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日常のなかでペットの防災について考える―三重大学学生サークル「DOT」が開発したペット防災カレンダー

いつ起こるか分からない自然災害。三重県は南海トラフ巨大地震の危険性もあり、常日頃から防災について考えておく必要があります。

もし地震が発生したら―。そのときのために備蓄や避難場所までの経路などについて、調べてある人もいるかと思います。

ただ、忘れられがちなのが、ペットに関わる防災です。私たち人間についての防災は、まだ考えられるケースが多いですが、自分たちの大切なペットの防災までは、なかなか考えることができないかもしれません。

そんななか、三重大学学生サークル「DOT」と、認定NPO法人「人と動物の共生センター」は、ペットとの防災を日常的に考える機会を作るため、ペット防災カレンダーを開発しました。

ペットとの防災を日常的に考える!「ペット防災カレンダー」

なぜペット防災について考える必要があるのか。

それは、東日本大震災以降、ペットの飼い主については、同行避難を原則とする旨が、環境省から示されていますが、各避難所で具体的なルールが検討されているわけではなく、受け入れを断る避難所も少なくない現状があるからです。

災害時に人も動物も守るためには、避難所に行く以外の選択肢も含めて、飼い主がしっかり備えをすることが必要になります。

こうした課題に対し、普通の飼い主もペット防災の意識を持てるようにするため、日常に防災を織り込むをコンセプトに、日常的に目にするカレンダーに、ペット防災の知識が詰め込まれました。

1年中飾れるからずっとペット防災について考えられる!

ペット防災カレンダーのメリットは、2つあります。

1つ目は、ペット防災について関心のない人へも、カレンダー自体の可愛らしさから、ペット防災に取り組むハードルを下げてプレゼントすることができます。

2つ目は、カレンダーであることから、1年中使用できるため、ずっとペット防災について意識しながら、自然と学ぶことが可能です。

月ごとにそれぞれペット防災のテーマが設定され、より詳しくペット防災について考えることができるようになっています。

また、日々の日常のなかで、どんな準備ができるのか書いてあるため、休日などにペットと一緒に防災のトレーニングをすることが可能です。

三重大学学生サークル「DOT」代表、浦野未来さんインタビュー

写真左:「DOT」代表浦野未来さん

「ペット防災カレンダー」は、三重大学学生サークル「DOT」(代表:浦野未来)が、中心的に開発したカレンダーです。

2020年6月にクラウドファンディングを実施し、資金を独自に確保、8月には開発ワークショップをオンラインで開催し、開発を進めてきました。

監修に、認定NPO法人人と動物の共生センター理事長の奥田順之獣医師が入り、配布プロジェクトについては協働で実施してきたのです。

三重の学生が主体的に取り組んで生まれた「ペット防災カレンダー」、その開発の背景にはどんな思いがあったのか、「DOT」代表の浦野未来さんに伺いました。

―今日はよろしくお願いします。まず学生サークル「DOT」誕生の背景について教えてください。

浦野さん:三重大学学生サークル「DOT」は、2019年6月にできました。もともと私は獣医さんになりたくて。実家が愛知県なんですが、実家の犬が亡くなったことが、サークルをやろうと思ったきっかけです。会いに行ける距離なのに、全然会えないまま、亡くなってしまった。だから、ペットに関わるサークルを立ち上げました。

―なるほど。人間の防災について考えることは多いですが、ペット視点の防災は着目されにくい視点なのかなと感じました。

浦野さん:ペット業界の方は、ペット防災に取り組む方も多くなってきているんですが、自分は全く考えたことがなかったんです。飼い主が一番取り組まなければいけないことですが、本当に私のように考えたことのない人が多いのではないかと思ったんですよね。

「ペット防災カレンダー」は、津市の獣医さんに協力して頂いて配布をしているんですが、トリマーさんや業界の人に役に立つね、ちゃんと作られているねと言っていただけて、本当に嬉しかったです。

―それは嬉しいですね。もともと作り始めたきっかけはなんだったのでしょう。

浦野さん:もともと知り合いの方に、「DOT」として保護活動を手伝っていたんですが、動物の啓蒙活動をしていたときに、保護・啓蒙活動をしている人を紹介してもらって、ペット防災の視点を知りました。

「DOT」としても、三重県は南海トラフもあるし、ペット防災について何かできないかなと。防災は大切。ただ、啓発をしてもその瞬間しか考えられないし、重く捉えられすぎてしまう。長く考え続けてもらうためにはどうしたらいいか考えたときに、ふとしたときに目について、1年間飾り続けられるカレンダーに注目しました。

―そういった背景からカレンダーができたんですね。「ペット防災カレンダー」から三重県でペット防災について考える人が増えることを願います。ありがとうございました!

三重大学学生サークル「DOT」の浦野未来さんのインタビュー、いかがでしたでしょうか。

三重大学の大学生が自身の経験から思い立ち、ペット防災について考えるきっかけを「カレンダー」というツールから提案してくれました。

この記事を読んだ方にも、ペットを飼っている方がいるかと思います。ぜひ日常のなかで、ペット防災について考えてみてくださいね!

 

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