私はよく漁村に行く。
単純に漁村の雰囲気や、そこに暮らす人が好きだ。
漁村に宿はあるの?
そんな質問を受けることもある。
宿はある。
しかもかなり楽しい宿。
ゲストハウスがけっこうある。
今回は、英語が話せる漁師さんが最近オープンしたゲストハウスを紹介したい。
フォトジェニックな阿曽浦
別件で立ち寄った伊勢神宮のほど近くから、車で1時間とちょっと。
リアス式の美しい海岸を眺めながら、くねくねとした道を抜け突如現れる漁村。
到着したのは、南伊勢町阿曽浦。
人口は1,000人に満たない小さな漁村だ。
漁村の狭い路地を散策していると、気がつくことがある。
古民家が多く、絶妙にカラフル。
そして志摩から南伊勢あたりの漁村は、コンクリートの使い方が印象的。
異国のような感じもするし、懐かしい感じもする不思議な空間。
大きな堤防にのぼると、視界に開かれる海。
思わずシャッターを切る。
人が人らしくなれる場所
散策を終え、ゲストハウスまるきんまるにやってきた。
ハンモックでくつろいだり、BBQをしたり。
Macで仕事をしたり。
ちなみに漁村ライフをEnjoyしている彼は、神奈川県で育ち早稲田大学を卒業。
就職先に選んだのは南伊勢で漁師になること。
学生時代にふと疑問をもったという。
「スーパーで売られている魚は、どんな人の手で生産されているのか」
もともと漁業や農業に興味があり、南伊勢にインターン。
「私たちは生き物を食べている」
インターン時に彼が残した言葉だ。
それを理解して生きるのと、そうでないのは大きな違いがある気がする。
ゲストハウスは古民家をリノベーションした家屋。
シャワーやトイレなどは最新式に改装。
オーナーの漁師さんの家に隣接している。
なので知らない漁村にいても安心感がある。
ゲストハウスでは鯛の塩釜焼き体験もできる。
さて、お味は?
どうでしょう!?
とっても美味しそう!
私も一口。
鯛ってこんなにもジューシーだったのかー!と驚く。
ちなみに彼女は、三重県にある和歌山県の飛び地「北山村」から遊びにきていた。
彼女も関東からの移住者。
北山村の特産じゃばらのジュースがおすすめとのこと。
彼女的にこれは「北山村のアクエリアス」らしい。
南伊勢の美味しい魚貝を、漁師さんが運営する魚屋で購入。
そしてセルフでお刺身やBBQ。
笑い声とともに、夜は更けていく。
唄う人。
語る人。
みんな笑っていた。
ここは、人が人らしくなれる場所。
漁村の楽しい!は、海外にも響く。
オーナーは、阿曽浦に生まれ育った漁師の橋本純さん。
若いときは、世界を旅した。
そして実家に帰った橋本さんは、過疎化する阿曽浦の現実を受け止めた。
そこで、子どもから大人まで楽しめる、漁業体験プログラムを開始。
漁師体験、魚さばき体験、干物づくり体験、鯛の塩釜焼き体験、磯遊び体験など、どれも楽しそう。
口コミで噂は広がり、今では海外からのお客さんも少なくないという。
橋本さん:まずは知ってもらい楽しんでもらうこと。興味が湧けばまた来てくれる。そうやって阿曽浦と関係する人が増えればと思います。
所謂、地域創生における「関係人口の作り方」のお手本のようだと感じた。
でも、そんな難しいことは「どっこいしょ」と隣りに置いといて・・。
単純に楽しいし、また来たいと思った。
ここにしかない、楽しさ。
橋本さん:養殖している鯛を、海中から見るのも楽しいですよ。
大人だって、無邪気に遊びたいときもある。
そして大人が本気で遊んでいたら、子どもはもっと笑顔になる気がした。
漁師のいるゲストハウス
まるきんまる
三重県南伊勢町阿曽浦345
tel 090-7850-4064(8:00〜21:00)
hp http://marukinmaru.boo.jp
fb https://www.facebook.com/yuuei.fish/
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事