある日本鋼管(現JFE)の社員寮に、一人でチラシを配り歩いた。

ママ:素人同然。お客さんの声がすべてでした。

最初は串5種しかメニューになかったが、お客さんから突き出しで儲けることや、これが食べたいと言われれば、独学で研究して美味しいと思えるまで工夫を加えた。

常連さんがつけたキャッチコピー・・。ちなみに餃子も「本当に美味しい!」です。

炭焼の焼き鳥が売りのよこいだが、秋口からはじまるダシが染みたおでんのファンも多い。他にも刺身、餃子、カレーまである居酒屋だ。

居酒屋好きで知られるタレントの北野誠さんが、ラジオ番組の収録で何度か訪れた。そのときは、豚足スープが美味しいと誉められたと嬉しそうに話すママ。

ママ:よその味を盗んだことは一度もありません。

 

元気をもらうということ。

電話がなり、米の農家と話していた。

ママ:配達?いつでもええよ。え!そりゃ来年ではアカンやろ。アハハ!

こうやって米の仕入れでも遊ばれると話しながらママが運んできた、骨付きモモ肉の唐揚げ。

このひと品!骨付きモモ肉の唐揚げ

外はカリっと、中はジューシー。塩の塩梅が酒のあてにちょうどいい。使っているのは名古屋コーチン。モモ肉はそのまま揚げず旨みが逃げないよう、丁寧に包丁で切り目を入れることで、身の中までスパイスが染みこみやすくしている。あーこれこれ!このひと品と、骨付きモモ肉の唐揚げをたのしんでいると、常連さんがカウンターに座った。

ママ:生中とゆでたまごでええか?

串5種から始まったよこいさん。今では客の好みに合わせて突き出しを変えている。

ハガキの木(タラヨウ)。葉書の語源でもあり、切手を貼ると本当に送れるそうだ。

お店の人との何気ない会話や、元気な顔を確かめ合うひと時。
あの店の「このひと品」を求めて、そこで元気をもらうということ。

ママはいつも帰りに何かを持たせてくれる。この日は梨だった。

ここは安心できて、肩の力を抜き、落ち着けるところ。
自粛を経て、お店で過ごす大切な意味に気がついたのでした。

・・・、おあとがよろしいようで。

 


 

※2020年12月、ママがご高齢のためオーナーが変わってリニューアルオープン!そしてママも以前と変わらず元気にお店でご活躍中です!

炭焼よこい
津市久居野村町874-1
tel 059-256-8388

 

 

 

稀少価値が高い伊賀牛の全国的にも珍しい地域内消費。「牛はものを言わんからね」熟練の技と愛情を注ぐ。

三重県西部、伊賀市に、飛び切りの牛肉がある。「伊賀牛」と呼ばれるその牛肉は、染み出るようなサシ、香ばしさ、噛めばうま味が広がり、その味は全国的に名のある和牛にも引けを取らないと言われている。
ところが、その価格は多くの有名なブランド肉をはるかに下回る。そして、伊賀牛のほとんどは伊賀市内だけで消費されている。つまりその、味がよく、低価格な牛肉は大変希少でもあるのだ。

 

牛にとって負担がなく快適であること

訪れたのは、伊賀市にある中林牧場。

左から三代目ご夫妻の真一郎さん、有美さん、二代目ご夫妻の幸子さん、正悦さん

二代目と三代目のご夫妻があたたく出迎えてくれた。
牛舎にはおよそ400頭弱の雌牛が飼育されている。


車から降りると、牧場特有の臭いが漂ってくる……、かと思えばまったくしない。マスクを少しだけ下にずらしてもう一度臭いを嗅いだけれど、やはり限りなく無臭。かすかに土と木の混じったような豊かな香りがしただけだった。不思議に思って尋ねると、

「下の環境ですかね」、中林牧場三代目の真一郎さんはそう言って牛の脚元を指した。

中林牧場の三代目、真一郎さん

牛舎の床にはおが粉(木の粉)が敷かれており、たっぷりとした厚みがある。

真一郎さん寝床を極力乾燥させているからだと思います。牛の脚に負担がかからないよう、ふかふかにするようにしているんです。

牛が出荷される時の体重は約750kg。その大きな身体を支える脚になるべく負担がないよう、寝床の床を柔らかく、且つ、清潔に保っているのだとか。

牛の脚元はふかふか!

「ぐっすり寝やす(寝かせる)、ということが大事」。そう話すのは中林牧場二代目の正悦さん。

中林牧場二代目、正悦さん

中林牧場では牛を健康体で育てることにこだわっている。そのためには、よく眠れるということがとても重要だそう。

正悦さん:寝床がしっかり乾燥して、快適でないとぐっすり寝られない。ぐっすり寝ればたくさん食べられる。たくさん食べれば、すくすく育つ。

真一郎さん:食べた分だけ肉の味に繋がります。たくさん食べてよく育った子は味がいいんです。

清潔で快適な牛舎で、牛たちはたっぷり寝て、すくすく育つ。臭いがしないのは、牛に寄り添った牛舎の環境のためだった。

 

畜産に適した盆地の気候

広大な伊賀盆地

周囲を見渡せば、空の広さに驚く。空気が澄んでいて、山から吹き抜ける風が冷たい。キンと冷えた、まるで氷を含んだような冷気が頬を刺す。牛たちは寒くないのだろうか、と牛舎を見ると、牛たちの頭上にはファンがクルクルと回っていた。

筆者牛は寒くないんですか?

正悦さん:牛の体温は38度もあるさかい。人間が寒いと思うくらいが牛の快適な気温

聞けば、伊賀市の気候が畜産に向いているのだという。

真一郎さん:伊賀は盆地なので、寒暖の差が大きいんです。寒暖の差という身体にとって適度なストレスが体内に脂を適度に残そうとするのかな、と考えています。

正悦さん:夏なんかは昼間に暑くてバテるけど、盆地は夜に冷えるもんで朝にはまた食欲が戻るんやな。それでまたたくさん食べられる。そういうこともいいんやろうな。

なるほど、伊賀の風土もおいしさの秘訣。

さらに「この子たち、井戸水を飲んでいるんです」と、真一郎さん。

伊賀は周囲を山に囲まれているので、養分をたっぷり含んだ山からの伏流水に恵まれていて、数メートル掘れば井戸が出るほど。

真一郎さん:ここは淀川水系の最上流なので、水はほんとうにきれいです。牛たちが飲むのは、毎年水質検査をして、人間も飲める水として許可をもらっている井戸水です。

牧場の前の田んぼの側溝を覗くと、田植えの季節でもないのに、清流かと思うようなきれいな水が流れていて思わずなるほど、と頷いた。

 

餌と体調管理は女性が

餌の管理は、正悦さんの代では正悦さんの妻である幸子さんが、現在では真一郎さんの妻、有美さんが主に担っている。餌とひと口に言っても単純ではない。
一頭一頭の様子を見ながら、体調管理を考えながら与えるのだそう。その日の体調を見て、それに合わせて餌を与える。たくさん食べて身体を大きくすることが重要な為、どうすればよりたくさん食べられるか、手探りで確かめながらの重要な作業だ。

筆者:どういうところを見るんですか?

有美さん:餌の時間になっても来ないな、とかその日の姿勢とか、鼻水は出ていないか、とか、いろんなところです。

幸子さん牛はものを言わんからね。こっちが見てやらんと。この子は麦が好きやで食欲がないなら麦を足そうか、とかそういうことも考えながらね。目を見ればわかります。

まるで子どもを育てるような細やかさに驚いてしまう。

正悦さん元気な牛農家には奥さんか嫁さんが必ずおる。

幸子さんに近寄ってくる牛を見て、なんだか納得。

 

買い付けは熟練の技

仔牛の買い付けは今でも正悦さんの仕事。
培ってきた経験と長年の勘をフルに働かせて、仔牛を買い付ける。

買い付けは主に、宮崎県、大分県、佐賀県へ正悦さん自ら出向いている。競りにかかる時間は一頭あたり、およそ30秒から40秒。その限られた時間の中で、あらゆるところを見るのだそう。

正悦さん:伊賀牛に見合う牛を見極めて買う。血統、生年月日、体の大きさ、姿勢の良さ、他にもいろいろ、あとは口の大きさ

口の大きさというのは、どういうことだろう。

正悦さん:食い込ますことができるから、良く育つ。

食い込まし、というのはたくさん食べさせるという畜産業界で使われる言葉。仔牛のときにまず、胃腸や骨を強くするためにたんぱく質や食物繊維が豊富な餌を与えて身体をつくる。

しっかり食べて胃腸を強くすると、成長したときにより多くの餌を食べられる。たくさん食べた牛は、当然よく育つ。そういった流れを買い付けの段階からあらゆる方向から見極めている、ということ。牛の生育や、その後の成長を視野に入れながら、さらには売り先の肉屋さんの目星もつけるというのだから、もはや名人芸だ。

正悦さんの熟練の目利きで買い付けされた牛を、伊賀の恵まれた気候の中、真一郎さん夫妻が丁寧に育て上げる。
それだけでも、味の保証がされていると感じてしまうが、市場に流通しているブランド和牛のように1頭数千万円という値は付けない。伊賀牛は1頭、100万円〜150万円が相場だそうだ。
高値で取引されず、そしてそのほとんどが伊賀市内だけで消費されているというのは、一体どういうことなのだろう。

 

伊賀に根付く地域内消費

筆者:品質は高級肉に引けを取らない、しかも希少性もある。どうして値段が跳ね上がったり、他市、他府県からの需要が高まらないんでしょうか。

真一郎さん:まず、市内にはお肉屋さんがたくさんあるので、市況に影響されないんです。

つまり、地元のお肉屋さんの買い支えによって、常に安定した価格を保っているということ。

真一郎さん:お肉屋さんも不景気だからと価格を下げて生産者がいなくなると、自分たちの供給源がなくなってしまうので。

けれど、全国にある高級肉を尻目に、これだけ手塩にかけた牛肉が比較的低価格であることに、思うところはないのだろうか。

真一郎さん:ありますよ。かといって値段を釣り上げてしまうと地元の人が手を出せなくなってしまいますから。

伊賀市内は古くから牛肉の消費量が多い地域。焼き肉は、お肉屋さんで肉を買い、家で食べる文化が今も深く根付いている。生産者が減っている現状もあるが、実際、伊賀市内での牛肉消費量は他市に比べると多い。

真一郎さん:家庭で食べられる金額でお肉屋さんも売ってくれています。そういう意味でも地産地消が根付いていると感じます。

消費者と、生産者と、販売店、それぞれの支え合いがあって、低価格で高品質が守られ続けているということ。地元のものを、地元で適切に消費することで、助け合っていく。助け合うことで持続され、守られていく。

 

地域と家族に守られて

正悦さんは牛の隣に立ち「かわいい目してるでしょう」と微笑んだ。
「お母ちゃんは僕らには怒んのに、どうして牛にはやさしいの、なんて息子に言われてね」と、笑う幸子さん。牛たちととひたむきに向き合ってきた、家族の表情がそこにあった。

中林牧場の人々は、牛のことを「この子」、「この子たち」と呼ぶ。一頭一頭を大切に、丁寧に、健やかに育てたい、そんな真摯な思いが言葉の端々に自ずと現れる。

美味しい食べ方を尋ねると、「ロースのスライスをフライパンでさっと炙ってね、砂糖醤油をちょっとつける。これがいっちばん」と話してくれた。

牛肉を食べに、牛肉を買いに、伊賀へまた足を運びたい。地元に愛され、家族に愛されたその味をぜひ味わってみたい。

 


 

【タイアップ】

\\みえの旬が1番!食べてお得なキャンペーン//

なんと!賞品総額1億円!
三重県が主催する食べてお得なキャンペーンのご紹介です。

概要
①県内対象スーパー126店舗で対象シールが付いたの地元商品を購入(中林牧場の伊賀牛もポイント対象の商品です!)。
②対象シールを貯めて応募すると、三重県産食材をゲット!
※ご応募いただいた賞品総額が1億円に達し次第、予告なく終了となります。予めご了承ください。
※三重県に在住の方限定のキャンペーンとさせていただきます。

キャンペーン期間
2020年12月1日(火)~ 2021年1月31日(日)
第1回応募締切:2020年12月25日(金) 発送:2021年1月15日(金)から順次
第2回応募締切:2021年2月2日(火) 発送:2021年2月15日(月)から順次
※両日とも当日消印有効 ※点数は通期で使用いただけます。

詳しくは特設ホームページをご覧ください!

特設ホームページ

 


 

お問い合わせ
「みえの旬が一番」食べてお得なキャンペーン 応募事務局
電話番号 050-5538-4724
開設期間 10:00~17:00 ※土日祝、2020年12月29日~2021年1月4日を除く

 

あなたの住むまちの魅力を「言葉」にしよう。 ~地域とつながるライティング講座・1日目@伊賀~

今住んでいる地域や、生まれ育った故郷。あふれんばかりのまちへの思いはあるんだけど、その魅力を人に伝えるのは、なかなか難しい。そんな思いを形にしようと、2020年10月11日に、伊賀市役所で開催されたのは「地域とつながるライティング講座」。伊賀のまちに関わる人たちとともに、書くことを通じてまちの魅力を発信するライティング講座です。3日間にわたり行われる講座の、初日の様子をレポートします。

住んでいるまちの魅力を伝えよう

この日集まってくれた参加者は、7名。ほとんどの方が伊賀出身の方でしたが、中には伊賀に惹かれて移住してきたという方も。最初の自己紹介タイムで「好きなまち」についてたずねたところ、ほとんどの方が「伊賀が好き」と答えてくれました。なんと、参加者のうちの半数の方は「伊賀市若者会議」に参加するメンバー。地域のプロモーションを中心に、伊賀を盛り上げる活動を行っているそう。他の参加者の方も、それぞれに伊賀愛に溢れる面々。

講座の運営をサポートしてくれた、伊賀市役所の柘植さん。

 

講師の北川由依さんは、お隣の松阪市の出身。大学入学を機に北海道へ移住しましたが、その後京都へ移り、今は京都でライターとして活動されています。北海道でまちづくりに関する企業に所属していたときは、北海道のみならず他地方へ出向いて仕事をすることが多かった北川さん。出産にあたり、なかなか従来の活動ができなくなってしまったときに、文章を発信するライターの仕事をスタートさせたそうです。

講師の北川さん。

 

現在は所属している京都移住計画の記事執筆・編集・ディレクションなどを行いながら、他媒体でもライターや企業広報として活躍されています。そんな北川さんから3回にわたり、記事の書き方、読者への伝え方を教えていただきます。

 

書くのが苦手な人は、もっと周りに目を向けてみよう

参加者にたずねると「そもそも書くことが苦手」という方がほとんど。北川さんも「もともと得意ではなかった」と言います。でもなぜ、書けるのか。それは「作家になろうとしていない」からなんだそうです。

書こうとしても、何を書けばいいのかわからないとき。それは、作家のように自分自身からネタを絞り出し、コンテンツにしようとしているから。まずは自分の内側ではなく、外側に目を向けることから始めることが大切だと、北川さんは言います。

自分が働く中や暮らす中で面白いこと、珍しいことを見つけてみる。まずはそこから、スタート。そして自分が発見した「面白いこと」の情報をしっかり集めること。いつ、どのように始まったことなのか。どんな人がどんな風に関わっているのか。情報を丁寧に聞いたり、調べたりした上で、書く要素を集めていきます。

つづいて、インタビューを通じて北川さんがどのように書くことに必要な情報を集めているのか。3分間のインタビューを実践していただきました。相手役は、伊賀市役所の大山さんです。インタビューのお題は「なぜ伊賀市役所に入職したんですか?」という問い。

今回の講習の企画・運営をしてくださった大山さんに、インタビュー。

インタビューの実践が終わり、参加者からは「相手が話し終わるのを待ってから、次の質問を聞いていた」「相手に対する質問が的確だった」などの感想が述べられました。

その他にも、正面ではなく相手の斜め前などに座り相手が話しやすい位置取りをする、「録音しますね」と声をかけてからインタビューを始めるなど、たった3分のインタビューでしたが、多くの学びが得られたようです。

 

「相手の言葉を聴く」ためのポイント

つづいて、参加者がペアになり、互いにインタビューを実践する時間。問いは「なぜ○○さんはライティング講座に参加したのですか?」。一人につき、7分ずつインタビューを行います。

ここでのポイントは、まず原稿の設計図を書くということ。インタビューで聞いたすべての要素を書こうせず、心に残ったことや、他の人にも伝えたいと感じたことにフォーカスして設計図を描きます。ついつい、あれもこれもとよくばりになってしまいがち。しっかりと書くことを取捨選択する必要があります。

最初は不安そうにしていた参加者の皆さんでしたが、インタビューは真剣そのもの。みなさん、北川さんからのアドバイス通り、しっかり相手の言葉に耳をすませて、「聴く」ことに集中されているようでした。

互いにインタビューした後は、相手の言葉を材料にして文章を書く時間です。7分間のインタビューを、400文字にまとめていきます。はじめは「文章を書くのが苦手」と言っていた方ばかりだったのに、ほとんどの方が30分もかからずに文章をまとめ上げていました。

書いた文章を一人づつ発表してもらいましたが、どれもこれも素晴らしい文章!講座に通おうと思った動機だけでなく、相手の話を聞いてどのように感じたのか、書き手の思いも伝わるあたたかな文章ばかりでした。

私自身も、今回のようなライティング講座に通った経験があるのですが、その時、自分が思ったより「文章を書ける」ことに驚きました。こうやって書くコツを教えていただき、時間を決めて書いてみる。そうすることで「文章が苦手だ」と思う気持ちよりが和らぐんですよね。

書いた文章は一人ずつ、読み上げます。読むことでリズムや、文章の流れをチェック。

書いている途中で「もっと質問をすればよかったなと思った」という声も。実際に書いてみることで見えてくることもあるし、他の人が書いた文章を聞くことで、言葉のバリエーションはこんなにも豊かなんだと知ることもできます。

次回は書くことから離れて、写真を撮る講習を行います。記事を作るうえで、欠かせないのが写真。インタビュー記事でも、このようなレポート記事でも、写真は読み手の想像力を手助けするために、必要な存在です。プロのフォトグラファーを先生に迎え、スマホで素敵な写真を撮る方法を教えていただく予定。次回の講習もわくわくしますね!

最後は伊賀の忍者ポーズで、締めくくり。

 

 

 

 

「もうすぐきっと釣りにいく」 連載エッセイ【ハロー三重県】第20回

男子には狩猟の本能が備わっているんだろうか。
長男は小さいころから、魚がらみのおもちゃを欲しがり、少し大きくなると魚と釣り針がセットになったものを欲しがるようになった。
百円ショップでその類のおもちゃをたびたび欲しがるので、我が家にはしょっちゅうちんけな釣り竿がやってくる。
そのちんけな釣り竿で、釣りごっこをたびたび楽しんでいたかと思えば、なにかしらの棒切れの先に毛糸をたらして、即席の釣り竿をこしらえたりもしていた。
ゆっくりとほんとうにゆっくりとだけれど、長男の中で静かに釣りへの憧れは膨らんでいった。

*

現在、6歳になった長男。今日まで釣りらしいことといったら、お家でやる釣りごっこか、大杉谷での野外活動でたった一度だけ小魚を釣り上げたこと、しかないのだった。
6歳のお誕生日を迎えたあたりから、燻った釣り熱が騒ぎ出した。

「釣りしたいなぁ」

ついに、言った、と思った。
私は彼よりもずっと先から、彼の中に釣りへの憧れが膨らんでいるらしいことに気がついていたから、これを聞いたときは、ついに、という気持ちだった。
ついに、気づいてしまったのね、釣りがしたい、という想いに。

とは言っても、一体全体どうやって釣りに取っかかればいいのか皆目見当がつかない。
私は釣りに興味がないし、釣りっていったいどこでするのやら見当がつかない。
橋の上なのか、港なのか、川なのか、それとも船に乗って海へ行くのか。
その辺の用水路で小魚を掬っていたらいいではないか、と思うんだけれど、それではいけないらしい。
やはり、つり糸を垂らして、魚を引き上げる必要があるらしかった。

*

ある日、お仕事で知り合った男性が「釣りが好きで、よく釣りに行く」とおっしゃった。
「息子がここのところずっと釣りがしたいって言ってるんですよ」
と相槌代わりに答えたら、ぜひ連れて行ってあげたらいいですよ、と言われた。
気乗りしない返事をする私に、その方は「三重県にいるのにもったいない……!」と驚いた。
その方は東海四県を暮らしの拠点とされていて、曰く、四県の中でも三重県は釣り人にとってはとてもよい場所なのらしい。
釣りに関して明るくないので、彼の話をどこまで理解できたかは定かでないのだけれど、海でも川でも釣れるしとかなんとかそんなことをお話しされていた(はず)。船に乗るのもいいとか言っていた気もする。

*

そんなお話を聞くと、私の中でも緩やかに釣りという娯楽が立体感を帯びてくるのだけれど、どうしてなかなか腰が重い。
何度も言うようだけれど、私は出不精なのだ。
出不精な上に体力もない。釣りって、なんだかものすごく忍耐とか要りそうだし、釣り竿がそれなりに重たいことも知っている。そんなの6歳がすぐに放りだしかねないし、そうなったらすべての負債を背負うのは私と言うことになるかもしれない。負債って言うのは、もちろん忍耐とか重たいとか、体力が試されるあらゆること。
とはいえ、そんな軟弱な私にだって、母性があるわけで、かわいい息子に釣りらしきことを経験させてあげたくもある。

*

そうして暮らしていた、あれは10月のある日。
夫の実家を訪れたときに少し時間ができたので、賢島のほうへ遊びに行った。賢島駅にはちょうど近鉄特急しまかぜが停車していて、子どもたちときゃあきゃあ言った。
船着き場にはちょうどエスペランサ号が停まっていて、こちらもやはりきゃあきゃあ言った。エスペランサ号はとても絢爛な見た目をしている。
海に沿った道なりにずっと歩いていくと、広い場所に出て、そこで、息子と同じくらいの子どもが海をのぞき込んでいた。傍らに小さな釣り竿。
息子が目を輝かせたのは言うまでもなく、彼らはあっという間に、ほんとうにあっという間にお友達になって、一緒に海に向かって顔を突き出しゆらゆら動く魚を指しては歓声をあげた。
釣り少年は彼の自慢の釣り道具のあれこれを見せてくれ、いろんな疑似餌を竿につけては海に放ってくれた。
それをみては息子は興奮し、すごいすごいと喜んだ。

その小さな背中の眩しかったこと。

彼らは終始和気あいあいとしていて、なにかを狩るというのはやはりそれだけ胸が高鳴ることなんだな、と思うなどした。
私はそんな彼らを眺めながら、その釣り少年のお母さんにいくらか子どもの釣りに関するイロハを教えていただき、心づもりを決めることができた。
釣り道具屋さんに行けば、ちびっ子用に「初めて釣りセット」らしきものが売っているらしく、それを買えば当面はなんとかなるらしい。
釣り場は、この賢島の船着き場に決めた。
義実家からも近く、アクセスが良いし、近くにはおいしいコーヒースタンドもある。観光客がいて少し旅行気分が味わえるところもとってもいい。
それに、ここならまた、釣り少年に会えるかもしれない。

*

以来、息子の釣り熱は過熱する一方で、ここ数日に関しては「釣りに行きたい!明日行きたい!」と言っている。
いよいよその時がきたらしい、近い休日、ちびっ子釣りセットを手に入れて賢島まで足をのばす予定。

桑名の蛤、知ってるようで知らなんだ。問屋さんに聞いてみた!


小学校の時の同級生と久々に、そしてたまたまSNSでやりとりをしたら、

いとこが蛤屋さんやで出産祝いにハマグリ送るわ!と言われ、翌日届きました!早っっ🤣

桑名生まれ桑名育ちの私は、もちろん桑名蛤贔屓なので、先日も三女のお食い初めで、商店街の魚屋さんに地蛤(ジハマと言い慣れ親しんでいます)を買いに行き、お吸い物を作りました。

が、送られて来たハマグリちゃんは、なんと中国産。

おいおい、桑名の蛤じゃないってどういうこと〜??

桑名の蛤は貝殻の模様が八の字なんだぜぇ〜

期待外れだぜ〜

え、美味しいやん🤣🤣🤣

そう、6センチほどもある大きな殻にぎっしり詰まった身。

プリプリで美味しかった。。。

美味しかったよ。。。

そもそも私、桑名の蛤屋さんってどこにあるか知らんし!

マルヨシ水産ってどこ!?

と、現地に伺うことにしました。

迎えてくださったのは5代目の次期社長。

まだ30代の、超子育て世代!親近感!!

取材に連れてった生後4ヶ月の三女がぐずぐずするので、勧めていただいたソファにも座れず、見学しながらお話を聞かせていただく事に。

 

まず、なぜ中国産の蛤なのか。

もちろん地蛤は美味しいです。

ただ、地蛤には明確にシーズンがあります。
地蛤は8月半ばに産卵することから、旨味を蓄える梅雨あたりがとても美味しいとのこと。
それに比べると中国産は安定した品質でリーズナブル。
いつでも美味しいのだそう☺️

中国産なんて美味しくないのでは?と思っていたけど、イメージが変わりました!

TPOに合わせて産地を選べるのは良いですね!

そもそも、中国の蛤は、何日も飲まず食わずでギュウギュウに詰め込まれて日本にやって来るのに、何とも元気なのだそうです。

(一応砂出しするか、とボウルに塩水作って蛤入れて少し置いといたら、戻った時キッチンの床が水浸しになってて、娘が手洗う時に失敗したのかと疑ったけど、犯人は蛤だったという事件発生)

その蛤をまずは畜養池に放します。

元気な蛤は砂に潜っていくが、あまり元気がなかったり、死んでしまった蛤はそのまま砂の上に残るので、ここで取り除きます。

元気がないと砂をうまく吐かず、あの、いや〜な「ジャリッ」になってしまうのです。(美味しいどうこうの前に、あれに一個当たっただけでテンション下がるやつ)

その後元気な蛤だけを、紫外線殺菌した海水で24時間以上砂抜きし、更に人の手で選別し、箱詰めして出荷されます。

この紫外線殺菌がポイントで、蛤の口が開いた瞬間、生に近い最高にやわらかい状態で食べても食中毒になる可能性を低くできるそうです。

どうやら最高級とされる三重県の牡蠣はほぼこの方法で殺菌されているらしいです。(牡蠣はよく当たると言われますもんね)

選別は熟練の技。この方は何個も同時に音を聞き分け、割れた貝などを見つけることができるそうです。

 

もちろん中国産だけでなく、桑名産の蛤も、漁師さんから競り落とした後は、同じように畜養池からの工程を経ます。

マルヨシさんは、元気で美味しい蛤をとる漁師さんというのを知っていると言っていたので、何が違うのか聞いて見たところ、とり方がポイントなのだそう。

乱暴にとると、貝は自分の水管やベロを噛み切ってしまい、弱りやすくなってしまうらしいです。

長年桑名で蛤を買い付けているマルヨシさんならではですね!

 

そんなマルヨシのノリノリの5代目。

親近感。

 

 

そして気になった木箱、とプラかご

なぜか関西方面へは木箱、関東方面へはプラ籠へ入れて出荷されているそうな。昔からそうで、なぜかは四代目も知らないらしい。なぜ。

首都圏のお店へもブランド蛤として出荷されており、

東京の「伊勢すえよし」さんとコラボした

【三重の恵み】プロジェクトで使われているはマルヨシ水産さんの蛤です!

あと、マルヨシさんが扱っているのが三重県産のしじみ。

この日も大きなしじみが選別作業中で、まんまとしじみを食べたくなったので、いただいて来ました。

しじみは冷凍すると栄養価が上がるそうなので、基本は冷凍で販売されています。価格は500gで600〜700円程度(時期によります)問屋直売価格なので、スーパーなどよりは2〜3割安いです。

もちろん蛤も安い!

キロ単位で値段が表記されてますが、「5個ちょだい!」にも対応してくださるそうです。

これはお得。。。

「お食い初めや初節句に蛤欲しいわ」というときは予約しておくと確実です!

 

まだまだいろんなお話を聞いたのですが、私の文章力ではまとまらないのでこの辺で。。。

マルヨシさんの取材記事は「三重の恵み」のページにもあるのでよかったら読んでみてくださいね〜(執筆放棄!!)

 

【お問い合わせ】

有限会社 マルヨシ水産

511−0034  三重県桑名市地蔵147−3

0594-23-4006

コロナ禍によるパラダイムシフト。まだ言葉にならないけれど、部族の暮らしに何かヒントがありそうな気がした話。

「少しだけある部族と生活を共にしました。これまで日本で経験したことのない『幸せ』というものを感じました」

そう話すのはJICA海外協力隊として桑名からバヌアツ共和国に渡り、ビスラマ語を駆使しながら陸上競技の指導にあたっていた糸見涼介さん。

バヌアツ共和国は南太平洋に浮かぶ83の島々からなり、100以上の部族が異なる言葉や文化、信仰を持ちながら暮らしている。

糸見さん:「町(都会)から村(地域社会)に戻って暮らす人も多く、戻った人からの『町はビジーだ』という言葉が印象的でした」
※busyには”忙しい”だけでなく、”ごちゃごちゃ”・”気が休まらない”というような意味も含む

糸見さんが滞在した部族の集落は、世界で最も火口に近付けることで有名なヤスール火山の麓の沿岸部にある。

数分おきに響く爆音と火柱を立てて散る溶岩を間近に見られるヤスール火山

糸見さん:「真っ暗な森に強い風が吹き、すぐ近くの断崖絶壁に波が打ち上げる。遠目には山が赤い噴煙を上げ、時折大地が揺れる。自然の恐ろしさを感じ、なぜこの環境に暮らし続けられるのだろうと思いました」。

糸見さんは部族の方々と過ごすうちに気付いたことがあるという。

 

コロナによるパラダイムシフト。新しい生き方って一体なんだろう。

新型コロナウイルスの感染拡大が社会に与えた影響は大きく、私たちの行動や価値観に様々な変化をもたらした。デジタル化が進み、働き方が多様化するなか、都市部を離れて地域で暮らすことへの関心も高まりつつある。

経済一辺倒の豊かさではなく、自然や地域との触れあいを大切にする生き方を求める傾向も見られるようになった。

そのなかでいただいたバヌアツの部族の暮らしと価値観に触れる機会。

糸見さん:「彼らは人間の力を越えた存在である自然に、畏怖と畏敬の念を抱きながら暮らしているように思いました」。

そして象徴的なエピソードを話してくれた。

糸見さん:「火起こしをしている時に『火の声を聞け』と言われました。彼らが信仰しているのは、全てのものに精霊が宿っているというアニミズム。信仰に誇りを持ち、守り続けています」。

自然への感謝は食を通じても感じたという。

糸見さん:「その村の主食は芋類。食の愉しみ方は味付けというより、食材を獲る、調理する、みんなで食べる。それらを全て自分たちで行うので満足度は高いです。祭事のときには飼っている豚が御馳走として神に捧げられ、みんなで食べます。晴れの日は畑や狩りに出て、雨の日は家でゆっくり過ごしていました」。

未来への漠然とした不安などはないのだろうか。

糸見さん:「余剰食糧は基本持ちません。子どもも村という共同体で育てる。食材に恵まれているためか焦りがなく、どーんと構えている感じでした。町や近隣の国へ出稼ぎにいくこともあります。貨幣はあまり必要ではありませんが、町には小さな商店がいくつかあるので缶詰や飲み物など自給自足では手に入らない物品を購入することもあります。ちゃんと働いて悠々自適というのか、どちらも許容されている印象を受けました」

部族は食事以外のことも自分たちで行う。全員が大工であり、農家であり、漁師であり、猟師であり、料理人でもあるという。

 

ちょっと紹介。バヌアツの伝統文化

1.魅惑の飲み物カヴァ

糸見さん:「胡椒科の植物の根を水でこしたものです。あらゆる儀式で使用される。日本人でいうお神酒のような存在というのかな。鎮静作用があり、文化的にも輸出品としても重要な飲み物として位置づけられています。因みに美味しくはないです(笑)今でこそ都市部ではカヴァバーなどがあったりして、お酒と並ぶ嗜好飲料として好まれていますね」

2.世界一厳しいプラ禁止ルール

糸見さん:「島国は海洋被害をもろに受けます。海がとにかくきれい。そういう意味では環境への意識は高いかもしれません。もともと葉や枝の編み細工が日常に組み込まれていました。弁当も紙。布バックを持ち歩く習慣があります」

3.バンジージャンプの発祥地

糸見さん:「発祥はペンテコスト島で行われているナゴールという成人の通過儀礼。収穫を占う祭事として行われています。2、30mの櫓から足に巻いた木のつるだけを頼りに地面へ決死のダイブをするんです。地面に近いほど良いとされているそうなので、中には命を落としたり、大けがをしたりするものも少なくなかったと聞いています」

 

最後に…

今回お話を聞かせてくれた糸見さん。

JICA海外協力隊としての当初の夢は、バヌアツの代表選手を東京オリンピックへ連れて行くことであった。実際に現地に渡り、スポーツは社会を明るくする希望であると実感ができた。ゆくゆくは国際開発の仕事に就く夢も膨らんだという。

しかし今年3月、コロナ禍により、JICA海外協力隊員は日本に一時帰国となった。現在はリモートで現地選手の競技サポートしながら、再派遣を待っている状態である。

糸見さん:「バヌアツに関わり続けることは、自分のキャリアにとっても必要だと感じています」

バヌアツでの暮らしを経て、心境の変化はあったのだろうか。

糸見さん:「多様性を肌で体験したことで価値観が変わりました。平均を基準に物事を考えなくてもいい。それぞれのアイデンティティや考え方を大事にすること。一方、日本とバヌアツに共通している点はともに自然に畏怖や畏敬の念を抱いてるところだと思いました」

農耕文化によって定住が始まり、文明が生まれた。社会における職業や役割の分担が進んだ。私たちの生活は便利で効率的だ。大抵のことはお金で解決ができたりする。

新型コロナウイルスを機に、働き方が変わり、住む場所も暮らし方を考える動きが広がり、幸せと豊かさの違いも見えてきた。

加速した消費社会のなか、”今”を大切に、自主自立の精神を持ち、その上で団結して立つ部族の生き方に、まだ言葉にはならないけれど、ほんのりとヒントを得られたような気がしたのだ。

取材協力:JICA
※この文章は個人の体験に基づいており、バヌアツの歴史・文化等をすべて正確に反映しているとは限りません。


3年ごとに日本にて開催している島嶼諸国との首脳会議「太平洋・島サミット」。2021年に開催が予定されている第9回太平洋・島サミット(PALM9)は三重県志摩市で開催することを決定しました。開催に向けて島嶼諸国について理解を深める情報を発信中です。

facebook https://www.facebook.com/P9mie/
Instagram https://www.instagram.com/p9mie/?hl=ja
Twitter https://twitter.com/p9mie

首都圏と三重を繋ぐ新しい試み「ローカル記事アクション」で揺さぶられた、所有するという概念って何だ? in 金川珈琲【連載・後編】

※本記事は、ぜひ!前編(12/4公開)・中編(12/7公開)も合わせてご覧ください。

前編中編に続く後編でも、iPadを持ってZoomで首都圏に暮らす移住希望の参加者と繋ぎながら、連載最終話のオンライン取材へ。

 

–縄文時代から、水銀で栄えていた映える町並みの丹生。

東京で3代続く人気珈琲店、金川珈琲が多気町の丹生地区の古民家に移転し話題となっている。

店に立つのは金川幸雄さん。

祖父・英一さんが昭和26年に喫茶キンレイを開店し、父・正道さんは本場ブラジルに渡り日本人初のブラジル「コーヒー鑑別人」の資格を取得するなどまさに珈琲一家で育った金川さん。子どものころから店の手伝いをしていたので、後を継ぐことに抵抗はなかったという。しかし都会に育った金川さんは、幼いときから田舎があるというのが羨ましく感じていて、いつかは田舎暮らしがしてみたいという想いがあった。そして辿り着いたのが丹生だった。

金川さん:最初見せていただいたとき、立派な古民家だなと思いました。その時はまさか譲り受けることができるなんて思ってもなかったです。

金川珈琲の古民家は、元は呉服屋の商家だった。敷地面積約340坪、建物面積約150坪で梁には立派な欅(けやき)が使われている。しばらく空き家になっていたが、地域からは文化財的な位置づけにあった。

空き家の管理のために遠方から通っていた所有者の川口夫婦と知り合うことができ、その後は一緒に食事をしたり、家に招いてもらうなど家族のような付き合いが始まった。それでも金川さんは譲ってもらえるとは思っていなかったという。しかし川口夫婦の金川さんへの理解が深まり、価格の話に。

金川さん:こちらも予算に限度があるので、家族のように接してくれる川口さんとお金の話をするのは、私もそして相手も辛かったと思います。おたがいにそんな苦しい状況を乗り越えて、使わせていただけることになり「あとは金川さんの好きに使ってもらっていいからね」とあたたかく言葉をかけていただいたときは、本当に嬉しかったです。

その後、地域の協力もあって古民家の改修が進み、いよいよオープンが迫っていた。そんな折、世話になった川口夫妻の旦那さんが他界したと知らされた。

金川さん:お二人を喜ばせることを目的にがんばってきたのに。悔しくて、モチベーションをどこに持っていけばいいのかわからなくなりました。

店でオープンの準備を進めていた冬のとある昼さがり。

金川さん:冬なのにやけに暖かいなと思ったんです。なんとなく視線を感じるというか。

そこで、こんな考えが巡ったという。

金川さん:もしかして、川口さんが近くで見ていてくれているのかも知れない。そう思うと、沈んでいる場合じゃないって思えたんです。

日本の古い家屋は影があることで、そこに暮らす人の創造力が膨らむと聞いたことがある。直射日光を一度、障子や格子でフィルターをかけることで、陰影を作ったり柔らかくぼんやりとした光に変換し、室内は人が落ち着ける状態の空間になる。そして木の国日本といわれるだけあり、古くなるほど、そこに人が暮らし続けるほどに味わい深くなるよう施された木材からは安らぎを感じる。そんな空間にいると、思い出話しとともにそこで過ごした人の人柄も、うっすらと感じ取れるから不思議だ。

 

–土に還る古民家は生き物。

金川珈琲を手掛けたのは、山路工務店の一級建築士で古民家鑑定士一級の小林健一さん。実は山路工務店は小林さんが以前勤めていた住宅メーカーの取引先でした。そんな小林さんに古民家へ魅せられていった理由を伺った。

小林さん:前職のときに古民家を壊して新築を建てるという仕事があったんです。そのとき取り壊される梁を見て施主のお母さんが泣いてたんです。こんなにも大切な家を、本当に壊していいのかと思いました。それが前職での最後の仕事です。

そのときにどうすることもできなかったという経験をした小林さんは、古民家の勉強をはじめた。

小林さん:利便性の高い新興住宅地に新築の自宅を建てたんですが、5年で売りました。実際に古民家に住んだ方が勉強になるので、古民家を買いました。

小林さんは古い町並みが残る伊賀市で育った。昔から古いものに興味があった小林さんは、古民家は生き物のようだという。

金川珈琲を改修したときに、不要になった古民家の木材でつくったティースプーン。

小林さん:昔は地域の人が協力し、長い時間をかけてみんなで家を造っていました。そして壊れたら直して使い続ける。例えば土壁が崩れても、崩れた素材で直すことができます。そして伝統的な日本の古民家は壁も梁も瓦も、土に還ることができる。

金川さんと小林さんの話を聞き、不思議な感覚を覚えた。
私事で恐縮だが新興住宅地に生まれ育った。それでもたまに帰る築40数年の実家には思い入れがある。ただ地域にある他の家に思い入れというのは感じない。しかし古くから続く町や村の人にとって、祖父母や親から語り継がれてきた古民家には特別な思いがあり、その思いの集合知として古民家を大切に思っているのかも知れない。

金川さん:今でもこの古民家は自分のものとは思っていないんです。地域で大切にされてきた家を、子どもや孫の世代まで大切に引き継いでいくために大切に守っていきたいです。

 

–現代に存在している、所有するという概念って何だ。

今回、まめやからスタートした「ローカル記事アクション」のオンライン取材中に感じたことがある。それは、所有するという概念はいつから肥大化してきたのだろうということ。農村では作物を育てる過程で、大地、水、太陽という自然を共有し暮らしている。そして作物を育てる際は、出荷する以外にシェアするためのお裾分けの分が含まれている。私財を投げ打ってまで町の発展を支えた人や、それを語り継ぐ人がいる。地域の歴史文化とともにある古民家は生き物のような存在で、後世に残すことを念頭に造られ地域で大切にされてきた。
積極的移住や地域での起業などの実体験がなく、小さな印刷屋の息子として新興住宅街に育った私には、村の暮らしを語る資格などはまったくないが、最近のまちづくりという言葉に違和感を感じることがある。2004年に人口がピークに達し、この先人口減少社会が進む日本において「まち」は既に在るものだと思う。語弊を怖れずに書き足すと、こんな時代に「まちをつくる」だなんて、片手に持ったオニギリをごみ箱に捨て、ピザの宅配を注文するようなものだと思う(ちなみにピザは好きです)。長い日本の歴史を見れば、所有するという概念は、経済優先の近現代的だと感じた。時代はもどることはないけど、古き良き時代の価値観をアップデートさせることはできるし、地方創生時代に入った日本の各地で、そのような動きが出てきている。

前編「まめや」の北川さん
中編「丹生散策」の中西さん
後編「金川珈琲」の金川さん

今回訪れた丹生地区も、地元の伝統文化を大切に継承する地元の人と、移住者が新しい魅力を発見することで、水銀の産地から大商屋が繁栄して町となり、その後農村になった、さらにその先の時代を垣間見たような気がした。シェアする時代に所有することに執着したり他と比べる必要はなく、平均点も幸福度ランキングもいらない。
最後に今回参加した唯一の20代、奥田さんに若者の感想を聞いた。

奥田さん:三重出身で今は東京の新小岩というところに住んでます。下町で、常連客のおじさんが行くような小さな居酒屋に通うようになりました。喩えが悪いけど、スーツ姿のサラリーマンもいれば歯の抜け落ちたおじさんたちもいます。いわゆる雑多な感じです。20代で通っているのは僕くらいで、多様性と言うときれい過ぎますが、その雑多な感じが好きで話もおもしろい。良い大学に入って、有名な企業に就職しなければ、というレールの上で小さいときから競うように育ち、大学進学で地元を離れました。そしていざ就職するときになって、レールの上のような人生に違和感を感じていては遅いと思いました。そんなとき、小さいころ地元で過ごした思い出が甦り、涙が止まらなかった。でも当時、僕が生きていた社会では、そんなこと絶対にいえない。今は比較的自由に働ける会社に勤めながら、いつかは地元に帰ろうと思っています。今回参加して、地方での暮らしを自ら楽しめれば、やりたいことがやれる場が田舎にはあると実感しました。そして通っている居酒屋のような、と言うと語弊がありますが、地方の暮らしも雑多な感じがして楽しそうだと感じています。

移住したい人にとって魅力的な農村も漁村も、三重にはいろいろある。いや三重という枠組みを外してもいいと思う。島国日本には、いくらでもアップデートして暮らしを楽しめ、誇るべき歴史文化が在るのだから。

 


 

おまけの話「連載を終えて」
担当者の方から、連載の締めの部分に「暮らしの在り方などを書いて欲しい」とリクエストがありました。しかしそんな壮大なことを書ける身分ではなく、人生において大した経験もないので「ローカル記事アクション」に参加して感じたことを書きたいと思います(担当者様ごめんなさい)。
移住ってハードルが高いなと常々思っています。わたしは子どもが3人いて普段の生活はバタバタ。古民家は大好きなのですが、移住を現実的に考えるどころではなかったりします。仕事も何とかやっていけるレベル。家のローン、仕事、以上!おやすみなさい!みたいな暮らしっぷりなわけです。
でもコロナで今の暮らしを考え直したのも事実です。食べていけるだけのお仕事があるのは、人のご縁に本当に恵まれていると思います(皆さまいつもありがとうございます)。しかしながらこのままのペースで70歳くらいまで仕事漬けでいいのかな、根底からもう一度見つめ直したいなと、コロナ禍で思いはじめました。仕事も打撃を受け余裕は以前にも増してなくなっているのですが、それでもこのままでいいのか、と自問することがあります。
とくに今回のオンライン取材を通じて、やっぱり田舎に流れるゆったりとした暮らしやあたたかい人の空気感に触れると、表現は難しいのですが、直感的に私のこころは「いいなぁ!」と言っているようです。
そして移住して地方の暮らしをたのしんでいる人を取材すると、いわゆる移住という感じではなく、それは仕事を持ったまま、または仕事の一部を変更しながら、引っ越しただけなのでは、と思えてきます。移住者に移住した理由を聞いても即答する人は少なく「この地域のおもしろい人と仕事をすることになったから」「なんとなく通っていたら役場の仕事をすることになったから」と、なんとなくの感想が多い印象です(それを記事にするのは結構大変・・)。
そして皆さん、羨ましいくらいに楽しそうです。もちろん苦しいこともあるとは思うのですが、気持ちが前向きで何か魅力を発見して喜んでいる様子が印象的です。
だからこそ、地方で暮らしたいと考えている方はいろんな地域と接点を持ち、とりあえず地域や地域の人と繋がることで、ひょんなことから移住する理由が生まれる可能性はあると思っています。今回の「三重暮らし魅力発見サポーターズスクエア事業(長い!)」も、きっとそのような繋がりづくりには、とてもいい機会だと思います。それは移住希望者の方も、地域に暮らす町を元気にしたい方にとっても、たのしいことが始まるきっかけになるのかも知れません。
あとオンラインイベントなどでも話すことがあるのですが、私は10数年前に家を新築で買ってしまいました(ローンたっぷり・・)。知らなかったんです。こんなにいい古民家が、県内各地にあるだなんて・・。当時の自分に「ちょっと待った!」コールを掛けてあげたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!私もいつか古民家で、囲炉裏を囲んでみそ田楽を食べたり、小豆が獲れたらぜんざいを作ったり、そんな暮らしとローン完済を夢見て・・。

 


 

【タイアップ】
2020三重県暮らし魅力発信サポーターズスクエア事業
(主催 三重県/事務局 アド近鉄)

詳しいお問い合わせは、三重暮らし魅力発信サポーターズスクエア事業
(事務局代行 : 株式会社アド近鉄)まで
e-mail mie.kurashi@gmail.com

三重県への移住は、三重県移住・交流ポータルサイト「ええとこやんか三重」をチェック!https://www.ijyu.pref.mie.lg.jp/

 

首都圏と三重を繋ぐ新しい試み「ローカル記事アクション」で感じた、体温のある暮らし in 丹生散策【連載・中編】

※本記事については、ぜひ前編後編(12/9公開予定)も合わせてご覧ください。

–縄文時代から水銀で栄えていた映える町並みの丹生。

前編に続く中編は、iPadを持ってZoomで首都圏に暮らす移住希望の参加者と繋ぎながら、丹生をぶらりと散策。

ご案内いただいたのは、多気町勢和語り部の会から、生まれも育ちも丹生の中西正勝さん。

丹生のシンボル、神宮寺(丹生大師)の立派な山門からスタートし、伊勢参宮の道として多くの旅人が利用した和歌山別街道を歩く。

歴史を感じる町並みにはところどころに古民家が残り、道幅が広くないので散策をしても建物との距離感が近く趣を感じられる。参加者にも町並みの感想を聞いてみた。

多地さん(参加者):農村の古民家というより、古民家がオシャレな町の印象ですね。

以前に丹生は水銀で栄え、その基盤を元に大商屋なども発展し、いまは農村になっていると聞いたことがある。残っている古民家のなかには元商屋が多く、立派な古民家が多い。そのあたりを歩きながら中西さん尋ねることにした。

中西さん:丹生は縄文時代から水銀の採掘が盛んに行われていました。東大寺の大仏などに、金を定着させるために丹生の水銀も使われていたそうです。

丹生から櫛田川でつながるおとなりの松阪市の射和という地区があり、室町時代から戦国時代にかけて丹生の水銀を使って白粉(おしろい)を作っていた。その製造所は83ヶ所もあり、町は栄えていたそうだ。白粉は「伊勢白粉」として全国に流通し、背景には伊勢恩師の存在があった。伊勢恩師は全国を回り、神宮の御札と一緒に伊勢暦や伊勢白粉も配っていたそうだ。

こちらの碑でも丹生の繁栄について教えてもらった。
三井グループや三越などで有名な三井家の発祥地は、現在の松阪市中心市街地にある本町。江戸で越後家呉服店を創業し三井財閥の礎を築いた三井高利の母・殊法は丹生の大商屋永井氏の娘。つまり丹生はそのような大商屋が存在した町だった。

 

–首都圏の参加者は云う「LOVEがないと根付かない」。

趣を感じる町並みには、古代からの繁栄の影響があるのだと知ると、また見え方も違ってくるからおもしろい。

そして今はのどかな農村で、時間はゆったりと流れている。

軒先で収穫した黒豆の仕分け作業をしている、中西さんの知り合いに出会った。「いい天気ですね」など、たわいもない会話。

中西さん:ここの黒豆は美味しいんですよ。

話を聞いて、やわらかい笑顔が印象的なおばあさんから「これ、もってき」と、たくさんの黒豆をいただいた。前編でも書いたが、お裾分けでいただく食材の量の多さに驚くと同時に、少しだけ申し訳ない気持ちになる。あの、本当にいただいていいんですか?

おばあさん:ええんですよ。もっていってあげて。

丹生の人からすれば些細なことかもしれないが、暮らしのなかで知らない人からのやさしさに触れることがあるのとないのでは、日々の心の温度が違う気がした。

多地さん(参加者):人と助け合ったり、モノを交換したりする昔からある暮らし方。仕事をしているだけというギスギスした感覚になることもあるなか、何のためにお金を稼ぎ、何が大事なのだろうと、思うときもあります。

散策の終着地ふるさと屋は、丹生を農村として発展させた西村彦左衛門の生家であり、商屋造りの立派な古民家。西村彦左衛門についてお話を聞かせていただいた。

江戸時代になると丹生では水銀が採れなくなった。この周辺にある農地は水源である櫛田川より高いところにあり、昔の人は水が引けないため米が育たず、村人たちの暮らしは苦しかった。そこで代々の酒蔵を営んでいた西村彦左衛門が私財を投げ打ち、15年かけて約30kmの立梅用水を完成させたことで農村として栄えていったという。

前編に登場したボート下りに使われているのは、江戸時代に築かれた70メートルの素掘り(手掘り)トンネルの用水路。

また西村彦左衛門という人は、生活に困っている村民がいると知れば、ひそかに窓の下から米や銭を投げ入れていたという逸話も残っている。それは穏やかな農村に暮らす人の気質なのだろうか。なんとなくだが、北川さん(前編)や中西さんのように、個人的な利益の追求ではなく、地域のために活動している人と彦左衛門さんは少し似ているなと思った。

散策を終えたころには夕暮れ時が近づき、歴史ある町並みに哀愁を感じた。それはきっと、町の成り立ちや魅力を教えてもらったり、この地に暮らす人のあたたかさを知ったから、余計にそう感じたのかも知れない。
ところで最近増えている移住者について、中西さんはどう思っているのだろう。

中西さん:丹生全体ではどうかわからんけど、少なくとも我々はウェルカムですわ。移住者の人たちには、感謝しかないんです。

外から目線を持った移住者は、地元で生まれ育った人では気付きにくい村の魅力を発見し、地元の人がその魅力に目を向けるようになる。丹生に暮らす大人たちがそのように変化することで、子どもたちや若い世代も村の文化に誇りを持つようになる。

そんな魅力に気がついた一人であり、生粋の地元民の中西さん。最後に改めて丹生の魅力について聞いた。

中西さん:気候も人も温暖で、良く言えば穏やかです。まぁ、ぼーっとしてますわな。ははは。

そう謙遜して笑い話しにする中西さんと短時間だか一緒に過ごし、生まれ育った地元に誇りを持っている姿に羨ましさを感じた。

近藤さん(参加者):最後の中西さんの言葉を聞いて、これこれ!これが三重っぽいと思いました。三重県出身者として東京で暮らしていると、このリズム、空気感がなつかしくて魅力的なんです。東京での生活は長くて、今住んでいる地域のことをいろいとやってきたのですが、なかなか自分の中で根付ていかない。中西さんのお話を聞いていると、LOVEがないと根付かないんだなと。頭で好きになろうとしても、なかなかできない。そしてワイワイと楽しんだり、苦労もしながら生きてきた場所というのは、すごい財産なんだと思いました。昔からの文化の継承に前向きで、なおかつ移住者に “ありがたい” とまで言ってくれる人がいる丹生は、これから生きて思い出を蓄積しながら愛していける場所なのかも知れないですね。北川さん(前編まめや)や中西さんのようなお二人がいる地域で子育てをしたら、楽しそうだなと思いました。

次はいよいよ最終話の後編
丹生にあるとある古民家に魅せられた移住者と、古民家を想うお二人のお話です。

 


 

【タイアップ】
2020三重県暮らし魅力発信サポーターズスクエア事業
(主催 三重県/事務局 アド近鉄)

詳しいお問い合わせは、三重暮らし魅力発信サポーターズスクエア事業
(事務局代行 : 株式会社アド近鉄)まで
e-mail mie.kurashi@gmail.com

三重県への移住は、三重県移住・交流ポータルサイト「ええとこやんか三重」をチェック!https://www.ijyu.pref.mie.lg.jp/

 


 

【三重での暮らしに興味がある人集まれ! 東京スクエア【オンライン】交流会】

▼詳細・申込みはこちちから
https://www.facebook.com/events/529017011315073

首都圏と三重を繋ぐ新しい試み「ローカル記事アクション」で知った、継承される農村文化 in まめや【連載・前編】

※本連載記事はぜひ!中編(12/7公開予定)・後編(12/8夕方公開予定)も合わせてご覧ください。

三重に自分の居場所を見つけよう!という趣旨で行われている「三重暮らし魅力発信サポーターズスクエア事業」という取り組みがあります。これは三重への先輩移住者や行政の移住担当者からなる「三重スクエア」と、三重に関心がある人や、自分のスキルを三重で生かしたいと考える首都圏在住の移住希望者からなる「東京スクエア」が交流し、双方向交流サイトやWeb記事の作成などを通じて関係性を醸成することを目的とする移住促進事業です。

その事業の中で、参加者が地域の人に地域の魅力を教えてもらうオンライン取材を中心とした「ローカル記事アクション」を実施。OTONAMIE から現地ナビゲーター的な役割で参加させていただきました。

オリエンテーション、取材、記事検討会を行い、実際に首都圏からの参加者とお会いすることなくオンラインのみを活用し、移住希望者にどこまで三重の暮らしの魅力を感じてもらうことができるのか・・、正直、アナログ思考のわたしは悩みました・・。今回はZoomを会議ツールとしてではなく、生中継的に取材ができるツールとして活用しました。

iPadとスピーカーフォンを持ちながら中継をするため、指がつりそうでした(笑)

悩んだ末にたどり着いた仕組みは、iPadでZoomを参加者と繋ぎっぱなしにしてWi-Fiネットワークを経由してオンラインで取材を行うというもの。それを遠隔地にいる参加者がリアルタイムで見たり質問をしたりするというデジタル技術を使った、なんともアナログ発想なものでした(しかし想像以上に心通う、ハートフルな感じになったのでオススメ!)。

参加者は首都圏に暮らし、将来的に地方移住を考えている4名。狙いは取材を通じて三重での田舎暮らしにより興味を持っていただくと同時に、首都圏在住の参加者らしい外目線で、地域の魅力を発見していただくこと。今回、参加者とは事前のオリエンテーション「みんなで記事を考える会」で取材先を厳選するなど準備を進め、オンライン取材の当日を迎えました。

参加者が書いた記事は、三重県移住・交流ポータルサイト「ええとこやんか三重」に掲載されるので、こちらも合わせてぜひチェックしてみてください。
https://www.ijyu.pref.mie.lg.jp/

後日行った記事検討会では参加者が書いた記事を持ち寄ったり、取材を通して感じた移住希望者視点での三重の暮らしの魅力などを話し会いました。その内容の一部は今回のOTONAMIE連載記事にも反映しています。ここで、少しだけ参加者をご紹介。
多地さん:農業や自然食品に興味のある。
奥田さん:ボランティアで高校生向けキャリア教育をおこなっている(三重県出身)。
近藤さん:過去に仲間と古民家の改修なども行ったことがある(三重県出身)。
高山さん:サイエンスライター(検討会は諸事情により欠席)。

では、魅惑のオンライン取材のスタートです!

 


 

–首都圏の参加者と一緒に、オンライン取材で地域の暮らしを体感。農家レストラン「まめや」。

舞台は三重県多気郡多気町の山間にある農村、丹生(にゅう)地区。町村合併前は勢和村に位置し、今は人口は約970人、およそ300世帯が暮らしている(2015年)。そして気になるのは、最近移住者が増えているということ。なぜ移住者が増えているのか、というテーマも交えながら三重や丹生の魅力をお伝えしたい。

 

快晴の秋空のもと、せいわの里まめやに到着すると鳥の声、野焼きの香り、庭からは「メ〜」とヤギたち。田畑が広がるのどかな場所にあるまめやは、農村料理レストランに直売所が隣接している。人気店とだけあってクルマの出入りが多い。

“小豆が穫れたので、ぜんざいを始めます” というユニークな表現の貼り紙。

その言葉どおり、ここでは地元の農家から食材を仕入れ、全てレストランで調理。

直売所にも食材や惣菜など並び、京都の料亭などで重宝される高級芋「エビ芋」も販売されていた。

 

別日に生産農家をたずねた折、食べきれない程のエビ芋をいただいた。田舎独特の食材をもらう習慣が残っている。

レストランは11時から14時までバイキング形式。そして何度探しても肉や魚が見当たらない。丹生に生まれ育った代表の北川静子さんに理由を聞くと「ここら辺の農村のタンパク源は大豆だから」と教えていただいた。

店内にはみそ田楽が焼ける香ばしいにおい。

代表の北川静子さん

北川さん:子どものころ、桜が咲くとおじいさんがみそ田楽を焼いてくれて。もくもくと上がる煙を見ながら自分の分が焼き上がるのを待ってますやんか。いま思うと贅沢な時間だったと思います。遠くからきてくれるお客さんにも、そういう丹生らしさを感じて欲しいです。

16年前に仲間とまめやを立ち上げた北川さん。当時は田んぼの真ん中に農村料理店を作って人がくるのかと心配もされたが、いまでは20代〜80代まで35名の雇用も創出。北川さんには開店当初から変わらない想いがあるという。

北川さん:同じ惣菜を作っても、地域の70代〜80代の “お師匠さん” が作る味はどこか違うんです。まろやかで心が落ち着くというか。食べた人が “あぁ、生きとってよかった” と、いわはった。そんな農村文化を守りたい想いがあります。

多地さん(参加者)家族に美味しい物を食べさせようという思い。名店のレシピで作っても味は同じにならないように、お料理はレシピだけが大切なのではなく “お師匠さん” という “隠れた名人” の技が大事だと感じました。受け継がないともったいない。地域の文化の継承は、お金で買えない大切なことですね。

さらにまめやでは、子どもも参加できる農村文化の継承を実践している。その仕組みは子どもから、つくし100gを100円で買い取ること。しかし摘んできたままのつくしは買い取らず、はかまの部分を取り除いてあることが条件になっている。子どもは飽き性。はかまを取り除く地味な作業に飽き、家に摘んだつくしを持ち帰る。そうすることで、手の空いている祖父母や親が一緒になってはかま取りをする。家庭のなかで会話が生まれ、農村文化が残るというカラクリだ。

奥田さん(参加者):子どもたちは、まめやに来ていたお客さんからも「すごいね!」と驚かれる反応を見て、さらにやる気になると聞きました。いい仕組みだと思います。

その辺に生えているつくしは、店でキャッシュに変わる。それを知った子どもたちは、つくし以外にも「よもぎもあるやんか!イタドリもあるやん!」と自主的に売りにきたという。

北川さん:子どもたちすごいんですよ(笑)。私はこの村の子どもたちに、故郷の思い出を焼き付けてあげたいんです。村を離れて大人になって辛いことがあっても、こういう思い出を通じて心のなかに “ふんわりとしたあったかいもん” があると、きっと強く生きていけるんちゃうかなと思っています。そして一人くらい、村に戻ってきてくれたら嬉しいです。

近藤さん(参加者):その言葉、ずっと心に響きそうです。以前とある集落の古民家を改装していて見つけたのですが、結納品から農機具、ざるまですべて手作りでした。農村では戦後くらいまで、そんな手作りの暮らしが残っていたみたいです。そのようなモノではないですが、まめやさんが残そうとしている農村の文化に魅力を感じます。

最後に北川さんに、丹生へ移住する魅力について尋ねた。

北川さん:耕作放棄地も多いので農業もできます。収穫した野菜をまめやに売りにきてもらってもいいです。そうやって農業をしながらまめやで働いているスタッフもいますよ。

移住のハードルとして仕事がないと語られることも多いが、農業や田舎での子育てに興味のある人にはとてもよい場所だと思う。

優しい味がする農村料理をいただき、まめやを後に。散歩がてら店の前にある広場に向かうと、丹生が農村として発展した重要な事実を知ることになるのだった…続きは中編で!

 

重要な事実のヒント!

このボートで用水路のトンネルくぐりが楽しめる・・、らしい。
気になる。

 


 

【タイアップ】
2020三重県暮らし魅力発信サポーターズスクエア事業
(主催 三重県/事務局 アド近鉄)

詳しいお問い合わせは、三重暮らし魅力発信サポーターズスクエア事業
(事務局代行 : 株式会社アド近鉄)まで
e-mail mie.kurashi@gmail.com

三重県への移住は、三重県移住・交流ポータルサイト「ええとこやんか三重」をチェック!https://www.ijyu.pref.mie.lg.jp/

 


 

【三重での暮らしに興味がある人集まれ! 東京スクエア【オンライン】交流会】

▼詳細・申込みはこちちから
https://www.facebook.com/events/529017011315073

OTONAMIE PUSH EVENT【2020.12.3update】

\こんにちは!広報担当のともーこです!/
イベント情報をご紹介していきます。
※各イベントへのお問い合わせは、各イベントのお問い合わせ先にお願いします。
※イベントの詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。
東京スクエア【オンライン】交流会

 

主催者:三重県地域支援課
主催者からのメッセージ:三重での暮らしについて語ろう!三重に自分の居場所を見つけよう!
首都圏に在住の<三重県での暮らしに興味がある方> <三重県と繋がりたい人>の集まりである『東京スクエア』のオンライン交流会を開催します。
交流会では、首都圏在住のメンバーが、三重とオンラインネットワークでつなぎ取り組んだ『ローカル記事アクション』の記事もご紹介。多気町丹生地区での暮らしについて地元住民に取材し制作した記事は、外からみた“三重の暮らし”の新しい発見に満ちています。
当日は、三重県在住の『三重スクエア』のメンバーも参加しますので、リアルな三重の“今”を知ることも出来ますよ。
★交流会には東京スクエアのメンバーでなくても参加いただけます。
★この機会に、三重での暮らしに興味がある方は、是非ご参加ください。
★参加の特典として、ご希望の方で先着30名の方に今回のローカル記事アクションで取材させていただいた多気町丹生の金川珈琲店の珈琲豆100gをご提供(無料)します。ご希望の方は、郵送先とお名前を下記の事務局のアドレスまで連絡ください。(発送は12月6日を予定しています)
ジャンル:オンラインイベント
日程:2020年12月8日(火)
時間:20:00~21:30
お問い合わせ先:080‐7070⁻0964 mie.kurashi@gmail.com
イベントに関するHPやSNSなどのリンク:https://fb.me/e/3JnASvSCS

X’masポーセラーツ教室at奥伊勢フォレストピア

  

主催者:大台町観光協会
主催者からのメッセージ:真っ白な陶器にお好みの絵柄の転写紙(シート)を貼り、オリジナルのプレートを簡単に作ることができるハンドクラフト「ポーセラーツ」。三重県多気郡大台町にサロンを構えるポーセラーツインストラクターに学びましょう!
日常生活で使える実用的な陶器を作るので、自分用にはもちろん、プレゼントにもいいかもしれません。
ハサミが使えれば、お子様でも楽しく体験できます♪
自然に囲まれたロケーションの奥伊勢フォレストピアで、ちょっぴり贅沢な時間を♥
ジャンル:ワークショップ
日程:2020年12月12日(土)
時間:第一部 10:00~12:00≪5組≫ / 第二部 13:30~15:30≪5組≫
お問い合わせ先:0598841050 大台町観光協会
イベントに関するHPやSNSなどのリンク先:https://web-odai.info/information/information-5747.html

第四回おんらいん♨︎さろん
トークライブ「地域にないものをつくった方がおもしろい」

主催者:度会県・OTONAMIE
主催者からのメッセージ:昔ながらの蔵が建ち並ぶ伊勢市河崎で、ショップ「中谷武司協会」のマネジメントを行い、伊勢に因んだサトナカクッキーなどオシャレなプロダクトを販売する橋本ゆきさん。またショップの近くでは外国人客を中心としたアート感の強い民泊施設「たらちね」も運営。今では観光客も多い河崎だが、店を始めた2002年頃はほとんどいなかった。河崎という町がどのように変わってきたのか、どんなコンセプトで事業を行っているのかなど、独自のアート路線を行く中谷武司協会やそのマネジメントなどについてお話いただきます。また農家として米を育てるなど農業があると暮らしはどう変わるのかなど、ライフスタイルなどについてもお聞きします。
ジャンル:オンラインイベント
日程:2020年12月21日(月)
時間:19:30〜20:30
ツール:Zoom
費用:無料
お問い合わせ先:otonamie@gmail.com

▼全8回、度会県×OTONAMIE おんらいん♨︎さろんについてはこちら!
https://otonamie.jp/?p=75792
▼たらちね(橋本ゆきさん)に関する記事はこちら
https://otonamie.jp/?p=42576
▼中谷武司協会に関する記事はこちら
https://otonamie.jp/?p=45938
▼伊勢のおみやげ「サトナカクッキー」ウェブショップはこちら
▼参加申し込みはこちら!
Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/380627246597297/
またはGoogleフォーム
https://forms.gle/mvYhHxGh7k631Jvf6
ZOOM URLはこちら!
https://us02web.zoom.us/j/88085050848
ミーティングID: 880 8505 0848
※参加される際はZoomを本名でご入室ください。プライバシー保護のためカタカナやひらがな、ローマ字でも可能です。
※ご参加いただける方は参加ボタンをお願いします。事前に参加表明がない場合は、本会場へのご案内ができませんのでご了承くださいませ。
おおたはるか個展「portrait」/「鳥羽図鑑」

主催者:大豐和紙工業株式会社/共催:鳥羽市
主催者からのメッセージ:息づかいが聞こえてくるような作品の面白さを感じてもらえたら嬉しいです。鳥羽図鑑では私が思う鳥羽の魅力的なモノ達を描きました。(おおたはるか)

ジャンル:伊勢和紙による絵画展
日程:2020年11月14日-12月6日
時間:9:30-16:30
費用:入場無料
お問い合わせ先:info@isewashi.co.jp
イベントに関するHPやSNSなどのリンク先:https://isewashi.co.jp

足から体を癒そう

主催者:岩城 真奈美
主催者からのメッセージ:【コロナ疲れや、運動不足の解消】
足から体を癒してみませんか?
足裏には身体の内臓の反射区や肩、腰などの反射区が沢山あります。
また、ふくらはぎも第二の心臓といわれ、
血液を下から全身に流す、ポンプの役割があります。
たっぷり40分のコースを限定2名様でイベント致します。おまけの、ワンドリンクもありますので
施術後は水分補給できます(^^♪

ジャンル:足つぼ+ふくらはぎのリラクゼーション
日程:2020年12月13日(日)
時間:13:00〜 14:00〜 各一名様
開催場所: 三重県松阪市駅部田町1056−5
費用:2,500円 (ワンドリンクor松牛焼2コ 付き)
お問い合わせ先:080‐9998‐3036 【岩城】mail@makeupzen.com

皆様からもイベント情報を募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

漁師さん付き!?豪華な三重の食や宿泊が当たる、太平洋・島サミットのSNSキャンペーン。

文・OTONAMIE運営部(村山祐介)

「サミット」という言葉を耳にするたびに、つい「伊勢志摩サミット」のことが頭にうかぶ三重県人の私。しかし恥ずかしながら、伊勢志摩サミットで何について議論されたのかは覚えていません。三重県各地で一時的にパッケージを変更した「サミット○○」と名が付けられた土産物たちや、息子が通う小学校で「サミット給食」という謎の献立が展開されたことは鮮明に記憶しているのに・・。(ちなみに「キムタクごはん」というメニューもあり)。
伊勢志摩のつぎにG7のサミットはどこで開催されたのか、ということについては知ろうともしない無責任な私。(ちなみにイタリア・シチリア島のタオルミーナらしいです)。

しかし「サミット」と聞けば、なんだかわくわく。そして来年、第9回太平洋・島サミット(PALM9)が三重県志摩市で開催!
暗いニュースが多いなか、うれしい!でも、うれしいのですが・・、太平洋・島サミットって何だ?お仕事の都合上いろいろ調べると、ざっくりと書くと太平洋島しょ国のリーダーが集まる国際会議。島しょ国ってどこ?と思い調べてみました。

参加国・地域は日本、オーストラリア、キリバス、クック諸島、サモア、ソロモン諸島、ツバル、トンガ、ナウル、ニューカレドニア、ニュージーランド、ニウエ、バヌアツ、パプアニューギニア、パラオ、フィジー、仏領ポリネシア、マーシャル、ミクロネシア・・。最初は知らない国・地域もちらほらあったのですが、現地に暮らしたことのある日本人にインタビューを進めるうちに、とても興味が出てきました。部族や精霊など世界ふしぎ発見で観たような世界感です。詳細はこちらの公式SNSに随時アップされていきますので、チェックしてみてください。

三重県公式Palm9のSNS
Facebook https://www.facebook.com/P9mie/
Twitter https://twitter.com/p9mie
Instagram https://www.instagram.com/p9mie/

そして!耳寄りな情報を・・。

PALM9をみんなで盛り上げるための、プレゼントキャンペーンがあります!

写真はイメージです
写真はイメージです

第1弾は、A賞「海の恵み(三重県産干物など)」や、B賞「大地の恵み(松阪牛すき焼き肉)」が当たるキャンペーン。漁村好きの私としては干物を肴に一杯やりたいところ。しかし、家族で松阪牛のすき焼きもしたい。そんな欲張りな私のような者のために、C賞「海と大地の恵みのセット」もあります。
応募方法はPALM9三重県公式のInstagramTwitterから「世界に伝えたい三重県のマメ知識」を投稿。投稿時に「#p9mie」と希望賞品「例:A賞」などを付けると抽選で50名に当たります。

 


 

そしておもしろいなーと思ったのが第2弾。三重県に縁のある人と絡めた商品です。

A賞は「ミエナデシコ編」としてビューティーグッズが15本当たります。

監修は伊勢志摩アンバサダーの尾崎ななみさん。伊勢市出身で東京でモデルとして活躍した後、三重の真珠を使ったプロダクト「SEVEN THREE.」を立ち上げ活動中。ななみさんのおじいさんが真珠養殖を行っていて、伊勢志摩の真珠の素晴らしさを知って欲しいとの想いから始められたそうです。

 

B賞は「ミエノミスケ編」として三重の銘酒「作」と萬古焼の酒器のセットが20本当たります。

監修はOTONAMIEでもお馴染み、三重の地酒プロデューサーの竹内伸樹さん。わたしのような酒飲みのおっさんにはありがたやな賞品です。

 

写真はイメージです

C賞は「ミエイタマエ編」として、厳選食材とオンライン料理教室が10本当たります。

監修はトリップアドバイザー2020年トラベラーズチョイスアワードの高級レストラン部門にて日本1位(世界9位)に選ばれた伊勢すえよし(東京・西麻布)の主人で三重県出身の料理人の田中佑樹さん。オンライン化、進んでますね!

 

写真はイメージです
写真はイメージです

D賞は「アラナミソウダン編」として、オンライン漁体験と新鮮な食材が4本当たります。

オンライン漁で捕らえた魚が家に届くという画期的な商品。しかも漁師さんに、波に打ち消したいような悩みも相談できる人生荒波相談室も同時開催。監修は二名。

鳥羽市浦村で牡蠣などを育てる養殖漁師、浅尾大輔さん。日本最年少で天皇杯(農水省)を受賞するなど、注目の先進的漁業者でありながら、トークで笑いも取れるまるでエンターテイナーです。

南伊勢町阿曽浦でブランド漁「伊勢まだい」などを養殖する漁師、橋本純さん。伊勢まだいのブランド化から取り組み、10年程前から漁師のいるゲストハウス「まるきんまる」の運営や漁師体験などのアクティビティも手掛けるこちらも先進的漁業者です。

 

写真はイメージです
写真はイメージです

E賞は「ミエモテナシ編」として宿泊ペア招待券が3本当たります。対象宿泊施設は、志摩観光ホテル、NEMU RESORT、戸田屋と豪華ですね!

応募方法はPALM9三重県公式のInstagramTwitterから「世界に伝えたい三重県の自慢」を画像付きで投稿。投稿時に「#p9mie」と希望賞品「例:A賞」などを付けると抽選で52名に当たります。

応募期間は、第1弾が2020年11月16日〜12月28日(もう、はじまっとるやないかい!)、第2弾が2021年1月4日〜2月19日。

PALM9は、改めて三重県の魅力を見つけて伝えていくチャンスになるかも知れません。そして参加国同様に日本も島国であり、島国独特の誇れる文化や歴史をお互いに知り、まだ知らない魅力を発見することで世界感が広がっていけば愉しいなと思うのでした。

 

なんと!三重県出身のあの!写真家さんからメッセージをいただきました!

三重県津市出身の写真家、浅田政志さんからメッセージをいただきました!映画「浅田家!」大ヒット上映中で超ご多忙な中、本当にありがとうございます!

津市阿漕浦で息子の朝日くんが撮影した写真。素敵ですね!

みなさん、こんにちは。写真家の浅田政志です。
このたびは、第9回太平洋・島サミットの開催に際し、心よりお祝い申し上げます。
僕は先月、撮影で答志島と神島へ行ってきたばかりです。ゆったりと流れる時間の中で、新鮮な海の幸を心ゆくまで堪能し、それはもう贅沢な時間で……。あらためて伊勢志摩は、三重県の良さが詰まった場所だとしみじみ思いました。そしてとても明るいお人柄である島民のみなさんとの撮影は格別に楽しいものでした。家に帰って写真を見返すと、まるで真珠のような笑顔があふれていました。豊かな場所で生まれ育つからこそ自然と滲み出る人としての輝きを教えられた気がしました。
島サミットの時期には世界中から沢山の方がいらっしゃると思いますので、ぜひ伊勢志摩ならではの魅力を身体いっぱいに感じてもらいたいです。

 


 

プレゼントキャンペーンの詳細は三重県公式HPをご覧ください。
https://www.pref.mie.lg.jp/TOPICS/m0030300288.htm

年末年始の旅行に向けて朗報!E23 伊勢自動車道 安濃SA(下り)が12月10日にリニューアルオープン!

11月も下旬に入りました。年末年始に向けて旅行の計画を立てている方もいるかもしれません。

旅行の移動手段のひとつとして利用されるのが高速道路。三重県内にもさまざまなSA(サービスエリア)が存在しています。

NEXCO中日本 名古屋支社と、中日本エクシス株式会社 名古屋支店は、E23伊勢自動車道(伊勢道) 安濃(あのう)サービスエリア(SA)(下り、津市大里睦合町(おおざとむつあいちょう))を12月10日(木)6時にリニューアルオープンすることを発表しました。

安濃SA(下り)では、新しい生活様式を取り込んだ「安全・安心」のエリアとして“NEOライフ”をコンセプトに、安全対策の新たな取組みとして、出入口に体温を検測するための「非接触式熱センサー」を設置。

フードコートとベーカリーでは細菌が付着しにくい「抗菌仕様トレー」を導入するなど、これまで以上の感染防止策で、お客さまの安全・安心を確保する予定です。

また、安濃SA(下り)は三重県の中央に位置するため、三重県内各地の特産を活かしたメニューや土産品をご用意して、「お客さま一人ひとりの行き先に応じた新しい商品の販売」を展開します。

ここからはフードコートの店舗を紹介していきます。

うどん・そば『彦べぇ』

写真は、「高虎(たかとら)うどん」  地元の名将、藤堂高虎にちなんだうどんで、肉、天ぷら、きつねの具材を全部のせました。

和洋ダイニング『みくら』

こちらは、「とんてき定食」 、三重のB級グルメで、絶品自家製タレと低温調理の焼き方にこだわった柔らかさが特徴です。

それ以外にも 亀山の家庭料理として広がったグルメで、甘味、辛味、旨味の調和がとれた逸品「みそ焼きうどん」や松阪牛の大判肉をお重いっぱいに盛り付けた「松阪牛大判焼重(期間限定)」 など、三重のグルメが盛りだくさんです。

東海道ラーメン『太光庵(たいこうあん)』

こちらは、「亀山ラーメン」 グルメサイト「ぐるなび」のご当地ラーメングランプリで優勝し、伊勢志摩サミットでも提供された、牛骨と味噌味のスープが特徴のラーメンです。

そのほかにもホットドッグを販売し、毎日焼き立てのパンを提供するベーカリー・テイクアウトもオープン予定です。

またスーベニアショップとして、山崎製パンのコンビニエンスストアとスーベニアショップとの複合型の新業態である「NagisaMart&NYDS(ニューヤマザキデイリーストア)」を新設。

三重県の人気銘菓「笹井屋のなが餅」や、伊勢抹茶をふんだんに使用したオリジナル商品「伊勢抹茶ショコラ」、季節にあわせた和菓子などを取りそろえられます。

他にも、店舗内に「レジャー&スポーツコーナー」を設け、“往路の店”を意識した日常使いの商品や、アウトドアのレジャー&スポーツをよりワクワクさせる商品も。

より快適に生まれ変わった安濃SA(下り)へ、ぜひ一度立ち寄ってみてくださいね。

OTONAMIE PUSH EVENT【2020.11.27update】

\こんにちは!広報担当のともーこです!/
イベント情報をご紹介していきます。
※各イベントへのお問い合わせは、各イベントのお問い合わせ先にお願いします。
※イベントの詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。

第四回おんらいん♨︎さろん
トークライブ「地域にないものをつくった方がおもしろい」

主催者:度会県・OTONAMIE
主催者からのメッセージ:昔ながらの蔵が建ち並ぶ伊勢市河崎で、ショップ「中谷武司協会」のマネジメントを行い、伊勢に因んだサトナカクッキーなどオシャレなプロダクトを販売する橋本ゆきさん。またショップの近くでは外国人客を中心としたアート感の強い民泊施設「たらちね」も運営。今では観光客も多い河崎だが、店を始めた2002年頃はほとんどいなかった。河崎という町がどのように変わってきたのか、どんなコンセプトで事業を行っているのかなど、独自のアート路線を行く中谷武司協会やそのマネジメントなどについてお話いただきます。また農家として米を育てるなど農業があると暮らしはどう変わるのかなど、ライフスタイルなどについてもお聞きします。
ジャンル:オンラインイベント
日程:2020年12月21日(月)
時間:19:30〜20:30
ツール:Zoom
費用:無料
お問い合わせ先:otonamie@gmail.com

▼全8回、度会県×OTONAMIE おんらいん♨︎さろんについてはこちら!
https://otonamie.jp/?p=75792
▼たらちね(橋本ゆきさん)に関する記事はこちら
https://otonamie.jp/?p=42576
▼中谷武司協会に関する記事はこちら
https://otonamie.jp/?p=45938
▼伊勢のおみやげ「サトナカクッキー」ウェブショップはこちら
▼参加申し込みはこちら!
Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/380627246597297/
またはGoogleフォーム
https://forms.gle/mvYhHxGh7k631Jvf6
ZOOM URLはこちら!
https://us02web.zoom.us/j/88085050848
ミーティングID: 880 8505 0848
※参加される際はZoomを本名でご入室ください。プライバシー保護のためカタカナやひらがな、ローマ字でも可能です。
※ご参加いただける方は参加ボタンをお願いします。事前に参加表明がない場合は、本会場へのご案内ができませんのでご了承くださいませ。
おおたはるか個展「portrait」/「鳥羽図鑑」

主催者:大豐和紙工業株式会社/共催:鳥羽市
主催者からのメッセージ:息づかいが聞こえてくるような作品の面白さを感じてもらえたら嬉しいです。鳥羽図鑑では私が思う鳥羽の魅力的なモノ達を描きました。(おおたはるか)

ジャンル:伊勢和紙による絵画展
日程:2020年11月14日-12月6日
時間:9:30-16:30
費用:入場無料
お問い合わせ先:info@isewashi.co.jp
イベントに関するHPやSNSなどのリンク先:https://isewashi.co.jp

足から体を癒そう

主催者:岩城 真奈美
主催者からのメッセージ:【コロナ疲れや、運動不足の解消】
足から体を癒してみませんか?
足裏には身体の内臓の反射区や肩、腰などの反射区が沢山あります。
また、ふくらはぎも第二の心臓といわれ、
血液を下から全身に流す、ポンプの役割があります。
たっぷり40分のコースを限定2名様でイベント致します。おまけの、ワンドリンクもありますので
施術後は水分補給できます(^^♪

ジャンル:足つぼ+ふくらはぎのリラクゼーション
日程:2020年12月13日(日)
時間:13:00〜 14:00〜 各一名様
開催場所: 三重県松阪市駅部田町1056−5
費用:2,500円 (ワンドリンクor松牛焼2コ 付き)
お問い合わせ先:080‐9998‐3036 【岩城】mail@makeupzen.com

皆様からもイベント情報を募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

不滅の村正〜宝刀村正写し奉納プロジェクトと特別企画展〜

過去に複数回、村正の特集記事を執筆して、微力ながら「村正=桑名」のPRをしてきました。

まずは、令和元年に「そもそも村正とは?」や、平成から令和への御代がわりの際に桑名宗社(春日神社)で行われた、「御大典記念事業『村正』特別公開」の事前告知。
そして、漆が塗られた「村正」の修繕プロジェクトと、多くの方がご覧になった特別公開の様子を。

妖刀「村正」を間近で見られるチャンス!

桑名の宝・名刀「村正」の真の姿はとても美しかった

その後、「宝刀村正写し」奉納プロジェクトのクラウドファンディングが始まり、目標金額400万円のところ、1,144名、1812万円超を達成しました。


そして、コロナ禍で期間が短縮された桑名宗社(春日神社)の令和2年の特別公開と、同時に開催されたくわな村正史跡めぐりスタンプラリーを。

桑名の村正、特別公開とスタンプラリー

くわな村正史跡めぐりスタンプラリーで、桑名と村正の歴史を知る

特別公開と同じ時期に、「宝刀村正写し」奉納プロジェクトの鍛錬打ち始め式がありました。


そして今回は、「宝刀村正写し」奉納プロジェクトの進捗状況と、桑名市博物館で11月末まで行われている特別企画展「三重刀剣紀行」についてお届けします。

鍛錬打ち始め式

令和2年8月15日(土)・16日(日)に、クラウドファンディングの1万円以上の支援者の限定で、境内にて上畠宗泰刀匠たちによる「鍛錬」に参加できる「鍛錬打ち始め式」がありました。
※「鍛錬」とは、鋼を折り返して鍛えることにより、不純物を取り除くことと、炭素量を均一化させることを目的とした作業です。
【刀剣ワールド】日本刀の作り方(制作方法)|刀剣の基礎知識より引用

事前の準備を行う刀匠たち

まずは上畠宗泰刀匠によるお手本を見せていただきました。

炉に空気を送って、「玉鋼」という鉄を1,000度以上に熱します。


参加者たちは刀匠指導のもと、熱した玉鋼を金槌で打ちます。

自身の打った玉鋼で作られる「宝刀村正写し」が、神社で末永く守り続けられることを思うと、感慨もひとしおです。

最後に、刀匠たちによる仕上げの鍛錬を行って、

↓動画はこちら↓

こぶし大の玉鋼が、最終的にはこんなにも薄くなりました。
 

夏の暑い日でしたが、刀匠の皆さん、お疲れ様でした。

2日間の鍛錬が終わって、晴れやかな表情の刀匠たち

刀匠の技、そして研師の技へ

そして今、上畠宗泰刀匠のもとで鍛錬を繰り返され、刀を四角く伸ばして(素延べ)、徐々に日本刀の形に整えられています。

この後は、研師・松村壮太郎さんによる仕上げ研ぎを経て、「写し」は完成します。
どんな刃文になるのか、来年の完成が今から待ち遠しいですね。


特別企画展「三重刀剣紀行」

桑名市博物館では、今年が文化財保護法制定70周年にあたることを記念して、地元・桑名を中心に三重県ゆかりの刀工を紹介する特別企画展を開催しています。

桑名の神社に奉納された「村正」の作品や、国立博物館や太宰府天満宮が所蔵する「村正」など、総点数56件70点を展示しています。

入館時する際には博物館ホームページの「入館時のお願い」をよくご覧いただいて、入館記録および確認書にご記入の上でご鑑賞ください。

文化財保護の観点から刀剣を取り上げますのは二つの理由があります。ひとつ目は、刀剣は放置したままでは錆びてしまうため、誰かが手入れをし続けてきてくれたからこそ、今現在の私たちは数百年前の〈鉄の美〉を堪能することが出来るという点です。ふたつ目は、本質的には武器にも関わらず、信仰の対象、あるいは美術工芸品として、本来の用途にとどまることなく様々なかたちで受容されている点です。ここに至るには先学の多大な努力と、継承への熱意があったからに他なりません。

このように、現在に伝わる文化財を、未来に引き継いでいこうとする意識を育む上でも刀剣は最適の文化財の一つであり、本展を通じて地域への愛着を育て、文化財保存の重要性を理解していただくことを目的としています。東西交流の結節点であった三重県には、著名な「村正」を始めとして多くの魅力的な刀工が活躍しています。その刀工たちが鍛えた、長い年月を経ても変わらぬその刀の煌めき―――「不滅の刃」を心ゆくまでご観賞ください。
桑名市博物館 HPより

会期:令和2年10月17日(土曜日)から11月29日(日曜日)※38日間
助成:公益財団法人岡田文化財団
会場:桑名市博物館
休館日:11月24日(火曜日)
開館時間:午前9時30分から午後5時まで(入館は閉館の30分前)
入館料:大人[高校生以上]500円 ※20名以上の団体は1人100円引き

【お問合わせ】
名称:桑名宗社(俗称:春日神社)
住所:三重県桑名市本町46番地
電話番号:0594-22-1913
HP:http://www.kuwanasousha.org
駐車場:あり

 

【特別企画展「三重刀剣紀行」について】
桑名市博物館
電話番号:三重県桑名市京町37番地1
電話番号:0594-21-3171
HP:http://www.city.kuwana.lg.jp/index.cfm/24,78891,235,414,html

 

三重のお隣、名古屋・金山に素敵なブックショップが今冬誕生!その魅力を店主に聞いてきた

名古屋市、金山。三重県からもほど近い場所に、新たな本屋さんがこの冬誕生します。

「TOUTEN BOOKSTORE」「、」(読点)は文章の整理や息継ぎ、そして時にはアクセントとして使われる記号。それは、あなたの人生に立ち止まるきっかけを与えてくれる場所ー。

心の整理、行き詰った時の息継ぎを求めたとき、ふらっと立ち寄って店内を立ち歩き、本を手に取るうちに、自然となんだか嬉しい気持ちになる。

そんな日常に安らぎを与えてくれる場所が今冬、金山に誕生。その開業の流れには三重・桑名の「さかさま不動産」との出会いもあったと店主である古賀さんは話します。

今回の記事では、「TOUTEN BOOKSTORE」古賀さんの本屋への思い、そして「さかさま不動産」との出会いから「TOUTEN BOOKSTORE」への思いに到るまでをインタビュー形式で紹介します。

ー今日はよろしくおねがいします。まずはなぜ本屋さんを始めたいと思ったのか教えてください。

古賀さん(以下古賀):もともとは出版の取次、本の流通の仕事をしていて、名古屋支店の営業として3年間勤めていました。そのうちに本屋さんのことがすごく好きになっていったんですが、本屋さんは潰れていくし、辛い思いをして働いている人がいるという現実があって。「どうしてなんだろう」と疑問を思ったのが出発点です。

じゃあ自分で本屋さんができないかと考えたとき、本の聖地であり、出版社の約8割が集まる東京に引越しして働き始めました。本の企画、運営チーム「エディトリアル・ジェットセット」というところです。

そこで働きながら、去年から本屋に行きたくなるフリーマガジン「読点 magazine」を作り始め、今年の春に名古屋に戻ってきて、本屋「TOUTEN BOOKSTORE」の開業の準備を行っています。

ーどうして名古屋・金山という場所だったのでしょうか。

古賀:自分の理想としていた物件が偶然金山にあったということが大きいですね。道に面していて、1Fであること。あとは入りやすさや家賃、狭すぎず、広すぎずの大きさを考えていたときに、今の物件と出会いました。

ー出会いのきっかけはどういった形でしたか。

古賀:「さかさま不動産」を利用したことがきっかけです。以前取材を受けたときに「さかさま不動産」の存在を教えてくれた人がいて。ちょうどコロナの時期で時間もあって、奇跡的にタイミングも合い、トントンと進んでいったような感じですね。

ー「さかさま不動産」は、借りたい人の思いをネット上で掲載して、それを見た大家さんが「この人に借りてほしい」と連絡をしてくれるサービスですよね。実際に利用してみてどうでしたか。

古賀:文章は、自分で書いたものを掲載するだけで、あとは待つだけでした。だから、本当に連絡が大家さんから来たときはびっくりしましたね。しかもその物件は、前日に違うサイトで見ていたところだったんです。そのときは「不動産を介してまでやるのはなあ」と思っていたところだったので、本当に偶然でしたね。

ー奇跡的な出会いだったんですね。

古賀:すごいなと思いました。昨日見ていた物件の大家さんから連絡が来るなんて。実際に会ってフリーマガジンを読んでもらったらすごく興味を持ってくれたんですよね。大家さんも面白い人が集まる場所を作りたいと思っていたそうで、お互いの思いが偶然一致した形でした。

ー空き家に対して強いこだわりはなく、思い描いた理想の物件が偶然空き家だったというような形だったんですね。

古賀:そうですね。地域住民の人も優しく声をかけてくれるのがありがたいです。以前改装の準備をしていたら小学校高学年の女の子3人組がそれぞれ寄付をしたいと1000円を持ってきてくれて。「TOUTEN BOOKSTORE」は小・中学校も近い場所にあるのですが、それはとても感動しました。

今思えば、空き家を改装してお店ができるんだったらそれは地域にとって良いことなんだろうなと思うようにもなりました。始めてみて空き家の良さも知りましたね。

良い話ですね。改めてなんですが、「TOUTEN BOOKSTORE」の名前は、どこに由来するのでしょうか。

古賀さん:「TOUTEN」は読点、つまり「、」を意味します。情報があふれ、自分が知りたいと思ったことはすぐに検索ができる時代です、しかし、自分は今何を知りたいのか、知らないの外にある知らないまではアクセスできないし、検索することもできない。

「、」というのは、文中の切れ目に使う記号です。文章を整理したり、そこで読者に息継ぎをさせたり、ときにはわざとアクセントをつけるために使われたりもします。生活のなかにおいて、そんな役割が本屋さんにはあるのではないかと思うんですよね。

モヤモヤしているときや、だれにも会いたくないけど家にもいたくないというときに本屋さんという場所がそっと寄り添ってくれる。思考の幅を広げ、人や場所とつないでくれる、そんな本屋として存在していけたらと思っています。

ーなるほど。「TOUTEN BOOKSTORE」は2階建ての建物で、本屋以外にもカフェ機能を持ったスペースも準備されると伺いました。その話も詳しく教えてください。

古賀:「TOUTEN BOOKSTORE」は、日常使いと特別使いの両方ができる空間を目指しています。

日常使いができる本屋さんにするためには、大型書店さんに陳列されるような新刊や注目されやすい出版物を丁寧に揃えたいです。毎日通う人も出てくるでしょうから、その人たちが飽きないような工夫をどんどん考えていきたいと思っています。

特別使いができる本屋さんにするためには、空間づくりを意識して、プレゼントや自分へのご褒美となる生活雑貨を置きたいと考えています。

本屋好き、本好きの方たちに向けては、店舗限定商品の開発やSNSやメディアへの露出を積極的に行い、全国の本屋好きの方に来てもらえるようなお店を目指したいです。

そしてお店の入り口にはカフェをつけます。カフェを作ることで、毎日「TOUTEN BOOKSTORE」に通う理由ができます。「ちょっとお茶をしに行こうかな」という感覚で行けるようなお店ができたらいいですね。

ーカフェで使用されるコーヒーにもこだわりがあるんですよね。

古賀:「TOUTEN BOOKSTORE」が面する通りが大津通になるのですが、神宮、金山、東別院とずーっと歩いていくと「Q.O.L COFFEE」さんにたどりつくんですが、そのシンプルさに惹かれたのもあって。

あとは単純にコーヒーがすごくおいしいんです。東京にいたときにメルボルンで働かれていた経験を持つ方のお店に行ったんですが、その時に飲んだ浅煎りのコーヒーがジュースみたいにさっぱりとした印象ですごくおいしかったんですよね。

「Q.O.L COFFEE」さんもメルボルンで働かれていた経験をお持ちで、同じ味わいを経験できて。だから、「Q.O.L COFFEE」さんのコーヒーを利用したいと思いました。

お菓子も米粉を使用して、なるべく小麦や卵を使わないお菓子を仕入れたい。子どもさんや若い親御さんが多い地域なので、そういった方たちも気軽に来れる場所になればと思っています。

ーオープンが楽しみです。どんな人が集まる場所にしたいですか。

古賀:地域の人、金山に住んでいる人たちに来てほしいですね。世代を超えて本を通して対話ができる場所になればうれしいです。読書会なんかもやれたらいいなと思っています。

他にも2Fはゆっくりとくつろげるコワーキングなスペースにするつもりですし、地元の作家さんを呼んでギャラリーをしたいとも思っています。子どもが絵本を読んだり、読み聞かせを体験できるスペースも作るつもりです。

ーさまざまな年齢層の人が、それぞれ楽しめる空間になりそうですね。では最後に、「OTONAMIE」の読者でもある三重県民の方にメッセージをお願いします。

古賀:私は中京大学の出身なんですが、大学時代から三重県出身の友達が多かったんです。だから他県の人の感じがしないんですよね。三重から金山に通勤している友人もいますし、同じようにふらっと遊びに来てもらえたら嬉しいです。

ーこの記事をきっかけにたくさんの三重の人が「TOUTEN BOOKSTORE」に足を運ばれることを願います。古賀さん、今回はありがとうございました!

古賀さんの「TOUTEN BOOKSTORE」への思い、どう感じられたでしょうか。

さかさま不動産」は拠点を三重県桑名市に持っており、三重県との強いつながりも感じられましたね。

金山は、三重県からも通勤や通学で利用する人が多い場所です。そんな金山に素敵なブックストアができるのはとてもうれしいことですよね。

「TOUTEN BOOKSTORE」は今冬の開業に向けて、資金をプロジェクトの理解者から募るクラウドファンディングを11月20日(金)午後11時まで実施し、無事資金の調達に成功しました。

「TOUTEN BOOKSTORE」のオープンが待ち遠しいところ。ぜひオープンした際には足を運んでみてくださいね。

銀座に志かわの食パンにはハマグリのしぐれ煮が合う⁈

高級食パンが三重県でも、買えるようになってきて、個人的にはとても嬉しいのですが…1本買うと保存方法や焼いてバターやジャムに飽きてくる事ありませんか?私はパンの端が味があって好きなので1斤ではなく、1本買ってしまうのですが(笑)いつも、何か目新しいレシピがないかと某サイトで調べたりしてました。やっぱり食パンの事は食パンのプロに聞くのが、一番なのではないかと近くに出来た銀座に志かわの方にお話を伺いたいと連絡したところ、快く取材に応じて頂けたので、皆さんにもプロが教えるレシピをシェアしますね!

 

いきなりですが…

プロの食パンレシピを教えて下さい!

ほんのり甘くもちもち食感の食パンですので、きんぴらごぼうなどの塩味のあるシャキシャキ食感の総菜はぴったりです。食パンアレンジは銀座に志かわ公式Instagramでも定期配信しています。一押しは「しば漬けクリームチーズ」です。理由は「トーストした食パンに細かく刻んだしば漬けとクリームチーズを混ぜたものをのせるだけの簡単レシピでありながら、しば漬けの食感とほどよい塩気がほんのり甘い食パンとマッチします。また、色鮮やかな仕上がりも目を楽しませてくれます。あと、三重県の特産品でもあるハマグリのしぐれ煮も合いますよ。みなさんもぜひ、お試しになってください。」

しば漬けとクリームチーズ…に食パン。ちょっと意外な組み合わせですが…せっかくなので試してみますね…。(後日やってみました!意外ですが食パンが”和”になり美味しかったです。ハマグリはまだ試していません(笑))

ついでに…

美味しく食べる保存方法も教えて下さい!

「食パンの断面が乾燥しないように、保存袋の口はしっかり閉じてください。常温のまま、数日間は保存できます。銀座に志かわの食パンの消費期限は4日間ですが、冷凍すれば長期保存が可能です。食パンをお好みのサイズにスライスして、一枚ずつアルミホイルで包み、冷凍庫で冷凍してから、乾燥防止のためパンの保存袋に入れて冷凍庫に戻して保存ください。アルミホイルがない場合はラップで代用ください。冷凍した食パンは常温で自然解凍すれば元に戻ります。トーストする場合は、凍ったままオーブンやグリル、トースターに入れてください。冷凍保存の場合は約1ヶ月くらい、香りや風味がキープされますよ。」

なるほど!家にあるもので美味しく保存できるのは嬉しい!

せっかくなので、

銀座に志かわのこだわりも教えて下さい!

「2018年9月、東京・銀座にて1号店がオープンいたしました。鈴鹿店は2019年8月24日にオープン。三重県では津店に続き2店舗目となりました。お店の基本コンセプトは古き良き江戸文化を現代へ引き継ぐ”和モダン”をテーマに”白”を基調とした店作りに白木で構築しています。全国どのお店でも基本的には同じ店構えで玄関には”食パン”の暖簾を掲げています。商品は”水にこだわる高級食パン”1本1種類で、文字通り水にこだわった高級食パンでございます。また、料亭のおもたせを彷彿させるような手提げ紙袋を採用し、”プチ贅沢””自分へのご褒美””ちょっと気の利いた手土産”と言った従来の食パンにはなかった新しいニーズの掘り起こしに取り組んでいます。またアツアツのパンの蒸気が籠らないように、上が大きく開くタイプのパン保存袋を使用し、手提げ紙袋の底にはポール紙を入れて型崩れを最小限に防ぐなど、細かいところまで気を配り、最高の状態でお客様に焼きたての美味しい食パンを提供するように努力しています。
こだわりは独自に開発しました仕込み水Ph(ペーハー)値が高めのアルカリイオン水です。食パンの基本的な仕込み水には弱酸性の水が適していると言われてきました。この真逆がアルカリイオン水です。元来、アルカリイオン水はイーストの活性につながりにくくパンがうまく膨らまない等、パンの製造には不向きと言われてきました。しかしながら一方では食材の旨味を引き出すことに優れていると言われ、このアルカリイオン水で、原材料である小麦粉、生クリーム、はちみつなどの旨味成分を引き出し、ほんのり甘く、モチモチした耳まで柔らかい食パンです。」

ちょっと難しくて、よくわからなかったですが、水にこだわっているということはわかりました。お米にしても、食パンにしても水って大切なんですね!

県内に色々食パン専門店を見かけるようになってきましたので、食パンの食べ比べをしてみるのもいいかもしれませんね。


取材先
銀座に志かわ 鈴鹿店
住所:鈴鹿市南江島町17-38
10:00~18:00(売り切れ次第終了)不定休
tel:059-388-2400

美味しい蕎麦って、こんなん。-『麺処はな』-

蕎麦ってなんだか「大人の食べ物」ってイメージがありませんか?

私は、あります。だからというわけでもないけれど、私はあまり蕎麦に馴染みがありません。

「嫌い」ではないんです。「よくわからない」んです。

だからこそ、素人(?)の私でも「あ、なんか美味しい」とわかるような蕎麦が食べられるお店に行ってみたいなぁ、とは思う。思うけれど、そういういわゆる「間違いないお店」はかなりの確率でハードルが高いような気がする。

なんだかややこしい「こだわり」や「作法」がありそうで。そんでもって下手な食べ方をすると、頑固な店主や常連の通のおじさんに「・・・チッ」とかやられそうで。←まったくの想像です。

そんなビビりの私でも、「あ、なんか美味しい」な蕎麦が食べられるお店、ありました。

いなべ市藤原町に10年ほど前にオープンした『麺処はな』

市の障がい者活動支援センターが母体であるこのお店は障がい者の就労の場になっていて、レジや配膳を元気に担当しているのは障がい者の方。何人かが交代でお仕事をされているそうです。

いなべ市は三重県随一の蕎麦の生産量を誇る「蕎麦の里」。

蕎麦の花と藤原岳(大安町丹生川にて)

『麺処はな』も(基本的には)いなべ産の蕎麦粉を使用していて、製粉・製麺をしているのは『麺工房はな』。つまり自家製麺です。

お店に入ると、まずは注文と会計を済ますシステムです。

この日いただいたのは「天ぷらかけそば」。

たまねぎとにんじんのかき揚げ、さつまいも、かぼちゃ、そしてよもぎの天ぷらがのっています。

特によもぎはカリカリのうちに食べていただくことをオススメします。香りと苦みがいい。

また別の日にいただいた(はい、ここのところ通ってます)「天ぷらぶっかけ」。

ここにもよもぎの天ぷら

そして基本の「ざるそば」。

美しくないですか・・・?

鼻に抜ける香りがどうとか喉越しがどうとかこうやって食べるのが粋なんだとか、ムズカシイことは置いといて、

「あぁ、これが美味しい蕎麦ってやつなんだ」

と思わせてくれる、それでいて気軽なお蕎麦屋さん。

11月の半ば過ぎ?20日過ぎ?頃からは地元産の新蕎麦がいただけるそうなので、ぜひ。

 

麺処はな

三重県いなべ市藤原町山口1949-1(藤原山口簡易パーキング内)

TEL:0594-46-8111

定休日:日曜日・月曜日・祝日

営業時間:11:00~14:00 (13:45オーダーストップ)

OTONAMIE PUSH EVENT【2020.11.13update】

\こんにちは!広報担当のともーこです!/
イベント情報をご紹介していきます。
※各イベントへのお問い合わせは、各イベントのお問い合わせ先にお願いします。
※イベントの詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。
おおたはるか個展「portrait」/「鳥羽図鑑」

主催者:大豐和紙工業株式会社/共催:鳥羽市
主催者からのメッセージ:息づかいが聞こえてくるような作品の面白さを感じてもらえたら嬉しいです。鳥羽図鑑では私が思う鳥羽の魅力的なモノ達を描きました。(おおたはるか)

ジャンル:伊勢和紙による絵画展
日程:2020年11月14日-12月6日
時間:9:30-16:30
費用:入場無料
お問い合わせ先:info@isewashi.co.jp
イベントに関するHPやSNSなどのリンク先:https://isewashi.co.jp

第三回おんらいん♨︎さろん
ワークショップ「地域と人を変える場づくり」後半

主催者:度会県・OTONAMIE
主催者からのメッセージ:
ゲストは元鳥羽市地域おこし協力隊の佐藤 創さん。コワーキングスペース「KUBOKURI(クボクリ)」という場ができたことで、展開が進む鳥羽なかまち。理容院をリノベーションして新たな事業をはじめた元鳥羽市地域おこし協力隊の佐藤さんに事例を交えお話いただきます。
また、事前に撮影しておいた鳥羽なかまちにある空き家数軒をサンプルにして、「イケてる空き家で移住妄想ワークショップ」を行い、参加いただく皆さまと一緒に利活用方法を妄想したいと思います。
ジャンル:オンラインイベント
日程:2020年11月25日(水)
時間:19:30〜21:00
ツール:Zoom
費用:無料
お問い合わせ先:otonamie@gmail.com

▼全8回、度会県×OTONAMIE おんらいん♨︎さろんについてはこちら!
https://otonamie.jp/?p=75792
▼鳥羽なかまちに関する記事はこちら
https://wataraiken.com/project/pretobaproject/
▼鳥羽なかまちのホームページはこちら。
https://tobanakamachi.com/
▼参加申し込みはこちら!
Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/430324728132662
またはGoogleフォーム
https://forms.gle/i7LmqHMyaryy7oEg7
ZOOM URLはこちら!
https://us02web.zoom.us/j/87227040018
ミーティングID: 872 2704 0018
※参加される際はZoomを本名でご入室ください。プライバシー保護のためカタカナやひらがな、ローマ字でも可能です。
※ご参加いただける方は参加ボタンをお願いします。事前に参加表明がない場合は、本会場へのご案内ができませんのでご了承くださいませ。
足から体を癒そう

主催者:岩城 真奈美
主催者からのメッセージ:【コロナ疲れや、運動不足の解消】
足から体を癒してみませんか?
足裏には身体の内臓の反射区や肩、腰などの反射区が沢山あります。
また、ふくらはぎも第二の心臓といわれ、
血液を下から全身に流す、ポンプの役割があります。
たっぷり40分のコースを限定2名様でイベント致します。おまけの、ワンドリンクもありますので
施術後は水分補給できます(^^♪

ジャンル:足つぼ+ふくらはぎのリラクゼーション
日程:2020年12月13日(日)
時間:13:00〜 14:00〜 各一名様
開催場所: 三重県松阪市駅部田町1056−5
費用:2,500円 (ワンドリンクor松牛焼2コ 付き)
お問い合わせ先:080‐9998‐3036 【岩城】mail@makeupzen.com

皆様からもイベント情報を募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

2021年の三重県民手帳は⁉️

そろそろ2021年度の手帳がたくさんお目見えする時期になってきましたねー。

三重県民なら三重県民手帳でしょと言うことで、ここ何年かは、三重県民手帳を愛用しています♪

公共機関など暮らしの安全安心に役立つ情報など三重県民なら知っておきたい事が紹介されているのが三重県民手帳。

2021年度の県民手帳の表紙は2018年から3年ぶりの三重県が誇る伝統工芸品の伊勢型紙を使い、染めたものです。

この伊勢型紙を彫ったのが彫師の那須恵子さん。2010年に鈴鹿市に移住。若手職人グループ”常若””凛九”に所属され、素晴らしい手技を未来に繋げたいと鈴鹿市白子を拠点に活動されています。『型紙が100年先も染め手を支え、型紙で心を伝える』を目標に精進されているそうです。

那須恵子さん

今回は那須さんご自身にお話を聞く事ができましたので、三重県民手帳に使用された伊勢型紙のこだわりやデザインの意味を伺ってみました。

こだわりを教えて下さい

伊勢型紙の機能やデザインの自由性を伝える。その為に、オリジナルで新たに三重をテーマにした模様を考え、浴衣を型染めする技法である注染染め(ちゅうせんぞめ)で染め上げた木綿生地を手帳カバーを仕立てました。
今回の2021年版は市松と千鳥の2柄。
ところで注染染めとは?
綿素材(晒生地)の浴衣や手ぬぐいを染めるのに一般的な型染めの技法です。明治時代に開発され、当時は職人がラッパ状のものを布の上に置いて口で吹き込み染料を浸透させて染めていました。大正末期から昭和初期にかけてコンプレッサーによる吸引方法が開発され生産量が上がりました。
特徴は液体の染料を上から注いで下から吸引するので表裏がなく、注いだ染料が自然に混ざり合いぼかし染めも美しい。型染めの中では比較的量産が可能なので、伊勢型紙といえば高級な着物というイメージにとらわれず、気兼ねなく普段使いできる染物になります。(なるほど!)

デザインは意味があるのですか?

市松はカタカナの「ミエ」の文字を四角に四角くデザインし、市松模様状に並べたものをランダムに配置しました。手帳一冊の中に隠れハートが1個から最大3個いるはずです。3個見つかったアナタはかなりラッキー♡
まるで運試しですね(笑)
千鳥は三重県の鳥シロチドリとか三重の海をイメージした千鳥と波の丸紋。そして霞に見立てたカタカナの「ミエ」を散らしました。
そしてもう一つ、千鳥柄に隠されたヒミツがあります。三重で活躍する伝統工芸の若手職人グループ「常若-とこわか-」のロゴが、千鳥と共ににさり気なく紛れています。制作にあたった彫師の那須恵子もメンバーの一人。わざの継承を助け、工芸の魅力を発信し未来へつなぐ「常若」にも是非ご注目ください。
伝統を引き継ぐ職人さんが、減少していると聞きます。若手職人さんが伝統を未来に繋げる為に精力的に活動されているというのは素敵な事だと思います。後世にまで伊勢型紙が受け継がれていくと嬉しいですね。

那須さんから一言!

ただいま四日市近鉄百貨店5階無印良openMUJIにて、三重県民手帳カバーに使用した型紙実物や染め上がりの布などの展示をしております。11月末まで(予定)です。染屋さんで活躍してきた型紙を見る機会は滅多にありません。手帳4000部分の浴衣生地を染めるのに使ってもまだまだ丈夫な伊勢型紙を直接見に来てくださいね。
地域の人でも中々伊勢型紙を見る機会が少ないので、私も見に行ってみようと思っています。


型屋2110 伊勢型紙彫刻 那須恵子
メール:katagamikatagami@gmail.com
HP:https://kataya2110.jimdo.com
伊勢型紙ブランディングプロジェクト紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=pXfgzdkCM5s

「常若-とこわか-」
https://tokowaka.jimdofree.com/

Are you in the beautiful life?

この記事を皆さんが観ている頃、
僕はもうこの世にはいまs…

..嘘です。すみません生きてます。
オトナミエをご覧の皆、お久しぶりです。
伊勢の路上ミュージシャン、ogurockです。

今回の投稿は自分自身の宣伝を含んでしまう為、
オトナミエ事務局がこの記事を許容してくれたら、
今、みなさんの目に留まっている事かと思います。
ありがとうオトナミエ。では早速。

2020年、春を待たずして世間はコロナ禍になって、
早いものでもう年末の影が見えて来ました。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。

僕は、色んな人の意見が交錯する真っ只中で
まるで今にもへし折れそうな木に捕まり
何も見えない真夜中の嵐が去るのを
今尚待っているような心地です。

4月某日の伊勢神宮前横丁、午前11時。信じられますか?誰もいません。

命を守る為にと色んな事を我慢する人、
その一方、人間社会を、経済を回す為に、
敢えて果敢なアクションを起こす人。
お互いの行動に干渉し、時として口論になる人。
それを見て我関せず、口を閉じたままの人。
確かか、不確かか。誰を信じるか。
様々な情報がひっきりなしに交錯する中で
色んな人間模様が垣間見えたこの10ヶ月。
自分自身も、精査したつもりで仕入れた情報が
正しいか間違っているかよくわからないまま
周囲でアクションが起きた都度、
行動を起こす側に回るか、静観する側に回るかを、
その時々で判断しながらじわじわ悩み続けた結果、
夏の終わり頃、僕の後頭部には
2つの小さなハゲができていました。
(育毛剤が効いたおかげで今は治ってます)

何故わざわざそんな意見の境目にいたのか、
片方に寄ってしまえば不要な思考も停止して
比較的楽に過ごせるのになと、
我ながら思ったものの、
自分の体裁上、そうも行きません。

舞台人という立場からみたら、
今はステイホームだから、
これが新しい生活様式だからと
本来何も悪くないライブハウスや
人の集まるイベントが突然悪者扱いされ、
人々のストレスの吐口の如く
悪の象徴みたいに矢面に立たされ、
成す術無く仕事が激減し
支援Tシャツやステッカーを売りながら
各所に頭を下げ食い繋いでいる様は、
その畑で育ち生きてきた舞台人の端くれとして
非常に耐え難いものがあります。
思わず語気を強めてしまいそうなので
敢えてこれ以上の文面には起こしませんが、
田舎に住んでいる手前か、
「アンタそれ本気で言ってるの?」
という内容の会話が僕のすぐ近くで出ているのも事実。

今年は随分沢山のTシャツを購入しました。お財布すっからかんです。むこう2年はTシャツ足りてます。

一方で、じゃあ経済活動を最優先して
好きな所へ行って好きな事しよう、
多少の犠牲を払ってでも
集団免疫をつけるしか道はない。
という意見にも正直諸手を挙げれない自分。

何故なら、4年前、僕の父はある日突然
“単なる風邪の菌”が肺に入った事で起こる
激症型の心筋炎が原因で約1ヶ月、
自力で息が出来ず、混沌と苦しみ抜いて死にました。
大切な人を、目に見えないちっぽけな、
悪気はおろか意思も無い、その辺に浮遊している
単なるウィルスが原因で亡くすあの虚しさは、
心電図がフラットになるあの瞬間は、
あまり人様にお勧めしたくない経験だし、
経験してしまう人は少ない方が良いなと思う。
そしてテレビで春先からよくお目にかかる
重症化した人へ施される人工呼吸装置、
いわゆるECMOでの処置が
具体的にどういった内容を意味するのか、
そして今、そんな命の現場の最前線で
疲弊しながら戦っている医療従事者
(ミュージシャンの友達を含む)にとって
つまり処置を施す側からしても
どれだけの負担がかかるか、
1ヶ月間、ICUで味わった経験上、
なまじ想像がついてしまうからこそ、
まるで、どちらサイドにも
人質を取られている様な立場になってしまっているので、
僕は”中立”という、第三者からみたら
一番何も考えていないと言われるかもしれない立場を
敢えて取り続けています。

巷で良く言われている田舎の風潮が
怖いから中立している訳ではないです。
僕の立場がどちらかへ傾いた時、
その反対側にいる人たちの精神が
摩耗する要因の一つになりたくないから
僕はこれが自分の意思だと曲げず
ハゲながらも中立していました。

ですが、何もせずこの流れを傍観していては
結局どちらも否定していると取られても
なんの不思議でもないし、実際思われたし。
性格上、僕自身がそれを許したくない。
というわけで自分なりにできる事を
GWの前あたりから考えた結果、
音楽を作ろうという、案外
あっけらかんな結論に達しました。

実はちょうどその頃、全国のツアーミュジシャンたちが
ライブハウス業界を応援する為に
“またライブハウスで”という曲を作り
ネットで救済支援を求めていました。

さすが日本を旅する百戦錬磨の猛者たち。
彼らの動きは兎角早かった。
それが嬉しかったと同時にとても悔しく感じました。
正直、僕も参加したかった。誘ってくれよ!ぷん。
だからこれを、僕なりのスタンスで
小規模ながらにも出来ないかと思いました。

幸い、僕の住んでいる伊勢志摩エリアで
多数のミュージシャンが賛同してくれて、
三密を避けるというスタンスは守り、
本来僕たちの得意技である一斉一発録りではく、
僕が作った基本のトラックに
一人一人音を重ね、時間をかけて
ゆっくり録り重ねをしていきました。
全員撮り終えた頃、夏が終わってました。

サックスに
我らが特攻隊長まっすんはギターで
二胡の先生に
トロンボーンを吹く志摩のワイン屋さん
たくさんのミュージシャンが参加してくれたコーラス

猛者、ジュンレノンさんも。

今回作品に起こしたのは、
僕が楽器片手に舞台に上がった時、必ず最後にやる曲。
大学生の頃に何となく書いた曲を
15年後、30歳をゆうにこした今も、
バカみたいに歌い続けていた僕の曲。
当時は1人ぼっちだったけど、
今はこのイントロを刻めば、
沢山の仲間たちが楽器片手に集まってくれて、
好きな様に彩ってくれて音楽の醍醐味が生まれる。
自分の出番の最後、その日聴いてくれたお客さん、
共演者、スタッフ皆に、沢山の力を借りて
僕が勝手に捧げる人生の応援歌を、
舞台上で彩ってくれるあの空気感を
できる限り再現し、パッキングして
今、窮地に立たされている人たちのもとへ
勝手に届けたいと思いました。

音楽なら、どちらも応援できる。
音楽なら、口論にはならない。
それを創作できるのは、
今、同じ様に歯痒い思いをして
色んな立場から世間を眺めている
僕らミュージシャンじゃないのかと。

この手のCDは本来、物販としてその収益を
旅の顎足枕や活動経費に充てるのが
ツアーミュジシャンに於いて主な目的でしたが、
今回は違う。僅かばかりの収益かも知れないけど、
大切な仲間への、音楽畑への支援へ当てる事ができる。

これが中立を貫いた僕の出した結論でした。
実際、音楽事務所に属しているわけでも
過去にメジャーデビューしたことがある訳でもない。
何なら何に秀でているわけでもなく
録音やMix、マスタリング技術も、
いっぱしのプロと比べたらまだまだひよっこ。
だからこの作品を大風呂敷広げて世間へ出す事は、
正直ちょっぴり恐怖でもあるし、
実際どんな反応されるか心配です。
お前その程度の出来で売り物にすんなや!
なんて言われたらどうしよう。みたいな。
ただ、言えることは、できた商品を試聴してみて、
いかにも僕らしい、雑味があり泥臭くて
その分楽しそうな雰囲気が伝わる作品が
できたなと感じました。とても愛おしい音です。
だから、胸張って、僕の作品ですって言えます。

アートワークはotonamieでもおなじみ、井村のよっちゃんが担当してくれました。

どこの馬(熊)の骨かもわからない
僕みたいな道端芸人が売るCDなんて、
実際どれだけハケるかわかりません。

だから今回、厚かましくも、
ここで宣伝させてもらおうと、11月6日夜2時過ぎ、
まぶたを擦りながら勢い任せ一筆書きの如く
この記事を書き殴ってます。

ご購入は下記サイトか、
伊勢市内でしたら、村井楽器伊勢店さん、サウンドエースさん
松阪市のTak-Gakkiさんに、うつくしやさん
そして、うきさと村のラモシオンさん。
大紀町のCAFEめがね書房さんでも取り扱いしてくれてます。
または、各SNS等で僕までDMください。
テレパシー以外、なんでも大丈夫です。何卒。

こんな折、僕は音楽の力を信じています。
そして、こんな折だからこそ、攻撃しあうのではなく
助け合う精神を決して忘れずに。
それが人間のいいところだろ。
この思い、どうか届きますように。

また必ず、みんなで集合しておおきな音出しましょう。僕は縦軸より横軸で集う音楽の方が好きだ。

ogurockでした。また会いましょう。

ogurock official HP
ogurock.com

DON’ T GIVE UP!

 


 

OTONAMIEでは三重県で活動するアーティストを応援しています!(OTONAMIE運営部)

 

OTONAMIE PUSH EVENT【2020.11.6update】

\こんにちは!広報担当のともーこです!/
イベント情報をご紹介していきます。
※各イベントへのお問い合わせは、各イベントのお問い合わせ先にお願いします。
※イベントの詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。

第三回おんらいん♨︎さろん
ワークショップ「地域と人を変える場づくり」後半

主催者:度会県・OTONAMIE
主催者からのメッセージ:
ゲストは元鳥羽市地域おこし協力隊の佐藤 創さん。コワーキングスペース「KUBOKURI(クボクリ)」という場ができたことで、展開が進む鳥羽なかまち。理容院をリノベーションして新たな事業をはじめた元鳥羽市地域おこし協力隊の佐藤さんに事例を交えお話いただきます。鳥羽なかまちにある他の空き家で何ができるのか?「イケてる空き家で移住妄想ワークショップ」を行います。
ジャンル:オンラインイベント
日程:2020年11月25日(水)
時間:19:30〜21:00
ツール:Zoom
費用:無料
お問い合わせ先:otonamie@gmail.com

▼全8回、度会県×OTONAMIE おんらいん♨︎さろんについてはこちら!
https://otonamie.jp/?p=75792
▼鳥羽なかまちに関する記事はこちら
https://wataraiken.com/project/pretobaproject/
▼鳥羽なかまちのホームページはこちら。
https://tobanakamachi.com/
▼参加申し込みはこちら!
Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/430324728132662
またはGoogleフォーム
https://forms.gle/i7LmqHMyaryy7oEg7
ZOOM URLはこちら!
https://us02web.zoom.us/j/87227040018
ミーティングID: 872 2704 0018
※参加される際はZoomを本名でご入室ください。プライバシー保護のためカタカナやひらがな、ローマ字でも可能です。
※ご参加いただける方は参加ボタンをお願いします。事前に参加表明がない場合は、本会場へのご案内ができませんのでご了承くださいませ。

第二回おんらいん♨︎さろん
ワークショップ「地域と人を変える場づくり」前半

主催者:度会県・OTONAMIE
主催者からのメッセージ:
ゲストは「遊ぶように働くデザイナー」坂本大祐さん(オフィスキャンプ東吉野)。奈良県東吉野村で古民家をスタイリッシュに改装してコワーキングスペース「オフィスキャンプ東吉野」を立ち上げ、移住者は2年で20人超。坂本さんはその中心的人物で奈良を代表する地域イノベーター。実は次回のワークショップ後編の舞台となる鳥羽市のコワーキングスペースKUBOKURI(クボクリ)の立ち上げに関わるなど、三重との繋がりがあります。また今回ファシリテータである福田ミキも桑名市で「ニカイ」という場を運営中。場があると地域や人はどのように変わっていくのかなど実例を交えお話いただきます。
ジャンル:オンラインイベント
日程:2020年11月6日(金)
時間:19:30〜20:30
ツール:Zoom
費用:無料
お問い合わせ先:otonamie@gmail.com

▼全8回、度会県×OTONAMIE おんらいん♨︎さろんについてはこちら!
https://otonamie.jp/?p=75792
▼坂本さんに関する記事はこちら!
https://otonamie.jp/?p=54141
▼参加申し込みはこちら!
Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/342898153681661
またはGoogleフォーム
https://forms.gle/i7LmqHMyaryy7oEg7
ZOOM URLはこちら!
https://us02web.zoom.us/j/88421748543
ミーティングID: 884 2174 8543
※参加される際はZoomを本名でご入室ください。プライバシー保護のためカタカナやひらがな、ローマ字でも可能です。
※ご参加いただける方は参加ボタンをお願いします。事前に参加表明がない場合は、本会場へのご案内ができませんのでご了承くださいませ。
足から体を癒そう

主催者:岩城 真奈美
主催者からのメッセージ:【コロナ疲れや、運動不足の解消】
足から体を癒してみませんか?
足裏には身体の内臓の反射区や肩、腰などの反射区が沢山あります。
また、ふくらはぎも第二の心臓といわれ、
血液を下から全身に流す、ポンプの役割があります。
たっぷり40分のコースを限定2名様でイベント致します。おまけの、ワンドリンクもありますので
施術後は水分補給できます(^^♪

ジャンル:足つぼ+ふくらはぎのリラクゼーション
日程:2020年12月13日(日)
時間:13:00〜 14:00〜 各一名様
開催場所: 三重県松阪市駅部田町1056−5
費用:2,500円 (ワンドリンクor松牛焼2コ 付き)
お問い合わせ先:080‐9998‐3036 【岩城】mail@makeupzen.com

皆様からもイベント情報を募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

知られざる南伊勢町迫間浦スポットを漁船で巡る。

場所は南伊勢町迫間浦。

「シェルファームみつなが」でお会いした光永ご夫妻はとても気さくな方たち。

―「日曜やし、迫間浦を案内しよか?」

と旦那さんの願ってもみないお言葉をいただきました。

いいんですか?ぜひ!

嬉々として漁船に乗り込みました。

Shellfarm_mitunaga2

僕は南伊勢町生まれ・・とはいうものの、神前浦の生まれで迫間浦のことはほとんど何も知りません。

ブォォというエンジンの音が鳴り、海面に波紋が広がっていきます。顔をあげると目の前には・・・

僕は目を輝かせていました。

hasamaura_1
潮風を浴びながら眺める湾内。

釣り堀→ヨット→迫間の夫婦岩!?

―「あそこもあそこも釣り堀や。」

と光永さん。

hasamaura_9
たくさんの釣り客の姿。

釣り公園 佐助屋さんの外釣りエリアを海から眺めます。

超巨大なコンテナはもともとヘリポートの土台(しかも1/4)なのだそう。外釣りエリアの裏には、釣り堀エリアにBBQエリアもあり。子ども連れでも安心して釣りを楽しめるそうです。

船はぐんぐんと進みます。

hasamaura_2
あおさの養殖ポイント到着。

あおさの養殖場の後ろには「ネットワークリゾートなんせい」さんのキャンプ場が見えます。トレーラーハウスもありで、何だか欧風な雰囲気を遠くから感じとりました。

そして、海に浮かぶとっても気になっていたスポットへ。

hasamaura_6
スポットの名は海遊人マリーナさん。

ー「あそこにオーナーがおるな。ちょっと声かけてみよか。」

すると、

ー「コーヒー飲んでくか?」

とオーナーさん。

そんなお誘いに・・・・いいんですか?とまたまたお言葉に甘えてしまいました。

hasamaura_5
本来は会員しか入れないラウンジ。素敵な内装でどこか温かいです。

海遊人マリーナの周りには数々のヨットが浮かんでいます。

レース後でぼーっとしとったんさ、と話すオーナーさんはヨットレースの世界大会で優勝もされたお方。建物内には大きなトロフィーもありました。

もう30年以上も前の話やけどな、今もレースが好きなんさ。オーナーさんは笑いました。

hasamaura_4
穏やかな海とコーヒーで何だかしみじみ。

ー「最後は迫間の夫婦岩を見てってもらわんとな。」

そんな光永さんの言葉に、迫間浦に夫婦岩ってあるんですか?と驚く僕。

徐々に近づき・・・

hasamaura_10
あっ、本当に夫婦岩!

何でも地元の神事では、夫婦岩を船で何回か回るそうです。

福岡県の糸島にも夫婦岩があります。夫婦岩といえば伊勢二見の印象が強いですが、実は全国各地にも夫婦岩あり。夫婦岩めぐりの旅も何だか楽しそうです。

シェルファームみつながさんにカムバック

Shellfarm_mitunaga1
岩牡蠣とアッパッパ貝はとっても美味。

「シェルファームみつなが」の光永ご夫妻のご厚意で、意図せず迫間浦を満喫してしまいました。ありがとうございました。

身近には目を輝かせてしまうスポットばかり。特に普段は見られない場所からの眺め、例えば船からの光景は未知なる世界がまだまだ広がっていそうです。

シェルファーム光永さん

Shellfarm_mitunaga3

住所 三重県度会郡南伊勢町迫間浦813
電話 0599-64-3115
MAIL shell.08.0306@gmail.com
公式WEB http://shellfarm.main.jp/

海遊人マリーナさん

hasamaura_7

住所 〒516-0192 三重県度会郡南伊勢町迫間1306-1
電話 0599-64-3347
MAIL info@kaiyujin-marina.com
公式WEB http://kaiyujin-marina.com/

子はたから 絵本作家なるかわしんごさんを追いかけた。

すべての読者の方に

おおぶ映画祭で、三重県四日市市出身の絵本作家なるかわしんごさんが「インスタレーションペインティング」を開催するというので、取材に行ってきました。

というのは、表向きの口実で、ちょうど記事の出る11月は「児童虐待防止推進月間」なので、このタイミングで、現在、なるかわさんが取り組んでいる虐待予防活動について、詳しくお話をお伺いしたいと思い、取材をお願いしました。

なんだ、虐待の記事か。
僕には関係ない、私には関係ないと思われた方、少しお待ちください。
子育て世帯に限らず、すべての読者の方に関わる、関われる内容なので、ぜひ最後まで目を通して頂きたいと思います。

子はたからプロジェクト

まず、もっともホットな話題は、京都府八幡市で始まった「子はたからプロジェクト」です。
なるかわさんが描いた「せりふ」のない絵本のセットが、赤ちゃんが生まれたご家庭に配られます。

せりふのない絵本?
なぜ絵本の配布?
と疑問に思われる方がほとんどだと思いますので、ここで、なるかわさんの絵本と取り組み内容についてご紹介させて頂きます。

特徴① せりふのない絵本

絵本には、一日の育児の様子が動物で表現されています。
お説教や教育の本ではなく、「どんな話をしているのかなぁ?」と親子がコミュニケーションを取るためのツールとなっています。

特徴② あそびレシピ

遊び方やおもちゃの作り方なども紹介されてます。写真も貼れるようになっているので育児記録にもなる優れもの。

特徴③ たすけびと書き込みスペース

巻末には、行政の相談窓口や子育て支援団体の連絡先等を書き込みできるスペースが設けられてます。

そうなんです、親子でコミュニケーションを取って、何かの時はSOS先がいつでも見られるようになっている。
それが、なるかわさんの絵本の特徴。

なるかわさんは、こう、力説します。

「虐待防止ではなく、虐待の予防をしたい。
 ニュースになる程の大きな虐待でなくても、どんな親でも虐待をしてしまう可能性がある。

 そうならないためには、命を授かった子ども、子どもを産んだ親はもっと祝福されるべき。
 お父さん、お母さんの気持ちを満たすことが虐待の予防に繋がる。

 子どもが一番大事。
 子育ては地域で支える。
 現代は、個に任されているため、「助けて」といいにくい文化になっている。
 合理化の末、人間が持っている生々しい温かみによる繋がりが失われつつある。」

江戸時代には、仮の親子関係ありました。
産婆である「取り上げ親」、実母より先に新生児に乳を飲ませた「乳親」、他にも、名付け親、烏帽子親等々。このように、沢山の親子関係がある事で、必然的に沢山の大人が子どもと関わる仕組みがあったんですねぇ。

現代では、その代わりに、子育て支援の行政やNPO等のサービスがあるわけですが、5割以上が利用されていないそうです。

八幡市で始まった「子はたからプロジェクト」の目的は、まずは、このような子育て支援サービスが地域にあることを、親に知って貰うことで予防に繋げる狙いがあります。

その他、愛知県蟹江市や三重県東員町等で行っている絵本を使ったワークショップの事例等もご紹介頂きましたが、一方でなかなか行政の理解を得られない現状もあるようで、もっと、他の市町村にも、この動きを広めたいそうです。(同感!)

わたし達にできること

行政だけでなく、民間企業でも、NPOへ寄付をしたり、講演会に呼ぶ等、子育て支援に関わる方法は各フィールドごとにあるそうです。

というか、あります。
私自身、子ども食堂でボランティアをしている身として、常に実感しています。
NPOのメンバーだけでできる事には、限界がある。
親、行政、地域のみんなで子どもを支える仕組みが必要です。

記事を読んで、ピンと来られた方、ぜひ、なるかわさんまでご連絡を頂きたいと思います。

最後に、なるかわさんのこの言葉で記事を締めくくりたいと思います。

「子どもが一番大事。
 僕らは子どもより長く生きられない。
 子どもは僕らの知らない明日を生きていく。
 だから、子どもにとって一番良い社会を創ることが
 僕らがやるべきこと。
 その為に、僕らが出来ることを一緒にやっていきましょう。」


なるわかしんごさん
公式サイト
Instagram
子はたからプロジェクト

【おまけ】
実は、OTONAMIEでなるかわしんごさんについての記事は2回目になります。なるかわさんの事についてもっと知りたい方は、福田ミキさんが書いたこちらの記事をご覧ください。

→ 優しさと哀愁を描く絵本作家生川真悟さんを追いかけた。

 

再開!OTONAMIE PUSH EVENT【2020.10.30update】

\イベント情報!大募集

2月後半から配信をストップしていた、OTONAMIE Push Eventを再開します!イベントの主催者や関係者の方々からの、イベント情報を募集しています。最近オンラインイベントも増え、新しいイベントのたのしみ方もありますね。
今回は再開直後の配信ということもあり、手前味噌な情報ですが、ぜひ皆さまからのイベント情報をお持ちしていますので、記事の最後の方にある専用メールフォームからお寄せください。

 


 

\こんにちは!広報担当のともーこです!/
また、皆さまからのイベント情報もドシドシ募集中です!
※各イベントへのお問い合わせは、各イベントのお問い合わせ先にお願いします。
※イベントの詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。

第二回おんらいん♨︎さろん
ワークショップ「地域と人を変える場づくり」前半

主催者:度会県・OTONAMIE
主催者からのメッセージ:
ゲストは「遊ぶように働くデザイナー」坂本大祐さん(オフィスキャンプ東吉野)。奈良県東吉野村で古民家をスタイリッシュに改装してコワーキングスペース「オフィスキャンプ東吉野」を立ち上げ、移住者は2年で20人超。坂本さんはその中心的人物で奈良を代表する地域イノベーター。実は次回のワークショップ後編の舞台となる鳥羽市のコワーキングスペースKUBOKURI(クボクリ)の立ち上げに関わるなど、三重との繋がりがあります。また今回ファシリテータである福田ミキも桑名市で「ニカイ」という場を運営中。場があると地域や人はどのように変わっていくのかなど実例を交えお話いただきます。
ジャンル:オンラインイベント
日程:2020年11月6日(金)
時間:19:30〜20:30
ツール:Zoom
費用:無料
お問い合わせ先:otonamie@gmail.com

▼全8回、度会県×OTONAMIE おんらいん♨︎さろんについてはこちら!
https://otonamie.jp/?p=75792
▼坂本さんに関する記事はこちら!
https://otonamie.jp/?p=54141
▼参加申し込みはこちら!
Facebookイベントページ
https://www.facebook.com/events/342898153681661
またはGoogleフォーム
https://forms.gle/i7LmqHMyaryy7oEg7
ZOOM URLはこちら!
https://us02web.zoom.us/j/88421748543
ミーティングID: 884 2174 8543
※参加される際はZoomを本名でご入室ください。プライバシー保護のためカタカナやひらがな、ローマ字でも可能です。
※ご参加いただける方は参加ボタンをお願いします。事前に参加表明がない場合は、本会場へのご案内ができませんのでご了承くださいませ。

皆様からもイベント情報を募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

「南国に住む」 連載エッセイ【ハロー三重県】第19回

10月がもう下旬に差し掛かっている。今年ももうあとふた月と少し。
この時期になると、私は毎年少し勝ち誇ったような気持になる。
だって、ここは温暖な三重県なのだから。

私の生まれは北陸地方の、とある半島だ。
日本海に突き出た北風吹きすさぶ町で生まれている。
秋が深まるころから空は鉛色に表情を変え、日照時間はがくんと減る。
冷たい雨が降り、木枯らしが吹く。
早ければ11月半ばには雪がちらつくこともある。
ああこれから長い冬が始まるのだと思わずにはいられない。薄暗い空を見ては、世界が落ちてくるんじゃないかと思ったものだった。
北陸の冬は乱暴に荒れる。
風が吹き、雨がどさどさ降り、吹雪が舞い、そして大きな雷が鳴る。
その冬の入り口が、秋なのだ。

ところが、こちら三重県。
秋の穏やかなことと言ったらない。
これを書いている今日、今、南向きの窓からはぽかぽかとした温かい日差しが降り注いでいる。
窓にぴったり体を寄せれば、心まで温まるというもの。
風もなく、お日様がさんさんと降り注ぐここは、絵本の中かと思うほどのどかで幸福的だ。
おや、どこかで小鳥のさえずりが。

朝こそ少し足元が冷える感じがあるけれど、昼間はエアコンもストーブもいらないほど暖かい。
ああ、私はついに憧れの南国で暮らしているのだな、と10年以上経った今でも、毎年しみじみと思う。

*

実家の家族と子どもたちの写真をたびたび共有するのだけど、秋から冬にかけて、私の優越感は果てしなく満たされる。

我が家の子どもたちが暑がりなことも手伝って、ほぼ毎年のように姉妹から、「まだ外で半袖着てる!」やら、「パジャマが薄い!」やら、驚きのコメントが届くのだ。
この優越感をお分かりいただけるだろうか。
海なし県に生まれた人が海に強い憧れを抱くのと同じように、南国生まれの人が雪に憧れるのと同じように、北国生まれの人間は温暖そのものに憧れるのだ。
秋なのに、冬の入り口なのに、半袖で外を駆け回る子どもたちを見ていると、ここが北国ではないことを再確認するようで、なんだか妙に満たされるのだった。

因みに、実家のほうではそろそろ子どもたちにキルトのパジャマを着せようか、という段にあるらしい。

「我が家の!子どもたちは!まだ!半袖です!!!!」

と太字で何度だって言いたくなるよ。

*

そんなふうだから、できることならば三重県には雪が降ってほしくない。
御在所岳とかの高地はもちろん除くとして、平地ではできればご遠慮願いたい。
夫を始めとする県内生まれの人々は大抵、雪が降るととても喜ぶのだけど、私としては、ほんとうに勘弁してほしい一心。
なにが悲しくて、この温暖な楽園に雪なんて降らせるのか、もろもろが台無しではないのという気分になる。
冬の早朝なんかに雪の気配を感じると、子どもたちは大はしゃぎでパジャマのままお外に飛び出したりなんかするのだけど、私は窓からそれを静かに眺めている。
三重県の温暖さに一点の曇りも持ちたくない、と家を建てるときには北国並みの断熱材をぶっこんでもらったのだ。私は太平洋側、そう表ニッポンのしかもわりと南部で暮らしているのだもの、寒さを感じるなんて言語道断なのだ。暖かいお部屋の中から、ちらつく雪をただ見る。
心のどこかで、こんなの気のせいだとさえ思っている。

昼過ぎにはだいたい雪は溶けるので、それもまたやはり、「勝った」と思う。三重県の太陽を舐めるんじゃないよ、と。

こちらに越してくる前に5年ほど京都で暮らしていたけれど、京都もやはり寒かった。京都は底冷えがと言われるけれど、それはそれは寒い冬だった。働いていた会社にはなぜか換気が大好きな上司がいて、しょっちゅう窓が開け放たれるというおかしな事情もあって、とにかくずっと寒かった。
その頃の口癖は「南下したい」だったので、見事に南下できた自分を褒めたい。

*

そんなに三重県での秋を堪能していたら、味覚狩りだなんだと行楽に出かけていそうなものだけど、そちらのほうはまったくと言っていい。
私は真正の出不精なので、お家の中でじゅうぶんに秋を堪能できるししている。10月も終わろうとしているのに、窓からさんさんと陽光が降り注いでいるという現実だけで、最高に秋を愉しめるのだし。
唯一、秋らしい楽しみがあるとすれば、夫の実家にお邪魔する際にたいてい伊勢道路(伊勢と志摩をつなぐ山道)を通るのだけど、その道中の景色が秋はとってもいい。
特にどこかで停車して写真を撮るなんてこともなく、ただ見事な紅葉を眺めながら通過するだけなんだけど、毎年きちんと感激している。

特別なことは何もしないけれど、北国の人間にとってはこの温暖な秋というのが、もう最大のトピック。
そして、さらに言うなら北国育ちからすると、気温的には年内いっぱいほとんど秋みたいなものだって言うのも大きなポイント。

野菜や薬味がなしでも美味しい!郷土料理を簡単に作る!東紀州の「さかなごはん」。

出身地の尾鷲近辺の郷土料理に「魚ごはん」と呼ばれているものがある。
OTONAMIEでも紹介されていた味ごはんの一種(詳しくはこちら)で、鰹を一度だけ薫製させた、半生の柔らかい生節を使った炊き込みご飯だ。生節と、ニンジンやゴボウなどの野菜をしょうゆ・みりん・酒で煮たものを米と一緒に炊く。茶色い味ごはん。

古い写真なので判りづらいが、生節に人参・ネギと餅米も入っている。
しかしこの生節、私が今住んでいる東京都ではなかなか手に入らない。房総半島の方でも生節を作っているそうで、千葉産のものに年に数回出会うぐらいだ。そして高い。
こんな時に役立つのが、私の母から聞いた郷土料理をダイナミックに作る力技レシピ。

材料……
・米 三合
・ツナ缶 一つ
・しょうゆ

大変シンプルで潔い。

ツナ缶の油を切る。

米を洗ってツナ缶を投入。
次に調味料を加える。
母にしょうゆの加減を尋ねたら「ツナ缶に八割ぐらい」。

調味料の量もダイナミック。

 

投入。油が輝いている。

材料全部を炊飯器に入れたら、炊き込みご飯モードにて炊く。

完成!茶色い!

かき混ぜて見たところ、ちゃんとお焦げもできていた。
久しぶりに作ったせいか、茶色いご飯の魅力を再発見した気持ちになった。
野菜を入れたり、薬味を用意しなくて正解だったかもしれない。

味は見た目から想像した通り。
おいしいし安上がりだし、何より簡単なので作ってみてください。

#このひと品 伝説のラーメン屋さんチャオの味再現

鈴鹿市で育った40.50代の人で知らない人はいないのではないかというくらい有名なラーメン屋さん”チャオ”。伝説のラーメン屋さんと言われるくらい賑わっていたチャオの味を再現したラーメンが、鈴鹿市の”ぶっさんや”で食べれます!

厚切りチャーシューと、あさっさり醤油ラーメンがベストマッチしたラーメン。1杯690円。何杯でも食べれそうなくらいチュルチュルと麺が入っていきます。

何故今になってチャオのラーメンを再現したのか聞いてみると、

「昔なつかしの味平田駅にあった伝説のラーメン屋チャオのラーメンが好きすぎて再現しました。
再現するのに役14年の月日が流れ、ある日突然降りてきたんです。あの懐かしい時代からある調味料、あの値段で提供していた事を想定して、逆算し自分の舌の記憶と照らし合わせやっと完成しました。醤油屋さんに聞き込みしたり麺屋さんに当時使用してたレシピで作ってもらったりして本物の味に近づけました。
一番難しいのはやはり人それぞれ思い出の舌の感覚が違うので、チャオのラーメンを知ってる人にはもっと雑な味がしたとか。色々言われてます(笑)。あくまでも僕の舌の思い出の味を完全再現したラーメン一度食べて見て欲しいです。」

とこだわりの再現ラーメン。チャオの常連だった私の感想は、チャオのラーメンが上品なラーメンになった!です。

友人から提供頂いた懐かしいチャオの外観とラーメンも載せておきますので、学生時代を思い出しながら1度再現されたラーメンも食べてみて下さいね。ラーメンは、お昼のみです!


ぶっさんや
住所:鈴鹿市住吉2-6-1
電話:0593734983
火・第3水曜定休日
昼営業:11時〜14時(水、木定休)
夜営業:18時〜24時

肉・白飯・ビール・最高!!松阪市民の鶏焼き肉愛と味噌だれへのこだわり

「松阪なのに牛じゃなくて鶏なの??」
関東から三重県に移住してきた当初、そんな会話をした覚えがある。

「えっ松阪で鶏??バードの方ってこと?」
先日も桑名の人に驚かれた。チキンの方じゃない?という突っ込みは飲み込んだ。

高級和牛で有名な三重県松阪市だが、地元にソウルフードとして愛されているのは鶏。

松阪出身者に聞くと、高校の帰り道には鶏焼き肉へ通った人もいるなど、日常への浸透度がわかるエピソードが次々と飛び出す。

どうやら各家庭ごひいきの味噌だれがあり、店で食べる派もいれば、買って家で食べる派もいるという。ポイントはとにかく味噌だれ。

うーん、気になるその実態。

百聞は一見にしかず。大手を振って鶏焼き肉店へ!

 

こだわりは味噌だれ

1軒目にお邪魔したのは「若鶏焼肉とりいち」。

暖簾をくぐると、食欲をそそられる香りと熱気に包まれた。

これ、これ!この雰囲気だ!
昼間からビール片手に、肩肘を張らず、豪快に味わえる空気感を求めていたのだ。

潔いメニューの数。
全て1コイン以下というお値段にも驚き。

さて、何からいこう!

定番は若鶏とのことだが、噛めば噛むほど味が出て癖になるとファンが多いのは親鶏「ひね」。

味噌だれを絡めた鶏肉を七輪やコンロで焼き、更に味噌だれに絡めて食べるのが、松阪の鶏焼き肉スタイル。

松阪は昭和の時代から養鶏が盛んで、卵を産まなくなった鶏(廃鶏)を処分する際に、美味しく食べる方法として、味噌だれに絡めて網焼きにするという習慣があったそう。

【松阪鶏焼き肉の定義】
①味噌だれであること
②あみ焼きであること
③鶏焼き肉を専門においていること
(メニューの最初が鶏肉であること)

じりじりと焼いた肉を、

味噌だれに潜らせたら、

左手で待ち構えていた白ご飯へ…

オン!!!そしてかきこむ!!

歯ごたえが程よい。これがうま味が凝縮した鶏本来の味なのか。

まろやかな味噌だれと絡み合い、奥深い味わいが広がる。食べ始めたらやみつきになる気持ち、よくわかる。

待って余韻!消えぬうちに、ビールGO!!

なんというか、これなんです!!忘れてた、この感覚が堪らない!

さぁ、もう1回!

程よく焦げ目が入った肉をたれに潜らせて、

オン!!

大口で頬張ったら、ビールGO!!!

弾力を楽しめるよう大きさも計算されているんだろうなぁ…と思わずにはいられないちょうどよさ。

こちらは首の筋肉の「クビ」。なんてダイレクトな名前なんだ。

骨から外すのが難しいため、あまり量の取れない希少なお肉だそう。身が引き締まっており、歯応えがある。

王道の人気メニューである唐揚げも、味噌だれに潜らせてしまおう。

ワンバウンド前にしたたらせ、

ON!ビールGO!

脳にガツンと響く香ばしい味噌だれが鶏肉とマッチして、ご飯もビールもとことん進む。

うーん、胸を熱々に焦がす鶏焼き肉のインパクトたるや。

この風情のなかで、カーッといくのがまた良い。

 

肉が焼ける音と笑い声が響く至福の空間

思い思いの焼肉タイムを楽しむお客さんたち。

お隣テーブルのご家族は、今週2回目の訪問とのこと。やはり決め手はこの味噌だれなのだそう。

鶏焼き肉を初めて食べるというお客さんもいた。TVで観てから念願の来店とのこと。
「味噌だれで味がしっかり付いているから美味しいです」
箸がどんどん進んでしまう鶏天国へようこそ。
取材中、3家族の団体客もみえていた。テーブルは親チームと子どもチームに分かれ、”いつもの感じ”で楽しむ光景を見て、小さい頃から鶏焼き肉に慣れ親しんでいるのが分かってきた。
また漁師の友人を連れてきたというお客さんからは、「タレがまずかったらけーへん!」という声も。

漁師町へ訪問する時は、袋に鶏肉と味噌だれを入れてお土産に持って行くと、とても喜ばれるのだと教えてくれた。因みに漁師さんの好物はスイカとのこと(肉でも魚でもないんかいっ)

「この雰囲気の中でワイワイ食べるのが一番うまい」というお客さん。

とはいえコロナ禍によるステイホームでは、BBQで楽しんでいたという。

「それでも決め手はタレ!」ごひいきの店で、味噌だれだけを買い求めるお客さんもいる。とにかく味噌だれへのこだわりは絶対のようだ。

 

もはや市民の本能に訴えかけていると言ってもよいのではないか

2軒目にお邪魔したのは「鶏あみ焼だるまや」。

鶏焼き肉を中心に、牛や豚の豊富なメニューが揃うお店だ。

鶏肉は、早朝に処理された「朝引き」を使用しているのが特徴。鮮度が良いため、親鶏と若鶏を食べ比べると、美味しさの違いが一層分かりやすいのだそう。

(手前)左側が若鶏、右側が親鶏

味噌だれをしっかりと絡め、若鶏と親鶏を同時に焼いてみる。

もう焼けた??じりじりと待つ時間も楽しみのひとつ。

わかってる、絶対美味しいやつ。

肉汁が溢れる肉を味噌だれに潜らせて、

ON!!ハフハフしながらご飯と一緒にかき込む。

なるほど、ジューシーで甘みのある若鶏と、筋肉質な旨味が強い親鶏。違いを感じられて面白い。

個人的には、年齢と共にさっぱりしている鶏肉に好みが移行しつつある今日この頃だ。

とはいえ牛のホルモンも。

ぷりっぷりの脂が口の中で溶けるホルモンを、味噌だれで食べるのも定番。

あゝ焼肉ってなんでこんなにテンションが上がるのだろう。

鶏も牛も旨味を引き立たせる味噌だれ。またビールに合うんだわ…。

「以前からテイクアウト用に味噌だれを売ってほしいという声も頂いていて、近々販売することになりました」と店長の秋田さん。

お店で香ばしい煙に包まれながら、網焼きするのも最高だが、家でゆっくりとこの味を堪能する時間も至福のひととき。

因みに、家庭で鶏焼き肉を食べる時は、ある程度お肉に火が通ってから味噌だれを絡めて焼くと、焦げにくく美味しい状態でいただけるとのこと。

松阪の暮らしに潜り込む鶏焼き肉文化。

ひいきの店の秘伝の味噌だれは、もはや市民の本能に訴えかけていると言ってもよいほど根付いたソウルフードなのだ。

牛の焼肉とは一味違ったこの満足感、ぜひ味わってほしい。

photo / y_imura


【取材協力】
若鶏焼肉とりいち
hp https://web-toriichi.jp/

だるまや
hp http://www.mcity.co.jp/darumaya/

Do it!松阪鶏焼き肉隊
hp http://doitmatsusaka.net/blog/

【タイアップ】
松阪市 観光交流課
松阪市殿町1340番地1
tel 0598-53-4196
松阪市hp https://www.city.matsusaka.mie.jp
松阪市観光hp https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/kanko/
松阪市観光インフォメーションサイト https://matsusaka-info.jp/

お寺版お宮参り?初参式をやってもらいました!@桑名市善西寺

そろそろ七五三のこの季節。

うちの長女、
7歳の年は、いろいろ予定が重なり七五三できず、
8歳の年は、私がつわりでそれどころじゃなく、
9歳の今年まで引っ張ることに。

次女は6歳なので、数えで7歳のお祝いタイミング。

三女は生後3ヶ月、暑くてお宮参り引き延ばしてやってない。

ということで、三姉妹まとめてお祝いをしましょうか!

ということになり、
こども食堂などでお世話になっているお寺で、【初参式】をしてもらうことにしました!!

【初参式】とは、初めてお寺にお参りすることを祝う式。

神社でお宮参りをしますが、そのお寺版なわけですね。

ちなみに、七五三は神事というわけではないので、お寺でも受け付けてくださっているところもあるそうです。

極論、節目節目にお祝いする気持ちがあれば、なんでもいいのかもしれませんね。

そして信仰心がほぼない私はにとって、正直、お宮参りや七五三にこだわりはなく、お祝いの写真を残す!ということができれば良し!!

そんな失礼な私のお願いをすんなり聞いてくださった住職、三姉妹まとめて初参式をとり行なってくださいました!

そして写真はフォトグラファーの横山優美子さんにお願いしました!

 

 

カンカンカーンとはじまりの鐘

キンキラの本堂でお経を唱え、

久しぶりの初参式に気合入っているごえんさんに向かって、「ツルピカやね」という娘達。(失礼!🤣)
「あんたらのためにキレイに剃ってくださったのよ!ツルピカにしてくださったのよ!」という母。(めっちゃ失礼😂)

お焼香をし、

お歌を歌い、

お土産をいただきました❤️

難しいことはなーんにもなく、
全部住職が指示してくださいます。
お経もあげるし、歌も歌うんですけど、なんとなーくでなんとかなります。(たぶん)

そして我が家、ひと家族貸し切りでやっていただいたので、赤ちゃんが泣いても、姉妹が喧嘩しても、私がそれを怒鳴り注意しても許されます🤣

ソーシャルディスタンスも保たれます!
(こども達も口紅塗ってもらってるし、マスクなんてしたら、えらいことになります😂)

あと、仏様は写真撮り放題です。

神社の場合、基本的に式中は写真撮れないんですよね。
七五三シーズンは境内も人が多いし、フォトスポットを探すのが大変なんです!!

その点今回は、知らない人が写り込むかもしれないと心配したのは、外で、お墓参りの方が帰られるタイミングくらいでした🤣

今回は、初参式の最中、前後と1時間程度、
いつも撮ってもらっている横山優美子さんにロケーション撮影をお願いしたんですが、

まぁ〜スムーズだこと🤣

「あ、適当にお願いします」みたいなお願いで、素晴らしい写真を撮ってくださいます。

ほら!この写真!お宮参りみたい!!

産着、持っていったけど、どうやってかけるんだったかしら?もうなくてもいいかな〜なんて思っていたら、しっかりとかけてくださいました!!
写真撮影のみならず、スタイリストまで!

素晴らしい‼️
こういう写真ってなかなか残せないのですよ〜
わーいわーい!住職もご一緒してもらったぁ〜😆

あとはお土産もご紹介しますね!

不二家のお菓子と〜
ん?ん?レトロなこれは??

初参式用の記念アルバムですって!

親からこどもにメッセージを書くページなんかもありましたよ!
写真入れたらちゃんと書こうかな☺️

小雨がパラつくも、なんとかお天気ももって、とても良い思い出ができました☺️

子ども達のお支度をお願いさせてもらった南川早苗さん、
写真を撮ってくださった横山優美子さん、
初参式をしてくださった走井山善西寺住職、
お手伝いいただいたおくりさん、長男くん、
着物の肩揚げなど準備を手伝ってくださったお義母さん、

ありがとうございました!!

 

 

初参式のお願いは善西寺のページ

 

ロケーション撮影のお願いは横山優美子さんのぺージ

 

度会県×OTONAMIE「おんらいん♨︎さろん」はじまるよっ!コロナ禍でもつながって、度会県で度々会おぅー!

皆さま、「度会県」を知っていますか?

現在、私たちが暮らす三重県は「安濃津県」と「度会県」が合併してできました。

「度会県」は明治4年(1871年)の廃藩置県に伴って、現在の三重県南部に誕生。明治9年(1876年)に「三重県」(安濃津県)と統合されるまでの約5年間だけ存在した幻の県。

当時の度会県に当たる伊勢市以南の三重県南部には伊勢神宮をはじめ、熊野古道などの歴史的資源があり、自然豊かな海や山が残る「日本人の心の古里」とも呼ばれています。
その反面、進学や就職などで地域外に転出してしまう若者が多く、人口減少、高齢化により地域づくりの担い手不足の問題に直面しています。

「度会県地域の魅力をもっと多くの人に知ってもらいたい」「これからの地域づくりに参加してもらいたい」との思いで、140年もの時空を超えて、三重県が平成30年に「度会県民プロジェクト」としてWEBバーチャルの世界に復活させました。
地域との関わり方は人それぞれ。度会県に関わりのある人、これから関わってみたい人が度会県民として1300人以上が県民登録し、地域と様々な取り組みを行ってきました。

▼取り組みの詳細は度会県のホームページをご覧ください。
https://wataraiken.com/

しかしコロナ禍の今年は、なかなかリアルな場での交流が難しくなりました。 そこでオンラインを活用した、新しい活動の場として、この度「度会県民オンラインサロン」が開設されることになりました。

たくさんの人々の協力のもと、三重県内のふざけた情報から真面目な情報までを発信してきた(自称)地域創生メディアOTONAMIEとして、「度会県」の更なる魅力を知ってもらうために「度会県プロジェクト」と連携しオンラインサロンの運営に参加させていただくことになりました。

その名も「度会県 × OTONAMIE おんらいん♨︎さろん」。。。

OTONAMIEも開設してはや6年。これまで培ったありとあらゆるコネを駆使し、度会県地域で活躍する地域イノベーターを中心にゲストとしてお招きし、トークイベントやワークショップの開催を予定しています。
地域の魅力は勿論、暮らし方や働き方、これからの地域の可能性をみんなで考え、交流できる場所になればと考えます。

オンラインサロンは全8回。
トークイベント4回と、ワークショップ2回×2です。
では、ゲストをご紹介!

 

第1回 トークイベント
日時決定!2020.10.27
「漁業界の風雲児」浅尾大輔さん(孝志丸)

テーマ:漁村をバズらせる
先進的漁業者。大阪から漁村に移住したらかこそ見えた可能性に突き進み、牡蠣小屋やあかもくの商品開発など新たな展開を行う。最近では静岡から移住して民泊施設を行う若手移住者と組み、漁村のテーマパーク化に取り組んでいる。「客がこなければオレらがオモロないということ」という浅尾氏にオモロい地域づくりについてお話いただきます。

浅尾さんに関する記事はこちら

 


 

第2回 ワークショップ前編(日時未定)
「遊ぶように働くデザイナー」坂本大祐さん(オフィスキャンプ東吉野)

テーマ:「地域と人を変える場づくり」前編!
東吉野村で古民家をスタイリッシュに改装してコワーキングスペース「オフィスキャンプ東吉野」を立ち上げ、移住者は2年で20人を超える。坂本さんはその中心的人物で奈良を代表する地域イノベーター。実は次回のワークショップ後編の舞台となる鳥羽市のコワーキングスペースKUBOKURIの立ち上げに関わるなど、三重との繋がりがあります。場があると地域や人はどのように変わっていくのかなど実例を交えお話いただきます。

坂本さんに関する記事はこちら

オフィスキャンプ東吉野のホームページはこちら

 


 

第3回 ワークショップ後編(日時未定)
「昭和な鳥羽の台所」鳥羽なかまち

テーマ:「地域と人を変える場づくり」後編!
コワーキングスペース「KUBOKURI」という場ができたことで、展開が進む鳥羽なかまち。理容院をリノベーションして新たな事業をはじめた元鳥羽市地域おこし協力隊の佐藤さんに事例を交えお話いただきます。
鳥羽なかまちにある他の空き家で何ができるのか?「イケてる空き家で移住妄想ワークショップ」を行います。

鳥羽なかまちに関する記事はこちら

鳥羽なかまちのホームページはこちら

 


 

第4回 トークイベント(日時未定)
「河崎のまちづくりディレクター」はしもとゆきさん(中谷武司協会)

テーマ:伊勢のアートなまちづくりプロデュース
伊勢に因んだサトナカクッキーなどオシャレなプロダクトを伊勢市河崎のショップで販売。またショップの近くでは、外国人客を中心としたアート感の強い民泊施設も運営されている。伊勢河崎のまちづくりを行ってきた一人として、どのような実感や可能性があるのか、また農業にも取り組む暮らしへの想いについてお話いただきます。

はしもとさんに関する記事はこちら

中谷武司協会のホームページはこちら

 


 

第5回 トークイベント(日時未定)
「尾鷲のニュースメーカー」伊東将司さん(夢古道おわせ支配人)

「地域資源の料理人」東城さん(ディーグリーン)

テーマ:たのしい港町のつくり方
全国的にも有名な地域プレイヤーの伊東さん。過去に度会県民参加型プロジェクト「九鬼かいぞく学校」を主催した豊田宙也さんも、この人に魅力を感じ移住をした。たのしいまちづくりを事例を交えながらお話いただきます。
モグックなどで地域の産品を商品化し、ブランディングやネット販売を行うディーグリーンの城さん。地域に埋もれている資源を活用すると、どのような商品ができ、人手不足で悩む地域はどう変われるのかなどを語っていただく。

伊東さんに関する記事はこちら

夢古道おわせのホームページはこちら

東さんに関する記事はこちら

ディーグリーンのホームページはこちら

豊田宙也さんと「九鬼かいぞく学校」の記事はこちら

 


 

第6回 ワークショップ前編(日時未定)
「世界目線のぶっ飛び漁師」橋本純さん(友栄水産)

「これが本当の海好き女子」田中りみさん(株式会社ゲイト)

テーマ:「みらいの漁村」前編!
橋本さんはヨーロッパ、ハワイなどで暮らし、南伊勢にUターンして家業の漁師兼水産会社を経営。10年以上前から始めた漁師体験には海外からも客が訪れる。最近では漁村ワーケーションも企画中。コロナ禍で行き場を無くした養殖真鯛をネットで一匹まるごと販売する5670(コロナゼロ)プロジェクトを成功させるなどメディアや各方面から注目されている。インターンも積極的に受け入れている。
田中りみさんは熊野で女性漁師として活躍。漁師を志した理由や実際になってみて感じている可能性などのお話をいただきます。

橋本さんに関する記事はこちら

友栄水産のホームページはこちら

田中さんに関する記事はこちら

 


 

第7回 ワークショップ後編(日時未定)
「世界目線のぶっ飛び漁師」橋本純さん(友栄水産)

テーマ:「みらいの漁村」後編!
橋本さんが暮らす南伊勢町の漁村「阿曽浦」には、湾内に小さな真珠の加工小屋や点在していて、カラフルで小屋がある湾は所謂「映える」風景です。しかし高齢化などで実際に使われなくなった小屋も多くあり、そのような小屋をサンプルに「船でいく週末カフェにリノベション!」など、皆さんで自由にアイデアを発想して発表できるWSを開催予定。例えば「船で行くカフェ」ができると、小さな漁村のみらいはどのように変わるのかなど、自由な発想で意見交換していただきます。

阿曽浦の小屋についての記事はこちら

友栄水産のホームページはこちら

 


 

第8回 トークイベント(日時未定)
「里山を愛するアクティブ女子」西口まみさん

テーマ:たのしい里山に増えた関係人口
清流宮川や大台ヶ原など、山や川という自然の資源に恵まれている大台町。体験型アクティビティーやゲストハウス、空き屋のオシャレな利活用などで関係人口や移住者も増加傾向にある。タレント活動を行う傍ら、山好きが高じて山好きが高じて大台に関わるようになった西口さんに地方創生や観光に携わる経験を通じて、関係人口として楽しむコツや魅力をお話いただきます。

西口さんに関する記事はこちら

奥伊勢テラスのホームページはこちら

 


 

そしてこのオンラインサロンの司会・ファシリテータを務めるのは、
「ミスターOTONAMIE」村山祐介(代表)OTONAMIEの裏番」福田ミキ(副代表)

三重県に関する知識やリレーションをもつこの二人が、この9名のゲストとどんな本音トークを繰り広げるのかも期待できます。

コロナ禍だからこそオンラインでみんなが繋がり、地域の為に今できること、離れててもできることをみんなで考え、新しい地域づくりのカタチを創造できればと思います。

ぜひこの機会に、三重県南勢地域で実際に活躍する人々と交流し、三重県南部地域への思いを深めてみませんか?

 

お申込み(無料)はこちらから

▼facebookイベントページ

https://www.facebook.com/otonamie/events

 

 


 

度会県公式サイト:https://wataraiken.com/

度会県公式Facebook:https://www.facebook.com/wataraiken

OTONAMIE公式Facebook:https://www.facebook.com/otonamie

オンラインサロンのゲストや内容は、都合により変更する場合がございます。
開催日等の詳細は「OTONAMIE」「度会県」の公式HP及びSNSにてお知らせ致します。
開催はオンラインツールZOOMを使用致します。

 

「祈り」をテーマに字を書く人・伊藤潤一のこれまでとこれから。

ことごとくライブやイベントが中止になっている今年。

芸術の秋、みなさま音楽やアートに飢えてませんか?

 

今日は三重県の端っこで、三密を避けて開催されている書の個展を紹介します。

期間は11月8日(日)まで。

 

書家・アーティスト 伊藤潤一

わかりやすくするためにそう名乗ってはいるが、職業なんですか?と聞かれると「筆と墨を使って字を書いてます」本人はそう答えるそうだ。

2016年に一度OTONAMIEの記事になっているので、見たことある人もいるかもしれません。→https://otonamie.jp/?p=21567

なぜ書を始めたのか、書への思いなどを知りたい方は、彼のホームページをじっくりご覧いただくとして。→https://itojunichi.com

ホームページ内の経歴を見ると海外での様々な活躍が並ぶ中、前回のオトナミエの取材後2017年頃から「〇〇神社 作品奉納」などそれまでと明らかに活動のフィールドに変化が見られます。

なぜそうなったのか、また今回の個展への想いなども聞いてきました。

 

 

去年の10月、彼は伊勢の外宮参道にて個展「祈り」を開催。

2019年10月、伊勢市外宮参道ギャラリーにて。

終了後、彼のおばあちゃんがその個展を見てみたかった。と言っていた事を知ります。

紀北町に住む高齢のおばあちゃんにとって、伊勢までの道のりは少し遠かったのだろう。

その直後に熊野古道センターから、来年個展やりませんか?のオファー。

紀北町から尾鷲市までは車で30分程度、この機会を逃さない手はありません。

 

2020年になり新型コロナウイルスが猛威をふるい、予定していた全国各地でのイベントや「祈りの旅」は延期や中止せざる得ない状況に。

熊野古道センターでの個展も直前まで開催決定しないまま・・しかし、自分の中では心の準備を整えていたと言います。

 

こちらは今年4月、コロナウイルス鎮静祈願祭にて書かれた作品。

個展開催が正式決定したのはなんと開始の約1ヶ月前。

そこから作品制作と会場内で流す映像や音楽、チラシ、打ち合わせ・・・いろんな人を巻き込み急ピッチでの準備が始まりました。

 

 

8月中旬のまだ暑い日。熊野古道・馬越峠。

鼻歌を歌いながら歩くには少々難しい山道を登り、辿りついたそこは、爽やかな空気と流れる川の音がとても気持ちいい場所。

スタッフと和やかに談笑しながらのぼり始める、はじめはみんな笑顔。

 

その土地に流れる空気や自然の豊かさを感じ、流れる川の水で墨をすり、祈りを捧げる。

集中力を高め、一気に筆を振りおろす。

その瞬間、彼は無になり新たな作品が産声をあげる。

 

この時に書いた文字は「祈」と「道」

「人と道 ここで ここに ここから生き続ける「道」の文化を伝えたい」という熊野古道センターのコンセプトにからこの2文字に決めていたそう。

その時の空気感、作品が出来上がる過程、温度感を伝えたいと、会場内にはこの日の映像が流れ、川の音も再現されている。

 

ミッション完了!

 

 

時は少し遡り、2016年9月有松ミチアカリというイベントでパフォーマンスした時のこと。

「夢」という一文字を書いたところまでは覚えている、その後もう一文字を書いた時の記憶はない。

しかし、その時に彼の中に降りてきたコンセプトがある。

 

「その土地の歴史や文化と結びつく事で作品が生み出される。」

 

「長い歴史と伊藤潤一の歴史の接点を墨が結びつけてくれる。」

 

「神事(しんじ)」とも言うべき、自分の役割が明確になった瞬間。

 

転機が訪れた作品。同じ「夢」という字でも印象はここまで変わる。

 

それまでは美しいものが創りたくて、ひたすら書き込み書きこみ、集中の境地に辿り着いた時に書き上がったものを作品として完成させていた。

鍛錬ともいうべき書の道。

しかし、その有松でのパフォーマンス以後は、その土地の自然や空気に触れ、その地に流れる水を使い、歴史と繋がる一瞬に集中力を極限まで高めて一発で書く。

それは、まさに書の道からの脱却。

でもそれこそが、自分にしかできない役割だと感じた。という。

 

今回の個展に飾られているものは、書の展示会では異例ともいうべき一発で書かれたものばかり。

作品の空気感をぜひ生で感じてほしい。

 

こちらは雨が降ると龍が姿を表すと言われる「姿見池」にて奉納した作品。

 

 

そんな話を聞きながら、私は素朴な疑問をいくつかぶつけてみることにした。

−−伊藤潤一にとってパフォーマンスと作品展の違いは?

神社仏閣・自然の中でのパフォーマンスはその場所に観客がいたとしても観客を意識していない。よく見せようとした時点で負け。

パフォーマンスの時の対象は人ではなく、神様や自然、その場所に失礼がないように書くだけ。

逆に個展は来てくれた人に喜んでもらいたい。が1番にある。

だからみっちり図面を書いて会場演出を考えBGMにもこだわる。書く人から離れてプロデューサー的目線でその作品が一番ふさわしい場所に配置したりもする。

 

聞きながら気づいたことがある。

書家としての伊藤潤一にもプロデューサーとしての伊藤潤一にも共通して、よく見られたいという「欲」がない。

ありのまま。

映像や写真にパフォーマンスを残す中で、

カメラマンに「あるタイミングから、目が変わるよね」と言われる。

また、別の人にはこう言われたこともあるという。

「潤くんが書く前に集中力を高めだすと周りの空気が変わる。書き始めると、息が苦しくなるようなピンと張り詰めた空気になり、終了間近、落款が紙から離れると ふわっ とまた空気が軽くなる。」

この瞬間、空気の流れが変わる。

 

続いて、ちょっと聞きにくいオカネの話もぶつけてみた。

−−伊藤潤一の個展を入場料無料で開催する理由は?

(今まで伊賀、有松、伊勢での個展、そして今回も全て入場無料で開催。)

単純に、今はたくさんの人にみてほしいから。かな。

入場料をfreeにすることで、作品に価値を感じていない人もいっぱいくるかもしれんし、今までも「入場料、ちゃんととったほうがいいよ」ってたくさんの人に言われた。

でもその100円や500円を払えない人も、払いたくない人もおるかもしれん。

そうすると、こちらが作品を見られる人を選んでしまう事になる。それが嫌で・・。

会場に来て、初めて作品に価値を見出してくれたり、書道のおもしろさに気づく人もおるかもしれん。

お金という価値観で自分の世界から誰かを排除したくないし、お金がないと何かができないというのは嫌。

世の中は大きくて難しいことも多くて、1人で簡単に変える事はできやんけど、せめて自分の周りだけはNO BORDER がいい。

 

今はそう思っているそう。

そこには彼自身が書道を始めるきっかけとなった出逢いや、ストリート時代に触れた人の温かさ、東日本大震災の後、東北の地で出逢った人々と過ごしたの経験から感じるようになったのだという。

 

−−最後に、これから会場に来る人にメッセージなどありますか?

活動のテーマが「祈り」なので、ぜひ会場でそれを感じてほしい。

今までは伝えたいことが多くて言葉や文章をたくさん綴る作品もあったけど、今のスタイルになってからは漢字一文字が多い。

それは言葉や文章で伝えることは簡単やけど、それだけでは足りなかったり、変に安っぽくなってしまう時もあるから。

作品にする漢字一文字というは、一見その場所と関係ないかもしれない。

けど、その一文字と土地の歴史と伊藤潤一が繋がることで生まれるメッセージがある。

そんな作品の背景にあるメッセージを、ぜひあなた自身で感じてほしいと思う。

 

期間中、在廊日は未定。 もしかしたら、本人後ろにいるかもしれません。笑

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

伊藤潤一書作展

2020年9月12日(土)〜11月8日(日)

午前10時〜午後5時 会期中無休

三重県立熊野古道センター

三重県尾鷲市向井12−4

※会場へお越しのお客様はマスクの着用にご協力ください。

 

 

松阪市飯高町 「珍布峠ウォーキングコース」大きく息を吸い込んで、エネルギーを満タンに

海も、川も、山もある。
県外から移住した私は、それが三重県の誇りだと思っている。

6月中旬、私はとっても疲れていた。
くだんの疫病による自粛が解けて、もっと解放感で満たされるかと思ったのに、やってきたのはとてつもない疲労感だった。
自粛生活ですっかりスローライフに慣れてしまった身体は、簡単にせわしない暮らしに戻ることができない。
久しぶりの早起きも、子どもの送り出しも、習い事の送迎も、何もかもが慌ただしくて、身も心も疲れ果てていた。

そんななか、お誘いを頂いたのが、飯高地域、香肌峡にある珍布峠(めずらしとうげ)のウォーキングだった。

まだまだ、人混みを避けたい状況が続く中、閉塞感はつきまとう。

大きな場所に出て、深呼吸できたらどんなに気持ちが晴れるだろう。
期待で胸が高鳴った。

 

道の駅「飯高駅」

松阪市の山間部、飯高町。現在の松阪市飯高町。

見渡す限り茶畑の緑が目に眩しく、思わずため息がこぼれる。
三重県が、お茶の一大産地だということは、全国的にはあまり知られていない。
車を路肩に停めてもらって、茶畑を見上げると、全身の緊張が緩んでいくような気がした。

茶畑を眺めながら国道166号線をすすんでいくと、見えてくるのは、道の駅「飯高駅」。
のんびりとした山間の町に、ひょっこり現れる。

野菜の直売所、たい焼き屋さん、パン屋さん、公園、温泉まである。充実。

こちらのテナントに入っている、八十八屋さんで出発の前に、おにぎりを買うことに。

 

八十八屋というおにぎりやさん

 

今回の目的は、和歌山街道のウォーキングコース。
運動不足の主婦ライターが歩くので、腹ごしらえは念入りにしたいところ。
遠足にはおにぎりと相場が決まっているのだもの。

ひとつ残らず、おいしそうで選べない。

有限会社 長井米生活農場の長井昭社長

どれにしようか悩んでいたら、ちょうど八十八屋の長井社長が来られたので、おにぎりについて、お話を聞いてみることに。

「最初は農家やで、お米を売ろうかな、と思ってたんやけど、周りから『せっかくやから食べてもらったらどうか』と言われて。ほんならおにぎりやな、と思って」

丹精込めて作ったお米を、おいしく食べてほしい、そんな思いが顔を出して、こだわりのおにぎりが生まれた。
おにぎりに使うお米は、長井さんの田んぼで獲れた約10種類のお米をブレンドして炊いている。

「単品種はお米の癖が出過ぎる。お茶碗によそって食べるんやったらいいんやけど、おにぎりはブレンドがいちばん」

とっとき焼きねぎ地みそ、と、松阪牛しぐれをチョイス

とっとき味噌というのは、飯高の特産品。
おにぎりに使われるとっとき味噌は、長井さんの田んぼで獲れたお米を使って作られている、というこだわり。

松阪牛しぐれも、松阪牛の元祖である飯南(飯高町の隣町)の牛をふんだんに使って炊き上げているのだとか。

「お時間はいただくけど、注文を受けてから手で握ります。これはこだわり!」

いずれは包みを紙製にしたいと考えている。長井さんの挑戦は続く。

こだわりのおにぎりを、隣接する芝生広場でいただく。

とっとき味噌は、ピリ辛でおにぎりにぴったりだ。牛しぐれは、お肉の存在感がしっかりとあって贅沢だった。言わずもがな、お米はとってもおいしかった。
お腹の底から、めきめき元気が湧いてくる。

いざ、ハイキングコースの珍布峠(めずらしとうげ)を目指す。

 

暮らしをみる

昔はパン工場だった「トミヤパン」さん。のどかな景色にしっくりなじんでいる

道の駅から山側の道に入ると、レトロなロゴがかわいい「トミヤパン」。
ここを左に。

ぶどうの木がある民家
えんとつみっけ

これなんて言うんだろう。昔のインターフォンかな。

静かな住宅の間をまっすぐ進むと、ウォーキングコースにつながっている。

場所が変われば暮らしが変わる、暮らしが変われば景色が変わる。
その場所、その場所の営みを見るのが好きだ。

「珍布峠(めずらしとうげ)に行くんですか?」と声をかけてくれたおばあちゃん。
じゃがいもを収穫していた。
「写真を撮ってもいいですか?」と尋ねると、「こんなじゃがいも撮ってどうするの?」と照れくさそうに笑った。
「一輪車の青がとってもきれいだから」と話すと、また笑っていた。

「行ってらっしゃい」
柔らかな声を背中にかけてもらって、どんどん先へ進む。

 

いざ、ウォーキングコース

車はほとんど通らないので、安心して歩くことができる。

聞こえるのは、鳥の声と、葉っぱがこすれる音だけ。

ウォーキングコースに入ると、人家がなくなった。
視界に入るほとんどが、緑。

見上げると、木漏れ日がきれい

湿度が高く、空気がしっとりとしているのだけれど、いやな感じがひとつもない。
むしろ、水分を含んだ風がやさしく身体を包むようで心地いい。

この日は夏日だったにもかかわらず、不快感はちっともなかった。
冷たいミストの中を歩いているような、清々しささえあった。

360度、全部がフォトジェニック。
右を見ても、左を見ても、上も下も全部が絵画みたいだった。
瞼に焼き付けたくなるような瞬間が、毎分毎秒訪れるので、カメラを持参するのがおすすめ。

杉林の中の一本道をどんどん進む。
ただただ静かで、静けさの中に時おり鳥の声が響く。鳥の声が過ぎるとまた静けさが訪れる。足元カサカサと音を立てたトカゲがほんの一瞬尻尾を見せて、枯葉の奥へと埋もれていった。

使い古された言葉だけれど、「自然の造形美」ってこういうことを言うのだ、と思った。コンクリートにびっしりと鮮やかな苔が生えていた。思わず触れてみたくなって手を添えると、手のひらにひんやりと冷気が伝わってくる。

 

珍布峠(めずらしとうげ)に足を踏み入れる

その昔、天照大神(あまてらすおおみかみ)と天児屋根命(あまのこやねのみこと)が、ここで出会ったとされている。
江戸時代には、伊勢神宮への参詣道としても使われた道だとか。

切り立った岩が猛々しい。少し畏怖(いふ)を感じて、ひるんでしまう。

珍布峠(めずらしとうげ)

ところが、一歩足を踏み入れると、その印象はがらりと変わった。
岩と岩に挟まれたその場所は、さっきよりさらに深い静けさをたたえて、静謐(せいひつ)で柔らかな空気がすうっと抜けていく。

岩肌に触れると、その見た目の荒々しさとは裏腹に、しっとりと手のひらが吸い付くようだった。

外側から見た雄々しい雰囲気とは違う、穏やかで包み込むような場所がそこにあった。

「何時間でも居られそう」

思わず口に出た。

 

櫛田川の上流

珍布峠(めずらしとうげ)に後ろ髪をひかれながら先へ進む。
お地蔵さんにご挨拶をして、二股に分かれた道を左へ。

舗装がなくなって獣道になっていく。
道幅がどんどん狭くなって、雑草だらけになったあたりで「道を間違えたのかもしれない」と本気で思った瞬間。まるで見透かされていたみたいに、景色が拓けた。

突然視界が明るくなったと思ったら、楽園かと思うような景色が広がっていて、思わず立ちすくむ。

櫛田川の上流だ。水の色が青い。
川のない町で育ったせいか、大きな川を見るといつも圧倒されてしまう。
緑の中を割くように流れる櫛田川の青がとってもきれい。

櫛田川を右手に臨みながら、復路につく。

親切な案内板があちこちにあるので安心。ショートコースをチョイス。

一級河川、清流櫛田川をお供にさらにてくてく。
櫛田川に見惚れながら歩いた。
ずっとおなじ川を見ていても飽きることがないのはなぜなんだろう。

まるで、おいしい水を飲んだみたいに

道の駅に戻って、ひと息ついて、飯高名物の「でんがら」というお菓子を頂いた。もっちりとした皮に、やさしい甘さのあんこが入っている。

ベンチに腰掛けて、でんがらをひとくち。
「ああ、疲れた」と、思わず口に出しそうになって、気がついた。
疲れていない。なんだか、すごく元気だ。

6月に入ってから、ずっと身体も頭も重たくて、息苦しかった。
疲れた体を引きずって、家事に仕事に息切れするような日々だった。
なのに、2時間歩いたあとの身体は、すっきりと軽く、頭の中も振ればカラカラと音が鳴るんじゃないかと思うほどさっぱりしていた。昨日まで、頭の中にぎゅうぎゅうに詰まっていると思っていたものは、なんだったんだろう。

おいしいおにぎりと、珍布峠(めずらしとうげ)、大きな櫛田川と、その周りに息づく人々の小さな暮らし。この日触れたすべてが、身体の真ん中を通って余計なものを洗い流してくれたみたいだった。

自分に足りないのは休息だと信じて疑わなかったけれど、思いもよらないかたちでエネルギーを取り戻せることを知った。

気を緩めることが難しいこの頃。
ほっとひと息つくのも、たっぷり寝るのももちろんいいけれど、大きな場所に出て、深呼吸してみるのもいいかもしれない。
枯れた体に水をもらうような、すくすくとした元気をきっともらえるから。

 


 

ウォーキングコースには車もなく、道も歩きやすいので小学校低学年くらいから一緒に歩けそうでした。
近隣には、キャンプ場や宿泊施設もあるので、家族レジャーにもぴったり!
以下、飯南地域振興局の情報サイトより。
https://kahadakyo.com

 

つつじの里 荒滝キャンプ場
(本館での宿泊のほかに、コテージやテント泊も選べます)

所在地:三重県松阪市飯高町赤桶 1076-3
電話:0598-46-0166
HP:http://www.ma.mctv.ne.jp/~arataki/

 

わんわんパラダイス 森のホテルスメール
(わんちゃんと一緒に泊まれるホテルです。ドッグランもあります)

所在地:三重県松阪市飯高町森 2296-1
電話:0598-45-0003
HP:https://www.wanpara.jp/matsusaka/

 

グリーンライフ山林舎
(魚のつかみ取りや、陶芸教室や木工教室など、様々なアクティビティが楽しめます)

所在地:三重県松阪市飯高町波瀬 811
電話:0598-47-0326
HP:https://greenlife-sanrinsha.com/shukuhaku.htm

 

リバーサイド茶倉
(清流櫛田川沿いの宿泊施設。コテージ、バンガローキャンプサイトなどお好きな宿泊を選べます。)

所在地:三重県松阪市飯南町粥見 1084-1
電話:0598-32-3223
HP: https://chakra-village.jp/

 

高光館 ( こうみつかん )
(料理が自慢の、昔ながらの旅館です。鮎、猪肉料理が人気)

所在地:三重県松阪市飯南町粥見 3761-3
電話:0598-32-2240

 

i sierra(アイシエラ)
(清流櫛田川での、初心者ファミリー向けのカヌー体験です)
定 員:2名~8名、毎回一組限定
場 所:開始10分前に道の駅「飯高駅」に集合
三重県松阪市飯高町宮前177
料 金:6,800円/おひとり様 小学生4,800円
幼児(要、保護者と同乗)2,000円
連絡先:080‐3630‐4396
URL:http://i-sierra.com/

飯南地域振興局hp https://kahadakyo.com

 


 

【タイアップ】
松阪市 観光交流課
松阪市殿町1340番地1
tel 0598-53-4196
松阪市hp https://www.city.matsusaka.mie.jp
松阪市観光hp https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/kanko/
松阪市観光インフォメーションサイト https://matsusaka-info.jp/

 

「複式学級」という答えにたどり着いた日

 

松阪市西部に位置する香肌峡は、道沿いをエメラルドグリーンの櫛田川が流れ、香肌峡県立自然公園にも指定されており、神秘的な山々や渓谷の秘境巡りも魅力のひとつです。

奈良県境の近く、山々に囲まれた飯高町波瀬地区は、県の重要文化財に指定されている「泰運寺の八角銅鐘」や、一人の陶芸家が35年かけて制作した「虹の泉」があります。

泰運寺の八角銅鐘
虹の泉

飯高町の山深い場所というのはもちろんですが、人がとても魅力的で、包容力というのか、受容性というのか、「何かが違う」と、隣町に住む私は、その魅力に惹かれてきました。

現在は休校中の波瀬小学校

先日、現在は休校となっている波瀬小学校で、ワンデイカフェという心おどるイベントがあったので行ってみました。波瀬小学校の中に入るのが初めてだったので、ワクワクしながら中へ。

素敵すぎる!注文を済ませ、出来上がるのを待っている間に、校内散策。

スペインのバスク地方をイメージした造りなのだそう
地元の杉・桧がふんだんに使用されている。
楽器も残されたまま。
図書館で本を読んで待つ。
まっすぐな木の廊下。つい走りたくなる。

複式学級であった為、校内はとてもコンパクト。「考える子、働く子、やさしい子、丈夫な子」が教育モットーだったそう。

この地の人々の魅力。もしかすると、2つ以上の学年をひとつの学級に編成した「複式学級」で学んだというのも関係があるのでしょうか。上級生は下級生を思いやり助ける責任感を、下級生は上級生らが学ぶものや学ぶ姿勢を吸収し、それぞれが自主性をもって学校生活を送っていたのだろうと、そんな光景が目に浮かびます。

校内散策し、そんなことを思っているうち、注文したものが出来上がり、テイクアウトをして岐路につきました。

自宅で、波瀬のきれいな水で育ったクレソンがたっぷり入ったピタパンと、チーズが濃厚でもちもちがたまらないポンデケージョをほおばりました。

おいしくて楽しくて、なんだか答えのひとつらしきものまで見つかったワンデイカフェ、次の開催も検討中だそうです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

牛飼い人生71年。松阪牛の神様と呼ばれる88歳のレジェンドを訪ねた。

当時の給与は1日50円。自分には車がないもんで牛一頭か二頭ひいて、県の庁舎のはたにぽつんとあった屠殺場まで歩いて行ったんです。5時間半かかってな

柔らかな風、鳥の声、緑の香り、空気の味。

ここは松阪牛発祥の地といわれている松阪市飯南町深野。

私は17歳から牛飼いをしている88歳の栃木治郎さんを訪ねた。

 

71年間松阪牛を育て続けるレジェンド

牛舎らしき小屋をのぞき込むと、栃木さんが笑顔で迎えてくれた。地元では「松阪牛の神様」と呼ばれる肥育界のレジェンドである。

凛とした背中には、匠の誇りが感じられる。

その後ろから、にゅっと顔を出す牛たち。

好奇心が強く客が来ると喜んで挨拶するのが日常らしい。

牛舎は清潔感に溢れ、匂いもほぼない。むしろちょっと香る藁の匂いが懐かしい。

松阪牛の発祥の地である深野は標高約250m。さらっと乾燥した気候風土で、澄んだ空気と美味しい水に恵まれ、牛を育てるには最適な場所とされている。

かつて牛は農耕用(役牛)として飼われており、肉食の習慣が始まったのは明治に入ってから。

明治中期になると、廃用牛を用いた牛鍋やすき焼などの肉食が一般にも広がりはじめ、政府も食肉生産を振興。また輸入穀物が家畜飼料に使用されるようになったと共に耕運機の普及も始まり、牛肉消費は拡大。肥育に取り組む農家が増えていったという歴史がある。

今回は「特産松阪牛」にこだわり続けた肥育歴71年のレジェンド栃木さんに、牛飼い人生についてうかがった。

 

初めて食べた牛肉の記憶

時代は遡って第二次世界大戦後の昭和24年。

17歳だった栃木さんは同じ地区に住む家畜商の田上さん宅に奉公に出ることになった。牛が大好きで一生懸命に働いた。公務員の初月給が約4000円、米60㎏が初任給以上の価格だった時代である。

栃木さん:「昭和24年までは肉は食うたことなかったし知らんわな。田上さんとこにおいてもろて初めて肉よばれたけどさ、それまでは田舎の人らはうさぎとか鳥、猪以外はない。牛肉100%食うたことある家はほぼなかったやろな」

――人生で初めて牛肉を食べた時のこと憶えていますか?

栃木さん:「もちろん。そりゃもう美味しいわな(笑)。仕入れ先に行った時、”兄ちゃんようきてくれたな”って鍋で肉を炊いたのよばれて…。ありゃぁ美味しかったな…。当時はステーキや網焼きみたいなのはなかったで、すき焼きな。ホルモン屋は終戦後、駅裏で、コンロで、ええ匂いしとったな。あの匂いはいいな」

カカカッと思い出し笑いをしながら話す様子から、脳裏に焼き付いた美味しさが伝わってきた。

 

松阪牛全体の約4%。希少な特産松阪牛

松阪地方では、昔から役牛として小柄だが力持ちな但馬(兵庫県)生まれで、紀州(和歌山県)育ちの雌牛を導入していた。そしてその役牛を肉質の優れた松阪牛にする肥育技術が培われていた。

松阪牛の定義は、黒毛和種、未経産の雌牛で、松阪牛個体識別管理システムに登録され、生後12ヵ月齢までに松阪牛生産区域で肥育を開始し、肥育期間が最長・最終であること。

更に栃木さんがこだわって育てるのは、松阪牛全体の約4%しか存在しない特産松阪牛。

松阪牛の中でも生後約8ヶ月の選び抜いた兵庫県産の子牛を導入し、松阪牛生産区域で900日以上肥育した牛のことである。

栃木さんが牛飼いになった当時、育て上げた牛を1~2頭ひき、5時間半歩いて市場まで連れて行っていた。道中は砂利道で牛の爪が傷んでしまうため、足には手作りの草鞋を履かせていた。靴などはなかった時代だ。市場で牛が売れなかった場合はまた連れて5時間半の道を引き返す。売れた時には電車に乗って帰ることができた。

秘密のお愉しみについてもこっそり教えてくださった。

栃木さん:「あの頃、市場の横にはびっくりうどんっていうのがあって、大きな丼で1杯40円でしたわ。日給50円だったのにな。それを1杯食べて、今度は甘党の店寄ってぜんざい食べて、それから時代劇専門の映画館松阪劇場へ行って観て帰ってきよった。帰りは松阪駅の近くのガソリンスタンドでトラックきますやん。呼び止めて乗しとってもらってな。うち帰ってくると夕方やろ、親方は怒るわけや、何しとたんや!って。やけども親方に電車55円だったてもろて、そんな楽しみもあったん(笑)もう昔と今の生活は全然違うでな」

昭和28年に入り、奉公先で買ってもらったのがマツダの自動三輪。雨が降ったら牛に合羽を着せて移動した。4年後にはトヨタの自動車へと切り替わった。田上さんのところで15年間お世話になった末、昭和38年、栃木さんは32歳で家畜家として独立することになる。

 

肉の美味しさはとにかく脂の質の良さ

過去3度にわたり牛の品評会「松阪肉牛共進会」で最高賞を獲得し、他の肥育農家にとっても生き字引的存在である栃木さん。

過去70年間にわたって最高賞を獲得した生産者名と落札価格をすらすらと書き出す栃木さん。すごい記憶力!

当時は牛は家族の一員として家の中で暮らし、カマドで炊いた藁や麦などの煮えたものを与えていた。牛は臆病で気が小さい。だから優しく話しかけ静かに触る。

 

昭和38年から日記をつけ、牛の様子についても細かく記録されている。

時折ビールを飲ませて食欲を増進させたり、均一なサシをつくるために焼酎を体に吹き付けてマッサージをすることもある。牛は自分で掻くことができないため、ブラッシングやシャンプーもとても喜ぶ。ストレスを緩和して肉質を良くするのも技術のひとつ。

1頭1頭愛情をかけて世話をすることで、名前を呼ぶと嬉しそうに寄ってくるほどになつくのだそう。

牛の気持ちになって綴ったという栃木さんの作品

熟練の肥育農家が技を駆使して牛を育てる。仕入れ先も本当に良い肉しか扱わない。それが肥育農家の励みにもなり、松阪牛の質が保たれたとも仰る。

栃木さん:「肉の美味しさは柔らかさではなく、脂の質の良さ。牛の体温は38℃ありますんさ、人間の体温より高い。だけども40ヶ月以上育てた牛の38℃の脂を掌に乗せると溶けてくるんですわ。雪みたいにな。これは30ヶ月じゃ溶けてこない」

特産松阪牛は融点が低く、脂が人間の体温で溶け出すほど柔らかくしっとりしている。さしはキメが細かく、深い甘みと上品な香り、滑らかな舌触りが味わえる。つまり肉のうまみが凝縮されているのだ。

 

背中を魅せるということ

外は快晴!そこで3歳になる牛さゆりとお散歩に出ることに。

格子を開けて栃木さんが声をかけると嬉しそうに出てくる牛。

子牛の頃から触っているから、呼ぶとどこにいてもついてくるのだそう。

広がる棚田をお散歩しながら、栃木さんは牛に温かな眼差しを向ける。牛は栃木さんに身体を密着させ甘える。信頼関係が築かれているのがよくわかる。

散歩の途中、体格の良いお兄さんたちが「撫でさせてもらってもいいですか」と駆け寄ってきた。快諾する栃木さん。腰が引けた状態で手を伸ばすお兄さんたち。

栃木さん:「怖い?怖いことない。それをゆうたら人間が一番怖いわ(笑)。でも人間でもな、話したらええさな。話しをせなあかん、若い子らでもな」

人間に対しても牛に対しても大切にされているのはコミュニケーション。

丹念に愛情を注いでいる分、食肉として出荷されることをどう受け止められているのだろうか。

栃木さん:「そん時は見にいかんわな。肉になったらな、見られるけど。初めて牛を屠殺場に連れて行った時はな、3日間ごはん食べられんかったね。でも人間に食べてもらうためにな、この背中を、美味しいところを見せとるわけや。育てている人間に食べてもらうことが供養やな」

愛おしそうに牛の背中をさすりながら仰り、帰っていくお兄さんたちに「また遊びにきてな」と笑顔を向けた。

近年、食肉をめぐる情勢は大きく変化している。世界の需給変動や2001年のBSE問題、2010年の口蹄疫、そして2020年の新型コロナウイルス。今、和牛相場は急落し大打撃を受けている。

その中でも栃木さんは、毎朝5時に起きて、神様と仏様にお茶とごはんを供え、牛にご飯を食べさせて、近所の子供たちが学校へ行く姿を見送る。65歳で習ったという達筆な文字で日々の細かな出来事まで記録に残す。命に敬意を持ち、牛にも仕事にも真摯に向き合い、着実に、丁寧に暮らす。そうやって牛飼い人生を紡いできた。

栃木さん:「うちは牛のおかげで今日あるわけやで」

牛飼い人生71年。ひとつの仕事を貫き、今も牛と共に人生を歩む栃木さん。

松阪牛発祥の地で魅せられたプロ中のプロの背中。

「命を、いただきます」

 

photo / y_imura
取材日/2020.6.23


※今回取材させて頂いた栃木氏の牛舎は個人の牛舎のため一般公開はされておりません
※家畜伝染病予防法により、海外から入国される方は帰国前後1週間以内で家畜に触れることは禁じられております(https://www.maff.go.jp/aqs/hou/36.html

【タイアップ】
松阪市 観光交流課
松阪市殿町1340番地1
tel 0598-53-4196
松阪市hp https://www.city.matsusaka.mie.jp
松阪市観光hp https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/kanko/
松阪市観光インフォメーションサイト https://matsusaka-info.jp/

思い出を辿る旅 ー三岐線に乗って聖宝寺へー

心と言動が「合っていないなあ」と感じることがある。

常にどこか我慢や無理をしているような。

そんな時はひとり旅をすると良いのだけど(だって、どこへ行くかも何をするかも、100%自分の気持ちひとつだ)、このご時世それもなかなか難しい。

じゃあ県内で日帰り旅行なんかどうだろう?

いろいろと考えていたら、「ひとり旅」とも言えないような、あることを思いついた。

 

三岐線に乗ってみよう。

 

桑名市といなべ市を結ぶ三岐鉄道北勢線は、通勤でいつも乗っている。でも、四日市市といなべ市を結ぶ三岐線のほうは久しく乗っていない。

ほんと、いつから乗っていないんだろう?

昔は父に連れられ三岐線に乗って、藤原町の聖宝寺に何度か行ったものだけど。

 

というわけで、大安駅から終点の西藤原駅までを、あの黄色い電車に乗ってみることにした。

そして、また聖宝寺に行ってみよう。

 

図書館がある駅・大安

 

窓口で「西藤原まで」

 

昔懐かしい厚紙ふうの切符に鋏を入れてもらう

 

味のある駅名板

 

あ、きたきた

 

あれ・・・?

 

黄色じゃない!!!

 

乗るのが久しぶりなだけで電車自体はよく見ていたのに、黄色じゃない車両は初めて見た。

 

ほぉ~

 

北勢線ユーザーの私にはかなり広く感じる車内(お見苦しい太ももすみません)

 

三岐線といえばコレよね、のセメント貨物列車

 

着いた~

 

待合室でお昼寝中の猫を起こしてしまった。ごめん

 

さて、ここから聖宝寺への道をまったく覚えていないのだけど、確かひたすらまっすぐ行けばよかったはず。

とはいうものの「ひたすらまっすぐ」の方向がわからないので(←方向音痴)、ここはもうGoogle頼り。

何せ昔に来た時のことで憶えているのは、

 

1.西藤原小学校の前を通った

2.長い階段を上った

3.滝があった

4.池に丸い橋があった

 

という断片的なことだけなんだから。

 

こんなに歩いたっけ・・・?とちょっと心配になるくらいには歩いて見つけた西藤原小学校(跡)

 

 

聖宝寺のふもと(?)にある鳴谷神社

 

 

狛犬ならぬ狛猿

 

で、ここから階段を・・・

 

閉まってる・・・?!

 

ここで少し個人的な話になるけれど(唐突に)、実は私の父は今、わけあって入院している。

特にここ数年の言動には困らされていて、今の私にとっての父はそのイメージのほうが強くなってしまっている。

ただ、なんというか・・・、それだけを自分の中にストックしてしまうことは父に対してフェアじゃない気もして、「そうじゃない部分」もちゃんと溜めておかないといけない気もして、そんな意味もあって思いついた今回の旅だった。はずだった。

 

階段を閉ざされた私が歩いた道は、どうやら車で来る人のための山道だったようで・・・。

 

 

 

ゼェハァゼェハァ・・・

 

でも歩く人もいるにはいるのか・・・

 

もうこの時点で、思い出に対する郷愁もオトナミエ記者としての使命感(?)も、どこかへ行ってしまっている。

まあとにかく暑いわ鼓動がバスドラみたいだわふくらはぎがパンパンだわ、でも進まなきゃしょうがないので進む。

 

そして。

 

ようやくたどり着いた鳴谷の滝

 

こんなのあったあった、の長寿水

 

聖宝寺

 

 

まるい橋

 

 

蒼いもみじも綺麗

 

ちょっと生き返った気持ちになった。

 

 

ちなみに、来た道を(またゼェハァいいながら)引き返して、「閉まってる」と思った階段をもう一度よく見てみたら、実は通れたことが判明・・・。

 

 

うそ・・・

 

300段近くあるそうで、でも私が歩いた道よりははるかに早いはずなので(泣)、皆さんはこちらからどうぞ。

私もまた改めて思い出を拾いに行こうと思います。階段で。

 

駅に戻ったらさっきの子がまた寝てた

 

 

 

本居宣長の「もののあはれ」は「エモい」に近い!?日本固有の美的理念の発見は松阪発だった。

趣のある町並みには、雨がよく似合う。
ここは江戸時代に国学を学問として興し、契沖(けいちゅう)、賀茂 真淵(かものまぶち)と合わせて三哲と呼ばれる本居 宣長(もとおりのりなが)が生まれ育った町、松阪。そして宣長は商家の生まれ。松阪といえば、江戸で松阪もめんの大ブームを起こした豪商たちが暮らした町。以上、教科書で習った内容・・。

(本居宣長記念館)

歴史に疎い私は最近まであまり宣長に興味がなく、持っている知識はその程度だった。しかしコロナ禍で時代が急変し、何かと物事を判断することが増えて迷うことも多くなった矢先、宣長が生み出した「本と末(もととすえ)」という考え方を知り、甚く感動した。
「本と末」は、本末転倒のそれで、簡単に書くと、「なぜこの問題があるのか」という迷いに対し物事に優先順位を付ける際の価値判断基準だ。

では「本」とは何か。
私は人間。日本人。生きるために食べる。これは揺らがぬ大前提なので「本」である。
好きな清涼飲料水はコーラ。これは変わる可能性があり、周囲の人にも重要なことではないので「末」。宣長は「本」の中にも「本」と「末」があると説く。
そのように必要性や重要度によって物事を格付けするので、宣長は判断に迷いがなかったという。
一人の人間として本質を追究した宣長の面影を追いながら、松阪の町並みを散策した。

 

松阪豪商のセンス

宣長が暮らしたのは松阪市魚町。宣長も商家の次男として生まれた。早くに兄を亡くした宣長は、跡継ぎになるはずだった。商売の修行を行ったが、その才能がないと判断した母は学者の道をすすめた。
宣長の母は親戚のおじさんや、実家の前にあった紀州藩御目見得医師 小泉見卓の家に相談に行き、宣長は23歳で京都に渡り医学と儒教を学ぶことになった。28歳で帰郷し開業。町医者として生計を立てながら、研究が未開発だった古事記や源氏物語の研究を行う国学者として72歳で生涯を閉じた。

そんな宣長が過ごした当時の雰囲気を感じたい。
魚町には豪商 長谷川家の旧宅(旧長谷川治郎兵衛家)があり昨年4月から一般公開をしている。館長の松本 吉弘さんにナビゲートしていただいた。

屋敷に入ると大きなお竈さん。
江戸時代、お伊勢参りの参拝者で賑わった松阪。宿から溢れ、近くの河原で野宿をする旅人に豪商たちは食事を振る舞ったそうだ。

台所と蔵を抜けると大きな飛石と、雨に濡れて映える苔。飛石には、お寺の基礎石として使われていたものもあり見応えがある。

広々とした庭園には社(やしろ)があり、夏は池に睡蓮が咲き誇り、秋には紅葉に染まる。

皇室もお招きした大正座敷広間には、松阪商人の粋を感じる匠の技。

寸分の狂いなく細い竹に木が通されている、夏仕様の簾戸(すど)。

欄間は一見すると違う色の木の組み合わせに見えるが、実は同じ色。削る角度を微細に調整し、光の反射角まで計算して異なる色味を愉しませる。

豪華絢爛を求めず、質素倹約ながらも遊び心ある松阪豪商のセンスは、粋が誇りの江戸っ子に愛された松阪もめんの縦縞模様のような削ぎ落とされた美的感覚がある。

帰りに玄関へ向かいながら、美しい中庭を眺めた。
茶道のわびさびの世界に欠かせない、錆び色が美しい鞍馬石と奥には苔むした灯籠。
松本館長が、これは織部灯籠(キリシタン灯籠)だと教えてくれた。

キリシタンと言えば松阪という町の礎を築いた戦国武将、蒲生氏郷(がもううじさと)もキリシタン大名のひとり。氏郷は織田信長に気に入られ、その娘を嫁にもらい近江日野城主、伊勢松坂城主、陸奥黒川城主となった。
ところで私は以前から松阪の城下町の小路を車で走ると、運転しづらいと感じていた。これは氏郷が松坂城へ敵を攻め入りにくくするために、意図的にギザギザの区画を作った名残だという。

旧長谷川治郎兵衛家を出ると屋根にはうだつが上がり、江戸時代からある立派な松の木が目に入った。
豪商が過ごしたこの界隈を散策してみた。

 

情報が動けば・・

松坂城跡に移築された宣長の旧宅「鈴屋」。隣には本居宣長記念館がある。

旧長谷川治郎兵衛家の斜め前に宣長宅跡があり、建物は松坂城跡に移築されている。

そして歩いていると時折、こんなオブジェ(駅鈴童子)がある。
作者は奈良のせんとくんを作った彫刻家 籔内 佐斗司(やぶうち さとし)さんで、このアート活動を支援したのは、松阪を代表する老舗牛銀。

魚町筋から一本東の通りは参宮街道で、旧小津清左衛門家、三井家発祥地などがある。

ぐるりと一周、たった徒歩15分圏内に豪商たちが暮らし、伊勢へ向かう参拝者で賑わう町に宣長は生きた。人を介して全国から多くの情報がこの町に届き、江戸の発展とともに松阪もめんでこの町は栄えた。情報が動けば、経済が動くことをこの町の人は知っていた。本質を追求する宣長にとっても、生きた情報を得るには絶好の町だ。
ある時、宣長は万葉集などの古典研究で知られた憧れの賀茂真淵(かものまぶち)が松阪に滞在していることを耳にし、急ぎ宿へかけつけ、後に「松阪の一夜」と呼ばれる運命の出会いを果たすことになる。情報と出会いが行き交う場所、それが松阪。

旧長谷川治郎兵衛家から徒歩1分のところには豪商のまち松阪観光交流センターがある。
町の成り立ちを学べる展示があるので、松阪ビギナーにもおすすめ。
その隣にある松阪もめん手織りセンターに立ち寄った。

 

マツサカを着る

粋な縦縞模様は江戸の歌舞伎役者から「マツサカを着る」と表現されるほど親しまれていた。
昔ながらの藍染め製法で作られる松阪もめんは、おとなり明和町に残る御糸織り(みいとおり)の一業者のみが糸から一環製造。
本来の自然素材にこだわり、伝統も受け継ぐ松阪木綿振興会は、一度途絶えてしまった松阪もめんの文化を復興しようと約40年前から活動を行ってきた。その技術や作品を多くの人に知ってもらおうという思いのもと、松阪もめん手織りセンターが誕生した。江戸では庶民が贅沢品とされた絹などの着物を着ることが禁じられ、そこで人気になったのが松阪もめんの着物。
丈夫なもめんで作られ、日常使いとしても扱いやすく、例えるならジーンズに近い存在だ。

ここでは御糸織りの松阪もめんを使ったアイテムが約800点が揃う。

織姫体験(手織り体験)も行っているので、松阪もめんの世界に触れたい人におすすめ。

松坂城跡から眺める御城番屋敷(武家屋敷)

ここで少し、松阪の特長について触れておきたい。
松阪は紀州徳川家が納める紀州藩の飛び地だった。一般的な城下町は武家が多いが松阪は商人の割合が高く、武家屋敷と豪商の町ができた。第二次世界大戦で大きな被害がなかった松阪の町には、今でも当時の町並みが残る。そんな情緒ある町に、明治期からの建物をリノベーションした呉服屋がある。

 

江戸時代のユニクロ

場所は毎年3月の始めに県下最大の初午大祭を行い、厄払いや参拝者で賑わう岡寺山継松寺(おかでらさん けいしょうじ)の斜め前。

松阪駅から歩いて約5分のところにある「うつくしや東村呉服店」。

カフェ&スペース、まちかど博物館、蔵を改装した民泊施設、そして呉服屋からなる。

店に立つのは東村佳子さん。
うつくしやでは、松阪もめんの着物の着付けや、着たまま町歩き、松阪牛を松阪流すき焼きで食べるワークショップなど様々なイベントを手がけている。

うつくしやのHPより

2018年にはニューヨークのジャパンフェスにも出店したり、伊勢神宮に訪れる外国人が民泊施設を利用するなど、着物を軸に日本の文化を発信する。

東村さん:当時江戸の人口が100万人。松阪もめんは年間50万反以上売り上げていたそうです。江戸時代のユニクロですね。

そう明るく話す東村さんは、宣長ファンの一人でもある。

東村さん:宣長が賀茂真淵と人生で1度だけ出逢って、その後の生き方の方向性に影響した宿の名前は新上屋(しんじょうや)という旅館でした。いまはカリヨンビルという場所になっていますが、「松阪の一夜」にちなんだ、新上屋という和フレンチのお店もあり、人気ですよ。

まるで松阪のナビゲーターのような東村さんなので、松阪ビギナーも気軽に立ち寄りたい。

ちなみに夏のおすすめは、自家製フルーツソースのかき氷やシソやウメのドリンク。こだわりの氷を使ったかき氷は、セルフで削れば器にお好きなだけ盛れるというユニークな仕組み。冬はお手製のぜんざいも人気がある。そもそもカフェやイベントを始めるきっかけは何だったのだろう。

東村さん:以前は店に着物がずらりと並んでいました。だけどお客様が来ない日も。そんなとき「着物を着て町を歩きたい」というお客様が来たんです。着物について呉服屋と皆さんの概念が違うことに気付きました。まず「着物を着てみたい」。そう思ってもらうことが大事なんだと思いました。

そう思い至った東村さんは、多くの人と繋がることを考えカフェの構想を練り始めた。ある日、娘さんの進学で京都を訪れた東村さんは、割れた食器の金接ぎを見て美しいと思った。

民泊施設に繋がる廊下には、昔から使われている石でできたレトロな洗い場。

東村さん:古いものに関心がなかったのですが、それがきっかけで蔵の中に昔からあるものが宝の山に感じたんです。

うつくしやに散りばめられているレトロなアイテムや什器など、スタイリッシュな店のアクセントになっている。

リノベーション時に壁を剥がしたら出てきた、当時の大工の計算式はあえて消さずにそのまま使う。

最初は知り合いづてに口コミで広がっていったカフェ・スペース。今ではカフェを通じて、地域内外から幅広い年齢の客が訪れている。

東村さん:いろんな出会いがあり、ここは会うべき人に会える場所。そんな感覚になります。

いま地域の場づくりが注目されている。
カフェ、コワーキングスペース、シェアオフィス。形態は違うが、そこに価値観が合う人が集まることで、本来の目的外の楽しみが増えることが多い。宣長も当時の社交場だった寺や歌会に積極的に参加していた。そして上も下もなく輪になって座り、それぞれが持つ情報を交換する円居(まどい)を大切にしていた。
人と人が出会い繋がることで、何かが生まれる。

 

もののあはれは、エモいに近い

今回、宣長を輩出した松阪の町を巡った。偉人、宣長は地域の人にも愛され続けている。国学を築いた宣長は、何を想い古事記に向き合い、何を想像しながら源氏物語を紐解いたのだろうか。その美的感覚についても最後に触れておきたい。

宣長は、源氏物語の本質を「もののあはれ(物の哀れ)を知る」と表現した。世の中のあらゆることに触れ、目にし、耳にして、心で本質に触れたとき、驚き、喜び、悲しみなどが沸き立つ。それが「もののあはれ」であり、心の底から人に伝えたくなり、気持ちが通じたときの喜びは増し、悲しみは癒されていく。

当時は源氏物語や古事記などの、美的価値が説かれていない時代。宣長は「もののあはれ」という日本固有の情緒こそ、日本文化の美的理念であり、文学の本質であると唱えた。宣長は現代で例えるならキュレーターであり、アートディレクターでもあり、コピーライターでもあるように思える。いや、唯一無二の宣長は、そのような枠に収まることなく、現代人が想像もできない世界を頭の中で描いていたのだろう。

宣長が描いた「天地図」(国指定重要文化財・本居宣長記念館)

偉人が暮らした地を巡れば、教科書には載っていない新鮮な魅力が見つかる。時空を越えた偉人との出会いもまた、新しい何かを生むきっかけになるのかも知れない。

ところで、宣長の「もののあはれ」という概念は、若者が使う「エモい」という言葉に似ていると思う。感情が高まり、誰かに何かを伝えたくなる心の動きは「もののあはれ」を体験しているみたいだ。

 


 

取材協力

特定非営利活動法人 松阪歴史文化舎
旧長谷川治郎兵衛家

松阪市魚町1653番地 旧長谷川治郎兵衛家内
tel 0598-21-8600(代表)
hp https://matsusaka-rekibun.com
fb https://www.facebook.com/mrekibun/
in https://www.instagram.com/m_rekibun/

松阪もめん手織りセンター
松阪市本町2176 松阪市産業振興センター1階
tel 0598-26-6355
hp http://matsusakamomen.com
fb https://www.facebook.com/matsusakamomen/
tw https://twitter.com/matsusakamomen

うつくしや東村呉服店
松阪市中町1940
tel 0598-21-0220
hp https://www.utsukushiya.com
fb https://www.facebook.com/kurayado.utsukushiya/
tw https://twitter.com/rionrion1988
in https://www.instagram.com/utsukushiya/

公益財団法人鈴屋遺蹟保存会
本居宣長記念館
松阪市殿町1536-7
tel 0598-21-0312
hp http://www.norinagakinenkan.com

松阪もめんで街歩き
・松阪もめんきものレンタルセンター
・うつくしや 東村呉服店
街歩きやグルメ巡りを楽しむなら、粋な松阪もめんがオシャレなひとときを演出。
hp https://www.matsusaka-kanko.com/matsusaka-machiaruki/

※新型コロナウイルス感染拡大防止のため、営業や開催の状況は各ホームページ等をご覧ください。

 


 

タイアップ

松阪市 観光交流課
松阪市殿町1340番地1
tel 0598-53-4196
松阪市hp https://www.city.matsusaka.mie.jp
松阪市観光hp https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/kanko/
松阪市観光インフォメーションサイト https://matsusaka-info.jp/

 

「キャンプとかテントとかファンタジーとか」 連載エッセイ【ハロー三重県】第18回

ここ最近どころか、もうかれこれ数年において、キャンプが気になっている。
屋外でお泊りしたり、炊飯したり、遊んだりする、あのキャンプ。
周囲にもテントを所有しているご家庭が多く、春や秋になれば「キャンプへ行ってきた」というお話をたびたび耳にする。

ただ、極度の面倒くさがりの私は、みんながなぜよい寝心地の寝床があって、使い勝手のいい台所がある自宅を飛び出して、わざわざ野外で食事を用意したり、寝床を設置して眠ったりするのか、とんと理解ができないでいた。
外なら虫もいるし、風も吹くだろう。
虫も風も別に嫌いだとは思わないけれど、食事をするときや寝るときにはできればないほうがいい。
風が吹けばものが飛んで困るし、虫がうろうろして食事に混入したら気分が悪い。
それにテント。
あの中で眠るというのが、どうにも想像ができないのだ。
だって、あれってつまりは布だ。
たった一度だけ子どもの頃にテントで眠った経験があるけれど、それ以外のすべての日、この世に生まれた日から今日まで、壁に囲まれて夜を明かしたのだ。
それを急に、布張りの中で就寝すると言われてもにわかには信じがたい感じがある。ただでさえ寝床が変わると眠れない性分なのに、布切れ一枚隔てた屋外で果たしてきちんと眠ることができるんだろうか。

*

実は、9月の4連休に、「キャンプに行きませんか」とお誘いを頂いたのだ。しかも2回も。
これまで、キャンプってつまり何を求めるための娯楽なのか、答えが出ない問いを抱えていたわけだけれど、これはいよいよ向き合うべき時が来たのかもしれない、そう思ったのだった。
だって、我々が暮らしているこの地は海も川も山もある、レジャー天国だ。この世に存在しうるほとんどすべてのアウトドアレジャーは、自家用車に1時間も乗れば確実にアクセスできると思っている。
そして、来年には、いなべ市にノルディクスというアウトドアブランドがプロデュースした、とんでもなくファンタジーなキャンプ場(公式サイトの言葉を借りるとアウトドアフィールド。おしゃれ)ができると話題にもなっている。気にならないはずがない。ファンタジーなんて3歳の頃から大好物だ。

ここはひとつ、柔らかな心を持って、キャンプと対峙するときが来たんだろう。

*

キャンプが好きな知人に、「キャンプとはいったいなにを楽しむものなんだろう」と訊ねてみた。
すると「不便なところ」と返ってきたので、とりあえず驚いた。
だって、不便を便利に変えてきたのが人間の知恵であり、それが文明だというのに。つまり、わざわざそれに抗うのがキャンプだというんだろうか。

「不便さを感じることで、日常にありがたみを感じるんだよ」

と、知人。

「つまり、日常にありがたみを感じて生きている人はキャンプの楽しさが分からないかもしれないということ?」

なにを隠そう私は、毎日、感謝を忘れずに暮らしている。

「そうなんじゃない?」

それでは困る。
日常に感謝を忘れない私も、キャンプの世界に足を踏み入れてみたいのだ。そのためには、その見えない楽しさを具現化して、期待値をあげる必要がある。でなければ面倒くさがりの私の重すぎる腰は上がらない。
そして、なにより、キャンプというのは初期投資がかかる。そしてそれは、そこそこの大枚であることを忘れてはいけない。
大枚をはたくための、燃え上がる欲求を手に入れたいのに。
そして、あわよくば、いなべ市のファンタジーなキャンプ場を利用してみたいのに。

*

そんなある日、ショッピングモールへ行ったときにふと閃いた。
モール内にある、アウトドアのお店へ行って、キャンプ用品を見てみたらいいのでは、と思ったのだ。購買意欲を掻き立てることが大事な気がしたのだ。消費行動を自ら操作する作戦。
ほしくてたまらなくなれば、我慢弱い私のことだからうっかり買ってしまうということもあるかもしれないし、買ってしまえばあとはキャンプに行くしかないのだ。

目論見通り、お店の中にはテントが設営してあって、テントの中にはエアマットや寝袋もあった。
ご自由に入ってよいらしく、お靴を脱いで、いざ入テント。

寝袋は思ったよりも厚みがあって、悪くない。エアマットもふかふかしていて気持ちがいい。なんだかこれって、寝られるかもしれない。
心をぎゅっと凝縮させて、想像する。
ここは、川のそばで森の中。木々のさざめき、葉がこすれる音、遠くでかすかに聞こえる獣の遠吠え、そして、それらと布一枚を隔ててここにいる私。
悪くない。

ただ、悪くはないけど、良くもない。
木々のさざめきも、葉がこすれる音も、遠くで聞こえる獣の遠吠えも、自宅ですべて手に入る。そう、私は田舎に住んでいる。
だったら私は、自宅の慣れたお布団でいいよ、とまたふりだしに戻ってしまうのだった。
私が寝転がっているテントの足元あたりで、末っ子がコップやお皿を使っておままごとを始めていた。ものすごくかわいいけれど、これも自宅で手に入る景色。
これではいけない、私は、キャンプ用品へ、キャンプ場へ心を寄せるためにここにいるのであって、そして近い未来でキャンプ用品を買うために大きなお金を使う決心を煽るためにここにいるのであって、キャンプと縁のない暮らしに身を固めるためにここにいるのではないのに。
テントから這い出て、思うようにいかないな、と思った。

翻ってお値段を見れば、覚悟はしていたのに、やはり驚くものだし、キャンプって始める前から大儀が過ぎる。
みんなどうやってキャンプを始めたのか心底教えてほしいし、その魅力も知りたい。

ファンタジーを手に入れる理由がなくて困っている。