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都市と地方をかきまぜる!小さな漁村で未来を感じたお話。雨風太陽 高橋博之さん。

「今度、ポケマルの高橋さんが阿曽浦に来てくれるから、ソンサン来てみる?」

誘ってくれたのは南伊勢町阿曽浦にある友栄水産の代表の純さん。もう何年も前から、取材や撮影などでお世話になっている漁師さんだ。

高橋博之さんはポケットマルシェ※1などを運営する株式会社 雨風太陽の代表。雨風太陽は2023年に東京証券取引所クローズ市場に、NPOを創業した企業で日本初のインパクトIPO※2として上場。私にとって地域系の事業を手掛ける界隈の、雲の上のような存在だ。

※1 日本全国の農家や漁師などの生産者から、旬の食材を直接購入できるオンラインの産直マーケット。
※2 社会や環境にポジティブな影響を与えることを目的とする企業が株式公開。

 

インターン同窓会

友栄水産の純さんは10年くらい前からインターンを随時受け入れていて、おそらく100名を超えたとのことで、インターン同窓会を企画。高橋さんはコロナ禍でポケマルのサポートのために友栄水産が営むゲストハウスに長期滞在していたこともあり、自身もインターン兼ゲストとして登壇。

メモを取る参加者

観光以上移住未満として地方とつながりを持ち、今や地方創生の肝と位置付けられる「関係人口」という言葉や概念を生み出したのも高橋さん。私はいろいろお聞きしたいことがあり、中年ながら若者に混じり取材ということで参加させていただいた。

参加していたのは大学生や社会人数年目の方々。実際に漁師になった人、大手企業に勤める人、地方に移住した人などさまざま。皆さんの自己紹介がおもしろかった。

オータロー君:東京海洋大学の1年生です。趣味は漁業を学ぶこと。バイト代を使っていろんな漁村にいき、それぞれのギャップをたのしんでいます。

こんなことをさらっと話す若者が集まっている。なかには「学校のサークル活動で、関係人口を研究している」という人もいた。どこかしら未来でたのしい。

 

都市と地方の関わりの分断
高橋博之さん

参加者から、人口減少が進むことへの質問。私も高橋さんに聞いてみたかったことだ。「江戸時代は3000万人でやってこれた国。だから関係人口が定着すれば、そんなに心配はしなくてもいい」という高橋さんから「140年前の明治時代、日本のどこが一番人口が多かったと思いますか?」という問いかけがあった。東京かなとぼんやり考えていたが、1位は石川、2位は新潟、3位は愛媛だった。東京は17位。

いま東京に暮らしている方々の何世代か前をたどれば、多くの方が地方出身者になる。しかし世代を重ねると、家系の出身地との関係性は薄れ、地方との関わりがなくなってしまう。帰省する先がない、ふるさと難民も増えているという。

都会に暮らし、地方を知らないとなると都市と地方の関わりが分断へと向かう。それが私たちが生きる現代の状況であり、第一次産業の生産者の存在や生産現場、そこにある課題を知らずとも暮らしは成り立つように感じてしまう。

ポケマルのおもしろいところは、生産者とメッセージのやりとりができることだと思う。それまで生産者は最終的に購入するお客さんの顔を知らないし「美味しかった」という声も届かない。また消費者も、どんな人がどんな想いで作ったのか、知らないままだった。

橋本純さん

純さんも、コロナ禍で行き場を失った養殖真鯛をポケマルで販売。コロナゼロを願い、5670尾を姿のままオンラインで販売するキャンペーンや高橋さんのサポートにより、結果的にポケマルで最も多くの魚を売った記録をつくった。そして何千通というメッセージも届いたことが、純さんは一番うれしかったそうだ。購入者のなかにはひきこもりの状態にあった息子さんが、届いた真鯛をさばくことに興味を持ち、家族といっしょに食卓を囲むようになったこともあったという。

 

食べる通信とポケマルの誕生

岩手県花巻市で生まれ育った高橋さんが関係人口の概念に至ったのは、地元で起きた東日本大震災がきっかけなのだそう。地元の人や生産者と、外部からきたボランティアの方々がつながり、その後も持続的に関係性ができていく様子を目の当たりにしたからだという。

写真:東北食べる通信HP

その後「都市と地方をかきまぜる」という理念のもと、世界初の食べもの付き情報誌「東北食べる通信」を立ち上げ、自ら編集長として取材も行っていた高橋さん。私はそのころ、知人から食べる通信のことを教えてもらい、高橋さんの存在を知った。ローカルメディアの運営や家業が印刷屋ということもあり、食べる通信のアイデアにはシビれまくった。

食べる通信は全国に、そして台湾まで飛び火し「日本食べる通信リーグ」が創設された。高橋さんはその間も全国を巡り、いまでは日本を8周したそうだ。各地で生産者や地域の人と語り合う車座を開き、生の声を聞いているなかで「一次産業だけが価格転嫁できていない」ことに疑問を抱く。そして生産者が自ら価格を決め、写真を撮り、文書を書いて商品を販売できるポケマルが生まれた。

 

関係人口のもうひとつの側面

関係人口は地方のためにあると思っていたが、実はそれだけではないらしい。高橋さんの知人で、東京でオフィス勤務をする男性のお話。

震災のあった石川県と仕事のつながりがあった男性。地震を知りボランティアに向かった。その後も月に2回ほど通うようになった。ボランティアの時間を確保するため、オフィスでの仕事を効率化し業績も良くなった。男性は「東京で働いているときは心に鎧を被った状態。地方で人と触れ合う時間は鎧を脱いだ裸の気分で、こっちの方が自分らしくいられる」と話したそうだ。

高橋さんは「都会で仕事をしていると、自分たちが手掛けた商品やサービスのエンドユーザーに会わないことが多いです。彼は被災地で、涙ながらに感謝をするおじいさんの手を握った。人間としての生きがい、やりがいです。都会は戦うところ。疲弊して病んでしまう人もいる。地方で過ごしてHPを回復させることもできます」。関係人口は、都会に暮らす人にも効果があるという大切なことを教えてくれた。都市が地方をかきまぜるのでない。都市と地方をかきまぜるという言葉の意味を理解した。

 

意思が一番大事です

参加者のひとりからこんな質問があった。「高橋さんの原動力は何ですか?」。ぜひとも私もお聞きしたい。
高橋さんは「誰かや何かを好きになると、心が勝手に動いて行動しますよね。つまり考える必要すらないんです。何も考えずに飛び込み、五感と会話をする。スマホや本ではわからないことです」。

参加者の女性は大学生だったとき、阿曽浦でインターン中に高橋さんに出会った。大学卒業後、県外で漁師の世界に飛び込んだ。久しぶりに阿曽浦に帰ってきた懐かしさや、言葉にならない想いが溢れたのか、笑いながら涙を流している。

高橋さんは「好きなことをすると、そういう表情になるよね」。そして、静かにつぶやいた。「意思が一番大事です」。

トークやディスカッションのあとは、阿曽浦や伊勢志摩の食材をつかった食事タイム。職人に習いに通ったという純さんが握る、漁師の寿司は絶品だった。

今回参加させていただき勝手な感想だが「思っていたよりも早く、未来はやってきている」と思った。それも高齢化率50%超えと県内で一番高い南伊勢町で、衰退が懸念される漁業の現場で起きている。取材をさせていただき、本気で日本を変えようとする人に触れ、未来には不安があるだけでなく、その先に真新しい希望があるように思ったのでした。

 


 

▼ポケットマルシェ
https://poke-m.com/

▼東北食べる通信
https://tohokutaberu.me/

▼日本食べる通信リーグ
https://taberu.me/

▼雨風太陽
https://ame-kaze-taiyo.jp/

▼友栄水産
https://yuuei.co.jp/

▼ゲストハウスまるきんまる
https://marukinmaru.com/

 

OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2025.4.25update】

 

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

いきものラボ

主催者より
”人と生きものと多様性”をテーマにした体験型イベント「いきものラボ」を、桑名市にて開催します。
私たちは日々の生活の中で多様な生きものの存在を感じにくい時代を迎えています。本イベントでは、クッキーアートを入り口に、プランクトン研究者や古生物ロボット製作者といった生きものに関わる様々な専門家との交流などを通して、見て、触れて、感じて、味わえる多様な企画を展開。生物多様性をより身近に感じる機会になれば幸いです。

日時
5月18日(日)
10時~15時

問い合わせ
present.cookie.kurimaro@gmail.com

主催
株式会社クリマロ

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://cookie-kurimaro.com/press/4496

 


三重・宮崎・島根を巡る縁結び旅「この物語」

主催者より
三重×宮崎×島根、3つの地域のアーティストと公共劇場が連携してつくる、地域発の演劇作品。参加するのは、三重を拠点に海外アーティストとの共同制作にも取り組む、第七劇場。宮崎で地域に根差した活動を続けながら全国ツアーも行う、劇団こふく劇場。そして、島根を拠点に「365日公演」などチャレンジングな企画が話題を呼ぶ、俳優の西藤将人です。舞台は、小さな町の小さな映像会社。地元出身の車いすスポーツ選手を追いかける番組をつくっていたが、あるSNSの投稿をきっかけにして番組制作に影が差してしまう……。地域に生きる等身大の私たちを描いた、あなたのための物語です。

日時
5/4(日)18:00、5/5(月祝)14:00

問い合わせ
059-233-1100(三重県文化会館)
kenbun@center-mie.or.jp

主催
三重県文化会館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.center-mie.or.jp/enmusubitabi/

 


稲垣考二 展

 

主催者より
圧倒的なスケールと超細密な描写で観る者を魅了する稲垣考二の世界。
本展では、4枚の壁を覆い尽くす巨大なキャンバスに描かれた絵画を展示します。
現実と空想が交錯する世界観や、見るほどに新たな発見がある画面、そして細部に潜む物語性は、独特の存在感を放っています。
極限まで描き込まれた細部と、深く引き込まれる構図が生み出す臨場感を目の当たりにすると、まるで作品の中に入り込んでしまうかのような感覚に。
60回以上の個展開催歴を誇る稲垣考二の集大成ともいえる本展。
ぜひ会場でご覧ください。

日時
開催中〜2025年5月25日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


栗原光 展「Order」

主催者より
絵を描く順序、筆の動かし方、色、質感などを大切に考えながら描かれた作品群。 美しい色に溢れる、栗原光の展覧会です。

日時
開催中〜2025年6月30日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

山口誓子 特別展 -俳句館の記憶と伊勢の風情

主催者より
平成5年、山口誓子俳句館がおかげ横丁に開館しました。
以来30余年、誓子の俳句とその心が息づく空間は多くの方に親しまれてきました。
本特別展では、開館当時の写真や記録、誓子がその頃読んだ句を通して、俳句館の原点と歩みを振り返ります。
春の訪れを詠んだもの、伊勢の自然や暮らしを詠んだものも特集しました。
俳句館の記憶と伊勢の風情を、どうぞ体感して下さい。

日時
4月11日(金)~5月11日(日)
9:30~17:30

場所
ARTandCULTUR山徳

 


 

端午の節句

主催者より
おかげ横丁では、5月5日の端午の節句に合わせ、子供の健やかな成長を祈る催事を行います。独楽やけん玉、節句飾りが並ぶ市が立つほか、鎧武者姿での記念撮影もお楽しみいただけます。

日時
令和7年4月26日(土)~5月6日(火・祝)
10:00~17:00

開催場所
おかげ横丁一帯

 


 

伊賀の旅行会社がご案内する!made in IGA 裏側潜入!伊賀旅バスツアー

主催者より
■made in伊賀の裏側を地元旅行会社がご案内!
三重県の隠れ里、伊賀の魅力を多くの方に知って楽しんでもらう着地型観光伊賀旅バスツアーの開催が決定しました。
山間部は豊かな自然に恵まれ、中心市街地では歴史ある城下町の情緒を残す伊賀市には、made in伊賀の「イイモノ」がたくさんあります。
「ソレも、コレも実はmade in伊賀なんです!」という商品やスポットをテーマに、個人旅行ではなかなか見ることのできない「伊賀のイイモノ」の裏側を、地元旅行会社ならではの案内で巡る日帰りバス旅です。
はじめて伊賀を訪れる方はもちろん、地元伊賀の方にも楽しんでいただける「made in伊賀の裏側潜入!」バスツアーにぜひご参加ください。
■土地勘がなくても、移動手段がなくても安心のバス旅
今回巡るスポットは伊賀市内に点在しており、公共交通機関では巡り難い場所も含まれていますが、バスツアーなら安心、お任せ。土地勘がなくても大丈夫!
地元旅行会社の添乗員、運転手がしっかりと無駄のないルートでご案内いたします。お客様は車窓からの景色を楽しみながら快適に移動でき、手荷物やお土産も一緒に移動できて楽々。そしてお酒が好きな方は、ぜひ酒処・伊賀の地酒を旅先で楽しんでくださいね(昼食時オプションでご用意しております)

日時
2025年5月16日、17日、30日、31日
9:40~

問い合わせ
0595-22-1188(コスモス観光ハイトピア伊賀店)

イベントやクラファンに関するHPやSNSなどのリンク先
https://cosmos-kanko.com/

主催
コスモス観光ハイトピア伊賀店

 


 

皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントやクラファンを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報や地域が元気になるようなクラファン情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

ないなら自分たちでつくるを合言葉に。2025.4.27(日)「南伊勢カレーフェスティバル」初開催!

ー「南伊勢で春のイベントをつくりたかった。」

そう話すのは、「スパイス食堂マルコ」店主の丸尾航平さん(以下、丸尾さん)。春にイベントが少ない南伊勢で何かできないかという想いから、2025年4月27日(日)に穂原スケートパークにて「南伊勢カレーフェスティバル2025」が初開催されることになりました。

当日は伊勢志摩を中心に8店舗のカレーが集結。スイーツやイチゴ農家なども参加し、カレーをきっかけに人と地域がつながる1日になりそうです。今回は、イベントに込めた想いや狙い、そして地域との関係性について、丸尾さんにお話を伺いました。

春にイベントがないなら、自分たちでつくるしかない

穂原スケートパーク 秋イベントの様子

ー今回、カレーフェスを立ち上げたきっかけは?

丸尾さん:春の南伊勢って、イベントが本当に少ないんです。秋には穂原スケートパークでイベントがありますが、春はぽっかり空いていて。それなら「自分たちでつくるしかない」と思ったんです。自分はスパイスカレー屋をやっているので、「じゃあ、カレーのイベントをやったら面白いんじゃないか」と考えたのが始まりでした。

若い世代に届けたい、南伊勢の魅力とカレーの奥深さ

ー来場者には、どんなことを感じてほしいですか?

丸尾さん:スパイスカレーって、田舎ではなかなか食べる機会がないんですよね。家庭のカレーとは違う、現地っぽい本格的なカレーのバリエーションを知ってもらいたいです。それと、もっと20〜30代の若い人たちに南伊勢を知ってもらいたい。南伊勢でドライブするのって気持ちいいですし、海を見に来るだけでも価値があると思います。カレーフェスをきっかけにして、南伊勢に来てもらえたら嬉しいです。

ただのカレーフェスじゃない。世代を超えて楽しめるイベントに

ー出店者さんの特色や、カレー以外にも楽しみはありますか?

丸尾さん:出店するカレー屋さんは、現地系、中華風、無国籍、フレンチ系などバリエーション豊かです。それだけでなく、ジェラートやいちご、クレープ、ワークショップのブース、子ども向けのゲームコーナーもあります。親子連れでも楽しんでもらえる内容になっています。

ー会場の雰囲気は?

丸尾さん:スケートパークなので、当日はスケーターが自由に滑っている姿も見られます。さらに、カレーに合う音楽を流してもらう予定なので、のんびりとしたカレーフェスならではの空間になると思います。

「1回限り」で終わらせない。続けることで地域の風景になる

穂原スケートパーク 秋イベントの様子

ー南伊勢カレーフェスティバルの今後については?

丸尾さん:「毎年この時期、南伊勢ではカレーフェスがある」と言われるような定着を目指しています。1回で終わってしまうイベントって意外と多いと思うんですが、2回目、3回目と続けていくことで、春の南伊勢に新しい風景ができてくるんじゃないかと考えています。

4月27日(日)は南伊勢ドライブ&カレーフェスティバルを楽しもう

ー「カレーを通して、南伊勢に足を運んでもらいたい。」

大人が楽しむ姿を子どもたちが見て、次の世代に「面白さ」が伝わっていく。そんな地域の未来を描きながら、丸尾さんはこのフェスに挑戦しています。そして、その想いに共感した仲間たちが南伊勢カレーフェスティバルを一緒に盛り上げています。

まるで、さまざまなスパイスが混ざり合って一皿の美味しいカレーになるように。GW初日は南伊勢で香り豊かなスパイスを五感で味わってみませんか?

南伊勢カレーフェスティバル2025 開催情報

イベント名 南伊勢カレーフェスティバル2025
開催日 2025年4月27日(日)
開催時間 10:30〜15:00
開催場所 穂原スケートパーク(旧穂原小学校)
〒516-0112 三重県度会郡南伊勢町伊勢路1005
アクセス 車での来場推奨(駐車場に限りがあるため、できるだけ乗り合わせでご来場ください)
雨天時 雨天中止(開催可否は公式Instagramにて発信)
公式サイト イベント紹介ページはこちら
Instagram @minamiise.curry.festival2025
主催/後援 南伊勢カレーフェスティバル実行委員会/南伊勢スケート連盟
お願い 公共施設利用のためマナーを守ってご参加ください

OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2025.4.14update】

 

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

稲垣考二 展

 

主催者より
圧倒的なスケールと超細密な描写で観る者を魅了する稲垣考二の世界。
本展では、4枚の壁を覆い尽くす巨大なキャンバスに描かれた絵画を展示します。
現実と空想が交錯する世界観や、見るほどに新たな発見がある画面、そして細部に潜む物語性は、独特の存在感を放っています。
極限まで描き込まれた細部と、深く引き込まれる構図が生み出す臨場感を目の当たりにすると、まるで作品の中に入り込んでしまうかのような感覚に。
60回以上の個展開催歴を誇る稲垣考二の集大成ともいえる本展。
ぜひ会場でご覧ください。

日時
開催中〜2025年5月25日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

栗原光 展「Order」

主催者より
絵を描く順序、筆の動かし方、色、質感などを大切に考えながら描かれた作品群。 美しい色に溢れる、栗原光の展覧会です。

日時
開催中〜2025年6月30日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

山口誓子 特別展 -俳句館の記憶と伊勢の風情

主催者より
平成5年、山口誓子俳句館がおかげ横丁に開館しました。
以来30余年、誓子の俳句とその心が息づく空間は多くの方に親しまれてきました。
本特別展では、開館当時の写真や記録、誓子がその頃読んだ句を通して、俳句館の原点と歩みを振り返ります。
春の訪れを詠んだもの、伊勢の自然や暮らしを詠んだものも特集しました。
俳句館の記憶と伊勢の風情を、どうぞ体感して下さい。

日時
4月11日(金)~5月11日(日)
9:30~17:30

場所
ARTandCULTUR山徳

 


 

端午の節句

主催者より
おかげ横丁では、5月5日の端午の節句に合わせ、子供の健やかな成長を祈る催事を行います。独楽やけん玉、節句飾りが並ぶ市が立つほか、鎧武者姿での記念撮影もお楽しみいただけます。

日時
令和7年4月26日(土)~5月6日(火・祝)
10:00~17:00

開催場所
おかげ横丁一帯

 


 

伊賀の旅行会社がご案内する!made in IGA 裏側潜入!伊賀旅バスツアー

主催者より
■made in伊賀の裏側を地元旅行会社がご案内!
三重県の隠れ里、伊賀の魅力を多くの方に知って楽しんでもらう着地型観光伊賀旅バスツアーの開催が決定しました。
山間部は豊かな自然に恵まれ、中心市街地では歴史ある城下町の情緒を残す伊賀市には、made in伊賀の「イイモノ」がたくさんあります。
「ソレも、コレも実はmade in伊賀なんです!」という商品やスポットをテーマに、個人旅行ではなかなか見ることのできない「伊賀のイイモノ」の裏側を、地元旅行会社ならではの案内で巡る日帰りバス旅です。
はじめて伊賀を訪れる方はもちろん、地元伊賀の方にも楽しんでいただける「made in伊賀の裏側潜入!」バスツアーにぜひご参加ください。
■土地勘がなくても、移動手段がなくても安心のバス旅
今回巡るスポットは伊賀市内に点在しており、公共交通機関では巡り難い場所も含まれていますが、バスツアーなら安心、お任せ。土地勘がなくても大丈夫!
地元旅行会社の添乗員、運転手がしっかりと無駄のないルートでご案内いたします。お客様は車窓からの景色を楽しみながら快適に移動でき、手荷物やお土産も一緒に移動できて楽々。そしてお酒が好きな方は、ぜひ酒処・伊賀の地酒を旅先で楽しんでくださいね(昼食時オプションでご用意しております)

日時
2025年5月16日、17日、30日、31日
9:40~

問い合わせ
0595-22-1188(コスモス観光ハイトピア伊賀店)

イベントやクラファンに関するHPやSNSなどのリンク先
https://cosmos-kanko.com/

主催
コスモス観光ハイトピア伊賀店

 


 

皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントやクラファンを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報や地域が元気になるようなクラファン情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

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メイドイン伊賀の裏側潜入!?ローカルバスツアー5月開催@伊賀

わたくしごとですが伊賀に住んで20年。伊賀はとても魅力的なところですが、観光地としてはまだまだ穴場です。大人になると、人であふれかえる有名観光地よりも、知る人ぞ知る【隠れ里】でゆったり、本物に触れて過ごす時間の贅沢さが染み入ります。

今回はそんな大人向けの伊賀旅ローカルバスツアーをご紹介します!

伊賀上野城

伊賀市は三重県の北西部に位置し、名阪国道を使えば名古屋や大阪からも2時間かからず、公共交通機関なら鉄道ファンに人気が高い、関西本線や伊賀鉄道の旅も楽しめる立地です。あまり印象にないかもしれませんが、京都・奈良・滋賀の3県に隣接しているので、近県からも車で数十分で来られます。

豊かな自然に育まれた食(伊賀米、伊賀酒、伊賀牛、野菜や果物、醤油や味噌などなど)があり、400年以上の歴史を持つ城下町の風情や文化もある、陶芸や組紐、和菓子などなど「オトナミエ旅」するなら絶好のエリアです。

ではなぜ【穴場】なのかというと…ズバリ、分かりにくいからです。忍者やお城・・・それも伊賀の一部ですが、それだけではない魅力を知らずに帰ってしまいがち(旅の選択肢から外されてしまう)。そんなのもったいない!!と思っていたところ、着地型観光に力を入れている伊賀市の旅行会社が素敵なツアーを企画したと聞いて取材に伺いました。

地元旅行会社が案内する【made in伊賀の裏側潜入】伊賀旅バスツアー

コスモス観光の山口美由紀さん。伊賀を知り尽くしたトリップアドバイザー

伊賀鉄道「上野市(忍者市)」駅前にある商業ビル、ハイトピア伊賀1階にある旅行会社【コスモス観光】の山口美由紀さんにお話しを伺いました。

山口さんは生まれも育ちも伊賀で、地元の魅力を知り尽くしたトリップアドバイザー。コスモス観光は数年前までは、伊賀から外へ出発する発地型観光のみを扱う旅行会社でしたが、コロナを機に「地元の旅行会社だからできる伊賀案内を!」と、着地型観光に力を入れるようになり、オリジナルのツアーを企画したり、コラボツアーも開催してきました。

伊賀を満喫する限定大人旅パンフレット

2025年、山口さんが企画したのは「made in伊賀の裏側潜入」がテーマのローカルバスツアー。

ツアースケジュールは、9時30分に伊賀鉄道「上野市駅」前集合。バスに乗り込み、窯炊き製法の国産純石鹸を作り続ける老舗メーカー「木村石鹸」の伊賀工場(治田)見学と買い物、その後、田園の真ん中に建つ「カフェ碧」(小田町)で特別ランチ。ランチでは日帰りツアーで訪れる西山の棚田米や、「福岡醤油店」(島ケ原)の特別な醤油を使ったメニューが味わえ、オプション(各1000円追加)で伊賀酒3種飲み比べや、特製スイーツも楽しめます。

食後は国の指定棚田地域「西山の棚田」展望スポットへ立ち寄り、伊賀産醤油として有名な「はさめず」の醸造元・福岡醤油店の蔵見学や醤油味見体験をして16時頃に、「上野市駅」前解散というプランです。

5月開催のツアーチラシ。現在参加受付中

 

「木村石鹸さんは大阪府八尾市に本社がある会社ですが、伊賀工場で多くの製品をつくっていて、こだわりのモノづくりをスタッフが説明しながら案内してくれる工場見学ルートがあります。ここがとても素敵なのですが、伊賀の人でもあまり知らないのです。商品取扱店も伊賀ではまだ少ないのですが、伊賀工場の売店で全ラインナップ購入できます。私自身、はじめてご案内頂いたとき、伊賀にこんな場所が!と驚き、感動して、商品への理解と愛着が増しました。今回のツアーはここを基点に思いつきました」と、山口さん。

木村石鹸伊賀工場「IGA STUDIO PROJECT」
この内部が工場見学通路になっている

「普段何気なく見ている商品がどんなふうに造られているのかを知る体験は大事だなと思い、もう一カ所は伊賀の食にまつわるもの…ということで、福岡醤油店さんのお醤油蔵をご案内することにしました。福岡醤油店さんの看板商品【はさめず】は、スーパーにも並んでいますし、目にしていたり、使っているけど、蔵へは行ったことがなくて…という方も多いと思いますので、この機会に製造の現場をご覧いただき、造り手の想いを聞いていただきたいです」

福岡醤油店の仕込み蔵。長年つかわれてきた木樽が並ぶ

130年の歴史を持つ醤油蔵は木樽が並び、全国的にも珍しいキリン式圧搾機が現役で稼働しています。また、直営店でしか出会えない特別なお醤油や、豊富な品揃えのドレッシング、オリジナルグッズも購入可能。「調味したはさめず醤油と、しぼったそのままの本醸造醤油があることなど、ちゃんと知らなかったこともいろいろあり、私自身、勉強にもなりました。ツアーでは、お醤油の味比べも体験していただきます」と、山口さん。

伊賀市島ケ原にある福岡醤油店。手前が直売所、奥の紫色の建物が蔵
ランチ会場のカフェ碧。大きな窓からは田園風景が広がり、その先には上野城が見える
国の指定棚田地域「西山の棚田」を展望スポットより撮影

このほかに、国の指定棚田地域「西山の棚田」を見学し、田園カフェで特別ランチなど内容盛りだくさん。「昼食は伊賀野菜たっぷり、ツアーで巡る西山の棚田米、福岡醤油店さんの再仕込み醤油など、伊賀でも珍しい食材を使った内容です。オプションで伊賀酒3種飲み比べや、スイーツ&コーヒーセットもつけていただけます。大きな窓からの田園風景と、伊賀鉄道や上野城をご覧いただきながら、伊賀の食をゆったり感じてもらえたら嬉しいです」山口さん。

また、今回巡るスポットはそれぞれに場所が離れていて、ふらっと伊賀に来てもなかなか行きにくい場所をチョイスしていると言います。「土地勘がなくても、交通手段がなくても大丈夫!上野市駅まで来ていただければ、プロドライバー運転で、私(添乗員)がキッチリとご案内しますので、皆様はバスに乗って伊賀の景色を楽しみながら楽々移動していただけます。トランクもありますので、手荷物も一緒に運べますし、安心ですよ!伊賀の旅は地元旅行会社にお任せください!」

遠方の方も参加しやすく、地元の主婦層も意識して解散は16時頃。城下町を追加散策したり、お買物したりする余裕もある時間設定にも山口さんの配慮が感じられます。

伊賀初心者も、伊賀を知っているつもりの人も【made in伊賀の裏側潜入】バスツアーで、ディープな伊賀の魅力を体験しましょう。


♦伊賀の旅行会社がご案内するmade in伊賀の裏側潜入!伊賀旅バスツアー
♦出発日
2025年
・5月16日(金曜日)
・5月17日(土曜日)※残席わずか
・5月30日(金曜日)
・5月31日(土曜日)
♦参加費/おひとさま(税込) 9,800円
♦最小催行人員 20名(日帰りバスツアー)
♦バス会社 丸山観光バス(丸山運送)※添乗員が同行致します
♦申込・支払方法    コスモス観光の店頭・電話または公式LINE又はInstagramのDMからお申し込み下さい。お問い合わせ電話番号:0595-22-1188 担当:山口(木曜日・日曜日定休日)
■コスモス観光ホームページ https://cosmos-kanko.com/


 

ツーリングクラブR166と行く、漁師酒場とスイーツの旅@鳥羽市

ツーリングクラブR166とは、以前記事で書いたことのある、小料理屋「ひさご」の店主が立ち上げたライダー達のコミュニティである。

過去記事はコチラ「人生詰んだら、とりあえず「ひさご」へ」

ひさごの店主にお誘い頂き、「おいしい海鮮丼が食べられるなら!」という理由で、いざ鳥羽までツーリング。 夫が運転、私は後ろにしがみつくスタイルで、R166ライダーさんよろしくお願いします!

恐怖の男気ジャンケンタイム!

なんとか漁師酒場「鏡」に到着。漁港の目と鼻の先に位置するお店だなんて、期待は膨らむばかり。

店内にはBAD HOP(怖そうなHIPHOP的な人達)のライブ映像が流れていて、それを横目で見つつ、楽しみにしていた海鮮丼を注文。

山育ちの私が夢見る、あふれんばかりの海鮮丼。

それがこちら、海鮮ドーーーン!

お刺身がアクロバティックにのけ反っているではありませんか、「わーい」って感じで。(伝われ!)

美味しすぎて泣ける。幸せ。

夫は、生ものNGなので豚カツ定食を注文したところ、豚カツはサックサクでボリュームもスゴイのに、これでもか!とお刺身までついている。 「生食べれない、どうしよう…」と狼狽えていた夫に、機転をきかせてしゃぶしゃぶを準備してくれた店主。そんな店主にお礼が言いたい、がしかし…

ちょっと怖い人に見えるのは気のせいだろうか。(お店のインスタにも「顔が怖いと言われる」と書いてあったな。)

人は見かけによらぬもの。勇気を出して話しかけてみると、優しい笑顔が印象的な、BAD HOP大好き店主だったのでした。ほっ。そんな店主のギャップも、お店の魅力の一つだと思う。

 

異世界で無双するライダー達

漁師酒場「鏡」の後、「甘いもん食べよか?」とライダー達。向かった先は…まさかの可愛いカフェだった!

異世界で無双中。

カフェで異彩を放ちまくりのライダー達。パフェやケーキが似合わな過ぎるよ、と思ったその瞬間…天使現る。

人は見かけによらぬもの、パート2。

パフェを食べる時の無邪気な笑顔にズキュン。もう違和感とか色々通り越して、カワイイが止まらない♡

今回の漁師酒場とスイーツの旅でわかったことは、人を見た目で判断すると、ギャップにやられてしまうということ。そして、バイクの後ろに乗せてもらうと全身筋肉痛になるということ。やっぱり私は、車派です。


漁師酒場 鏡

住所:三重県鳥羽市石鏡町336-1
TEL:0599-20-0616
Instagramはコチラ

四日市市のCHERISHTIE(チェリッシュタイ)さん

先日、四日市市のライブハウス、CHERISHTIE(チェリッシュタイ)さんにお伺いしました。

「CHERISH」は大切にする。「TIE」はご縁。という事で、ご縁を大切にしたいという意味が込められているとの事です。

◆下記、ホームページより引用です。
音楽とダンスと美味しい食事。
たくさんの笑顔あふれる店内、それが私達の目指すお店です。
Music&Dance CHERISHTIE(チェリッシュタイ) はライブハウス、音楽&ダンスのレッスン、カラオケ、ダンススタジオ、カフェ・軽食等、
大人の方からお子様まで充実したMusic&Danceライフを楽しんでいただける空間を提供しております。
また、お店の名前であるバンド名CHERISHTIEとしてバンド、アイドル部、ダンス部と3部門で活動もしてます。

オーナー自ら設計された店内はいわゆるライブハウスの薄暗いイメージではなくて、明るく開放感があって、非常に温かみを感じる事ができます。

私自身、全国の様々なライブハウスを訪問する事が多いのですが、
道路沿いの平屋店舗なので安心感がありますね。
そして、駐車場が広いのが非常に助かります。

何と、ライブスペースが2つもあり、大きい方のホールがAZZURRO、小さい方のホールがROSAという名称になっています。
例えば、バンドスタイルと弾き語りスタイルで、フェスの様なイメージで同時にライブを楽しむこともできそうな感じです。
大きい方のホールは、基本的には座席に座ってのライブ観覧ですが、状況によってはスタンディングも可能との事です。

店内に入ってすぐのカウンターはまるでヘアサロンの様な雰囲気です。
また、ライブ出演の際の控室は非常に素敵空間です。

ライブハウスとしての営業だけではなく、カフェとして店内飲食を楽しめたり、カラオケもできるお店になっています。

ライブハウスと聞くと一見敷居が高そうですが、
この様にカフェや軽食を楽しんだり、カラオケに使用したり、
お客さんの語らいの場になっているのが素敵だなと思いました。

もちろん、ライブハウスなのでライブでもどんどん盛り上がってほしいし、今後も末永くのご発展を祈念しております。

※フードのメニュー、価格などは一部変更がある場合があるかと思います。
恐れ入りますが、ご了承の程、宜しくお願い致します。

Music&Dance CHERISHTIE(チェリッシュタイ)

〒512-1203 三重県四日市市下海老町548-1
電話:059-340-0207

カフェ・軽食 営業時間:平日18:00~21:00、日曜11:00~21:00  定休日:火曜日
※時期によっては不定休の場合もある為、営業時間については事前にお問い合わせをお願い致します。

ホームページ:https://select-type.com/s/cherishtie

「真の餅を食べる」連載エッセイ【ハロー三重県】第40回

毎年、この季節になると餅のことばかり考えている。
餅への想いは年を重ねるごとに強くなり、冬時期に食べる餅の量は年々うなぎ上りだ。
餅はおいしい。
圧倒的においしい。
一年中おいしいが、冬はいっそうおいしい。

*

今年は夏が終わらないのかと思っていたら、突然に冬がやってきた。
ある朝外に出ると、風がキンと冷え、冬の匂いが漂っていた。
秋を飛び越えて冬が来て、寒さに弱い私はいっぺんに心が折れそうになる。
愛すべき夏をいきなり奪われて、寿命が縮むような冬が突然目の前に突き出されたのだ。
情緒が乱れてしまう。

どうやって私は40年もの間、冬を乗り越えてきたのだろう。
記憶をたどってもまったく思い出せない。
冬とともにあった私のことを爪の先ほども思い出せない。
ほんとうに私はこのような北風の吹く世界を生きていたんだろうか。私にそんな頑丈さがあるはずがないのに、季節は残酷にも巡り、呼んでもいないのに冬はやってくる。
こんなにも激しく拒絶しているのに、だ。

*

突然にやってきた冬の寒さに毎日腹を立てながら暮らしているうちに、記憶の片隅から、靴下、温かい飲み物、カーディガン、などが徐々に呼び戻されていった。そうだ、そのようにして、冬を過ごすのだったと冬における諸々の覚悟と心の準備が整いつつあったある日のことだった。
私は、ようやくスーパーで餅の大袋を見つけ「餅を!食べるのだ!」と、もっとも大切な存在を思い出した。

寒い日に腹の奥から熱が湧き上がるように体を温めてくれる餅の存在が、いよいよリアリティを持って訪れた。

ああ、そうだ、私は餅を食べていた。寒い日は餅を、餅を食べていた。味噌汁をカンカンに温めて、焼いた餅を入れて暖を取っていた。
おやつには餅を焼いて、しょうゆを垂らして海苔を巻いて食べていた。
子どもがいっぱい遊びに来た日には、お湯にくぐらせた餅にきな粉をまぶしてみんなで粉まみれになって食べていた。
餅とともにある冬を思えば、冬を乗り越える勇気が湧いてくるというものだ。
私には、餅がある。

餅の存在を思い出してからというもの、積極的に餅を食べている。
餅はおいしい。餅は元気が出る。餅は心を強くする。

*

順調に餅を食べて暮らしていたのだが、先日、我が家にマイコプラズマ肺炎がやってきて事情が少し変わってしまった。
最初に罹患したのは小6の長女で、信じられないことに快復するまで10日以上を要した。
息苦しそうに咳き込んではぐったりする長女を看病していると、あまりの痛々しさに心がすり減った。
その後、ウイルスは順調に小4長男を経て、小2次女に到達した。
生来頑丈な長男は衰弱することなくすぐに社会復帰を果たしたのだが、問題は小2の次女だった。
もともと、身体の線が細く、食も細い。頑張り屋さんで無理をしがちなところもある。次女ははっきりと衰弱し、長女の痛々しさを凌ぐ痛々しさだった。
ゼリー飲料だけを主食として、日々が過ぎていく次女を見ていると胸が締めつけられるようだった。

マジで、心底、マイコプラズマ肺炎嫌いだな、と思った。大嫌いだ。

長女が罹患してから、まもなく一か月が経とうという頃、私はまだ、マイコプラズマ肺炎に振り回されていた。
一か月もの間、私の胸はずっと痛い。神経が衰弱して、もうボロボロだった。

そして同時に、寒さはどんどん厳しさを増し、またも私の心をえぐる。

もう我慢の限界だ。
これだから冬は!!!!と叫ばずにはいられない。

餅を、餅を、当然食べた。餅を食べないとやっていられない。
どんどん焼いてどんどん食べた。
醬油をつけて、みそ汁に入れて、どんどん食べた。
でも、もう、これでは足りない。

今、私に必要なのは、つきたての餅だ。事態はひっ迫している。
ほんとうの、見事な、確かな餅がほしい。
さもなくば私はこの冬畜生にやられてしまう。
真の餅はどこにあるのだ。

*

「餅つき 三重県」と検索ボックスに入れて調べる。
近場で、近々に餅つきをしていないだろうか。

予想はしていたが、やはり簡単にはヒットしない。過去の餅つきの様子ばかりが表示される。
「餅つきイベントカレンダー」みたいなのをどこかの優秀なエンジニアが開発してくれたらいいのに。
悪態をつきながら、次は「三重県 餅 つきたて」と検索する。
私は餅つきがしたいわけではないのだ、真の餅が食べられたらそれでいいのだ。

するとやはりと言おうか、表示されるのは「玉吉餅店」だ。
私たちが行きつく真の餅は「玉吉餅店」にある。

ホームページの「九代目の誓い」をぜひ読んでほしい。
真の餅についての情熱がそこにある。

あれは、令和元年5月。令和が幕開けして間もなくのことだった。
我が家に季節外れのインフルエンザが舞い込んで、そうあの時も次々と子どもたちが罹患して、なんなら私だって罹患して、5月がインフルエンザだけで終わろうとしていた。
あの時も私が駆け込んだのは「玉吉餅店」だった。
病み上がりの体をおして、みたらしをたくさん買った。なんとかして立ち上がろうとするとき、私はきっと餅を食べる。

「心が強くなろうとするとき、言葉はなんにも役に立たない」と武田鉄矢は歌ったけれど、私が強くなろうとするとき、真の餅は絶大な力を持つ。

*

今年の冬はなんだかじっとりと寒く重苦しかった。
ずっと寒さの底を更新しているような日々だった。
誰もかれもが寒さに疲れて体調を崩したり、どんよりと暗い顔をしていたような気がする。
冬に疲れた体を癒しに、どの人も餅を食べたらいい。
もちろん、真の餅であれば言うことはない。
餅は心を強くするのだから。

トトロは”金ロー”のおかげで有名になった。歴史を知ってジブリの魅力を新体験|金曜ロードショーとジブリ展開催

2025年1月31日(金)から4月11日(金)まで開催中の「金曜ロードショーとジブリ展」をご紹介します。この展覧会は、開館10周年・三重県総合文化センター開館30周年記念特別展・第39回企画展です。三重県総合博物館を第1会場とし、その後に第2会場である三重県総合文化センターへ入場する流れとなっている、大規模な展覧会です。

三重県総合博物館での開会式の様子

開催概要


金曜ロードショーとジブリ展

会期:2025年1月31日(金)から4月11日(金)まで 
9時から17時まで(最終入場は16時まで)

休館日:毎週月曜日(2月24日は開館)、2月25日(火)

会場
【第1会場】三重県総合博物館 3階企画展示室 〒514-0061 三重県津市一身田上津部田3060
【第2会場】三重県総合文化センター 2階第1ギャラリー 〒514-0061 三重県津市一身田上津部田1234
※必ず第1会場からご入場ください。

※ 詳細は、金曜ロードショーとジブリ展三重展公式サイト


金曜ロードショーとスタジオジブリとのつながり

昭和60(1985)年より、「風の谷のナウシカ」や「となりのトトロ」で知られるスタジオジブリの映画作品を数多く放送してきた日本テレビ系列の映画番組「金曜ロードショー」。数にして、約40年の間に200回以上だそう。本展は「金曜ロードショー」が歩んできた時代の変化の記録と共に、スタジオジブリ作品の魅力を楽しく体験できます。本記事では、これから観に行かれる方のために各会場の楽しみ方をご紹介していきます。

「トトロは”金ロー”のおかげで有名になった。」展示風景より

【第1会場】
昭和から現代までを振り返る
圧倒的な量の読みものと造形物を味わう!貴重な絵コンテも公開。

展示は、過去に金曜ロードショーのオープニングに登場していた「フライデーおじさん」のアニメーションからスタート。ジブリのほぼ全作品の貴重な絵コンテ(映画の場面構成やセリフを書き込んだもの)も一部公開されています。多数のパネル展示では、スタジオジブリが始まった1985年から時系列に各年の社会の様子と共に過去のスタジオジブリの歩みが紹介されています。その歩みを一緒に振り返るのは、金曜ロードショー歴代のプロデューサー達の数々の証言。あの作品の主人公の実在モデルはこうだとか、作品がヒットするまでの苦労話など、多くの人にスタジオジブリの作品が愛されるまでの秘話がちりばめられています。読み物だけでなく、当時人気があったゲーム機やキャラクターグッズなども展示されており、今となっては珍しいものばかり。その世代でなくとも観て楽しめそうだと思いました。

金曜ロードショー歴代のプロデューサー達は似顔絵イラストで登場する

スタジオジブリ作品のキャラクター達が壁に現れては消えていく、ジブリの幻燈楼の空間も。「幻燈」とは、キャラクターをモチーフにしたガラスに光を当てて拡大映像を投影できる装置。さまざまなジブリ作品の音楽を聴きながら、どこか懐かしく幻想的な雰囲気が体感できます。キャラクターに合わせて動きやスピードが変わるのが面白く、ずっと目で追いかけてしまいました。

ジブリの幻燈楼

「風の谷のナウシカ」に登場する腐海を緻密に再現した、造形家・竹谷隆之氏の作品です。薄暗い中でゆっくりと光の色が変わる中で、蟲や菌類が集合したゾクっとする雰囲気。ぜひ正面から体験してみてください。

「風の谷のナウシカ」王蟲の世界

本展の第1会場である三重県総合博物館を後にし、第2会場である三重県総合文化センターへ連絡通路で向かいます。案内人はフライデーおじさん。通路を歩くと、思わず手を振って歩き出したくなるようなジブリの音楽が聞こえてきました。曲に合わせ、歌いながら手を繋いで歩く親子連れの姿を見かけて、筆者も楽しい気分になりました。

【第2会場】
スタジオジブリ作品の主人公になってはしゃぐ!

第2会場は、スタジオジブリ作品の世界に飛び込んで、まるで主人公になったかのようなポスター撮影ができる楽しい空間。撮影は順番にスタッフがしてくれるので、1人でも複数でも正面からスムーズに撮ることができます。

第2会場の様子
「魔女の宅急便」の撮影ブース

ジブリ映画撮影スタジオの空間を抜けると、いよいよ最後のグッズ販売へ。幻想的な夕焼けのような光に目を奪われます。スタジオジブリの映画作品のグッズだけでなく、フライデーおじさんのグッズの販売や本展限定のドリンクや食べ物もあります。過去に劇場で販売されていた映画のパンフレットなどもずらりと並んでいたので、劇場でジブリ作品を観たことがある方は当時を思い出して懐かしい気持ちでパラパラとめくってみるのも楽しいと思います。

グッズショップ

幅広い年代の方が楽しめそうな工夫があり、隅々まで魅力たっぷりの展覧会でした。写真や動画を撮影したり、読み物を読んだりしていると時間がたつのがあっという間でした。これから観に行かれる方は、ぜひ時間に余裕を持って行かれることをおすすめします。


金曜ロードショーとジブリ展

会期:2025年1月31日(金)から4月11日(金)まで 
9時から17時まで(最終入場は16時まで)

休館日:毎週月曜日(2月24日は開館)、2月25日(火)

会場
【第1会場】三重県総合博物館 3階企画展示室 〒514-0061 三重県津市一身田上津部田3060
【第2会場】三重県総合文化センター 2階第1ギャラリー 〒514-0061 三重県津市一身田上津部田1234
※必ず第1会場からご入場ください。

※ 詳細は、金曜ロードショーとジブリ展三重展公式サイト


本記事は、内覧会のご招待をいただき作成しました。

 

OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2025.3.6update】

 

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

三重ボードゲームフリーマーケット

主催者より
アノウラボのコワーキング&シェアオフィススペース【DEER KICK LABO】ではボードゲームに関する様々な活動を行なっています。
3/15(土曜)にはボードゲームイベント|三重ボードゲームフリーマーケットを開催します!ボードゲームにまつわる様々なプログラムをご用意、入場無料でどなたでも参加頂けます。ブース出店者も大募集中!
▷ミニゲーム大会
小さなゲーム大会を開催します。ぜひご参加ください!
▷プレイスペース
購入したゲームをその場ですぐ楽しめるスペースをご用意します!
※席に限りがありますので譲り合ってご利用ください
▷ボードゲーム新商品販売
ツキイチボードゲーム販売所を開催します!
▷ボードゲームフリーマーケット
ブース出店者募集中!
ガッツリ販売したい!2時間だけ販売したい!会場にいる間ついでに2~3個販売してみたい!ゲームのテストプレイをしたい!などなど、いろんな方法でブース出店できます。
出店募集の詳細は画像内のQRコード又はこちらからご確認ください。

日時:3/15(土曜) 10:30〜15:30

場所:安濃交流会館1F 多目的ホール
(津市安濃町東観音寺51-3)

主催:百可舎
共催:アノウラボ

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://note.com/anou_labo/n/na0cdede56f35

 


Natural sweets carnival from 波瀬 Vol.3

主催者より
【趣旨】スイーツを先頭に自然派食の楽しさや未来への可能性を波瀬唯一のカフェであり本格ナチュラルスイーツの店、cafe de HAZERUから内外に発信し食文化の楽しみと波瀬地域の活性化へとつなげようとする。
【内容】三重県内のナチュラルスイーツの出店を中心に地元で自然食を提供する生産者の出店、音楽ライブや自然食にまつわるトークイベント子供たちの楽しめる企画などを行う。
【出店】
・cafe de HAZERU
・あいのや
・のんびり家
・亀成園
・ズングリファーム
・Chill Out
・o-coffee
・幸せの太陽パン
・il Vivo
・マックスバリュエクスプレス松阪粥見店
【音楽出演者】
きじは
山浦庸平
お祭り女神ジャスミン
神巫リエル
大島keita
【ワークショップ】
『アフリカンダンスワークショップ&太鼓体験』
TOMO & YURI

日時
2025年3月23日(日) 11:00-16:00

会場
cafe de HAZERU
(松阪市飯高町波瀬565 はぜの風)

問い合わせ&詳細
https://www.facebook.com/share/18mpzZeoRM/?mibextid=wwXIfr

 


プロギング「ジョギングプラスゴミ拾い」

主催者より
プロギングとは拾う「ブロッグ」ジョギングを合わせた造語です。
ジョギングと言ってもほぼ歩きでみんなで楽しく会話をしながらゴミを拾います。拾いたくないゴミは拾う必要は無し。
環境に優しく自分もポジティブになれるプロギング一緒にしませんか。

日時
2025年3月23日(日) 10時

問い合わせ
08051288903
noboruseko68@gmail.com

主催
世古 昇

主催
五十鈴川桜まつり実行委員会(おかげ横丁内)

詳細
インスタで、プロギング松阪、多気で検索 @plogging_matsusaka.taki

 


五十鈴川桜まつり

主催者より
おかげ横丁では、本年もソメイヨシノが咲き誇る時期に合わせ恒例の「五十鈴川桜まつり」を開催 いたします。 古来、花見は、桜の木に舞い降りた山の神様をもてなす行事です。清流五十鈴川に咲き誇る桜を対岸から愛でながら奉納芸能や田楽、料理などで、ごゆっくりお楽しみください。
花見屋台 団子、甘酒、花見弁当などの風流な屋台がならびます。 飲食店でも限定料理をお出しします。
夜桜のライトアップ 五十鈴川の水面に映る幻想的な美しい桜もお楽しみください。とうふや、野あそび棚では特別花見席も予約制でご用意します。
春の奉納芸能 桜の神さまへ五穀豊穣を祈り、奉納演奏を披露します。

日時
令和7年3月下旬~4月上旬(桜の咲く頃)
10:00~17:00

問い合わせ
おかげ横丁総合案内おみやげや 電話0596-23-883

主催
五十鈴川桜まつり実行委員会(おかげ横丁内)

 


伊賀の旅行会社がご案内する!made in IGA 裏側潜入!伊賀旅バスツアー

主催者より
■made in伊賀の裏側を地元旅行会社がご案内!
三重県の隠れ里、伊賀の魅力を多くの方に知って楽しんでもらう着地型観光伊賀旅バスツアーの開催が決定しました。
山間部は豊かな自然に恵まれ、中心市街地では歴史ある城下町の情緒を残す伊賀市には、made in伊賀の「イイモノ」がたくさんあります。
「ソレも、コレも実はmade in伊賀なんです!」という商品やスポットをテーマに、個人旅行ではなかなか見ることのできない「伊賀のイイモノ」の裏側を、地元旅行会社ならではの案内で巡る日帰りバス旅です。
はじめて伊賀を訪れる方はもちろん、地元伊賀の方にも楽しんでいただける「made in伊賀の裏側潜入!」バスツアーにぜひご参加ください。
■土地勘がなくても、移動手段がなくても安心のバス旅
今回巡るスポットは伊賀市内に点在しており、公共交通機関では巡り難い場所も含まれていますが、バスツアーなら安心、お任せ。土地勘がなくても大丈夫!
地元旅行会社の添乗員、運転手がしっかりと無駄のないルートでご案内いたします。お客様は車窓からの景色を楽しみながら快適に移動でき、手荷物やお土産も一緒に移動できて楽々。そしてお酒が好きな方は、ぜひ酒処・伊賀の地酒を旅先で楽しんでくださいね(昼食時オプションでご用意しております)

日時
2025年5月16日、17日、30日、31日
9:40~

問い合わせ
0595-22-1188(コスモス観光ハイトピア伊賀店)

イベントやクラファンに関するHPやSNSなどのリンク先
https://cosmos-kanko.com/

主催
コスモス観光ハイトピア伊賀店

 

 


Eri Hayashi 個展「不在について」

主催者より
作家がドイツに暮らした10年間=日本にいなかった10年間を「不在」というキーワードでまとめた展覧会。 コンセプチュアルでありながら身近に感じられる、様々な形態の現代アート作品をご覧ください。

日時
2025年1月11日〜3月23日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

鈴木幸永「ふりかえり展」

主催者より
鈴木幸永による「ふりかえり展」。絵画・版画・インスタレーション等、1980〜2020年代の作品を展示します。

日時
2025年1月11日〜3月23日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントやクラファンを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報や地域が元気になるようなクラファン情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

鈴鹿市 人とまちが育むコーヒーイベント「KAMBE COFFEE STREET」(カンベ コーヒー ストリート)の挑戦 

旧丸川菓子舗をリノベした「喫茶ケセラセラ」の店内でお話を伺いました。

まちの風景は、誰かの想いで変わっていく

毎年3月、三重県鈴鹿市かんべで開催される「伊勢路に春を呼ぶまつり」といわれている龍光寺の「かんべの寝釈迦まつり」。昨年、この賑わいに新たな彩りを加えたのが「KAMBE COFFEE STREET」(カンベ コーヒー ストリート)だった。
「コーヒーを片手に、かんべのまち歩き」をコンセプトに、市内外のカフェやコーヒースタンドやお菓子屋、商店などが協力し、9つのエリアに分かれ、まち全体を舞台とするイベントとしてスタート。今年は3月8(土)・9日(日)に第二回が開催される。


企画を立ち上げたのは、このまちで2022年から「喫茶ケセラセラ」を営む、森由起さん。
当初はの仲間だけの小さな集まりとして構想していたが、それがまち全体を巻き込むイベントへと発展した。

この記事では、「喫茶ケセラセラ」オープンの経緯から、「KAMBE COFFEE STREET」誕生までの軌跡、地域との関わり、そして森さんが見据えるこれからの展開までを紹介する。

「かんべのまちを歩いてもらいたい」という想いが、どのように形になり、どこへ向かおうとしているのか。その物語をたどる。

店の中で森さん
旧丸川菓子舗をリノベした「喫茶ケセラセラ」の店内でインタビューは行われた

 

 


 

カフェ開業までの経緯

2021年2月 コロナ禍で外出もままならない日々が続く中で、森さんは自分の人生を見つめ直していた。結婚を機に鈴鹿に住むようになり、気づけば人生の半分をこのまちで過ごしている。子どもたちが成長し、「この子たちの故郷は鈴鹿なんだ」と実感したとき、「このまちで自分にできることは何か?」と考え始めた。

ちょうどそのころ、三重県の「警戒宣言」が解除された。飲食店を応援したくて、ひとりで食事に出かけるようになった。その時間が心地よく、「ひとりでゆっくりできる場所をつくりたい」という思いが生まれる。

それは、これまで何度も思い描いてきた「自分の店を持つ」という夢とつながった。そんなとき、鈴鹿市かんべで江戸末期より続く和菓子屋「丸川菓子舗」の旧店舗と出会うことになる。

「喫茶 ケセラセラ」の誕生

2022年2月22日 かんべの町に「喫茶ケセラセラ」が誕生した。

店舗の前で開店記念撮影
2022年2月22日 開店の日には子供たちも手伝いに駆けつけた

 

「かんべ女子会」から広がるつながり

イベントを通じて深まるまちとのつながり

開業から1年。日々の営業の中で、お客さんとの会話を通じて「かんべのまちの魅力」に気づいたという。そこで、お茶の勉強会やワイン会、JAZZライブなど、さまざまなイベントを企画し、少しずつまちとのつながりを深めていった。

加藤みきおさんの大道芸パフォーマンス
女性トランペッターの中村好江さんらを招いてのJAZZライブ
お茶の勉強会


「来年の寝釈迦まつりで何かをしたい」

そして翌年2023年3月11日、寝釈迦まつりではコロナ禍から屋台が復活。まちに活気が戻る様子に驚き、森さんは「来年の寝釈迦で何かしたい」と強く思ったという。もっとまちのことを知りたい——。そう考え、地元に住む女性客たちに声をかけ「かんべ女子会」を開いた。営業時間が終わった店内で各自が飲み物を持参。ひたすら語り合う時間を設け、かんべのまちの魅力や、寝釈迦まつりの魅力について、じっくりと耳を傾けた。

 

「KAMBE COFFEE STREET」が生まれるまで

新たなアイデアの始まり

2023年6月  かんべでカフェをしている仲間たちと、新しいイベントのアイデアを考え始めた。
「寝釈迦まつりに合わせて、コーヒーをテーマにした催しを開けないか?」伝統ある祭りに新たな要素を加えることへの不安もあったが、

「コーヒーだったら昔から並ぶ露店とかぶらないし、共存できるのでは?」

そう考え、かんべ女子会でこの構想を打ち明けた。好評だった。そこで「まち歩きを楽しむように、コーヒー屋を点在させるのはどうか?」というアイデアが浮かんだ。


計画が本格的に動き出す。

2023年10月  かんべの町の中にあるホワイトボックスコーヒー、築古ストック、そして喫茶ケセラセラ。三つの点在するカフェを拠点に、まちを歩きながらコーヒーを楽しむコンセプトが固まった。このイベントは「かんべ珈琲通り(KAMBE COFFEE STREET)」と名付けられた。

1週間後、仲間たちと実際にルートを歩いてみる。ケセラセラから本町商店街、龍光寺、ホワイトボックスコーヒー、築古ストック、市役所へと続く道のり。歩くことで、まちの魅力を再発見する機会にもなった。

仲間たちと実際にまち歩きを楽しんだ

まち歩き


「このルートを地図にできたら、もっと楽しんでもらえるかも」

まち歩きをより魅力的にするためのアイデアが、またひとつ生まれた。

2025年度版KAMBE COFFEE STREETのマップ
2025年度版KAMBE COFFEE STREETのマップ(表面)

森さんはこのマップには強いこだわりをもっている。「SNSの時代にこそ紙の媒体にこだわりたいと思いました。イベント当日だけでなく、手元に残してもらい、かんべに再訪してもらいたいんです。だからデザインにも紙質にもこだわりました」と話す。

ちなみにストリートマップとKAMBE COFFEE STREETのロゴデザインを制作したのは四日市市のギャラリー、「侶居」の日出氏だ。このロゴデザインはその他にもフラッグ、トートバックにも展開され、イベントのイメージに統一感をもたせている。

ロゴデザイン
ストリート感があるロゴデザイン

 

商店会との話し合い、そして広がる可能性

商店会のサポートを得る

2023年11月、森さんは商店街の会長に計画を相談した。

「こんな話、受け入れてもらえるのだろうか?」

伝統ある祭りに新参者が加わるのは簡単ではない。その難しさを理解しつつも、不安を抱えながら話を切り出した。

ところが、意外な展開が待っていた。

商店会側も、かつて寝釈迦まつりで甘酒の振る舞いを行っていたが、高齢化により継続が難しくなっていた。そこで、「KAMBE COFFEE STREET」を商店会としてサポートできないか、という提案が持ち上がる。

さらに、祭り期間中の車両進入禁止の道路を活用し、イベントエリアを設ける案も浮上。商店会が警察への許可申請を一括で行ってくれた。

「話がどんどん大きくなっていく……大丈夫だろうか?」

戸惑いながらも、期待が膨らんでいった。

「KAMBE COFFEE STREET」の構想は、想像以上の広がりを見せ始めていた。

 

KAMBE COFFEE STREET──地域に根ざす新たな挑戦

コーヒーとまちをつなぐ場

その後、仲間たちとの話し合いの中で「KAMBE COFFEE STREET」は、イベントエリアでコーヒーや焼菓子の店舗を並べ、離れた場所にある既存の商店や旅館などでも独自のイベントを開催する形で進められることになった。
まち全体を舞台に、かんべの魅力を感じられるイベントとして企画が進んだ。

 

2024年1月、開催まで2カ月を切ったころ、龍光寺の住職との面談が実現。まつりの歴史や今後の方向性について話しを聞いた。

龍光寺山門外観
かんべの寝釈迦まつりの会場となる龍光寺の山門。龍光寺は600年の歴史を持つ

 

 

広報活動が広がる

2024年2月、 最終的なマップも完成し、協賛店舗へマップを配り始めた途端、森さんは大きな不安に襲われたという。

「もし当日、お客さんが来なかったらどうしよう?」
「とにかく広報しなければ!

その不安を払拭するように、地元の高校放送部、FM局、新聞社やWEBメディアなどが次々と取材に訪れ、広報活動が広がっていった。

取材を受けるもりさん
テレビ局も取材に訪れ、当日のニュースにも取り上げられた

 


迎えた本番──熱気に包まれた「KAMBE COFFEE STREET

2024年3月9日、初開催

青空にはためくフラッグ

「伊勢路に春を呼ぶまつり」と称される「かんべの寝釈迦まつり」と「KAMBE COFFEE STREET」の同時開催の初日を迎えた。

例年通りの寒さ。朝の最低気温は氷点下。それでも、そんな冷たい空気をものともせず、人々は次々と神戸のまちへと足を運んだ。

コーヒーカップの写真
市内外からたくさんのコーヒー屋さんが集まった


イベントエリアに広がるコーヒーの香り、手にした温かいカップを頬に当てる来場者たちの安堵の表情。店舗の前には長蛇の列ができ、どのブースも活気に満ちていた。

「完売しました!」

各店舗から続々と報告が舞い込む。どの店も、どの店も、想定を超える反響で、次々と商品が売り切れていった。

「本当にこんなに人が来るなんて……」

出店者たちの顔には、驚きと喜びが入り混じっていた。自分を信じて参加してくれた出店者たちが、この光景を目の当たりにしながら笑顔を見せる。その姿を見た瞬間、森さんはこみ上げる感情を抑えきれなかった。

「やってよかった。」

かんべの町に、新しい風が吹いた瞬間だった。

集合写真
イベントが終わりみんなで撮った集合写真

 


そして、2025年。 続いていく未来

 

「KAMBE COFFEE STREET」は継続的な取り組みへ

第1回の成功を経て、「KAMBE COFFEE STREET」は、地域に根付いた継続的な取り組みへと進化しつつある。そのきっかけの一つとなったのが、今年のメイン会場である慎福寺とのつながりだ。

住職との対話を経て、慎福寺で毎月21日に開かれる御影供法要(お大師さまの日)に合わせて開かれる「わらしべ長者市」への参加が決定した。これにより、「KAMBE COFFEE STREET」の出店者たちは、かんべの寝釈迦まつりが終わった後も、この寺の境内の一角で毎月小さなマルシェを開くことになった。単発のイベントではなく、まちの暮らしに溶け込む形で、KAMBE COFFEE STREETの定期開催が実現する。

小さなマルシェの模様
今年2月21日に開かれた「小さなマルシェin慎福寺」
WHITE CANVAS COFFEEの白川さん

 

さらに、今回のKAMBE COFFEE STREETの運営には「WHITE CANVAS COFFEE」の白川さんをはじめとする20代の若い世代の人たちが自主的に企画・運営のサポートをかってくれた。彼らも加わり、今後さらにイベントを発展させていけることが期待されている。

「でもね、若い人たちにKAMBE COFFEE STREETの運営を押し付けたりはしたくないですよ。若い人には自由に未来を描いてほしいんです。学校の文化祭のように、世代交代しながら継続して続いていく仕組みがあればいいと思っています。」

さらに、森さんは自身が空き店舗を活用し「喫茶ケセラセラ」を開いたように、若い世代と地域とのマッチングも真剣に考えている。

 

インタビュー中のもりさん
これからのKAMBE COFFEE STREETについて語る森さん

 

「かんべのまちを歩いてもらいたい。まちの魅力をもっと知ってほしい

そんな想いを胸に、「KAMBE COFFEE STREET」と森さんはこれからも挑戦を続けていく。

 

 

 


KAMBE COFFEE STREET

詳細は公式SNSをチェック。
■KAMBE COFFEE STREET公式Instagram
https://www.instagram.com/kambecoffeestreet/

■KAMBE COFFEE STREETの会場となる慎福寺はこちら

https://maps.app.goo.gl/HffZnPSs83qEHBSCA

漁師町のデザイン会社が作った缶詰工場「Can-Dume Lab.」が楽しい!@紀北町

もしあなたが、世界で唯一の缶詰を作れるとしたら何を作りますか?

三重県の紀伊半島にある紀北町。
紀伊長島はカツオなどの漁が昔から盛んなレトロな港町。

まちを歩けば、生節などの加工場からはカツオを燻すよい香りがする。
道行く漁師のお母ちゃんのスクーターのかごには、バケツにまるごと、近海で獲れた小型のカツオが入っている。

少子高齢化、人口減少の進む地域でもあり空き家や空き店舗も増えている。
そんな紀北町に缶詰工場「Can-Dume Lab.」ができた。

外観はまるでITベンチャーのよう。
それもそのはず。
運営しているのは、紀北町のデザイン会社「dgreen」。
デザインや企画、WEB制作やマーケティングなども手掛けている。

社長は地元出身の東 城(ひがしじょう)さん。
漁師の息子として生まれ、学校に行くのが苦手で、学校に行かないのなら仕事を手伝えと言われ、何万匹もの魚をさばいているうちに魚を見るのもいやになった子ども時代。
その後東京へ、そしてロンドンに留学。そこでWEBの世界に出会う。
当時はインターネット黎明期。
帰国後は津市の広告代理店で働き、紀北町で起業。

mogcook HPより
mogcook HPより

dgreenといえば、地元の魚をつかった離乳食「mogcook(モグック)」の製造やオンライン販売も行っていて、地方と都市を地元産品でつなぐ仕組みもデザインしている。

東さんに聞いてみた。
なぜ缶詰なのだろう?

東さん:地元に缶詰工場がひとつもなくなってしまったんです。それもあってなのですが、思い付きは本当になんとなく・・。缶詰が『来る』んじゃないかって、5年くらい前から社内のパートナーにも相談していたんです。mogcockの加工場を新しくする必要も出てきたこともあり、ならば缶詰が作れる工場にしようと。

工場に入るとまるでLabのような雰囲気で専門的な装置がたくさん。
この設備だと極小ロットでも発注できるそう。
例えばノベルティや、地域の料理人が地元食材を使った地域性の高い商品なども生産できる。

東さん:港町なので漁師汁も試作しました。ひとつの缶詰には味噌汁、もうひとつは魚などの具材を入れて両方とも湯煎して、お椀で合わせたら私たちが普段食べているできたての漁師汁ができます。あとスイーツもできるんです。

東さん:何ができるか、いろいろ考えると楽しいですよ。でも身体はひとつしかないから、時間が足りない(笑)。

さらにクラフトビールづくりの勉強にも通っているという東さん。
東紀州は魚だけでなく、柑橘類の生産も盛んな地域。
食材の産地が、新しい時代の価値観に合わせて、またおもしろくなってきそう。

レトルトパウチが多いなか、どこかレトロで温かみのある缶詰。
地域性のある缶詰として、また災害時にも活用できる缶詰は、本当にこれから時代に『来る』のかも知れません。

 


 

Can-Dume Lab.
北牟婁郡紀北町長島1189-67

dgreen
北牟婁郡紀北町東長島2399-1
TEL 0597-47-2337
HP https://www.dgreen.jp
FB https://www.facebook.com/dgreen.jp

mogcook
HP https://mogcook.com/
IG https://www.instagram.com/mogcook/

 


 

おまけ「カールについて」

昔なつかしのスナック菓子、カール。
歯の間にはさまるけど、美味しいカール。
2017年夏より滋賀県以西の西日本地域のみでの販売となりました。
残念ながら三重県での販売も終了・・。
と思いきや、紀勢自動車道「奥伊勢PA(上り)」にあります!

カール好きの方は、東紀州などにドライブの際は要チェックです。
(私は、うすあじ派)

OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2025.2.20update】

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

Natural sweets carnival from 波瀬 Vol.3

主催者より
【趣旨】スイーツを先頭に自然派食の楽しさや未来への可能性を波瀬唯一のカフェであり本格ナチュラルスイーツの店、cafe de HAZERUから内外に発信し食文化の楽しみと波瀬地域の活性化へとつなげようとする。
【内容】三重県内のナチュラルスイーツの出店を中心に地元で自然食を提供する生産者の出店、音楽ライブや自然食にまつわるトークイベント子供たちの楽しめる企画などを行う。
【出店】
・cafe de HAZERU
・あいのや
・のんびり家
・亀成園
・ズングリファーム
・Chill Out
・o-coffee
・幸せの太陽パン
・il Vivo
・マックスバリュエクスプレス松阪粥見店
【音楽出演者】
きじは
山浦庸平
お祭り女神ジャスミン
神巫リエル
大島keita
【ワークショップ】
『アフリカンダンスワークショップ&太鼓体験』
TOMO & YURI

日時
2025年3月23日(日) 11:00-16:00

会場
cafe de HAZERU
(松阪市飯高町波瀬565 はぜの風)

問い合わせ&詳細
https://www.facebook.com/share/18mpzZeoRM/?mibextid=wwXIfr

 


五十鈴川桜まつり

主催者より
おかげ横丁では、本年もソメイヨシノが咲き誇る時期に合わせ恒例の「五十鈴川桜まつり」を開催 いたします。 古来、花見は、桜の木に舞い降りた山の神様をもてなす行事です。清流五十鈴川に咲き誇る桜を対岸から愛でながら奉納芸能や田楽、料理などで、ごゆっくりお楽しみください。
花見屋台 団子、甘酒、花見弁当などの風流な屋台がならびます。 飲食店でも限定料理をお出しします。
夜桜のライトアップ 五十鈴川の水面に映る幻想的な美しい桜もお楽しみください。とうふや、野あそび棚では特別花見席も予約制でご用意します。
春の奉納芸能 桜の神さまへ五穀豊穣を祈り、奉納演奏を披露します。

日時
令和7年3月下旬~4月上旬(桜の咲く頃)
10:00~17:00

問い合わせ
おかげ横丁総合案内おみやげや 電話0596-23-883

主催
五十鈴川桜まつり実行委員会(おかげ横丁内)

 


伊賀の旅行会社がご案内する!made in IGA 裏側潜入!伊賀旅バスツアー

主催者より
■made in伊賀の裏側を地元旅行会社がご案内!
三重県の隠れ里、伊賀の魅力を多くの方に知って楽しんでもらう着地型観光伊賀旅バスツアーの開催が決定しました。
山間部は豊かな自然に恵まれ、中心市街地では歴史ある城下町の情緒を残す伊賀市には、made in伊賀の「イイモノ」がたくさんあります。
「ソレも、コレも実はmade in伊賀なんです!」という商品やスポットをテーマに、個人旅行ではなかなか見ることのできない「伊賀のイイモノ」の裏側を、地元旅行会社ならではの案内で巡る日帰りバス旅です。
はじめて伊賀を訪れる方はもちろん、地元伊賀の方にも楽しんでいただける「made in伊賀の裏側潜入!」バスツアーにぜひご参加ください。
■土地勘がなくても、移動手段がなくても安心のバス旅
今回巡るスポットは伊賀市内に点在しており、公共交通機関では巡り難い場所も含まれていますが、バスツアーなら安心、お任せ。土地勘がなくても大丈夫!
地元旅行会社の添乗員、運転手がしっかりと無駄のないルートでご案内いたします。お客様は車窓からの景色を楽しみながら快適に移動でき、手荷物やお土産も一緒に移動できて楽々。そしてお酒が好きな方は、ぜひ酒処・伊賀の地酒を旅先で楽しんでくださいね(昼食時オプションでご用意しております)

日時
2025年5月16日、17日、30日、31日
9:40~

問い合わせ
0595-22-1188(コスモス観光ハイトピア伊賀店)

イベントやクラファンに関するHPやSNSなどのリンク先
https://cosmos-kanko.com/

主催
コスモス観光ハイトピア伊賀店

 


SWING JAZZ LIVE

主催者より
ウッドベースとボーカルで独自のスタイルを実現したジャズデュオ「KAWAI & JUDY」がスペシャルゲストを迎え、ゴージャスなカルテットで演奏します。
関西で活躍中のジャズピアニスト柴田コウメイ氏と、ジプシースウィングジャズギタリスト井上知樹氏のお二方は、卓越したテクニックと華麗なパフォーマンスが非常に高い評価を得ています。
三重では初のユニットです。どうかこの機会をお見逃しなきようおすすめいたします。

日時
2025年2月24日(祝)
14時開演(13時30分開場)

問い合わせ
0599-67-1011 南伊勢町 町民文化会館

主催
NPO法人みなみいせ市民活動ネット

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
ジャズピアニスト
・柴田コウメイ
https://ko-may.com/profile.html
・KAWAI & JUDY
OTONAMIEインタビュー記事
https://otonamie.jp/?p=92109
・ジャズベーシスト川合進
ブログ
https://ameblo.jp/ssmkawai/?
・ジャズボーカルJUDY
公式HP
https://tsuku2.jp/tamakiSocialC-72

 


プロギング「ジョギングプラスゴミ拾い」

主催者より
プロギングとは拾う「ブロッグ」ジョギングを合わせた造語です。ジョギングと言ってもほぼ歩きでみんなで楽しく会話をしながらゴミを拾います。拾いたくないゴミは拾う必要は無し。環境に優しく自分もポジティブになれるプロギング一緒にしませんか。

日時
2025年3月2日
10時

問い合わせ
08051288903 世古昇
noboruseko68@gmail.com

イベントやクラファンに関するHPやSNSなどのリンク先
インスタで、プロギング松阪、多気で検索
@plogging_matsusaka.taki

主催
世古昇

 


「なりかわり標本会議」

主催者より
誰でもOK!いつの間にか演劇になってしまう前代未聞な「なりかわり」型会議、舞台版!
即興でもない、ディベートでもない。だれかになりかわって、生の対話をしているうちに自然と演技ができちゃう!?
演劇を観るのはいいけど、やるのはちょっと…と思っている人もいつの間にか巻き込まれている、そんな未来のコミュニケーションツールが「なりかわり標本会議」です。
松井周を中心として、2023年6月から公募で集まったメンバーが「なりかわり標本会議」を広めるべく活動してきました。メンバーがファシリテーターとなり、三重県内の学校・団体等で「なりかわり標本会議」を実施しています。(実施先募集中!)
誰でもどこでもできるコミュニケーションゲームではありますが、観客参加型の舞台化にも挑戦中。今回は、2024年2月に上演した「なりかわり標本会議」試演会を経て、最新版をお届けします!
会議そのものを筋書きなしで演劇にしたらどうなるのでしょうか―新しい演劇スタイルの可能性を模索し、ご来場のみなさまとのフィードバックの時間も予定しています。ぜひ、劇場でご覧ください。

日時
2025年3月1日(土)・2日(日)
各日14時スタート

問い合わせ
三重県文化会館チケットカウンター TEL:059-233-1122
kenbun@center-mie.or.jp

主催
松井周の標本室、三重県文化会館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.center-mie.or.jp/bunka/event/detail/48626

 


 

Eri Hayashi 個展「不在について」

主催者より
作家がドイツに暮らした10年間=日本にいなかった10年間を「不在」というキーワードでまとめた展覧会。 コンセプチュアルでありながら身近に感じられる、様々な形態の現代アート作品をご覧ください。

日時
2025年1月11日〜3月23日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

鈴木幸永「ふりかえり展」

主催者より
鈴木幸永による「ふりかえり展」。絵画・版画・インスタレーション等、1980〜2020年代の作品を展示します。

日時
2025年1月11日〜3月23日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントやクラファンを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報や地域が元気になるようなクラファン情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

「好きなものを好きなだけ」旅する料理店「アメイル」で味わう九鬼の四季

お店に入ると、四角形の大きな窓があり、その向こうには青々とした海が広がっている。尾鷲市九鬼町。元は食堂「網干場(あばば)」だった場所で、現在はイタリア料理店「amayl.(以下、アメイル)」が営業しています。

窓からは美しい九鬼の海が見える(アメイル提供)

穏やかな水面を眺めながら、旬の魚や野菜が使われ、美しく彩られた料理をいただく贅沢なひととき。そんな時間を過ごせることが嬉しくて、少し遠いなと思いながら津から尾鷲まで車を走らせる。

三重の魚を使用した料理(アメイル提供)

アメイルは、大阪出身の原口 開成(かいせい)さんと埼玉出身の宮舘 凛寧(りんね)さんの2人が営むお店。店舗を持たず、シェアキッチンやイベントなどで出店しながら、全国各地で営業するスタイル。いつしか “旅する料理店” と呼ばれるようになったそう。

宮舘 凛寧さん(左)原口 開成さん(右)(アメイル提供)

店名「amayl.」は、「as much as you like」の頭文字を取ってできた造語。「お客さんに “好きなものを好きなだけ食べてほしい” という思いからつけた名前なんです」と宮舘さん。

アメイルとしての活動をスタートさせたのは、2022年のこと。

「飲食業界で働いていたんですが、本格的に自分で料理を作ってみたくなり、転職しようか迷っているところでした。そのタイミングで、島根県のシェアキッチンの出店者を募集していると聞き、3週間だけ出店することにしました」(原口さん)

「初めて2人でお店をやってみたんですが、すごく楽しかったんです。もっと続けたいと思い、彼は会社を辞め、私は大学を辞めて、アメイルとして活動していくことを決めました。場所は固定せず、シェアキッチンやイベントに出店するスタイルが定着して、気づいたら“旅する料理店”と呼んでいただいていましたね」(宮舘さん)

レトロなタイルが可愛い入り口(アメイル提供)

2人で住んでいた家も引き払い、シェアキッチンが運営している宿や知り合いに住まいを提供してもらい、島根、岩手、東京とさまざまな場所で出店。あえて拠点を持たない旅人スタイルで生活することにしました。

尾鷲と縁がつながったのは、東京のシェアキッチンで営業していたとき。たまたま来店した九鬼の人から、声をかけられました。

「食堂(網干場)が営業を休止して出店者を募集しているので、よかったら九鬼でお店をやってみませんかと、声をかけていただいて。じゃあ、行ってみようかと初めて尾鷲に来たんです」(原口さん)

2023年は、1か月の期間限定の店として。2024年からは旅を一時休止し、1年間九鬼に腰を据えて営業を行いました。

「この土地ならではの旬の食材で料理を提供できたり、リピートのお客様ができて仲良くなったり。同じ場所で長く営業する面白さを感じています。ここは通りすがりで来る場所ではないので、アメイルを目がけてきてくれると思うとやりがいを感じますね」(原口さん)

「今までは移動してる私達に興味を持ってきてくださる方が多かったので、『料理が美味しいと聞いて来ました』と言われるとすごく嬉しいですね。料理でリピーターになってくれた方も多くて、わざわざ名古屋や勝浦から来てくれるお客さんもいるんですよ」(宮舘さん)

四角い窓の向こうに見える景色とおいしい料理を一緒に楽しめる、その時間は何にも変えがたい特別なもの。

美味しい料理を食べながらほっと一息つける場所

この1年、九鬼のまちで過ごした二人。他の土地と少し違って感じる部分があるそう。

「移住した人が率先して毎週体操をしていたり、まちの人と移住者の垣根があまりないというか。僕らもこの場所が網干場食堂だったこともあって、食堂の関係者だった方が忙しいときは手伝ってくれたり、お家に招いてくれたりするんですよ」(原口さん)

「九鬼ってよその人の受け入れ体制ができているまちなんです。釣りをしている人に『釣果はどう?』と声をかけたり、まちを歩いてる人に挨拶したり。初めての人でも抵抗なく受け入れてくれる。移住者の私たちともちょうどいい距離でつきあってくれます」(宮舘さん)

私もアメイルからほど近い場所にある書店「トンガ坂文庫」に行った帰りに、まちの方に「いい本あった?」と声をかけられたことがあります。分け隔てなく接してくれる、九鬼の人の温かさを感じました。

思わず立ち寄りたくなるレトロな外観(アメイル提供)

2025年も、引き続き尾鷲で営業することが決まっているアメイル。

2年目となる今年、挑戦してみたいことをお聞きしました。

「先日、漁港で食のイベントをやっていたんですが、たくさんの人が訪れて賑わっていました。漁港を飾り付けるなど工夫もされて、すごく面白そうだったんですよ。僕たちも何かしたいと思い、今まちの方と一緒に計画しています」(原口さん)

「1年を通して営業したことで食材の採れ方がだんだんわかってきたので、今年は新しい料理に挑戦したいですね。今はコース料理がメインなんですが、イベント的にアラカルトとかもやってみたいし、尾鷲の市街地にできたシェアキッチンにも出店してみたいな」(宮舘さん)

美しい九鬼の海と目も口も楽しいアメイルの料理。こんな素敵なコラボレーションをもう一度楽しめるなんて!と私自身、わくわくしています。おいしい、うれしい瞬間を味わいにアメイルへ。

「amayl.(アメイル)」

住所:尾鷲市九鬼町204-9

予約:080-4891-0063 (電話のみ)

時間(予約制)

セットランチ(11:30 〜/ 13:15〜)

コースディナー(19:00 〜)

定休日:Instagramをご確認ください

※2025年3/8〜3/31、隠岐島の海士町にて営業するため、九鬼町での営業はお休みです。

https://www.instagram.com/sukinamonowo.sukinadake/

 

伊勢志摩インバウンドは未来へ飛び込む。専門家が見た伊勢志摩の可能性。

全3回で綴る、伊勢志摩観光コンベンション機構(以下:コンベンション)が中心となり、地域の事業者と連携しながら進めているインバウンドを軸とした新しいまちづくり。
第1弾は観光を切り口に持続可能な未来のまちづくりに挑戦する狙いや想い、第2弾は同じ志を持つ仲間やグループとどのようにグローバルなまちにしていくのかを取り上げた。

本編、第3弾は、日本の人口減少や経済力の低下が背景にあり、国の成長戦略に位置づけられていているインバウンドの日本の各地での動きや伊勢志摩のポテンシャルについてに注目。

“まずインバウンドは、世界のデスティネーション(旅先)との競争になります。日本の観光業が30〜40年後、世界と戦って生き残れるか、今がまさに瀬戸際だと感じています”

そう話すのは観光庁やJNTOが中心となって実施している観光促進「ビジットジャパンキャンペーン」の企画・制作を数多く手がけ、現在は欧米富裕層向けの旅行会社「wondertrunk & co.」の創業者で共同CEO、岡本岳大さん。
今回、世界のインバウンドの市場や動向に詳しい岡本さん、伊勢市の前産業観光部長で地元の観光に32年携わってきたコンベンション専務理事の須﨑充博さんに伊勢志摩におけるインバウンドの可能性をお聞きした。

岡本岳大さんプロフィール
●観光庁「サステナブルな観光コンテンツ強化事業」コーチ
●観光庁「地方部における観光コンテンツの充実のためのローカルガイド人材の持続的な確保・育成」有識者会議委員など
●金沢市「持続可能な観光振興推進会議」委員
など、政府自治体の委員・有識者などを歴任。

北陸、せとうち、そして伊勢志摩へ期待。

観光庁は「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり」事業で、高付加価値旅行者の誘客に向けて集中的な支援等を行うモデル観光地として、東北海道エリア、八幡平エリア、那須及び周辺地域エリア、松本・高山エリア、北陸エリア、伊勢志摩及び周辺地域エリア、奈良南部・和歌山那智勝浦エリア、せとうちエリア、鳥取・島根エリア、鹿児島・阿蘇・雲仙エリア、沖縄・奄美エリアの11エリアを令和5年度に選定し、山形エリア、佐渡・新潟エリア、富士山麓エリアの3エリアがが令和6年度に追加選定された。岡本さんに伊勢志摩以外のエリアの動きを聞いた。

岡本さん:「北陸エリア」や「せとうちエリア」は、実際にインバウンド客が増えつつあります。

北陸は漆などの工芸や加賀温泉など日本の文化で、せとうちは直島などの現代アートが外国人から人気なのだそう。岡本さんはインバウンドの増加には地理的な条件も関係しているという。

原宿にあるwondertrunk & co.の事務所周辺にて

岡本さん:日本のインバウンド全体の傾向と同様、富裕層インバウンドも、東京・京都に滞在することが圧倒的に多いです。10日〜2週間ほどかけて日本に滞在するのですが、東京・京都から移動しやすい場所であることは物理的に案内しやすいです。いきなり離れたところにナビゲーションするのは、例えば北海道や沖縄の自然など何かに特化した興味を持っていない限り、現実的には難しい。東京から新幹線で北陸を経由して京都へ、またせとうちは関西圏からもう一歩だけ踏み込むというイメージです。今回選定された14の地域で、北陸、せとうち、そして私はその次に東京と京都の間に位置する、伊勢志摩に注目しています。

注目する理由は地理的な要因だけでなく「ビーチとは異なる海の旅先」という側面だという。

岡本さん:例えばカリブやモルディブなど、富裕層インバウンドの業界では、海があるリゾート地でゆったり過ごす旅のマーケットはとても大きい。世界で人気のある海の観光地はビーチです。伊勢志摩は島国・日本の海の文化が残り、ゆったりとできる上質な宿泊施設もすでにあるので富裕層インバウンドへの提案力があります。

伊勢志摩は風光明媚なリアス海岸にリゾート地がある一方、2000年以上の歴史を持つ海女漁が今も続いている。

岡本さん:持続性と歴史を兼ね備えた海の文化を深掘りしていけば、伊勢神宮の常若という日本人の精神につながっていきますね。海外でも事例がない魅力です。それをどう伝えていくのかが重要です。

そもそも世界を旅する欧米などの外国人にとって、最近こそ日本が旅先の選択肢に入るようになったが、大多数には東京、京都、富士山のようなシンボリックな場所しか認識されていないそうだ。

岡本さん:いきなり「海女さん」だけ細かく説明しても、ほとんどの外国人はピンとこない。イメージができないんです。

 

伊勢志摩で、新しい物語を紡ぐ。

伊勢志摩で外国人を招いたモニターツアーを多数受け入れてきた須﨑さんは、富裕層インバウンドは「ここにしかない本物」を求める傾向にあるという。

伊勢志摩観光コンベンション機構の専務理事・須﨑充博さん。伊勢市の外宮参道にて

須﨑さん:海女さんにしても、大勢の観光客で観るショーや、獲った海産物を食べるだけでは物足りないそうです。予算を増やしてでも日本の文化や歴史など、本物に触れたいと考えています。

岡本さん:他の地域では、伝統工芸などの工房や酒蔵を巡るスタジオビジットやクラフトツアーが人気です。そう考えると海女さんと一緒に海に潜ったり話をしたり、海女さんの暮らしを体験することは、富裕層インバウンドにとって特別な体験になる可能性があります。

海の文化を深掘りする。海女さんと過ごす体験から伊勢志摩の海と山の自然の循環を知る。そして2000年のサスティナビリティが今も続く神宮や神道に触れる。そこには富裕層インバウンドに伝わるストーリー性が必要になるという。

岡本さん:外国人にとって式年遷宮は衝撃的です。20年毎にすべての社殿を作り直すことで日本の伝統や技術を未来につなぎながら、山の自然も再生させている。その山から命を育む水が流れ、海に流れ着く。それが1300年以上続いている。まさに日本の精神性の表れですよね。そこにたどり着けるように、どういう物語を旅行先を探す外国人に伝えるのか、今そこを考えることがとても大事な時期です。

須﨑さん:先日も富裕層インバウンドの旅行関係者を案内したのですが、その方は2回目の伊勢志摩でした。神宮で式年遷宮の話をしたら、とても驚いていました。1回目の時は教えてもらえなかったそうです。「それを早く知りたかった!」と、興奮気味に興味を持ってくれました。

 

日本の地方が連携すれば、世界と戦える時代になる。

これから日本の地方がインバウンドの誘客に力を入れていくなかで、富裕層インバウンドが思う地方のイメージはどんな感じなのだろう。

岡本さん:木造の寺院などの建物が多い、水がきれい、自然とともに暮らしている。そんな漠然とした印象だと思います。欧米は大陸なので海がないエリアも多く、海への憧れがあります。実は今回選定された14地域のなかで、島国である日本の海の文化を深堀りできる可能性として、伊勢志摩はとても可能性があると思うんです。

須﨑さん:伊勢志摩国立公園のなかで人が自然を大切にしながら暮らしている。それだけでも世界からすると珍しいことですね。

伊勢志摩といえば神道の聖地でもある。そのあたりの可能性はどうだろう。

岡本さん:チベットに仏教の精神性を求めていく人も少なからずいますし、ZENを求めて日本にいらっしゃる方もいます。でも世界的にはニッチな分野で、神道となるとさらに認知度は低いと思います。しかし核にある日本人の精神や自然とともに生きるサスティナビリティなどは変わらない。つまり深い魅力はあるので、自然や宗教の体験もマインドフルネスというカテゴリーから入ってくることが考えられます。

伊勢志摩にはここにしかない魅力がある。それを地域の目線ではなく、富裕層インバウンドの目線でどう見せるのか、どういうストーリーで伝えて興味を持ってもらうのかなど、今後の検討事項だと感じた。さらに懸念すべきことに、オーバーツーリズムがある。

岡本さん:オーバーツーリズムにはふたつの定義があると考えています。ひとつは「観光地が耐えらえる以上の観光客が押し寄せる状態」、つまり人数のキャパシティの視点。もうひとつは「観光客がもたらす負の部分に対処するだけの対価をもらえてない状態」と定義するものです。観光は違う文化のバックボーンを持つ人が来るので、良いこともあれば悪い影響も少なからずあります。来てもらった分、地域がそれを上回る対価をもらえるかどうか、それを地域の文化や自然の保護などに還元できるという視点も重要です。

さらに富裕層インバウンドの推進自体、オーバーツーリズム対策であるともいう。

岡本さん:伊勢志摩の観光客比率は、国内が97%でインバウンドが3%です。私はインバウンド客の人数を無理に増やしていく必要はないと考えています。インバウンドの人数だけ増えても、地域での消費インパクトがなければサスティナブルな観光地づくりにはつながっていかない。そのためにはインバウンドの消費単価を上げる必要がある。地域の事業者の方々はそれぞれに課題も抱えているので、みんながインバウンドに向く必要はないのですが、次世代を担う事業者の方々で興味のある方は今がチャンスと捉えて挑戦してもらいたいですね。そういった方々がジョインできる仕組みをすでにコンベンションが持っていることも伊勢志摩の強みだと思います。

須﨑さん:実はインバウンドに限ったことではないのですが、伊勢志摩で富裕層をターゲットにし、高付加価値なサービスを提供する宿泊施設は、すべてといってよいほど成功しています。すでにそのような事例がある地域なので、インバウンド事業に興味のある方は、ぜひ我々とご一緒させていただければと思います。事業者と伴走するのは、コンベンションとしてDMO(観光地づくり法人)のミッションでもあるのですから。

最後に岡本さんに、日本の地方全体のインバウンドの可能性について聞いた。

岡本さん:東京と京都だけでなく、北陸、せとうち、伊勢志摩のような地域が、高付加価値なデスティネーションとなっていくことは、地域経済の持続可能性にとって重要だと考えています。地域が、日本の魅力をさらに深く味わえる特別な体験を提供できるようになり、今回の事業を通じて、そういった連携体になっていくと、世界の観光市場で日本は存在感をもっていけると期待をしています。

 


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今から始める伊勢志摩インバウンド。人口減少社会を生き抜く、グローバルな地域づくりへ。

全3回で綴る「伊勢志摩インバウンド」第1弾の記事では、伊勢志摩地域が富裕層インバウンドを加速させることで、観光を切り口に持続可能な未来のまちづくりに挑戦する伊勢志摩観光コンベンション機構(以下:コンベンション)の狙いや想いなどを取り上げた。

本編、第2弾では実際に地域の事業者とコンベンションが取り組み始めた体験プログラムなどを通じ、観光地である伊勢志摩がこれからどのようにグローバルなまちにしていくのか、またひとりではなく同じ志を持つ仲間やグループと一緒にまちづくりに取り組み、未来を切り拓く楽しさや可能性を取材した。

 

日本人の精神を、五感で体感。

“伊勢志摩には日本でもここにしかない特別な魅力があり、海外の方々の目線で伝え方や見せ方をアップデートしていけば、その魅力は理解してもらえると考えています”

そう話すのは今回取材をするひとり、コンベンションの専務理事、須﨑充博さん。コンベンションは官民が一体となり、伊勢志摩の観光情報の発信や企画など事業を通じて観光振興を行っている。

須﨑さん(左)・川西さん(右)

今回のコンベンションが進める「伊勢志摩高付加価値インバウンド観光地づくり事業(観光庁:地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり)」でタッグを組むのは、三重県指定伝統工芸品である神棚などの神具を製造販売する株式会社宮忠。

須﨑さんの前職は伊勢市の産業観光部長で、観光分野に32年携わってきた。宮忠の常務取締役、川西洋介さんとは10年以上の付き合いだという。

写真提供:伊勢志摩観光コンベンション機構

取り組みを始めたのは「自然を敬う神道の精神を身体で体験」というユニークなプログラムの造成。今はモニターツアーを繰り返しながら、ブラッシュアップを行っている最中だという。

写真提供:伊勢志摩観光コンベンション機構

内容は伊勢志摩の自然の中で神職にお越しいただいてお祓いをしていただいたり、神宮の「日別朝夕大御饌祭(ひごとあさゆうおおみけさい)」のように火鑽具(ひきりぐ)を使って忌火(いみび)を鑽り出す体験を行う。

写真提供:伊勢志摩観光コンベンション機構

また忌火は、森の中で行う精神集中や、自分でつくる注連縄の焼印にも使うなど、連続性を持たせることで神道における火の重要性を感じられる工夫もしている。

 

伝えたいのは、日本人の心。

観光に関わる産業ではない神具を製造する会社がインバウンド事業を始めるとは、意外性を感じる。きっかけはG7伊勢志摩サミットだったという。

川西さん:サミットの時、伊勢にも一時的に外国人が増え、まちに活気が出ました。しかしそれは一瞬で、その後は外国人をあまり見かけない元通りの日常に。このままでいいのかと何となく思っていたとき、旅行で京都に行ったらどこも外国人ばかり。食堂に入ればパートのおばちゃんやアルバイトの若者が「お米がなくなったので、うどんでもいいですか?」と、外国人に流ちょうな英語で話していたんです。驚きましたね。それ以降、他が外国人の受け入れができているのに伊勢は本当にこのままでいいのかという気持ちが膨らんでいきました。

そんなある時、須﨑さんがフランスで開催された観光系のイベントに出展するため、宮忠の神棚を持っていきたいと相談があったそう。

川西さん:英語版とフランス語のチラシを作ったんです。そのチラシを試しに伊勢の店にも置いてみたら、反応がとても良かった。外国人も神棚に興味があることがわかり嬉しかったですね。そうやって須﨑さんとは情報交換を続けていて、今回の事業を一緒にやらないかとお話をいただいたんです。

須﨑さん:外務省が運営して日本の食や文化を発信しているロンドンのJAPAN HOUSEで、数年前にそこで神棚や神宮、神道などを紹介したんです。神道は宗教でもあるし正直、外国人に嫌がられるかなと思ったらそうでもない。むしろ神宮の建築美、神聖さを感じる神棚のデザインにも興味を持ってくれました。印象的だったのが「日本人はなぜそのような建築物や常若の概念に辿り着いたのか」、「神棚に祈る日本人の精神とはなにか」など日本人の内面に興味を持ってくれたこと。そのとき「日本人の心のふるさと」と呼ばれる、伊勢志摩の強みを見つけた気がしたんです。そして外国人にとって、物や形のデザインが日本人の精神性に興味を持つきっかけになると確信しました。

 

精神的な豊かさを求める、新しい時代の価値観。

伊勢おきよめの店の店内

宮忠では2024年から、スタイリッシュな神棚などの神具の製造販売を始め、内宮前に「伊勢おきよめの店」をオープン。背景には伊勢志摩の観光客の層が広がったことにあるという。

店内で販売展示されている、デザイン神棚シリーズ。

川西さん:昔はご高齢の方が多かったのですが、今では若年層もとても増えました。今の若い方は、“心の浄化”や“お清め”といった事に関心があると感じています。昔ながらの神棚より、デザイン性の高い神棚などの神具を作って興味を持ってもらい「神様は目には見えないが、自分を高める」という神道の精神性を理解してもらえればと思います。それは外国人観光客も同じで、私たちが伝えたいのは「日本人の精神性」なんです。

須﨑さん:以前、南カリフォルニア大学に仕事で行きました。世界中からいろんな宗教の学生が留学しているのですが、特定の宗教にこだわりがないようでした。ただ、SBNR(Spiritual But Not Religious:スピリチュアル・バット・ノット・レリジャス)、直訳すると無宗教型スピリチュアルという人々が増えているそうです。特定の宗教は信仰しないけど、精神的な豊かさを求める層で、アメリカでは5人にひとりの割合だといわれています。そのなかで日本への関心は高く、禅や神道がもたらす精神的な豊かさも注目されています。

様々な宗教を受け入れる、神道の寛容な考え方に興味を持つ外国人も多いという須﨑さん。今回、造成している体験プログラムへの想いを教えてくれた。

デザイン神棚「KAYA」

須﨑さん:神道の方でなくても、海外から伊勢志摩にきて「神棚を伝統工芸品として、お土産に買って帰る」でも、私はいいと思うんです。まずは興味を持ってもらうこと。そして今回取り組むのは「モノ」ではなく、もう一歩踏み込んだ体験プログラム「コト」です。JAPAN HOUSEで感じた外国人の関心、またSBNR層が注目しているのは日本の精神です。そこへの需要は確信しているので、日本の精神を説明するだけではなく身体で体験することで、より深い理解と満足を提供できると考えました。

写真提供:伊勢志摩観光コンベンション機構

川西さん:体験プログラムでは注連縄や神棚を作るワークショップも検討しています。自分で作った大切な物を旅の記憶とともに家に飾っていただき、一過性ではなく日本の精神を思い出してもらいたいですね。

 

今から始める、新しいまちづくり。

体験プログラムのモニターツアーを実施し、感じていることを尋ねた。

写真提供:伊勢志摩観光コンベンション機構

川西さん:外国人モニターの方からも、満足度は高いと感じています。ただ日常的に神道に触れていないので、上手く伝わらないこともあります。実は私を含め会社には3名の神職がいるんです。神職として、神様と人の仲を取り持つ「なかとりもち」の精神も含めて、コンベンションさんとともにプログラムを磨きながら、外国人をはじめ多くの方に日本人の精神性を伝えられるよう改良していきます。でも私たちのような小さな会社1社では、発展性がありません。私たちが小さな歯車だとすれば、そのギアと組んでくれる人たちが現れたとき、地域に良い効果が出てくると考えています。まずは伊勢志摩で、次は全国のインバウンドに取り組む地域と一緒に展開できたら楽しそうですね。コンベンションさんからに背中を押してもらい、時にお尻を叩かれながらですが、確実にかたちにしていきたいです。

須﨑さん:私も背中を押し、宮忠さんには貴重な時間も割いてもらっているのだから責任は重大です(笑)。京都や飛騨には、外国人の方が感じられる日本らしい空間があります。伊勢志摩は「日本人の精神性」という強みがあり、コトに関わるポテンシャルは高いです。伊勢和紙や擬革紙、そして海女文化などもあり、これから地域をつくっていく世代の方々にはとても期待しています。今から様々な事業者さんや地域の方々とインバウンドに向けた新たな実験を繰り返しながら成功事例を重ねていき、グローバルの観光地として30年、40年先も世界のなかで生き残れることを目指しています。未来へのチャンスがある地域であることを伝えたいですね。

川西さん:外宮の前で生まれ育った私は、神道のある暮らしが当たり前すぎて、その魅力を発見できていなかった。須﨑さんに背中を押してもらい、コンベンションさんに体験コンテンツの造成をサポートしてもらって良かったです。

須﨑さん:伊勢志摩に暮らす自分たちの価値を見つめ直す。そして観光における付加価値を発見する。そうやって自らが動き出すことで地域が変わってくると信じています。今回の体験プログラムはそういった新しいまちをつくるスタートになれるように、努力していきます。もし「私だったらこういうことができる」と考えられる方は私たちと繋がりながら一緒に地域づくりをしていきたいです。ぜひ心当たりのある方はご連絡ください。

ワタクシゴトで恐縮だが、伊勢や熊野という聖地がある三重県に生まれてよかったと思うことがある。それはSDGsが提唱される遙か前、2000年のサスティナビリティを持つ神宮や日本人の精神を身近に感じられるからだ。

さて、2033年の「第63回神宮式年遷宮」に向け、今年から準備がはじまっている。オーバーツーリズムはごめんだが、式年遷宮までに外国人にも「日本が誇る文化や精神性」を伝え、2033年には観光客ではなく、外国人も参拝者としてお迎えできれば。そんなグローバルな時代の「令和版お伊勢参り」を想像してみたくなった。

写真提供:伊勢志摩観光コンベンション機構

自然への畏怖、そして畏敬の念を持ち、自然とともに生きてきた私たち「日本人の精神」が世界に受け入れられるのであれば、歴史が深い日本にはまだまだ眠っている地域資源がある。人口減少社会が加速する日本から世界へ向け、磨き上げた魅力を発信することができれば観光地における新たなまちづくりにつながり、グローバルなまちとして発展することもできる。今まさにコンベンションは様々なプレイヤーとともに、その可能性への挑戦を進めている。


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伊勢志摩から始めよう!知的好奇心をくすぐる新しいインバウンド戦略

三重県の中でも、リアス海岸の美しい景観、豊かな海から取れる食材など、多くの魅力を持つ伊勢志摩エリア。長きにわたり、旅行先として人気を集めてきた。

中でも国内外から参拝者が訪れる伊勢神宮。2024年にはおよそ750万人もの人が訪れ、コロナ禍以降は、インバウンド客、そして若年層の観光客も増えている。伊勢に訪れた人の中には、周辺の鳥羽市や志摩市へ宿泊する人も多く、順調に見える伊勢志摩の観光業。

伊勢志摩観光コンベンション機構の事務所がある伊勢市二見生涯学習センター

そんな中で始まっているのが、「伊勢志摩高付加価値インバウンド観光地づくり事業」。伊勢市、鳥羽市、志摩市などの行政機関、公益社団法人伊勢志摩観光コンベンション機構が一体となって、高付加価値を求めるインバウンド客の誘致に向けた新たな取り組みだ。

須﨑さん(左)・加藤さん(右)

コロナ禍以前の活気を取り戻しつつある今、なぜインバウンド客へのアプローチが必要なのだろうか。その問いに答えてくれたのは、伊勢志摩観光コンベンション機構(以下:コンベンション)の専務理事・須﨑充博さんとチーフ・加藤慎太郎さん。この取り組みの先に、地域にどのような変化がもたらされるのだろうか。

 

なぜインバウンド集客に取り組むのか

この事業がスタートしたきっかけは、志摩市の「もっと志摩の宿の魅力を知ってもらいたい」という思いから。志摩市には美しい自然を堪能できる高付加価値な宿泊施設がいくつもあり、国外の富裕層にもとても人気が高い。さらにこうした宿泊客を獲得するためにも、志摩市だけでなく、伊勢志摩エリア全体でのプロモーションが必要だと考えた。

そのエリア全体のプロモーションを担っているのが、須﨑さん、加藤さんが所属するコンベンションだ。実は、伊勢志摩地域のインバウンド客は全体の1~2%程度。国内からは幅広い年齢層の観光客が訪れる観光地でありながら、インバウンド客の誘客に向けた国外へのアプローチはまだ道半ばの状態だ。

なぜ必要なのか。その背景には、高齢化による地域社会の課題があり、日本人観光客だけに特化した観光業では将来的に成り立たなくなるという危機感がある。

須﨑さん:2100年には人口が今の半分以下の約5000万人になると言われており、今後は日本人観光客だけでは戦っていけません。観光客はもちろんのこと、担い手も減っていく。このような状況を見据えて危機感を持つ若手の経営者は、富裕層インバウンド客の獲得に向けて動き出しています。

では、どのように顧客を獲得していくのか。実は志摩市に宿泊している欧米の富裕層の中には、伊勢志摩固有の文化に興味を持つ人が多いという。

須﨑さん:世界を知っている富裕層の方々は、つくり込まれた観光体験では満足しません。だからこそ、伊勢志摩が持つ伊勢神宮や海女などの地域固有の文化や自然を体験してもらうことが大事です。ですが、十分な情報発信ができていなかったり、こうした方々が満足するようなツアーやガイドなどの受け皿が整っておらず、せっかくのチャンスを逃してしまっているのが現状です。

こうした課題を解消するため、コンベンションでは富裕層が参加できるモデルツアーや体験コンテンツの造成や、ガイドサービスの磨き上げに向けた取り組みが進められている。しかし、その目的は富裕層だけをターゲットにすることではないと言う。

加藤さん:富裕層だけを相手にした観光業を展開しようとしているわけではありません。富裕層向けの受け皿を整えることが、結果的にはシャワー効果で国内外のお客様の満足度向上にもつながります。さらに、地域の宿泊施設の稼働率を高めたり、担い手を増やすことができれば、廃業の危機にある宿も再生できるかもしれません。観光産業自体の生産性をあげることで、地域の文化や産業を持続させ、結果として伊勢志摩全体の価値を高めることにつながると思います。

須﨑さん:例えば、ハワイが一斉風靡したときと同じように、いつか伊勢志摩もみんなが憧れる場所になれるのではないかと思っています。ハワイも最初は芸能人や富裕層が訪れる場所でしたが、それがきっかけで広く人気を集めるようになりました。伊勢志摩も、まずは富裕層の方々に足を運んでいただくことで、その魅力が自然と広がっていくのではないでしょうか。

 

富裕層インバウンド客が求める「本物の体験」とは

では、その「高付加価値観光」はどのように実現できるのだろうか。コンベンションでは、富裕層を顧客に持つ海外の旅行会社やコーディネーターを招き、ともに伊勢志摩をまわりながら、どのようなニーズがあるのかを調査してきた。すると、ターゲットとなる富裕層インバウンド客は、単なる贅沢や消費ではなく、本物の体験や知的好奇心を求めていることがわかってきた。

事務所から夫婦岩で有名な二見浦海岸へ移動

須﨑さん:伊勢志摩は、海と山と川の間で養分が循環して、1つの生態系を形成している地域です。山から出た養分が海へ流れて、新鮮な魚や作物が取れる。自然の恵みに感謝して、伊勢神宮に奉納する。『今年もいい魚が取れました、お米が取れました』って。こうした文化がはるか昔から続いている、世界でも珍しい場所なんです。

加藤さん:伊勢志摩エリアは、大部分が国立公園に指定されているため、住人も協力して自然を守りながら共生しています。伊勢志摩国立公園が掲げる『海と山、食、人々の生活がどのように繋がっているのか』は、今で言ういうサステナビリティに通ずるところがあり、特に環境問題に関心の高いヨーロッパの方々には高い関心を示していただけました。

いわゆる特別なことではなく、生態系や文化から生み出される地域の「日常」をストーリーにして伝えることが重要だと、須﨑さんは話す。

須﨑さん:例えば伊勢神宮なら、20年に一度社殿を建て替えられること、そのための木が約150年かけて育てられていること。そういった歴史や背景を丁寧に伝えていくことであったり、海女文化を体験してもらうことだったり。海女小屋体験は国内旅行者にも人気が高いですが、欧米の方は食事よりも海女さんとの会話を重要視しています。『なぜ海女になったのか、どんな日常を過ごしているのか』海女さんたちの生きざまをもっと知りたいという声が多いです。これからは、こういったストーリーをどのように提供していくかが重要ですね。

 

地域資源を活かした体験型観光

写真:COVA KAKUDA HPより

日常を交えたストーリーを伝えながら、高付加価値な体験を提供している宿がある。志摩市にある「COVA KAKUDA(コーバカクダ)」は、真珠の養殖と加工を行う覚田真珠が手がけた宿。かつて養殖真珠の加工小屋だった建物を骨組みを残したままリノベーションし、4組限定のスペシャルな宿として生まれ変わらせた。

須﨑さん:真珠の生産量が減り、かつて使用していた小屋も使わなくなってしまった。このままではもったいないと思い、ここでしかない歴史や文化を伝えられる宿をつくり、もう一度ここから真珠産業を盛り上げたいというオーナーさんの強い思いから、この宿を始めることを決意されたそうです。

英虞湾を望むプライベートな空間を堪能するだけでなく、真珠貝の清掃体験、伊勢海老漁のエビ網外しと市場見学を通じて地元の暮らしに直接触れることができ、本物の体験ができると高い評価を得ている。また、スタッフ全員が食事の準備、受付、清掃といった業務をこなせる体制を整えており、全員で宿の運営を支えている。週休2日制を導入し、スタッフが無理なく働ける環境を整えている点も大きな特徴だ。

加藤さん:海のアクティビティやトレッキングなども宿のスタッフが担当し、お客様専用のコンシェルジュのような役割を果たしています。こうした体制があるため、富裕層のインバウンド客を受け入れ、高価格、高品質なサービスを提供できているのだと思います。

須﨑さん:こうした高付加価値なサービスをすべての宿が提供するのは難しいと思います。しかし、従来のサービスのまま利益をあげようと思うと、人手不足という問題にぶつかってしまう。伊勢志摩を観光地として持続させるためにも、低価格帯のパッケージだけではなく、少人数で高付加価値のお客様をターゲットにできるような体験を提供することも必要になってくるのではないでしょうか。

有名な観光地ではインバウンド客が急増し、爆買いをしたり流行を追うだけの観光客によって、地域住民の不満が溜まり、さまざまな問題が起こっているケースもある。だからこそ、あえて知的好奇心を持ち、文化や体験を通じて学ぼうする姿勢の外国人をターゲットにすることで、住民にとって暮らしやすいまちを守ることができるかもしれない。

 

地域の当たり前をインバウンド向けにデザインする

須﨑さんが好きだという、五十鈴川と夕日と山々のある風景。

現在コンベンションでは、地域の方々とともに伊勢志摩を巡るモデルツアーや体験コンテンツの造成を造成など手口の創出やガイドサービスの向上だけでなく、既存のコンテンツやガイド、二次交通などの伊勢志摩の現状を把握するための調査も進めている。そこで見えてきたのは、案内ガイドや宿の人手不足。

加藤さん:現状の課題として、案内ガイドや人手不足が挙げられます。単にガイドや接客をすれば良いと言うわけではなく、富裕層に対応できるホスピタリティのある担い手がなかなか見つからない。外国人人材を活用して強化したいところですが、あまり受け入れ体制が整っていません。最も大きな課題は交通手段です。タクシーやレンタカーなどとの連携が遅れている状況です。

課題をクリアするためにも、まずは地域内での理解を進め、協力し合えるコミュニティをつくっていきたいと須﨑さんは話す。

加藤さん:富裕層インバウンド客という話をすると、自分には関係ないことだと捉えられることもあります。でも今回の事業は、次の時代のまちづくりなんです。伊勢志摩にある暮らしや文化、地元の人にとっての当たり前をインバウンド客向けに、デザインする。事業の核となる部分を丁寧に伝えて、事業者のモチベーションを上げていけたらと思っています。

須﨑さん:例えば伊勢志摩内で事業をしているけど、自分には関係ないかもと思っている人こそ、声をかけていただきたいですね。今この事業に関わってくれる地元企業は50社以上いて、色んな方たちと繋がり、ヒントをもらったり、行動できるための情報を得ることができます。プラットフォームを通じて繋がり、インバウンド客の誘致という機会をきっかけに地域をみんなで良くしていく。そんな繋がりでありたいと思っています。まずは興味を持ち、情報に触れてみることから始めてみてください!

伊勢志摩が目指す「高付加価値」とは、富裕層に限定したものではなく、広い意味で地域全体の価値を高めることを目指している。その取り組みは、地域の人とともに、固有の文化や自然を守りながら、次世代に引き継いでいくという大きな目標の一部なのだ。


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OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2025.2.6update】

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

多文化共生のまちづくり ~世界と日本の難民について~

主催者より
日本の多くの街では、海外にルーツのある住民が増えています。そうした住民の中には難民という背景をもつ方もいます。今回、国連機関の専門家の方に、難民についてのお話を聞き、多様な背景を持つ人々と一緒に作る多文化共生社会について考えます。関連展示や音楽ライブも同時開催!

日時
2025年2月16日(日)
13:30-16:00

問い合わせ
090 4325 3349 (佐野洋平)
office@heartpier.com

主催
四日市市

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://heartpier.com/unhcr/

 


「なりかわり標本会議」

主催者より
誰でもOK!いつの間にか演劇になってしまう前代未聞な「なりかわり」型会議、舞台版!
即興でもない、ディベートでもない。だれかになりかわって、生の対話をしているうちに自然と演技ができちゃう!?
演劇を観るのはいいけど、やるのはちょっと…と思っている人もいつの間にか巻き込まれている、そんな未来のコミュニケーションツールが「なりかわり標本会議」です。
松井周を中心として、2023年6月から公募で集まったメンバーが「なりかわり標本会議」を広めるべく活動してきました。メンバーがファシリテーターとなり、三重県内の学校・団体等で「なりかわり標本会議」を実施しています。(実施先募集中!)
誰でもどこでもできるコミュニケーションゲームではありますが、観客参加型の舞台化にも挑戦中。今回は、2024年2月に上演した「なりかわり標本会議」試演会を経て、最新版をお届けします!
会議そのものを筋書きなしで演劇にしたらどうなるのでしょうか―新しい演劇スタイルの可能性を模索し、ご来場のみなさまとのフィードバックの時間も予定しています。ぜひ、劇場でご覧ください。

日時
2025年3月1日(土)・2日(日)
各日14時スタート

問い合わせ
三重県文化会館チケットカウンター TEL:059-233-1122
kenbun@center-mie.or.jp

主催
松井周の標本室、三重県文化会館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.center-mie.or.jp/bunka/event/detail/48626

 


 

Eri Hayashi 個展「不在について」

主催者より
作家がドイツに暮らした10年間=日本にいなかった10年間を「不在」というキーワードでまとめた展覧会。 コンセプチュアルでありながら身近に感じられる、様々な形態の現代アート作品をご覧ください。

日時
2025年1月11日〜3月23日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

鈴木幸永「ふりかえり展」

主催者より
鈴木幸永による「ふりかえり展」。絵画・版画・インスタレーション等、1980〜2020年代の作品を展示します。

日時
2025年1月11日〜3月23日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントやクラファンを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報や地域が元気になるようなクラファン情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

“よつぼし”を広めたい!松阪市にUターンし新規就農した若者を応援するイチゴイベント開催決定

おいしいイチゴを作っている若者がいるという噂を聞き、三重県松阪市大足(おわせ)町にやって来ました。のどかな田園風景に建てられたハウスでイチゴ農家を営んでいるのが、写真の彼、金谷元貴さんです。トレードマークの髭姿を見て、もしかして…?と思ったあなた、Instagramで「髭苺」を発見したことがあるのでは。彼こそが、おいしいイチゴを作る髭苺氏本人です!

今回は、イチゴ栽培に本気で取り組む金谷さんのストーリーと、2025年2月のバレンタイン、3月のホワイトデーに合わせて開催が決定した、金谷さんが作るイチゴが主役となる食のイベントについて紹介します。

取材・撮影・文 キャスターマミ(西口茉実)

イチゴ農家を始めたきっかけ

金谷さんは、三重県松阪市大足町に生まれ、高校卒業までを過ごしました。実家を離れ、愛知県で就職し結婚。子どもを授かったタイミングで、松阪へUターンし子育てしようと夫婦で決意します。どんな仕事をしようか考えたとき、金谷さんの祖父がイチゴ農家を営んでいたことを思い出しました。

「じいさん、ばあさんが高齢になり辞めていたけれど、水質など、イチゴが作れることは過去の実績から分かっていました」

愛知県では工業系の仕事をしていて、農業に携わったことはなかったという金谷さん。2021年の夏から秋にかけて初めて苗作りをして、12月から収穫を始めました。新規就農から、今期で4作目になります。

“よつぼし”への挑戦

イチゴの売り先は、JAと地元スーパーマーケットの地産地消コーナー。品種は、章姫をメインにスタートしました。

「最初は量を採ることが必要だったので章姫に力を入れましたが、1年目から試験的に少しのスペースで作っていたのが“よつぼし”」

章姫で、1本の苗から3パック=約750g採れるそうです。それも少ない!と感じましたが、よつぼしになると、その半分しか採れないのだそう。

「味を食べ比べてみてください」

← 左:よつぼし / 右:章姫 →

細長い方が章姫。酸味はなく甘味がしっかり。こちらも感動のおいしさですが…

丸っこい方のよつぼしを試食させていただくと、まず驚くのが食感。果肉がかためでしっかりしています。適度な酸味と強い甘味。味が濃厚!

「よつぼしは作っている農家が少ないので、あまり出回っていません。松阪市内では50~60軒くらいあるイチゴ農家の中でも、僕が知っているだけで4軒しか生産していない。この辺りはイチゴの産地なので値段設定を高くしては売れないけれど、付加価値はつけていきたい」

金谷さんは現在、章姫をハウス2棟、よつぼしを1棟で栽培しています。全面積で9a=約1反。苗は全5500本。ハウス隣の直売所へ買いに来るお客様のお目当ては、ほとんどがよつぼし目当て。来期はハウスの数を増やしてよつぼしをさらに作っていきたいといいます。

期間中無休のゆる~い直売所で5歳の息子さんも元気に店番

髭苺のおいしさの秘訣

1度食べたら他のイチゴが食べられないと、口コミでファンを増やしはじめた髭苺。おいしさの秘訣について掘り下げていきましょう。

ーー年々おいしくなっている!という声も聞きましたが、ずばり髭苺はなぜおいしいのですか?

「農業始めたきっかけも、子どもに安心安全なものを食べさせたいということだったので、まず農薬の使用量が他の農家さんに比べたら少ない。実になってからは農薬をかけていません」

ーー農薬を使わずに育てるのは難しいのでは?

「はい、農薬をかけないと難しいです。虫や病気を細心の注意を払わないといけません。虫が虫を食べるなど、新しい技術を入れています」

ーー虫が虫を食べる!?業界も日々進化しているのですね。イチゴ作りで苦労していることは?

「味を安定させること。天候次第で味が決まってくるので、どうコントロールするか」

ーーハウスでも天候は関係あるのですね?

「ハウスに入る日差しがなければ、味が落ちていきます。曇りばっかりだったり、ハウス内の温度が低すぎたりすると、蜂も受粉活動をしなくなる。光合成もできなければ味が乗ってこない。いかにイチゴにとって良い環境を作ってあげるかが大切です」

毎年試行錯誤を重ねているという金谷さん。年々味が良くなってきているという噂は本当でした。去年のよつぼしは、糖度計で12~13度でしたが、今年は16度にアップしたそう!

金谷さん、松阪に戻ってきてくれて、イチゴ農家を復活させてくれてありがとう!!イチゴ好きを代表して、お礼を言わせてください。

食のプロデューサーによる髭苺“よつぼし”イベント

さて、そんな髭苺の最高傑作“よつぼし”に着目したのが、三重県松阪市に本社を置くシティホールディングス株式会社代表取締役社長で、イノベーションプロデューサーとして活動する中川健児さんです。金谷さんが本気で作るイチゴの魅力を最大限に引き出して、多くの人に感動を与えたいと、中川社長は、生産者を応援する食のイベント「未来への挑戦プロジェクト」を立ち上げました。

舞台は、松阪の中心にある紹介制レストラン「twlv(トゥエルブ)」

真っ黒な外観に、看板はありません。何の建物?と不思議に思っていたという方もみえるかもしれません。かつて中川社長が経営していた居酒屋を改築し、2022年、「黒」をコンセプトに食のエンターテインメントを提供するワンランク上のレストランとして生まれ変わりました。各地で活躍する有名シェフや伊勢志摩の海女さんなど、グルメ通のお客様の舌を唸らせてきた「twlv」。ドレスコードはブラックコーデと決まっています。かっこいい!

これまでは紹介制でしたが、多くの方に未来への挑戦プロジェクトに携わってもらいたい、まずはお客様としてご来店いただきたいと、「ヨツボシイチゴ 額縁スイーツ―YOTSUBOSHI ICHIGO ON STAGE」「STRAWBERRY DINNER 2025」は、誰でも参加できるイベントとして開催されます!

主役は金谷さんと、彼が作った“よつぼし”。中川社長がコラボさせる9名のシェフ&パティシエによる、美しく飾り立てられたアートのようなメニュー、想像さえできないイチゴ料理の数々を心行くまで堪能してみては。

 

2/11【ヨツボシイチゴ 額縁スイーツ】YOTSUBOSHI ICHIGO ON STAGE

県内の5人のお菓子職人が集結し、“よつぼし”を使って額縁の中の芸術を完成させます!いちご狩り、かき氷とのアフタヌーンティー。

開催日 2025年2月11日(火曜祝日)
開場  1部 10:30 / 2部 13:30
開演  1部 11:00 / 2部 14:00
参加費 税込12,000円(ワンドリンク付)

【額縁スイーツ】
チーズテリーヌ KURATA(多気町)
フランス料理 サンセリテ(松阪市)
パティスリー ラ フェ シュクレ(松阪市)
パン工房 covopain(津市)
和菓子 大徳屋長久(鈴鹿市)

【いちご狩り】
小さな農園 髭苺

【かき氷】
中川氷菓店

2/14,2/15【第一弾】STRAWBERRY DINNER 2025 

松阪市飯南町のイタリアンレストラン「natura(ナトゥーラ)」鎌田シェフによるバレンタインデー“よつぼし”イタリアンディナー。

開催日 2025年2月14日(金曜日)/2月15日(土曜日)の2夜
開場  18:30
開演  19:00
参加費 税込20,000円(ドリンク別)
料理  natura 鎌田恵弥シェフ
ゲスト 小さな農園 髭苺 金谷元貴さん

3/11【第ニ弾】STRAWBERRY DINNER 2025 

松阪市下村町のフレンチレストラン「サンセリテ」萬濃シェフによるホワイトデー“よつぼし”フレンチディナー。

開催日 3月11日(火曜日)
開場  18:30
開演  19:00
参加費 税込22,000円(ドリンク別)
料理  サンセリテ 萬濃直哉シェフ
ゲスト 小さな農園 髭苺 金谷元貴さん

3/14【第三弾】STRAWBERRY DINNER 2025 

松阪中町のイタリアン割烹「タベルナケンタ」平生兄弟によるホワイトデー“よつぼし”イタリアンディナー。

開催日 3月14日(金曜日)
開場  18:30
開演  19:00
参加費 税込15,000円(ドリンク別)
料理  タベルナケンタ 平生健太シェフ、平生良太ソムリエ
ゲスト 小さな農園 髭苺 金谷元貴さん

イベント共通情報

会場 twlv
住所
 〒515-0019 三重県松阪市中央町39

Google Map等の場合
“バリアンテツヤ”で検索(現在のtwlv)
または、”カヴァルカンティ”で検索し、その裏がtwlv

車でのアクセス
名古屋から東名阪道で約1時間30分
大阪から高速道路新名神で約2時間20分
伊勢自動車道「松阪IC」から約7km
伊勢神宮より約30分

駐車場
隣のイタリアンレストラン「カヴァルカンティ」の駐車場を利用

電車でのアクセス
名古屋駅から松阪駅まで、近鉄特急で1時間10分
大阪難波駅から松阪駅まで、近鉄特急で1時間30分
賢島駅から松阪駅まで、近鉄特急で1時間

徒歩でのアクセス
松阪駅北口(近鉄側、フレックスホテル側)より徒歩7分

予約・お問い合わせ
シティホールディングス株式会社(担当:中西)
電話番号 0598-30-6620(平日9:00〜17:00)
メールアドレス nakanishi@mcity.co.jp

髭苺の夢

髭苺が買えるのは、三重県松阪市にあるマックスバリュの川井町店、中央店、郷津店の3店舗の地産地消コーナーとハウス隣の直売のみです。ちなみに、お菓子屋さんやレストランなどには一切卸していません。今回のイベントで、初めてプロの手に掛かるのです。

「今回の企画は、イベントで中川社長に僕のイチゴを食べてもらう機会があって、『おいしいから広めたい』と声を掛けてもらったことで始まりました。僕のイチゴを前面に出してもらえるのが嬉しい。有名なシェフ、パティシエたちの手でどんなイチゴメニューができるのかワクワクしています!」

最後に、今後の夢を伺いました。

「農業って僕から見ても、仕事として食べていけないイメージでしたが、楽しくできる立派な仕事です。人に感謝してもらえたり、おいしいって言ってもらえたり。農業はやりがいのある仕事だと、子どもたちに伝えていき、地域を守っていきたい。若者の新規就農を後押しできるよう、地域貢献していければ」

金谷さんの“よつぼし”への挑戦を、イベントを通してぜひ応援してください。

Instagram https://www.instagram.com/hige.ichigo
住所 〒515-0822 三重県松阪市大足町99

ひきこもり経験者のお話を聴き、理解を深める機会がもっとあっても良いと思った。

就職氷河期世代への情報アウトリーチ事業を担当して4年目。
ハローワークや地域若者サポートステーションなど、様々な関連支援機関を取材してきた。
この事業の対象者層は広く、ひきこもり支援に関する機関も含まれている。
過去にそれらの機関を取材して、ひきこもりの状態にある方への偏見があることを知った。
現在日本には146万人のひきこもりの方がいるとされているが、私はひきこもり経験者に直接お話を聞いたことはなかった。
今回、伊勢市でひきこもり経験者の講演会があると聞き、会場に向かった。

 

ー明るいトークと壮絶な日々

2024年11月に、伊勢市ハートプラザみそので「ひきこもり講演会:主催 伊勢市ひきこもり地域支援センターつむぎ(伊勢市社会福祉協議会)」が開催された。「ひきこもりについて考える〜ひきこもり経験者・支援者の視点から〜」という演題で、講師は中谷信哉さん。

現在は精神保健福祉士として、ひきこもり支援側で働いている中谷さん。かつてはひきこもりの経験がある。

14歳〜22歳は病的なひきこもり、23歳〜26歳は大学に通い就職もしたが、27歳〜28歳は社会的要因で2度目のひきこもりとなった。29歳〜35歳の時はひきこもり自助グループの活動、31歳〜35歳は専門学校に通い、再就職を果たしたという。

いまは結婚をして精神科クリニックで経営企画課長、ひきこもり自助会の代表、オンライン相談支援の相談所代表を務めている。

講演会は時折、笑いも交える明るい声色のトークだったが、何度か発した言葉が印象的だった。それは「死んじゃってたかも知れないです」という言葉。

生きるとか死ぬとか、語れるほどの人生経験をしたことがない筆者だが、死という言葉に、軽快に語る中谷さんの壮絶なひきこもりの日々を感じた。

ひきこもりに対し、まだ自己責任論を語る人もいるが、そうではない。当時を振り返り「死ぬか生きるか」と語る中谷さんがひきこもりになった理由や、段階的な変化など、講演の取材メモを元にお伝えしていく。

 

ーすべてのことに疲れ果てていた、病的ひきこもり時期。
会場が埋まるほど、多くの人が講演を聴きに来ていた。

教員の両親の元に生まれた中谷さんは中学生の時、バレー部で主将も務め、地元である大阪府堺市のMVPにも輝いたスポーツマン。成績も優秀で特に数学が好きだったそうだ。しかし数学以外は、苦しいと感じる程の努力で優れた成績を何とか維持していたという。

そんなある日、お互いに仲の悪い友人である二人の間に入っていた中谷さんは、その二人から突然「お前は僕たちの悪口を言っている」と裏切られた。その日は下校時に土砂降りだった雨にも気がつかないくらいの精神的ショックだった。

優等生を続けるための苦しい努力の日々に精神的ショックが重なり、徐々に仮病で学校に行かなくなり、テストの日も休むようになっていったそうだ。

中谷さん:すべての努力が水の泡になっていくような思いでいました。

当時を「エネルギーが枯渇していた」と表現する中谷さん。そんな中谷さんのもとに、多くの友人や知人が見舞いに訪れる日々が続いた。「クズのオレを見ないでくれ」という気持ちで会いたくないと思っていた中谷さんだったが、母親は会うように勧めてくる。母的には親しい友人に会って話をすれば、元気になると考えていたそう。

中谷さん:いま考えると母親の対応は自然なことなのですが、それがひきこもりを長引かせる要因のひとつにもなりました。

電話やチャイムから逃げるようになり、社会が活動する時間を避け、昼夜逆転の生活になりネットゲームに依存。泣いたりキレたり、情緒が不安定だったという。

中谷さん:壁を殴って骨折したこともありました。そんな状態でも「オレはひきこもりじゃない」と考えていました。

ひきこもるようになり、一日中布団に寝そべったまま、一日16時間のネットゲームで過ごす毎日になった。しかし独りは苦しい。意識的に空想の誰かとだけ対話をするように。

中谷さん:いま思えばそんな日々は、エネルギーを溜める時期でした。

人も、音も、光も怖くなり、いわゆる、対人恐怖症に。ネットゲームのなかにだけ自分が存在している。現実世界から自分を消したくなったという。現実を紛らわすために、とにかく何かを食べ続けた。

中谷さん:当時、家にあった体重計は120㎏までしか目盛りがなかったのですが、とうとう114㎏まで太りました。

食べ続け、泣き続け、朝まで両親と話をしたこともあった。比較的無口な対応の父親だったが、ひきこもるようになったころネットゲームに使うパソコンを買ってくれた。

中谷さん:後で知ったのですが、当時の父は私のことを「死ぬか生きるかの状態」と判断したそうです。それと父は、私がひきこもりになった一番最初に「一般常識を捨てる覚悟をした」と、後で話していました。常識から外れたと思っている僕としては、ありがたい覚悟でした。

中谷さんはひきこもりの方を支援する家族や関係者にそう訴え、次に続けた。

中谷さん:あと、あんまりがんばり過ぎないでください。唯一、関われるのは家族です。過酷な忍耐力がいります。だから家族こそ休んでください。好きなことをやり、自由に生きてください。

 

ー支援を受ける

20歳になった中谷さんはカウンセリングという支援を受け始めた。支援を受けるために、外出は訓練でもあったそうだ。しかし外出し、雑談をすることができると、相談もできるようになり、気持ちにも変化が訪れた。

中谷さん:ビリーズブートキャンプってあったでしょ。それにのめり込んで1年で114㎏から59㎏まで減量しました。青春を取り戻したいとも考えるようになり、大学入試資格検定(現:高等学校卒業程度認定試験)も取得しました。自分だけ時間が止まっているという焦りがバネになったんです。

めでたく大学に合格し、学生生活を送れるようにまで回復した。就職に成功したが、そこはいわゆるブラック企業だった。27歳のときに再びひきこもりの状態になった。

中谷さん:2回もひきこもる自分ってなんなのだろうと思いました。当時は就業のイメージもできませんでした。しかし、ひきこもりである自分を受け入れ、自分なりの生き方を模索し始めたんです。

そして主体的に動き出すようになり、自助グループの活動や専門学校にも通い資格を取得。お世話になっていた精神科のクリニックに就職が決まった。

 

ー「やってみたい」を大切に
会場からの質問に答える中谷さん。

講演会の後半では、ひきこもりのステージごとの家族との関わり方のお話を聞かせてくれた。

ひきこもり始めた14〜15歳のエネルギーが枯渇している時期は、安心できる環境と時間を潰せる安全地帯を求めている。

エネルギーを溜めた15〜20歳の時は、問題解決ではなく何気ない雑談を定期的に行いたいと考えている。

支援を受け始めた20〜22歳の時は、敷居の低い活動を一緒に考えて欲しいと思うようになった。中谷さんの場合、家で料理を担当するという活動があり、食材の買い出しにも行けるようになり、家族から感謝される環境になっていったそうだ。

主体的に動き始めた27〜31歳は、本人なりの生きる方針を否定せず、実現のための対話を定期的に行うことを求めている。

そしてプロの支援員の視点から、大切なことを教えてくれた。
ひきこもり状態にある方を、強制的に家から出す「引き出し屋」がある。

中谷さん:強制的に引き出したとしても、あの頃の僕だったら、そのあと死んでいたと思います。無理やり社会に出されても、死を躊躇わなくなるくらい苦しんだ生きづらさは何も消えていないので、あの頃の僕には耐えられなかったと思います。

最後にこんな話を聞かせてくれた。

中谷さん:今は仕事で企画をしています。企画は相手の課題解決のためにあります。答えは相手のなかにしかありません。だから本人が「やってみたい」ということ、これは大事です。大切にしてください。

講演を聴き終え、なんらかの理由やタイミングが重なり「エネルギーが枯渇している状態」になること、そして「エネルギーを溜める時間」が必要なことが理解できた。それは生きていくうえで必要な時間だと思う。

ただ社会的にそういった生きていくための大切な時間があまり意識されていないとも感じる。ひきこもり経験者の貴重なお話を聴き、ひきこもりについて理解を深める機会が、社会にもっとあっても良いと思った。

 


 

【タイアップ】
三重県雇用経済部 雇用対策課 若者・女性雇用班
三重県では、支援を必要とする就職氷河期世代の方やそのご家族に情報を届けるため、note、X、Facebookなどでマンガやエッセイ、ポストなどによる情報発信をしています。

note/三重県就職氷河期info
https://note.com/mie_koyoukeizai
※県内の就職氷河期世代対応の関連機関の情報もまとめています。

Twitter/【三重県公式】三平&お重@就職氷河期世代支援情報
https://twitter.com/mie_koyoukeizai

Facebook/三重県就職氷河期info
https://www.facebook.com/%E4%B8%89%E9%87%8D%E7%9C%8C%E5%B0%B1%E8%81%B7%E6%B0%B7%E6%B2%B3%E6%9C%9Finfo-109961508095655

津市広明町13番地(三重県庁)tel 059-224-2465

 


 

過去のタイアップ記事

▼ひきこもりは、必ず相談できる人がいる。
https://otonamie.jp/?p=85560

▼ひきこもりは、必ず相談できる人がいる。具体的な相談編。
https://otonamie.jp/?p=89428

OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2025.1.13update】

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

第6回おかげさまマルシェ

主催者より
2025年2月1日(土)、第6回「おかげさまマルシェ」を開催します!
伊勢創作ビストロmirepoix(ミルポワ)オーナーシェフ岡田新太朗氏や、会場でもある結婚式場ザ・オランジェガーデン五十鈴川のシェフが、地域食材を使用したメニューをご提供!他にも地域の人気店の出店や、生産者による食材の直売などもお楽しみいただける、食を中心としたマルシェです。
環境と体にやさしい食、ワークショップでの体験など、子どもから大人までお楽しみいただけます!
今回のおかげさまマルシェは、近畿日本鉄道株式会社様による「きんてつハイキング」とのコラボ開催により、近鉄五十鈴川駅前にもエリア拡大!駅前にキッチンカーがやってきます。

日時
2025年2月1日(土)
10時~15時

問い合わせ
ザ・オランジェガーデン五十鈴川
TEL:0596-23-7733
平日/11:00-19:00
土日祝/10:00-19:00
火曜・第3水曜定休

主催
おかげさまダイニング(事務局:IXホールディングス株式会社)

後援
伊勢市

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.instagram.com/okagesama_dining/

 


 

Eri Hayashi 個展「不在について」

主催者より
作家がドイツに暮らした10年間=日本にいなかった10年間を「不在」というキーワードでまとめた展覧会。 コンセプチュアルでありながら身近に感じられる、様々な形態の現代アート作品をご覧ください。

日時
2025年1月11日〜3月23日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

鈴木幸永「ふりかえり展」

主催者より
鈴木幸永による「ふりかえり展」。絵画・版画・インスタレーション等、1980〜2020年代の作品を展示します。

日時
2025年1月11日〜3月23日
10:00~16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
伊勢現代美術館
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントやクラファンを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報や地域が元気になるようなクラファン情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

大台町で大切に育まれた木々たちの香り アロマプロダクト「Odai」

まちの中心にはエメラルドグリーンにも見える美しい清流、宮川が流れている大台町。心身共に疲れたときは自然を楽しみながらドライブをして、奥伊勢フォレストピアで日帰り温泉を楽しむのが私のお決まりのコースです。

今回は、大台町の豊かな森林資源を活用したプロダクト「Odai(オオダイ)」をご紹介します。天然成分100%のエッセンシャルオイルをはじめとする商品は、見ているだけでもうっとりするシンプルで美しいデザイン。プレゼントにもぴったりの大台町発のプロダクトです。

大台町で森づくりをされている宮川森林組合と共に商品開発を行い、販売促進を担う株式会社サカキL&Eワイズの徳田さんにお話を伺いました。

大台町の豊かな自然を活かした「Odai」

大台町は人と自然が共生する町“ユネスコエコパーク”に認定され、そこには人の心を癒すほど、美しく豊かな自然が広がっています。まちの約90%を占める豊かな森林は、森林所有者が組織する宮川森林組合によって手入れされています。大台町には数百種類以上といわれる多種多様な樹木が生育しており、古くから林業が基幹産業として位置づけられています。

森に携わる仕事は総じて林業と呼ばれ、全国的に景気が悪いと言われ、長い年月が流れています。「Odai」の取り組みは、そのような森林が抱える経済的、環境的課題を克服する一助となり、新たな林業へと発展していく事を目的としています。

「これまでの林業は、多様である事は不効率であるとされてきました。Odaiの開発者は、規格品を大量生産するこれまでの林業だけでは、問題があるのではないだろうか?という疑問から、これまで活用されてこなかった多様な広葉樹資源を組み合わせ、付加価値を作っていくことに挑みました」(徳田さん)

こうした課題を元に建築材や一様な樹木にこだわらずに、多種多様森林資源を使って暮らしに取り入れられるモノづくりを行い、森林資源の価値・可能性を発信したいという考えのもと生まれたのが、Odaiです。

「香りがする木は蒸留して精油として、香りが抽出できない木でもディフューザーのリード(装飾用)に活用し、手に取る方に森林資源の魅力が伝わるモノづくりをしています。またこれらは多種多様な樹木が自生する大台町だからこそ発信できるプロダクトだと思います。自然から生まれる『揺らぎ』を天然成分ならではの『揺らぎ』で表現し、常に同じでない事、異なる事の価値を発信しています」

美しく、やさしいプロダクト

人気の商品は「ヒメシャラディフューザーセット」。フレグランスウォーターは、大台町産の種の樹木(クロモジ、タムシバ、ヒノキ、カナクギノキ、スギ)の精油と芳香蒸留水をブレンドしてつくられており、リードは、ヒメシャラという広葉樹の枝を使用しています。置くだけでお部屋がスタイリッシュになりそうなデザインです。

「100%天然由来成分なので、小さいお子さんやペットを買われているご家庭でも安心して使っていただけますし、ケミカルな香りや強すぎる香りが苦手な方には特にご好評をいただいています」

2020年には、化粧品シリーズ「cokage(コカゲ)」が誕生。大台町の森の樹木から収穫し、その木々を育てた山水で蒸留した精油などを使用した固形石けんやボディソープ、ローションやクリームなどがラインナップ。

徳田さんのおすすめは、蜜蝋を使用した「ハンドバーム」。

「大台町産のニホンミツバチの蜜ろうを使用しているんですが、農家さんの手積み・手絞り・非加熱・未精製の原料を使用しているんです。保湿効果はもちろんのこと、精油の良い香りで癒されます。天然素材のみでつくられているので安心して使っていただけますよ」

100%%天然のものだけで構成

プロダクトの制作過程にも、徹底したこだわりがあります。

「一般的に売られてるディフューザーの中には、天然の植物由来の精油をブレンドしていても、香り成分を揮発させるエタノールにケミカル(科学的に合成されたもの)なものを用いていることもあります。しかし、Odaiは、植物由来のエタノールを使い、100%%天然のものだけで構成してます。精油を抽出する水も、清流宮川の水を使って蒸留をしています。宮川は、『水質が最も良好な河川』として選ばれたこともあるんですよ」

原料となる枝や葉は、機械を使わずに剪定ばさみで一つずつ手作業で採取しているそう。これは、機械のオイルが付いてしまったりして香りや品質に影響してしまうため。精油を抽出する際は、枝葉が発酵してしまわないように採取してから3日以内に蒸留しています。自然の恵みを最大限に引き出すために、大切なプロセスなのです。

大台の森の特別な魅力

担当の徳田さんは伊勢市の出身。「三重県には自然豊かな場所はたくさんあるけれど、大台の森には特別な魅力がある」と言います。

「いつもは多気町の製造現場に勤務していて、打ち合わせがあるときは大台町に足を運ぶのですが、何度足を運んでもステキだなと思うんですよ。原生に近い自然が残る『大杉谷(おおすぎだに)』という渓谷や美しい宮川が流れていて、やはりこの場所にしかない自然の広大さがあります。まちには風情のある建築物が多く、ノスタルジックを感じられるのも魅力の一つですね。行くたびに気持ちがリフレッシュできる場所です」

アロマ雑貨ブランド「Odai」化粧品ブランド「cokage」は、いずれもオンラインショップで販売中。大台町の自然を五感で感じるプロダクトを、ぜひ手にとってみてくださいね。

写真提供:株式会社サカキL&Eワイズ

「Odai」:https://voice-odai.jp/home/

「cokage」:https://www.cokage.jp/

オンラインショップ:https://online.voice-odai.jp/

株式会社サカキL&Eワイズ:https://www.sakaki.to/

宮川森林組合:https://www.miyagawa-shinrin.jp/

 

すごいぞ!ヤクルトレディー!鳥羽のソウルフードだったホルモン味噌焼きそば@わらい屋

「冨士乃屋っている、ホルモン味噌焼きそばが美味しい店があったんやけどな。今日も閉まっとるな」。

5年程前、鳥羽出身のベテランカメラマンと鳥羽なかまちを取材しているときだった。カメラマンはホルモン味噌焼きそばはソウルフードであり青春の味だという。あとで知ったのだが、この頃にちょうど閉店したらしい。

3年程前に鳥羽なかまちを別件で取材していた。旧冨士乃屋の近くに突如、プレハブ小屋のたこ焼き屋ができていた。

その時から気になっていた、令和に誕生した昭和な佇まいの店「わらい屋」。

それと同じく気になっていた鳥羽のソウルフード、ホルモン味噌焼きそば。とある知り合いから「わらい屋さんにホルモン味噌焼きそばがあるらしい」と聞いた。さっそく開店時間に合わせて行ってみた。

こういうのも売っている

たこ焼きは学割あり

店内にはたくさんの種類の駄菓子やフードメニュー。店主に聞いたところ近くのコンビニが閉店してので、子どもや学生が店に通うようになり、リクエストに応えていったら種類が増えたそうだ。

店主:この前なんか、ひとりの高校生がコロッケ5個も買って食べていったんよ。もうびっくりして。

わらい屋は、何度か冨士乃屋に足を運び、味噌ダレの味を教えてもらったそう。早速ホルモン味噌焼きそばを注文。

カウンターの向こうにある鉄板では、ホルモンと焼きそばが香ばしい音を立てる。待っている間に店内を見渡してみた。

店主:そのアイスの冷凍庫は古いやろ?霜がすごいで大変なんさ。

調理中の店主に続けてお話を聞いた。この店の成り立ちは、近所の空き店舗を利活用したお洒落なカフェの一部を間借りし、たこ焼きを売り始めたこと。しかし3日で独立。

店主:友だちから「あんなお洒落な店でたこ焼きは似合わん」って。私も「そやな」と思って店を出したんさ。

店主のご出身はとなりの地区、目と鼻の先にある安楽島町。結婚してこちらの地区に嫁いだそうだ。

店主さん

店主:もうちょい遠くがよかった。ちかーい!てなったわ。

追いダレ付き!

明るい皆さんのお話を聞いていたら、ホルモン味噌焼きそばが完成。私は小銭を持ち合わせておらず、5千円札を渡した。

店主:お釣りあったかなー。あれ、ないわ。あー!ええとこにきたやんか。

振り返るとヤクルトレディーのにこやかな笑顔。

店主:これでええわ。両替して。

万能なヤクルトレディーの仕事術

ヤクルトレディーは車にもどり、千円札と両替をしてくれた。

ヤクルトレディー:両替でも何でもするで。ヤクルトも飲んでな!

店主がヤクルトレディーに、私が冨士乃屋のことを知ってこの店にきたことを伝えてくれた。

ヤクルトレディー:行ってみる?冨士乃屋さん。着いておいで!

すごい・・、すごいぞ!ヤクルトレディー!

ヤクルトレディーは冨士乃屋さんの勝手口を開け「まいど!こんにちわー」と入ると冨士乃屋のご夫婦がいらした。

昔は出前もしていたそう

お話を聞くと、冨士乃屋の味噌ホルモン焼きそばは、焼酎の梅割りと一緒に食べる人が多く、焼きそばに追いダレや七味唐辛子を掛けて濃い目でいただくのが主流だったそう。

帰りの車中でホルモン味噌焼きそばをいただいた。確かに追いダレをすると辛めの味噌味になり、お酒が合いそうだと思った。ホルモンの脂も全体に馴染んで美味しい。

ホルモン味噌焼きそばと、明るいお母ちゃん方と過ごした不思議な時間に、元気をもらった昼下がりでした。

 


 

わらい屋
鳥羽市鳥羽4丁目4−7
https://tobanakamachi.com/tobanakamachi_shop/waraiya

地域とともに暮らしの楽しさを広げていく「宿泊・食事・喫茶 奥松阪」

飯高駅から徒歩5分の場所にある宿泊・食事・喫茶 奥松阪」。「何気ない日常に幸せを」をコンセプトに、築120年の古民家をリノベーションしてつくられました。

ここでは地域の食材を使用した週替わりランチ、自家焙煎のコーヒーやスイーツを味わうことができます。店から徒歩5分ほどの場所には一棟貸しの宿泊施設「Stay奥松阪」があり、まさに食べて、泊まってまちの魅力を体感することができる場所なんです。

この場所を運営する「株式会社高杉アトリエ」の高杉亮さんは、もとは名古屋を拠点とするデザイナー。しかし2020年に飯高に移住し、地域おこし協力隊として従事。奥松阪をつくることになりました。そこにはどのような想いがあったのでしょうか。 

松阪極豚を使った週替りランチ(写真提供:高杉アトリエ)

2軒の空き家をきっかけに移住

名古屋の食品会社で、インハウスデザイナーとして活躍していた高杉さん。東日本大震災をきっかけに、「限りある時間を大切にしよう」という思いに至り、独立して自身のデザイン事務所を設立。名古屋を拠点に、広告制作やチラシ、新聞広告などの紙媒体のグラフィックデザインやwebデザイン、さらに写真撮影からフードデザインまで多岐に渡る仕事を行ってきました。

オーナーの高杉さん

転機が訪れたのは10年ほど前。飲食店のクライアントと一緒に嬉野町の農家を訪問したとき、穏やかな景色に惹かれ、空き家を購入することに。

「両親が以前から『田舎暮らしをしたい』と言っていたので、農家さんに紹介してもらった空き家をリノベーションすることにしました。ところが、前の家を壊してソーラーパネルを設置するという話が出たんです。

せっかくの景観が損なわれてしまうので、前の家の大家さんに『どうにかならないか』と相談に行ったら…『あなたに安く売るからうまく使ってくれないか』と言われ、その家も購入することにしました」

購入した古民家(写真提供:高杉アトリエ)

なんと立て続けに2軒も空き家を購入することになった高杉さん。購入した家をリノベーションしていく過程をSNSにアップしていたところ、市役所から「地域おこし協力隊としてまちを盛り上げてくれないか」という打診を受けました。

「提案してくれた市役所の方が自分の時間を削ってでも地域のために動く人で、その熱意に押されて協力隊として移住を決意しました。家も2軒あるし、妻も松阪の出身だったので…

それと年を重ねてからも都会でデザイナーとして第一線を走り続けることの難しさも感じていました。だから10年ぐらいしたら移住しようとは考えていたんですが、声をかけてもらったなら、今のタイミングなんだろうなって」

「奥松阪」名前に込めた想い

地域おこし協力隊(以下、協力隊)として移住し、飯南、飯高町に関わることになった高杉さん。協力隊の一員として活動する中で、「地域の人にとって必要なもの」を模索する日々。

「これまでも関わりはあったけども、地域の中に踏み込む難しさを感じていました。でも協力隊として行事などに参加するとまちの人と話す機会も増えて、顔も覚えてもらえる。地域に入るきっかけとして、協力隊の制度はすごくいいなと思いましたね」

地域活動を続ける中、めぐり逢ったのが奥松阪の物件でした。

「物件を見たとき、ここが飲食店になったら面白いなと思って、まちの人に頼んで大家さんを紹介してもらいました。当初は売る気がないと聞いていたんですが、『この場所に飲食店をつくることでまちをよりよくしたい』と奥松阪の構想と予算をプレゼンしたら、『地域のためになるんだったら応援する』と言って売ってくれることになったんです」

物件のリノベーションを経て、2023年1月に「宿泊・食事・喫茶 奥松阪」がオープン。「奥松阪」という名前はこの地域の呼称ではなく、高杉さんが特別な想いを持って名付けた名前です。

(写真提供:高杉アトリエ)

「この地域の人は大抵、市街地に行くときに『松阪に行く』っていうんですよ。飯高、飯南も今は合併されて松阪市ですが、20年ほど前は独自の地域だったんです。今は両町とも名前が残っていますが、今後さらに合併が進んだとき…どちらも尊重しながらも、街の松阪と分断されず地域が一つになれる名前が必要なんじゃないかと思ったんです」

これまでの地域の歩み、そして未来を見据えてつけた『奥松阪』という名前。この場所に根を下ろし、真摯に地域と向き合おうとする高杉さんの想いが感じられます。

「今まで地域を守ってきた人たちがいて、僕らは今この場所にお店を構えられています。いきなり外からやってきて、自分たちの利益だけ追求すればいいという考えでは長く続きません。地域の人たちと対話し、何を大切にしているのかを考えて、僕らができることを取り組みたいんです」

高杉さんは協力隊として活動し始めた時から、地域に投資することを重視してきました。

「建物をつくってくれる大工さん、食材を仕入れる農家さんなど、なるべく地域の人たちと関わりを持つようにしていて。『あの人がつくってくれている』と顔が思い浮かぶものを使いたいし、自分たちが事業をすることで地域が少しでも潤うことが大事だと思っています」

一棟貸しの宿泊施設「Stay奥松阪」(写真提供:高杉アトリエ)

自分たちが住み続けたいまちに

奥松阪オープン時から取り組んでいるのは、学生の受け入れ。取材したその日も、カフェの厨房には学生の姿がありました。

「今度、高校生が地元の果物で作ったケーキを販売する催しがあって、ケーキの作り方をうちのスタッフが教えているんです。奥松阪のオープン前に店舗を高校生たちに貸して、1日カフェ経営を体験してもらったこともあります。僕がアドバイスしながら、メニュー開発から原価計算、価格まで考えてもらいました」

「奥松阪」土間スペース

学生たちにこうした機会を与えることは、将来的に地域にとってプラスになると高杉さんは言います。

「カフェを体験した子が卒業後、別のところで就職したんですがやっぱり奥松阪で働きたいと連絡をくれました。奥松阪で働いてもらうこともできるんですが、自分に合う仕事を見つけてほしいという想いもあって、『松阪市香肌地域づくり協同組合』に所属する登録人材という形で働いてもらうことにしました」

現在、『松阪市香肌地域づくり協同組合』の理事長としても活躍している高杉さん。三重県で2例目となる「特定地域づくり事業」という地域産業の担い手を確保するためにマルチワーカー(季節毎の労働需要等に応じて複数の事業者の事業に従事する人)を派遣する仕組みづくりに取り組んでいます。

「現在、奥松阪を含め地域の14の事業者に参画いただき、登録した人はその中から2ヶ所以上の事業所で働いてもらいます。色々な仕事を体験しながら自分に合った就職先を探すこともできるし、協同組合で採用という形になっているので社会保険にも加入できる。また、農業や林業など1次産業の事業者は、繁忙期に人手を確保できるというメリットもあります」

奥松阪では、高杉さんがセレクトした古道具や食器、日用雑貨も購入できる

さらに空き家バンクの管理も行い、地域で仕事、住まいを確保できる仕組みを整えました。協力隊の任期を終えた後は、松阪市の「地域プロジェクトマネージャー」に就任。道の駅の活性化など、地域資源を活かしたまちの魅力づくりを行っています。

※地域プロジェクトマネージャー…自治体が重要プロジェクトを実施する際に、地域や行政、民間、外部の関係者をつなぎ、調整や橋渡しをしながらプロジェクトをマネジメントする人材

「ちゃんと働く場所、住む場所、遊べる場所を整えれば、人は自然に集まってくる。当然、移住したいなと思う人も増えてくると思うんです。でも一番は、自分たちが住み続けたい場所にすること。“やってあげる”という気持ちで地域と関わると、そのまちに必要なことが見えてこない。住人にとって住みやすいまちづくりを続けていけば、きっとおじいちゃんになってもこのまちを楽しめると思うんですよね」

数年後には、パティスリーを併設したビールの醸造所をつくる予定。まちの人が守ってきた自然や歴史を大切にしながらも、新たな風を巻き起こしている高杉さん。これから、どんどん面白いまちに変化していきそうですね。


宿泊・食事・喫茶 奥松阪

Instagram:https://www.instagram.com/okumatsusaka/

Stay奥松阪https://www.airbnb.jp/rooms/1189239379816276289?source_impression_id=p3_1726884034_P3a_1dVVLDVUu1f-

株式会社高杉アトリエhttps://www.takasugi-atelier.com/

都の西北、学生の街で三重グルメを満喫する~早稲田編

高田馬場駅から500メートルほど早稲田通りを歩くと、明治通りに面します。ここから先は飲食店も派手な看板もなくなり、古書店が立ち並ぶ、いかにも学生街といった風情へと変わります。

 

■アカデミックな雰囲気の早稲田

早稲田は神保町・本郷と並ぶ東京では有名な古書店街で、ネット調べによるとこの界隈に30店舗もあるそうです。私も講義の合間の時間潰しやレポートのヒントを得るために、日常的に利用していました。古書から伝わる紙の匂い、店ごとに違う品揃えやこだわり、掘り出し物に出会えそうなワクワク感が古書店にはありました。

SNSが普及した今でも、早稲田の学生たちはこれらリアル店舗を利用しているのでしょうか。

*それぞれの「顔」がある古書店


このまま真っ直ぐ進めば目的地方面ですが、あえて左折してグランド坂通りから本キャンを目指すことにします。


坂の途中には厳格な雰囲気の「早稲田大学 中央図書館」があります。

ここは蔵書数も多く、研究や調べものをするにはとても良い場所です。一般開放はされず、大学関係者や教職員の利用が主ですが、協定校の学生や卒業生も身分証等の提示により利用が出来ます。

そのまま進んで右に曲がると、地元の人や学生が利用する庶民的な「大隈通り商店会」、これを抜けると「大隈記念講堂」、通称「大隈講堂」が見えてきます。

*キャンパス内から見るこの景色は、スン!と気持ちが引き締まる

大隈講堂は1927年に竣工した記念講堂で、2007年に重要文化財にも指定されています。

こちらは、キャンパス内に設置されている「大隈重信銅像」。

大学の創立50周年を記念して、1932年に造られました。角帽にガウンを着用した壮年期の出で立ちが大学総長の風格で、大隈講堂と並ぶ早稲田のシンボルです。


早大南門通り、新入生歓迎のサークル立て看板がエネルギッシュに訴えかけてきます。
公認サークルだけで500もあるマンモス大学らしい風景。

私は文学部でしたので戸山キャンパスの利用ばかりで、「本キャン」と呼ばれるここ早稲田キャンパスは通学の通り道に過ぎませんでした。アルバイトにばかり精を出さずサークル活動などをしていれば、本キャンの住人としてもう少し華やかな早稲田ライフが送れたように思います。


■スロープがシンボルの戸山キャンパス

穴八幡宮のある馬場下町の交差点まで来ると、すぐ目の前が戸山キャンパスです。

第一文学部・第二文学部があった戸山キャンパスは、2007年に再編され、現在は文化構想学部と文学部が設置されています。

この緩やかな長いスロープがシンボル。
重いテキストを手に抱え、何度ここを通り抜けたことでしょう。

ゆっくりスロープを上ると、「ここは変わっていないな」と、一瞬時間旅行をした気になるのですが、施設全体をじっくり俯瞰で見ると、やはり時代の流れとともに大きく変化しています。

生協の中にあった学食は「戸山カフェテリア」として38号館に移設。
記念会堂は老朽化により解体され「早稲田アリーナ」として生まれ変わり、各校舎は当時の雰囲気のかけらもない近代的な建物になっています。

*開放感があり、明るい雰囲気の戸山カフェテリア


*この生協の中に学食が入っていました

私が入学した80年代は、早大闘争から15年も経っていましたが、学生運動の火がまだくすぶっていました。学生によるアジテーションやバリケード、ストによる休講もしばしばありました。校内の壁や床には過激な思想のビラが散乱して、薄暗く、スモーキーで古い校舎でした。しかし、そのバンカラさこそが早稲田らしさであり、学生たちは皆、私も含めそのアンダーグラウンドな雰囲気に陶酔していたように思います。

今ではそれが一変。

緑化された早稲田アリーナの屋上「戸山の丘」で、学生たちは芝に座り、寝転び、天を仰ぎ、瞑想に耽り、カフェやランチ、読書や談笑を楽しんでいます。充実した施設の中できらびやかに学生生活を謳歌しています。それもまた新たな「早稲田らしさ」やダイバーシティの象徴となって、今の学生の心と人生に刻まれていくのでしょう。


*植栽により緑化された戸山の丘


*構内を後にしてスロープを下る


■学生たちの台所でもある早稲田

たくさん歩いたため、お腹が空いてきました。
馬場下町交差点「キッチンオトボケ」を横目に、2軒目の三重グルメのお店を目指します。
*知らない人はいない、安くて美味しい定食屋「キッチンオトボケ」


東京メトロ東西線早稲田駅すぐの雑居ビル、その2階に「とりいち 早稲田店」があります。

三重県では有名な「とりいち」ですが、ご存知ない方のためにお伝えしておきますと、松阪市のソウルフード「鶏味噌焼き」を提供しているお店です。新鮮な鶏肉を秘伝の味噌だれに漬け、網焼きにして食べます。三重県内では店舗数が多いですが、東京ではここ早稲田店と江戸川店の2店舗だけです。

コロナ禍に一度来てみましたが、当然閉まっていました。今回は事前に確認し、予約をしました。

そろりと2階へ上がり、店内に入ります。開店して間もないせいか、お客様は私1人だけ。ゆっくり過ごせそうです。
店内は広くはありませんが、アットホームな懐かしい雰囲気が漂います。
*4名席テーブルが全部で6台、落ち着ける空間です

お酒はホッピー、鶏肉は二種盛りや希少部位の「クビ」などを注文。
自分好みの加減で焼くのも楽しそうでいいですよね!
*「ナカ」(焼酎)の入ったグラスに「ソト」(ホッピー)を好みの量入れて飲む

トングでお肉を掴み目の前の網に乗せると、ジュ~ッという音とともに煙がモクモク立ちます。見ているだけでワクワク。
焼きあがったお肉はいろいろな食感を楽しめて、甘辛い味噌のタレもすごく美味しいです。これは無限に行ける…
*めずらしい部位をお好みの焼き加減で

私はホッピーだけで居酒屋風に楽しみましたが、鶏味噌焼きはご飯にもピッタリなので、お腹いっぱい食事したいという方にもオススメです。
いろいろなシチュエーションや楽しみ方が出来る「とりいち」は人気店で、学生や会社員のお客様で普段はにぎわいます。

久方ぶりの早稲田の地で、「とりいち」の鶏味噌焼きを食べられたことに幸せを感じた自分でしたが、たくさんの東京の人にここを訪れてほしいと思っています。

 

*とりいち 早稲田店

所在地
東京都新宿区馬場下町61 FFKビル2階

電話番号
03-6302-1680

営業時間
18:00~23:00 L.O.22:00

営業日・定休日
日曜日

交通
東京メトロ東西線「早稲田駅」地上行きエレベーターからすぐ

 

*今回歩いた場所*

 

 

 

伊勢市のLIVE SPACE BARRETさん

先日、伊勢市のライブハウス、バレット(LIVE SPACE BARRET)さんにお伺いしました。

 

 

 

 

 

◆下記、ホームページより引用です。
三重県伊勢市に「もっと身近に音楽を」をテーマにライブスペースとして2019年7月オープン。
2024年6月に伊勢市高柳商店街に移転。最寄り駅まで約10分とアクセス良好。
扉を開ければそこはまさにアメリカンスタイル。1FがBAR FLOORとなっておりライブイベント開催中でも飲食をお楽しみいただけます。
2Fはキャパスタンディング約100名のLIVE FLOOR。至近距離で生音をダイレクトに体感できます。
繋がり交わる音と人。その拠点になるべく営業中。

ライブハウスとしての営業だけではなく、店内飲食も楽しめるお店になっています。
お昼時にランチとして利用させて頂きましたが、
じっくり丁寧に調理されるハンバーガーは、ジューシーで非常に美味しかったです。
こちらのお店の名物にしても良いかと思う程のクオリティの高さでした。

 

また、ご近所の方がコーヒーを飲みに来るなど
地域住民の語らいの場になっているのが素敵だなと思いました。

私自身、全国の様々なライブハウスを訪問する事が多いのですが、
この様に商店街の中にあるライブハウスはごく僅かで、温かみがあって大好きです。

もちろん、ライブハウスなのでライブでもどんどん盛り上がってほしいし、
今後も地域の方と手を取り合って、末永くのご発展を祈念しております。

※メニュー、価格などは一部変更がある場合があるかと思います。
恐れ入りますが、ご了承の程、宜しくお願い致します。

LIVE SPACE BARRET
〒516-0078 三重県伊勢市曽祢1丁目15−4

ホームページ:https://ise-barret.jp/

MAIL:ise_barret@hotmail.com

桑名が舞台の映画『アイミタガイ』を観てきたよ。

映画『アイミタガイ』オフィシャルサイトより

 

桑名、四日市、津などで撮影した映画『アイミタガイ』を観てきました。

原作は、三重県在住の小説家・中條ていさんの連作短編集です。

もうそろそろ劇場公開も終わるというこのタイミングでのご紹介。申し訳ない・・・。

 

何を隠そう(?)当時の私の職場近くもロケ地(でも残念ながら私はその時いなかった)。予告編にもバッチリ出てくるので、こっぱずかしい気持ちもありつつ楽しみにしていました。

その「こっぱずかしさ」を簡単に言うと、

 

ウチはそんな映画のロケ地になるようなたいした場所じゃないんですよおおおおおお・・・!!!!

 

というもの。

謙遜ではなく、かと言って卑下でもなく、そう思っていたのです。

けれどいざ観てみたら、確かによく見知った場所や風景がいくつか出てきて「あそこだ!」とは思うものの、全然こっぱずかしくなくて。

「普通の人々」の「普通の出来事」の繋がりの中で生まれる、大切な人との別れや日々の迷いや喜びは誰にでもあるものだから、しかもそれが自分の「日常の場所」で繰り広げられているから、スクリーンの「向こう」と「こっち」に距離を感じなかったのかも。

それに客観的に見ると、雰囲気のある場所が点在していてなかなか良い街じゃないか?

いなべ在住の人間としてはいなべプリン店さんのプリンが出てきたことも特筆したいところ。

 

あとやっぱりキャストの皆さん、特に主人公の梓を演じる黒木華さんが、とっても良かった!!

生意気な物言いであることを承知で言うと、可愛らしくも派手ではない、身近にいそうな雰囲気で、

 

「こんな有名な女優が桑名にいるわけねぇじゃねーか」←口が悪くてすみません)

 

などと思わせることもなく、そして何より心の動きをとても細やかに自然に演じられる方なので、梓の感情をスッと理解できたり、共感できたり。

私は連続ドラマをほとんど観ないし、映画もなかなか観に行けないし、だからあまり詳しくないのだけど、好きな女優さんです。『下剋上球児』の山住先生もよかったよなぁ(これは観た。白山高校がモデルだったし野球好きなので)。

 

・・・普通の映画レビューにならないようにロケ地のあれやこれやを書きたかったけれど(そこはほらオトナミエなので)、やっぱり上手くいかなかったな。

とにかくとても素敵な“made in MIE”の映画。

ぜひ観てください。

 

 

OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2024.11.28update】

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

★クリスマスリース作り★

主催者より
【クリスマスリース作りのご案内】
​伊勢現代美術館にて、ワークショップを開催。
ただいま参加者募集中です!
今回はドライフラワー&パーツ等を使って、クリスマスリースを作ります。​
毎年飾って頂けるドライタイプ、当館ならではのシックなデザインが魅力です。
講師はフローリストの小林美香さん。
皆様のご参加をお待ちしております★
《ご予約方法》
伊勢現代美術館まで、お電話 or メールにてご連絡をお願いします。
【お電話】0599-66-1138
【メール】info@ise-mue.com

日時
2024年12月1日 (日)
【午前の部】11:00〜12:00
【午後の部】14:00〜15:00

問い合わせ
0599-66-1138(伊勢現代美術館)
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com/workshop-flower

 


 

HAPPY CHRISTMAS FAIR 2024

主催者より
安濃古道具店のクリスマスフェア、2年ぶりの開催決定!
日頃からご縁を頂いている6組の作り手にご協力頂き、安濃町でクリスマスフェアを開催します。クリスマスギフトにピッタリな作品を中心に心温まる選りすぐりの品々が安濃古道具店に集まります。
また、最終日12/15は1日限りのクリスマスマルシェも開催します。安濃町で素敵なクリスマスをお過ごしくださいませ!

▷HAPPY CHRISTMAS FAIR
11/29(FRI)-12/15(SUN) 12:00-18:00
Wed&Thu CLOSED|12/15のみ 11:00 OPEN
※通販対応はお受けできません
※購入時の個数制限をさせて頂く場合があります
※混雑時は入店時の人数制限をさせて頂く場合があります
※作品は全て繊細なものばかりですのでご覧頂く際は十分ご注意ください

場所|安濃古道具店
三重県津市安濃町東観音寺51-3 あのう温泉2F
https://www.instagram.com/anou_furudougu/

詳細
https://note.com/anou_labo/n/nc805e954f2bb

 


 

12/15(SUN)|CHRISTMAS MARCHE

▷CHRISTMAS MARCHE
12/15(SUN) 11:00 start
※なくなり次第販売を終了します
※マイバッグ等の持参にご協力ください

場所|安濃古道具店
三重県津市安濃町東観音寺51-3 あのう温泉2F
https://www.instagram.com/anou_furudougu/

詳細
https://note.com/anou_labo/n/nc805e954f2bb

 


Merry Christmas Live

主催者より
『ジャズデュオ「KAWAI & JUDY」は、ウッドベースとボーカルによる独自のスタイルで活動しているユニットです。ゆったり寛げる演奏ということで昨年のライブで非常にご好評をいただき、今年も 12/8(日)15時より、玉城町ガーデンカフェ・ボヌールにて、クリスマスライブを開催いたします。 店内にはシーズン限定のドイツの伝統クリスマス菓子 自家製シュトーレンも並び、クリスマスムードいっぱいのライブ空間を、ぜひ満喫しにいらしてください。』

日時
12月8日(日)
15:00〜

問い合わせ
ガーデンカフェ・ボヌール(0596-58-3556)
n43t8wits523tsc@gmail.com

主催
Jazz Duo KAWAI & JUDY

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
ガーデンカフェ・ボヌール
https://cafe-bonheur.jp/
KAWAI & JUDY
OTONAMIEインタビュー記事
https://otonamie.jp/?p=92109
ジャズベーシスト川合進ブログ
https://ameblo.jp/ssmkawai/?
ジャズボーカルJUDY 公式HP
https://home.tsuku2.jp/tamakiSocialC-72

 


 

「中島さんを最近みない+++」

松原豊写真展「村の記憶/まえとあと+++」関連イベント
「中島さんを最近みない+++」
作・演出:橋本純司
出演:角谷明子、ジョージ、加藤美咲、だいほー(劇団Cr→)

会場:gallery0369(津市美里町三郷369)
開催日:2024年12月22日(日)15:00開演(14:30開場)
終演後、出演者と松原豊氏によるアフタートーク(ドリンク付き)。
料金:1,500円(税込・ドリンク代込み)

予約メールフォーム

 


 

皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントやクラファンを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報や地域が元気になるようなクラファン情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

カレーうどんが、溢れていました@玉城町とらや

7月初旬、とある企画でカメラマンさん、モデルさん、私はライターとして玉城町を巡る取材をしていた。

梅雨に入ったとか入らなかったとか、そんな頃。
とにかく当日はものすごい湿度と温度で、身体にまとわりつく湿気に体力が奪われる思いでいた。

角度が美しい石垣

曇天の下、午後からは雨が降るということで昼前に田丸城跡を取材した。
急な坂道が続く城跡を10歩も歩けば全身から汗が流れる暑さ。

皆さんからは「暑いね」の声も消え、ただただ歩いて写真を撮り、それを確かめる。

こんなときでもモデルさんは、カメラが向けば笑顔になれるのだからすごいと思う。

緑がきれいな時期はラピュタ感がたのしめる

天守閣跡に到着すると刈られたばかりの一面の草から、湿気を含んだ青々とした香りが、むっと漂う。

天守閣跡から望む玉城町の田園風景

取材が終わり、ランチタイム。
こんなときベテランのカメラマンさんは地域の美味しい店を知っているのでありがたい。

カメラマン:近くに美味しいうどん屋があるから行かへん?おもしろいんよ。

車で3分ほど走ったところにある、とやらさん。

幾度か店の前まで行ったことはあったが、いずれも定休日だった。

今回知ったのだが、火、水、木のみの営業のようだ。

席に着いて濃い目の冷茶をいただき、メニューを見ながらカメラマンはいう。

カメラマン:これこれ!このカレーうどん(笑)。

モデル:わーすごい!私もカレーうどんにします!

さっきまであれだけ疲弊していたのに、よく身体がカレーうどんを受け付けられるものだなと思いながら、私はざるうどんに牛肉トッピングを注文した。

先に到着したのはざるうどん。

麺はしっかりと腰がありながら、もちもちした食感もある。
つけだれは出汁が効いていて程よい甘味もあり、トッピングした牛肉もとても合う。
麺の量が多く感じたが、つけだれが美味しく、つるつると食べ進めることができた。
夏はやっぱり清涼感を求めたくなる。

そうこうしているうちにカレーうどんも到着。

真上から見るとわからないが・・

溢れてる!

まるで日本酒のグラスから枡にこぼれるほど酒をつぐように。
そしてかなりとろみがありそうで「これでもか!」といわんばかりに冷房の効いた部屋に湯気を出している。

みんなでワイワイと写真を撮りカメラマンが食べる。

カメラマン:めちゃめちゃ熱い!でも旨いわ!

食べる姿を眺めているだけでも、熱さと旨さが伝わってくる。
前に座っているモデルさんは、熱さに苦戦している様子。

モデル:あつっ!海老天のなかまで熱い。わたし猫舌なんですよ。

ならばなぜカレーうどんを注文したのかと思ったが、そんなやぼなツッコミは、このカレーうどんの存在感にかき消されると思い口に出さなかった。

しかし気になる。
近くにいた店員さんに聞いてみた。

私:なんでだしが溢れているんですか?

店員さん:なんで?ですかね。うちのメニューはどれも量が多いです。カレーうどんの量を増やしたら、こうなったという感じですかね。あはは!

あつあつの溢れる系カレーうどんを食べるお二人。
さっきまで、田丸城跡で夏の湿度にやられていた私たち。
明るく笑う店員さん。

なんだか不思議なたのしさに包まれた、夏の昼下がりでした。

 


 

うどん・ご飯 とらや
度会郡玉城町下田辺城山873-7
tel  0596-58-5963
Instagram

長くつづき、愛される三重のモノ・コトを伝えたい D&DEPARTMENT MIE by VISON

2021年に多気町にオープンした商業施設「VISON」内にある「D&DEPARTMENT MIE by VISON」。

伊勢志摩の魚介や松阪牛などを味わえる飲食店や地域の農産物や加工品が購入できるマルシェ、和洋菓子店、「だし」「みりん」「酢」「味噌」など暮らしに欠かせない調味料を扱う蔵など、東京ドーム24個分の広大な敷地の中に存分に三重の食を堪能できる店が軒を連ねています。

美味しいものが大好きな私にとってVISONは、食のアミューズメントパーク。しっかり自分へのお土産を購入してしまうため、気がつくと我が家には味醂、お茶、鰹節…と三重の食材が勢揃いしています。見飽きることがなく何度も足を運んでしまうのですが、その度に必ず立ち寄るのが「D&DEPARTMENT MIE by VISON」です。

店内にはアート・工藝・デザイン・空間・インテリアなどのさまざまなテーマやキーワードをもとに、「個性や地域らしさ」を大切にされている三重の商品を「ロングライフデザイン」という視点からセレクトされたプロダクトが並びます。自分の出身地のものがあるとなぜか嬉しくなるし、こんなにも面白いものが三重にあるなんて!と郷土愛を再確認させてくれる場所。

商品のPOPには、必ずロングライフ歴(商品が誕生してからの年数)と生産地が書かれており、青いカラー表示は全て三重県のもの。「あ!あれもこれも三重のものなんだ!」と驚くほどたくさんの三重のモノがラインナップされています。今回は店長を務める高田弘介 (こうすけ)さんに、D&DEPARTMENTが選ぶ三重のモノ、コトの魅力についてお聞きしました。

自らの目で見て、聞いて選んだ商品を

D&DEPARTMENT MIE by VISON(三重店)の店内には、アート・工藝・デザイン・空間・インテリアなどのさまざまなテーマやキーワードをもとに、「個性や地域らしさ」を大切にされている三重の商品を「ロングライフデザイン」という視点からセレクトされたプロダクトが並びます。

D&DEPARTMENTは、デザイン活動家のナガオカケンメイさんが「ロングライフデザイン」というコンセプトで発足した活動体です。2010年頃から47都道府県のそれぞれの「個性や地域らしさ」にフォーカスした活動に力を入れており、現在は三重を含め14店舗で独自の目線でセレクトしたアイテムを販売しています。

D&DEPARTMENT MIE by VISONのオープンに際して、これまで他店舗でも ”三重県のロングライフデザイン” として紹介してきた伊賀焼の窯元・長谷園(ながたにえん)の土鍋や、伊勢志摩・かつおの天ぱくの鰹節などをセレクト。

さらにD&DEPARTMENTが発刊するデザイン観光ガイドブック「d design travel」の三重版発行にあたり、編集長と高田さんをはじめとする三重店のスタッフが三重を北から南までを旅し、実際に足を運んで選んだ商品が店頭に並んでいます。

「d design travelを発刊するにあたって、いつも編集長は約2ヶ月間その地域に滞在して、その土地に根付く文化や伝統、工芸品などを探して旅をします。自分たちで歩いて、聞いて、見て、食べて。実際に体験して本当に良いと思うものだけを紹介しています」

自ら体験し、理解を深めていく「d SCHOOL」

D&DEPARTMENTでは、長く続くものづくりや地域の文化を継承する活動などを行っている方を講師として招き、その土地の歴史や文化を学ぶことを目的とした勉強会「d SCHOOL」を定期的に開催しています。

2023年5月には、三重県亀山市にある老舗伊勢茶問屋「かねき伊藤彦市商店」の伊藤ちなみさんをお招きし、急須を使った美味しいお茶の淹れ方を学ぶワークショップを開催。

「現代は良くも悪くも、簡単に何でもできるようになってしまっています。ペットボトルで手軽にお茶が飲めてしまう今だからこそ、改めてお茶について学ぶ機会を儲けたいと伊藤さんに講師を依頼しました。参加者が好きな急須と湯呑みを選び、急須を使い時間をかけてお茶を淹れる。そんな体験を通じてお茶の良さを感じていただけたんじゃないかと思います」

ただ購入するだけでなく、体験を通して三重の文化を学んで理解を深めていくd SCHOOL。他にも土鍋を使ってごはんの炊き方を学ぶ「長谷園に学ぶわかりやすいかまどさん」や、かつお節からお出汁を取る体験ができる「わかりやすい波切のかつおぶし」など多様なワークショップを開催しています。

「かつおの天ぱく」のワークショップ

「生産者の元へ何度も通い、何を伝えたいのかを吟味します。本当にこの企画は、その生産する方々のためになるのか、三重県のためになるのかということを意識して企画しています」

三重の「ロングライフデザイン」

ロングライフデザインの確固たる軸をもとに、スタッフ自らが大切に選んだ商品たち。そのなかでも店長の高田さんの一押し商品を教えていただきました。

「D&DEPARTMENT おぼろガーゼタオル」

津市のタオルメーカー「おぼろタオル」のコラボレーション商品

明治41年創業の津市のタオルメーカーおぼろタオルさんとのコラボレーション商品です。キャッチーでかわいいテイストの商品なんですが、実は100年かけて築き上げた技術によって生み出された製品なんです。伝統工芸品などは購入のハードルも高いですが、こういったタオルから伝統や文化的背景のあるものを取り入れていただきたいですね」

「圡楽 d オリジナルマグカップ」

伊賀市の丸柱で江戸時代より8代続く窯元「圡楽(どらく)」とコラボレーションしてつくられた器

「圡楽の器は、職人さんが手挽きろくろでひとつひとつをつくりあげており、有名料亭や数多くの料理家さんに愛用されています。以前から八代目当主の福森道歩さんとナガオカ(ケンメイ)の親交があり、三重店のオープンにあたってオリジナルカップをつくっていただけることになりました。器の高台裏面には、D&DEPARTMENTの「d」、道歩さんの「道」を表す「d+道」と書かれているんですよ。こちらはオンラインでも取り扱いはなく、三重店のみで購入いただけます」

「Naitou JOJO 松阪もめん(三重店オリジナル)」

京都の老舗草履店「祇園ない藤」のオリジナルサンダル「JOJO」に松阪もめんを使用した別注オリジナル

「JOJOは、祇園ない藤が2013年から販売している、日本の伝統的な履物をもとにつくった現代版の草履です。花緒、前ツボ、インソール、アウトソールの4つのパーツでできていて、それぞれ交換、修理ができるようにつくられています。今回は三重店限定として、花緒部分を松阪もめんでつくったものを販売しています。伝統的でありながらも馴染みやすいデザインの松阪もめんとは相性抜群で、とても人気です。今後新しい柄も展開していく予定ですので、お楽しみに!」

「ロングライフデザイン」という観点から三重のモノ・コトを発信するD&DEPARTMENT MIE by VISON。三重に暮らす人も、初めて三重に訪れる人も、これまでとは違った三重の魅力を知ることができるのではないでしょうか。ぜひ、一度足を運んでみてくださいね。

(写真提供: D&DEPARTMENT MIE by VISON

D&DEPARTMENT MIE by VISON

▼SHOP 10:00-18:00 / CAFE 10:00-17:00 (無休)

▼三重県多気郡多気町ヴィソン672-1 サンセバスチャン通り6

☎︎0598-67-8570

 

 

志摩市で初開催!海洋技術が一堂に会する「マリンテックサミット2024」【12/22〜23】

伊勢志摩に陸上養殖や藻場再生、海中ドローン、船の自動運転といった最先端の海洋技術が一堂に集結!

何だか気になるワードが盛りだくさんのイベント「マリンテックサミット2024」2024年12月22日〜23日に三重県志摩市で初開催されます。未来の海を支えるテクノロジーに興味がある方、海洋産業の新しい可能性を感じたい方、挑戦者と共に未来を考えるこの機会にご注目です。

※.本記事はマリンテックサミット2024のご紹介として、主催者であるマリンテックインキュベータ協議会さんのプレスリリースの内容を転載しています。

マリンテックサミット2024とは

マリンテックサミットは、陸上養殖・藻場再生・海中ドローン・船の自動運転といったマリンテック(海洋技術)に関心を持つ起業家・投資家・事業家・技術者・研究者を対象として、課題解決と新産業創出の場を提供するイベントです。挑戦者が持つ課題に、最適な解決策を見出せるプラットフォームを提供し、海にまつわる社会課題の解決に貢献します。

マリンテックサミット2024のコンセプトは、「マリンテックの未来を共に創る」です。イベントには株式会社FullDepth 代表取締役社長 CEO 吉賀智司氏、株式会社エイトノット 代表取締役 CEO 木村裕人氏、株式会社イノカ 取締役COO 竹内四季氏をはじめとした海洋技術の先駆者と共に、「マリンテックの未来を共に創る」のテーマを産官学それぞれの立場から海洋産業と技術の発展について考えます。

開催概要 Day1「カンファレンス」

Day1となるカンファレンスでは、有識者をお招きした複数のセッションと、マリンテックに関連する企業・学校による展示を予定しています。また、イベント後には、来場者同士の交流を促進するネットワーキングパーティーを開催します。

名称 マリンテックサミット2024
テーマ マリンテックの未来を共に創る
日時 2024年12月22日(日)13:00~18:30(12:30受付開始)
講演
タイムスケジュール ・13:00-13:15 開催のご挨拶
・13:15-14:00 基調講演「地域共創によるマリンテックインキュベート」
・14:15-15:00 分科会1「マリンテック×ファンディング」
・15:15-16:00 分科会2「マリンテック×海の次世代モビリティ」
・16:15-17:00 分科会3「マリンテック×養殖・藻場再生」
・17:30-18:30 懇親会(クインテッサホテル伊勢志摩にて実施)
会場 阿児アリーナ(三重県志摩市)
対象 海洋技術に携わる行政・企業・学術機関に所属する方
参加費
  • 一般参加者 10,000円
  • 学生参加者 2,000円

※参加費用にはネットワーキングパーティの参加費用も含まれます

定員 100名
主催 マリンテックインキュベータ協議会(イベント運営事務局:うみらぼ株式会社 / 後援:志摩市)
参加方法 お申し込みはこちらから

開催概要 Day2「マリンテックツアー」

Day2は志摩の歴史、風土、産業を活かした企業を見学するマリンテックツアーを実施します。藻場消滅、離島交通、真珠養殖場の減少といった志摩市の課題を解説しながら、志摩市のマリンテックオフィスや、英虞湾近郊で活躍する企業、実際に行われている実証実験等を見学することで、課題解決のいとぐちを模索します。

※参加を希望される方は申込みページ参加希望欄にチェックをしましょう。後日、事務局よりツアー詳細と支払い方法についての案内が送られます。

※申し込み多数となった場合は抽選になります。

日時 2024年12月23日(月)AM中より実施 ※時間未定
工程 賢島駅 / 英虞湾 / 藻場再生場見学 / 牡蠣フリップファーム見学 / リトリート施設うみらぼ見学
対象:海洋技術に携わる行政・企業・学術機関に所属する方
対象 海洋技術に携わる行政・企業・学術機関に所属する方
参加費用 海洋技術に携わる行政・企業・学術機関に所属する方
定員 20名
参加方法 お申し込みはこちらから
注意事項 ・タイムスケジュールやコンテンツは変更となる可能性がございます。
・ご参加にあたっての交通費・宿泊費等はご自身でのご負担となります。
・営業・勧誘目的でのお申し込みはご遠慮いただきますようお願いいたします。当日、該当行為が行われた場合には、参加をお断りすることがありますのでご了承ください。その際、返金は承れませんので予めご了承ください。

「始まりの一歩」主催者の川野さんより

マリンテックインキュベータ協議会 委員/うみらぼ株式会社 代表取締役 川野 晃太

これから始まるマリンテックのオープンイノベーションの第一歩として、地域と海洋産業を盛り上げるべく、多様な人と知恵が集まる場となることを願っています。ご関心をお持ちの皆様にぜひお集まりいただければ幸いです。

イベント申込みページはこちらから

村正など三重ゆかりの刀剣69振りMieMuに大集合!刀剣乱舞コラボもあるよ

真田広之さんがプロデュース兼主演を務めたドラマ「SHOGUN 将軍」が、第76回エミー賞で作品賞をはじめとする史上最多18部門を制したことが話題になりましたね。音響賞を受賞されたのは、我らが三重県出身の赤工隆さん。三船敏郎さん主演の1980年版のロケ地は紀北町と、三重ともゆかりのある作品です。

「SHOGUN 将軍」の見どころのひとつ、殺陣。かっこいいに注目が集まる中、2024年に開館10周年を迎えているMieMu(三重県総合博物館)では、10月5日から「刀剣 三重の刀とその刀工」と題した企画展が開催されています。

アートとしての魅力も含み、日本人の精神性をも宿す刀剣。その美しさを目の当たりにしながら、三重の歴史も学べるこの企画展を、OTONAMIE記者のキャスターマミが内覧会に参加して取材しました!

※展示内容は特別な許可を得て撮影させていただきました。

 

三重唯一の刀匠

国から承認された刀鍛冶角谷健一郎さん。三重県内で唯一の職人です。

刀はどのように作られるのか。企画展のプロローグでは、作刀の過程を材料と道具と共に伝えています。

続いて、大きなスクリーンが登場。

刀匠・角谷さんの工房は、豊かな自然に抱かれた熊野市五郷町にあります。16分の映像から、今も受け継がれる「刀を打つ」という伝統の技術を鑑賞することができます。

 

歴史的な刀剣

今回の展示で飾られる69振り中、三重にゆかりのある刀剣は59振りです。展示の中で最も古いものは、古墳時代の副葬品、以下の3振り。

・名張市赤目地区の琴平山古墳から出土した「金銀象嵌直刀」
・南伊勢町の五ヶ所湾に突き出した半島にある宮山古墳から出土した「双竜紋環頭大刀」
・明和町の坂本1号墳から出土した「金銅装頭椎大刀」

デザイン性が高く、神聖な美しさがあります。

次に見えてくるのは、この展示会の目玉でもある、有名な仇討ちに関する刀剣です。

日本三大仇討ちのひとつ「鍵谷の辻の決闘」の「鍵谷の辻」とは、伊賀の地名。奈良街道と伊勢街道が交わる場所でした。現在は、公園が整備され、伊賀越資料館が併設されています。「鍵谷の辻」というこだわりの珈琲店もあるそう。気になるところですが、この仇討ちを超簡単に言うと、江戸時代初期、岡山で殺された弟の仇。捜索の末、伊賀で犯人と鉢合わせ、兄が討ったという事件です。

助太刀を務めたのが、新陰流の剣豪・荒木又右衛門でした。又右衛門が用いたという刀と差し添えが展示されています。

また、同じく日本三大仇討ちのひとつで、映画やドラマの忠臣蔵の題材となった「赤穂浪士の討ち入り」で主要な役割を果たした大石内蔵助の刀もあります。

 

三重の刀剣と刀工

さて、ここで一度、展示会場の入り口に戻ります。巨大パネルに、刀工たちの名前がカラフルに記されています。

・水色:古刀(平安時代末期~1595年)
・黄色:新刀(1596年~1771年)
・ピンク:新々刀(1772年~1876年の廃刀令まで)

文字の大きさは、今回展示されている作品数を現しているそう。

南北朝時代の終わりごろ、村正の千子派が桑名に本拠を構えたことで、三重における作刀の歴史が幕を開けました。

村正の刀は他を圧倒する鋭い切れ味を持ち、徳川家の人間に多くの傷を負わせたとして広く知れ渡り、「妖刀村正」と恐れられました。その後、一門による作刀は、幕末まで続いたといいます。

そして、この展示会で最も多く並ぶのが、藤原永貞の刀。岐阜県に生まれ、幕末の動乱のなか独学で鍛刀を修め、後に伊勢国田丸(現在の玉城町)で多くの作品を世に送り出しました。

他にも、三重で活躍した刀工たちが残した刀が会場にずらりと並び、この地域の歴史を伝えています。

 

装飾の美しさ

刀剣の魅力は、細部にまで渡ります。

「拵(こしらえ)」と呼ぶ刀の外装にも、美術工芸品としての見どころがちりばめられています。展示ケースに、桑名亀山で作られた特徴的な鐔(つば)が紹介されています。

「つばぜり合い」という言葉があるように、鐔には、激しい合戦での相手の刀から自分の拳を守る役目があります。江戸時代に入り世の中が落ち着いてくるにつれて、アートな鐔が増えていったそう。

写真では分かりにくいですが、こちらの拵には、二見浦の夫婦岩お木曳、梅が描かれています。ご当地色もある精巧な絵柄が描かれた作品、見応えあります!

 

今も身近に

明治維新の廃刀令により、江戸時代「武士の魂」といわれ武士身分の象徴だった刀は排除されます。ここから、伝統工芸品としての刀が、職人たちによって受け継がれていきます。

古くから伝わることわざには、刀が語源となるものが多くあります。

例えば「相槌を打つ」は、刀鍛冶が鉄を鍛えるとき、主従が向かい合い、主の意図する部分を従者が打つことが転じて出来た言葉だそう。「反りが合わない」は、刀と鞘の反り具合が異なり、収まらないことから来ています。「太刀打ちできない」は言わずもがな。

会場には、こんな刀にまつわる言葉がいくつも紹介され、刀剣を今も身近に感じさせます。

 

刀剣展の特別イベント

記念講演会や初心者のための刀剣取扱講座、日本刀相談会といったイベントは予約が必要で、既に申し込みを締め切ったものもあります。詳しくは、三重県総合博物館公式ホームページ開館10周年記念・第38回企画展「刀剣 三重の刀とその刀工」をご覧ください。

ここでは、申込不要で楽しめるギャラリートークと、PCブラウザ&スマホアプリゲーム「刀剣乱舞ONLINE」とのコラボ企画について紹介します!

ギャラリートーク

当日の受付で参加できる、学芸員によるギャラリートーク。企画展の観覧券を持って、開催時間までに企画展示室前へ集合!

開催日時 10月20日(日)・11月10日(日)・11月24日(日)
いずれも11時~と14時~の30分程度

刀剣乱舞ONLINEコラボ

三重県総合博物館MieMu2階エントランスに、刀剣男士「千子村正」の等身イラストが掲載されたパネルが設置されています。後期の11月6日からは、パネルが変わるそう。記念撮影のスポットです!

また、「刀剣乱舞ONLINE」で近侍の刀剣男士と一緒に散歩を楽しめる御伴散歩も。マップ上に近侍ピンが立てられます!

刀剣乱舞コラボ観覧記念ポストカードももらえます。プレゼント数は、前期後期それぞれ先着10,000名。前期と後期ではもらえる種類が違うので、ぜひどちらもゲットしてください。

期間中、ミュージアムショップでは、刀剣男士「千子村正」のクリアファイルや缶バッジ、アクリルスタンド、三重のお店ともコラボしたスイーツやドリンクのお土産も販売しています。こちらもお見逃しなく!

 

読者プレゼント企画

今回の企画展のチケットを、先着10名様にプレゼント!
こちらのメールフォームからご応募いただけます。
ペア2名までご応募可能です。

※応募限定数に達したので受付を終了しました
※沢山のご応募、ありがとうございました

詳細情報

開館10周年記念・第38回企画展「刀剣 三重の刀とその刀工」

開催期間 2024年10月5日(土)~12月1日(日)
9時~17時 ※最終入場は16時30分まで

休館日 毎週月曜日(10月14日、11月4日は開館)
10月15日(火)、11月5日(火)

観覧料 刀剣展のみ 一般 1,000円
学生 600円
高校生以下無料

基本展示とのセット券 一般 1,200円
学生 720円
高校生以下無料

会場 三重県総合博物館3階 企画展示室
三重県津市一身田上津部田3060

問い合わせ ☎059-228-2283


取材・文 キャスターマミ(西口茉実)

近所にできたギター屋さんの話

(注意:今回の記事は個人的な嗜好が強く、
一部マニアックな表記がある事を予めご了承ください。てへ。)

…2023年6月9日。その店は、僕の日常に突然姿を現しました。

とても平和な空気が流れる宮後町、伊勢市駅近鉄口より徒歩10分程の距離。

かつて僕がオトナミエに初めて記事を寄稿したガラパコス焼き鳥でお馴染み、鳥長さんの2件隣。つまるところ、僕の家から歩いて3分程の超至近距離に、6月9日、ロックの日。中古のギター屋さんがオープンしました。姉さん、事件です。僕一人っ子だけど。とりあえず僕にとっては非常に大事件です。

びーじゅうさ…はて。なんと読むべきか

ご存知(?)僕はogurockとして、大阪から地元伊勢へと戻ってきた後に仲間と一緒にアコギ片手に日本全国で音楽を奏でながら、かれこれ10年が経とうとしている身ですが、根っからのバンドっ子として生きてきたのでエレキギターやエレキベースなどの楽器は大好きです。もしかしたら芸人ではなく、楽器を作る人になりたかったのかもしれないと思う程に、竿物楽器(ギターやベース)に対する好奇心は、それなりに深い自覚があります。

さり気無く上品なバーズアイ杢が浮かぶ6120。いいなあ。

そんな僕の家から徒歩すぐの距離に、普通なら都会の楽器屋さんに行かなければ見れない、触らない様な竿が沢山陳列されている壁が窓越しに見えているとなると、いてもたってもいられません。なぜいきなりこんな場所に?誰が一体何のため?もしかして僕へのご褒美なの?もしかして…僕が全部もらってもいいの?

こちらも非常に上品なハードロックメイプルのLesPaulスタンダード。いいなあいいなあ。

 

6月9日、昼12時過ぎ頃、「すみません。あの…ここは一体なんですか?」と、完全な興味と童心をもってして、ドアをくぐりながら口走った僕がいました。思えば…確かに、何か開店準備をしているなという気配はあったんです。犬の散歩で前を通る度に、何やら改装じみたことをしている…パン屋さんかな?お惣菜屋さんかな?なんて話を隣を歩く嫁としてしていたものの、まさか楽器屋さんがオープンするとは青天の霹靂もとい宮後の霹靂。

そもそもこんなアンプ群、普通パン屋の店頭には無い。

そんなあまりにもフラっと入店しすぎた僕を迎えてくれたこの楽器屋さん”B13Guitars(ビーサーティーンギターズ)、少し長めのお名前です。店長の河瀬さん、実はこのお店のすぐそばにある石材屋の息子さんでした。

ご近所あるあるかもしれませんが友達のお兄ちゃんでした。

そんなご実家からほど近い距離に軒を構えるというのは何ともエモいです。高校卒業後、岡山の理系大学を経て楽器に関わる仕事に就きたいと、愛知県の某大手ギターショップに就職後、愛知県内、そして静岡県内の系列店舗を渡り歩き、15年が経った去年、先輩や仲間たちの大きな協力もあり、満を持して独立。地元伊勢に店を持ったのが、たまたま小黒家のすぐ傍だったというのが運の尽きだったってワケ♡(‘ω’)

普段お店の前を通りかかると、大体こんな様子です

ガラスの向こうで作業をされている様子を見ると、一見強面な感も否めないですが、長年楽器に携わってこられただけの知識量と、ギターに対する知識や愛を丁寧な言葉で紡いでくれる様子は、あのハードな業界に身を置いていたからだろう経験と人間味の両方が垣間見えます。店に突入したあの日以来、用事があって一旦B13のドアを潜ると、ついつい話が盛り上がってしまい、河瀬さんの業務妨害ともとれる程、ついつい楽しく喋り倒してしまうので、ついつい病が過ぎて煙たがられないよう、なるべく行かないようにしてます(笑)

かつてはお互い、都市部で音楽やバンド、楽器。そして、それらをとりまくエンタメ環境を垣間見る仕事の一端に従事していたからこそ、共通の話題であったり、地方における音楽の存在意義みたいな事を語り始めると、ついつい病が発症しちゃいます。

壁一面の竿。眺めているだけで白米とみそ汁が進みます。

伊勢という町はご存じの通り、伊勢神宮を取りまく地方の小さな町ですが、今日の時点で楽器屋さん、レンタルスタジオ、ライブハウスなどは各数件ずつあり、僕が全国行脚の旅をしている中で回ってきた、伊勢と同じ程の規模感を形成する町の中では少しだけ贅沢な環境にあるかな?といった印象です。首都圏や政令指定都市クラスになると楽器にとどまらず、人口に比例して芸術にちなんだ店や仕事はそれなりに存在するのですが、伊勢ほどの規模となると、そうも言えなくなるのが実情だったりします。現場で突然の機材トラブルなどに見舞われた時に頼りの綱となるのが、いわゆる地方の楽器屋さんであり、僕たちドサ回りをしているミュージシャンからすると非常に大切な存在です。個人的に、地方の町を訪れた際は公私ともなるべく時間を作り楽器屋さんを回って各町の音楽事情を収集したりしています。

丁度出荷前のアコギに弦を張っている最中でした。

 

 

僕も河瀬さんも、大きく括ればUターン組というカテゴリーに属します。都市部から地元に戻ってきた身として共通の話題になったのが、地方に生まれて地方に生きているから、田舎で音楽はあまりできないよねとか、地方に住んでいて芸能事務所に所属できないから、音楽は趣味の範疇で留めておかないとねという概念は、実際、都市部と比べて人口や文化レベルという点でのハンデはあるものの、田舎で暮らしているが故に諦め、夢の着地点を必要以上に留めるべきではないという事。

強面ですが実際は非常にやさしいお兄さんですよ

地方から出港していくパフォーマーも今は珍しい話ではないし、少なからず僕も事務所に所属せず、どこまで自分の名前が泳いでいくのだろうかと我が身、我が人生を実験台にしている一人です。
実際、ゆっくりではあるけど結果もついてきた事なので、非常に小さい声ではあるけど、そんなメッセージをこの記事に込めたい思いは強いです。尤も、元来芸術というものは商用であろうが趣味であろうが、個人や団体が自由の元に創造する表現物だと認識しているので、この町にどんなレベルの芸術が存在していても全く問題ないとも考えています。だからこそ、老若男女アマプロ問わず楽器や音楽を堪能できる環境もあってほしいと考えてもいます。少なくともそのダイナミクスに応えられるだけの環境が、B13にはあるなと感じています。

エロ本の大名行列

近年、僕と同い年の仲間が市内にライブハウスをオープンさせたり、都市部の風を纏った飲食店な商業スタイルをこの伊勢でも展開する同世代、年下の子たちが出てきたりと、20年前、面白くないとて僕がこの町を飛び出した頃に失っていた勢いが、現代を生きる若者の手と感性で、再びゆっくりと蘇ってきた空気を肌に感じて生きています。方程式の様に決まった正解はなく、個人各々が考えて導き出したそれぞれの正解を武器に、今後、伊勢の地にどんな風を吹かせてくれるのか(僕も吹かせられるものだろうか)毎度のごとく、僕の感情をぶつける様な記事になってしまいましたが、そのプレイヤーの中に、ここB13Guitarsも入っていると切に信じて今後に期待したいですね。

 

このPRS custom24は私物。お気入りの1本を持つとニヤけますよね

そんな開店して1年半が経とうとしているB13Guitarsさんから、ワークショップ開催のお知らせです。

11/9(土),10(日)に「大賀 好修」さんをお招きしてギターレッスン&ワークショップを行わさせて頂きます。 詳細のお問い合わせ、また、ご参加希望のは、■Mail : info@b13guitars.com ■Tel : 0596-65-6069までお願い致します。

 

本当は僕も参加したい。ぐぬぬ

【大賀好修 プロフィール】ギタリスト、アレンジャー、作曲家 B’z、Tak Matsumoto、稲葉浩志、ZARD、倉木麻衣、ほか数々のライブにギタリストとして参加しており、 ZARDでは1999年の”船上ライブ”でZARDのライブ初参加以降、全てのライブに参加し続け、バンドマスターも努めている。 2016年にはd-project with ZARDに参加し、ZARDの楽曲のリアレンジを手がけた。 また、アレンジャーとしても数多くの作品を手がけており、B’zのアルバム「EPIC DAY」に参加している。 稲葉浩志ソロ作品のレコーディングほか、幅広くさまざまなアーティストの作品に参加し、多彩なギタープレイを残している。 2005年B’z・松本孝弘のレーベル“House Of Strings”の第2弾アルバム『Theatre Of Strings』に参加。 2009年に自身のバンド[OOM(ウーム)]として、フルアルバム「OOM」をリリース。 2012年、インストロックバンド[Sensation]を結成しこれまでに3枚のアルバムをリリースしている。 2016年11月16日に4枚目のAL.「Sensation Ⅳ」をリリース。

 

【B13Gutars】
〒516-0072 三重県伊勢市宮後3丁目1−20
☎0596-65-6069
【HP】https://www.b13guitars.com/
営業時間:11:00~19:00(木曜定休)

【X】https://x.com/B13Guitars
【Instagram】https://www.instagram.com/b13guitars/

OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2024.10.24update】

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

殿岡ひとみ「アフリカン・ミュージックLIVE」

主催者より
殿岡ひとみ『アフリカン・ミュージックLIVEのご案内』
鈴木幸永 展「遥かな動物Ⅴ」特別イベント、殿岡ひとみによる音楽LIVEを開催します。
​​​​アフリカ動物の絵画作品が並ぶ空間で、楽器バラフォンの音とリズムをお楽しみください。
皆様のご参加をお待ちしております♪
(ご予約不要)​​

日時
2024年11月10日(日)
14:00〜

問い合わせ
0599-66-1138(伊勢現代美術館)
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com/live-event

 


 

大杉好弘 展
「sometime, somewhere, something」

主催者より
大杉好弘による展覧会 “sometime, somewhere, something”。
本展では、旅先でのスナップ写真や生活空間がモチーフの絵画・版画を展示。
心地よく穏やかな世界観をお楽しみください。

日時
開催中〜2024年12月23日
10:00〜16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
0599-66-1138(伊勢現代美術館)
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

鈴木幸永 展
「遥かな動物Ⅴ | 未知なる人体」

主催者より
鈴木幸永による2つの展覧会。
本館では、土壁のキャンバスに墨で動物を描いた絵画作品「遥かな動物」シリーズの新作・約30点をはじめ、ユニークな立体作品などを展示、別館では、植物を素材に制作、人体を表現したインスタレーション作品「未知なる人体」を展示します。
また、11月10日(日) 14:00からは、関連イベントとして『殿岡ひとみ・アフリカンミュージックLIVE』を開催。
鈴木幸永展の会場にて、アフリカ動物の絵画&民族楽器バラフォンの演奏をお楽しみください♪
(予約不要 / LIVE参加費:¥500+入館料 / 詳しくはホームページにて)
皆様のご来館をお待ちしています。

日時
開催中〜2024年12月23日
10:00〜16:30(入館は16:00まで)

問い合わせ
0599-66-1138(伊勢現代美術館)
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

マームとジプシー「equal」

主催者より
2011年に第56回岸田國士戯曲賞を26歳で受賞、近年では今日マチ子さんの漫画「cocoon」を舞台化するなど活動の幅を広げ、この4月には初の長編小説「T/S」が発売されたばかりの劇作家・藤田貴大さん。今作「equal(イコール)」は、藤田さんが18歳まで過ごした北海道伊達市が舞台。家業を継いだ人、故郷を離れた人、放浪の旅に出た人…それぞれの人生を歩む同級生たちの再会が描かれます。ノスタルジックな写真や可愛らしい動物のアニメーションを背景に浮かび上がるのは、子どもの頃に姿を消した友人あやちゃんとの思い出、そして伊達市に眠る戦争の記憶。劇中で登場人物が発する「会いたい人は会えない人だ」という言葉は、大切なものの喪失を優しく包み込みます。今、あなたの会いたい人は誰ですか?

日時
2024年10月26日、27日
両日共14:00開演

問い合わせ
三重県文化会館チケットカウンター:059-233-1122

主催
主催:三重県文化会館、合同会社マームとジプシー

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.center-mie.or.jp/bunka/event/detail/48621

 


 

四日市☆映画祭

日時
2024年11月23日(土)24日(日)
10時から18時(2日間同じ)

問い合わせ
inotitaisetu@gmail.com

主催
四日市☆映画祭

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://yokkaichi-eigasai.jimdofree.com/

 


皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントやクラファンを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報や地域が元気になるようなクラファン情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

11/3に四日市日がなビルにて三重最大級の音楽・食・ファッション・アートのイベント「楽着」が開催決定

11/3に四日市の三重県最大のアパレルビル日がなビル

行われる三重県最大級

音楽・食・ファッション・アートのイベント

「楽着」が開催されます

 

豪華な音楽のゲストには

フジロックやソニックマニアなどの大型フェスやヨーロッパなど世界的なDJとして、またはモデルやラジオパーソナリティとしても活躍する

 

Licaxxx

大ヒット曲「Lazy」 「39Minutes」

唾奇、Sweet Williamも所属する
「Pitch Odd Mansion」の一員でもあり

新作にはWONKの荒田洸/MELRAW
king Gnuのベース新井和輝
ジャズシーンで注目を集める
ピアニストのDavid Bryantが
レコーディングに参加するなど豪華メンバーが集結

是非彼女のスウィートで魅惑的な歌声と類稀なるメロディーセンスで彩度の高いポップネス・ソウルを奏でる

注目のアーティスト

 

kikivivilly

iriやAwesome City Club、SKRYU、
mega shinnosuke、への楽曲提供

BASI、鈴木真海子をftした「TIME IS OVER EP」は
iTunes HIPHOPチャートにて1位を獲得

メジャー、インディーズ問わず良質な音楽を提供している
音楽プロデューサー

chelmicoのバックDJとしても有名な

TOSHIKI HAYASHI(%C)

海外で世界的ブームになった
日本のシティポップ
実は次のブームで海外では2000年代の日本のR&B
が注目されています。
その代表格  DOUBLE SUGARSOUL

そして日本のR&Bレジェンド
SILVA

そして飲食店の県内外から有名店が勢ぞろいします

今オープンから220分待ちだったりと

今名古屋で最も注目されている人気のお店

伏見町POPEYE

 

 

福岡から全国に名を轟かすネオ居酒屋ブーム

を作ったお店

台風大飯店

他にも県内外の有名人気の飲食店 雑貨屋など勢揃い

最高の音楽と食、ファッションやアートをお楽しみ頂けます 入場料も500円 音楽エリアも1500円中学生以下無料なので、かなりリーズナブルです!これは三重県下で今年最後の大型イベントでしょう要チェックです!

開催日 2024 11/3

会場

〒510-0885 三重県四日市市日永5丁目12−16 日がなビル
チケット
500円
18:00以降の音楽エリア
1500円

guest DJ 

Licaxxx

 TOSHIKI HAYASHI(%C)

 snsdm

 LIVE

kikivivilly

  SILVA

  DJ 

REN(BRINGBACK)

UT-TiE(ASSIST DJs)

  SHIN

takuma kobayashi

  ongakubozu

   junk!

 ayaki

 Riki

   TO-YA

 atushi yamamoto

出店

伏見POPEYE

台風大飯店

淵ト瀬

daybyday from BURGER STAND haveagoodtime.

1ST FLOOR COFFEE

Question Coffee Stand

icecrem perspective catdog

opere

DO DOUNUT

 

 

   

田舎の特産品販売店が繋ぐ見守りの循環――大内山牛乳がつなぐ今と昔【後編】

三重県の学校給食の牛乳としておなじみの大内山牛乳。三重県民にとっては、ソウルフードならぬソウルドリンクと言えるでしょう。

スーパーなどで販売されている大内山牛乳の1リットルパックのパッケージが特別仕様になっているのを見てご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、大内山酪農は今年75周年を迎えています。

大内山牛乳の里、三重県度会郡大紀町では、大内山酪農の歴史とともに地域の産業が成り立ってきました。

大内山牛乳がつなぐ今と昔」と題し、前編では、数十年の時を経てお菓子屋さんからカフェに生まれ変わった「Cafe Tora8」についてお伝えしました。

閉店した田舎のお菓子屋が十数年の時を経てカフェに生まれ変わった話――大内山牛乳がつなぐ今と昔【前編】

後編では、昭和初期から地域の食品流通を支え続けている大紀町のアンテナショップ「松田商店」を紹介します。


大内山酪農設立前、魚などを販売していた松田商店(女性は光弘さんの祖母)

「写真では、昭和30年代のものが残っています。ここに写るのは私の祖父。定かではありませんが、ひいおじいさんの代から商売を始めたと聞いています」

話すのは、松田商店の4代目、松田光弘さんです。

大内山酪農が設立した1948年。ちょうどこの時期、大内山で魚をメインに扱っていた松田商店は、ひいおじいさんからおじいさんの代へと商売が引き継がれ、大内山酪農の商品を販売するようになりました。

当時、自宅にあった実店舗に加え、車に商品を乗せて行き、各地で売る「行商」スタイルの二つの形態で営業していました。

今から30年前、大紀町の産地直売センター「山海の郷紀勢」がオープンし、その中に松田商店2号店を展開。大内山酪農の特約店として牛乳をはじめとした乳製品やスイーツを販売するほか、大紀町のアンテナショップとしても運営されています。


2025年4月に30周年を迎える「山海の郷紀勢」

「行商が宅配に代わっただけで、今の営業スタイルとほとんど変わっていません」

松田商店の店長は、父・憲光さん。両親が店舗に常駐し、息子・光弘さんは配達をメインにしています。

「一般的には週1回の配達が基本ですが、私は週3回行っています。この地域は高齢化が進んでいるので、お客様の顔色を窺ったり、新聞が滞っていれば親戚の方に連絡したりすることもあります」

月・水・金の配達により、お店に出荷される地元農家さんの作る野菜が新鮮なうちに届けられることも一つの理由だそう。大紀町錦で獲れた魚の干物やラーメン、ハンバーグの冷凍商品も扱っています。

「20歳くらいから家業を手伝いはじめました。その頃は、何を考えるでもなく、ただ配達しているだけでした」

そんな若き日の青年の心を動かしたのは、町の人から毎日浴びせられた「ありがとう」「助かる」という感謝の言葉のシャワーだったのです。

気持ちに応えたいと、丁寧な接客を心掛けるようになった光弘さん。お父さんから配達を担当するようになり、5年、10年と時が経過していくと、年を重ねた住民のみなさんは車の免許を返納し、移動範囲が狭くなり、買い物にも気軽に行けなくなっていきました。

「父の代に宅配を確立してくれたから、町には顧客がたくさんいます。お世話になってきた町の人たちに恩返しする時だと思っています。生まれ育ったこの田舎で、幼い頃から私たちを見守ってくれていたみなさんを、今では反対に見守る側として、笑顔にしてあげたい


牛の衣装でお店をPRする松田光弘さん

さらに光弘さんは、日々の仕事が様々なサポートにより成り立っていると教えてくれました。

まずは、山海の郷紀勢の敷地内にある大紀町商工会。町内の事業所はちろん、町外の商工会に所属する事業所も紹介してくれるそうです。

2023年に初めて開催した、度会町にある人気のお菓子屋さん「ルシエン」さんとのコラボ企画が大好評。冷蔵エリアの一部を貸し出し、自由に販売してもらうという内容です。

月に1度発行している紙媒体「松田だより」で告知し、予約販売も行うことで出店事業者さんのロスが極力ないようにーー光弘さんの細やかな気配りの結果、企画は第2弾、第3弾と継続されています。


2024年6月24日 ルシエンさん&度会町商工会とのコラボ企画の様子

また、商工会や行政の職員さんたちからアドバイスを受け、インスタグラムでの情報発信も行うように。

「毎日続けているとフォロワーが増えてきて、嬉しいことに地元の方も見てくれています。ストーリーズに今日入荷した野菜を上げると、それを目当てに買いに来てくれたり、配達の注文が入ったり」

 

光弘さんの恩返しのストーリーは、さらに幅を広げます。

「地元のおじいちゃんおばあちゃんたちの生きがいづくりの場として、役場のみなさんの協力のもと山海の郷の中で小さな祭りをやってみました。すると、子どもたちが集まってくれた」

射的やスーパーボールすくいなどのミニ縁日、お正月の餅つき、夏休みには地域の学童からのイベントの依頼。年末に開催したビンゴ大会では、事業所が景品を協賛してくれたり、お客様が「子どもたちの景品として使ってあげて」とお菓子などを提供してくれたり。

「かつて地域の人からそうしてもらったように、今度は私たちの世代が子どもたちの成長を見守って、この子たちが大きくなったら、次は助けてもらわないといけない。田舎ならではの循環で、この町の歴史をつないでいきたい」

月に1度開催しているこの小さなお祭りは、2024年7月に1周年を迎えました。

「規模を大きくするつもりはなく、持続可能な範囲で継続していきます。手伝ってくれる人がいるからできること。準備時間も予算もかからない程度が理想」

毎月最終日曜日、お祭りの開催にあわせ、山海の郷紀勢の裏の大内山川沿い駐車場には、キッチンカーが並ぶようになりました。

山海の郷 mini マルシェ」と題されたこの企画は、大紀町の古民家を改装した宿泊施設「井戸ばた」さんが企画しているといいます。山海の郷紀勢には、楽しく地域活性をしたいという人が集まってきています。


2024年3月31日 桜まつりのマルシェの賑わい

「大紀町に住む人は、温かく気さく。のんびり、ほっこりがこの町の良いところ。山もあり、川もあり、海もあり、夜は星もキレイです。自然の良さが全部揃っています。住んでいると当たり前になってしまいますが、旅行や研修に来てくれる海外の方は、この自然が素晴らしいと喜んでくれています。何か体験などを提供しないといけないと受け入れる側は思うけれど、何もなくのんびりと自然を堪能できる空間が特別で、それだけで楽しいと言ってくれる」

周囲の人たちへの感謝を忘れず、前に進み続ける光弘さん。

「みんなが同じ方向を向いて、みんなで笑顔でいたい」

大内山牛乳がつなぐ今と昔、そして未来。大内山牛乳の里、三重県度会郡大紀町では、温かいまちづくりが展開されていました。

松田商店

住所 三重県度会郡大紀町崎 2154-1
営業時間 10:00~18:00
定休日 火曜(祝日の場合は営業)
WEB https://ouchiyama.com/
Instagram https://www.instagram.com/matsuda_ouchiyama_milk/

取材・文 キャスターマミ(西口茉実)
一部写真協力 https://www.instagram.com/sanpei_mie/

飯南育ちの私は、山の子どもだ。これからも、どこにいても。

40代に入ったいま、実家暮らしだったころの夏の日々を想う。

私は20代前半まで飯南にある実家から松阪の市街地へ約40分、車で通勤する毎日を送っていた。夕方に仕事が終わってもまだ暑く、帰りの車内のエアコンの目盛りはいつも最大。実家へ向かう国道166号線は信号も少なく、冷房を効かせて快調に車を走らせる。
しかし、大石不動院の前を通り過ぎる頃、冷房を止めて窓は全開に。国道沿いに流れる櫛田川からは、少し湿った重みのある冷たい空気が、車内に渦巻くように流れ込む。

飯南に入ると右手に牛のモニュメント、左手にアマゴなどのイラストが描いてある堤防が見える。ここの前を通ると「ただいま」という気分になり、気持ちが落ち着く。「今日も帰ってきたんだ」と、残り10分のドライブは好きな音楽と、どんどん冷たくなる空気を感じるひと時を楽しむ毎日だった。

そんな日々から約15年が経ち、今の私はまち暮らし。地元と比べれば物質的には「何でもある!」と思える場所に住んでいて、不自由さは感じない。

しかし、ふとした瞬間に地元の夏を思い出す。記憶の中で鮮やかに蘇るのはしっとりとした空気だったり、青い草の香りだったり。緑が輝く眩しい風景は、私の記憶のなかで強く主張する。光と影のコントラストが強い、夏の田舎の風景。

「ここには何もない」。子どものころはそう思いながら過ごしていた。しかし地元を離れて年を重ねるごとに、なぜか毎年、夏の記憶は鮮明になっていると感じる。その理由が知りたくて、いや、知るべきだと直感が反応し、そこには忘れてはいけない何かがあるような気がして、今回は地元で過ごした子ども時代を追いかけてみた。

 

太陽が1番元気な、7月の後半。
私が通った平屋建ての小学校(今は休校)

小学校低学年の私。夏休みが始まり、自分の誕生日もこの時期。1年で1番楽しく、私は笑い声が絶えない時期。午前中はだらだらと宿題。昼食後は幼なじみと小学校のプールへ。

すでに学校の方から賑やかな声と、カラーンと休憩の鐘の音が聞こえ、気持ちが勇む。友だちと水中で足をくぐり抜けるゲームをしたり、誰かがかじった跡があるビート板で遊んだりと、楽しい時間はあっという間。

それでもまだ遊び足りなくて、友だちと川へ泳ぎに行こうとはしゃぐ。竹藪の小径を抜け、沢蟹のいる小川を跨ぐ。到着した櫛田川にはもう、上級生が対岸の崖から飛び込んで遊んでいる。

プールに入ったままの水着で川の浅瀬に立ちすくむと、足元をイショコが「つー」と通り抜け、くすぐったさを感じる。
遊ぶ場所を変更するため少し歩くと、1週間前までは浅かった川底が、先日の雨の影響で急に深くなっていて、足を掬われて驚きながらもその状況をクリアするなど、不安定さもアドベンチャーのように楽しむ。上級生たちは3メートル程の崖から飛び込んで得意顔。私は勇敢な上級生になる事はできず、何年経っても1m程度のところからしか飛び込めなかった。
そんな感じで、太陽の陽射しがオレンジ色になるまで、川で全力で遊ぶ。

鮮やかな日々の記憶、陰影の強い景色は、私の記憶の手前に置いてあり、すぐに取り出せる場所に大切に保管されていたことに、今さら気がついた。人は楽しい記憶なら、何度でも思い出せるようにできている。

 

太陽と青空が入道雲の輪郭を際立たせる、8月の初旬。

小学校高学年の私。友だちがお盆休みに遠くへ帰省する事を羨ましく思い、近所に親戚が暮らす私の里帰りが町内で完結することに、物足りなさを感じていた。山の中であっても、茹だるような暑さが続く。ただ、おおよそ70年前からある我が家は、木造で風通しが良く、エアコン無しでもなんとか凌げる。

冷凍庫に保存されている鹿肉・猪肉

週末には「中庭で焼肉をするぞ」と、張り切る父の声。肉は味噌だれベースの若鶏が主役になるのが飯南のスタイル。サブのホルモンや、家族がそれぞれに好きな部位を屋外で楽しんだり、近所の猟師さんからいただいた鹿肉を焼いたり。
「ピーマンはうちで採れたやつやからな、うまいぞー!」といつもの如く、圧強めにすすめてくる父。あまり好きではない、丸ごとのピーマンや玉ねぎの輪切りも、香ばしく焼けた味噌ダレが夏の風味のごちそうへと少しだけ昇華させてくれる。

もうすぐお盆。ぽつぽつと集落や隣町の祭りの話が聞こえる。

夏休みの終わりがチラリとよぎるも、やはり祭りは特別で、すぐに目の前の楽しさに引き戻される。そんな微細な揺らぎが可愛らしい、子どもだったころの記憶が浮かんできた。

 

毎年特別な空気が漂う、お盆の時期。

祭りの賑やかさと、墓前に参るしめやかさ。感情の振り幅が大きいが、どちらの時間もミンミンゼミのうるささと、じっとりとした湿気がセットになっているお盆。母の実家は車で5分程と近く、中学生になった私にとっては通学路の途中にあるため、見慣れた場所から見慣れた場所への帰省となる。

そんな母の生家は、養鶏や農業を営んでいた。玄関にはサボテン、水槽には、数年前に祭りで掬った金魚が、想定以上に立派な姿に。家に入り、祖父の観ている高校野球の音を聞きながら、まずは仏前で手を合わせる。
大人たちの近況報告を片耳に麦茶をいただきつつ、腕の日焼けと白い部分の境目を無くしたいと、何となく気にするお年頃の私。

中学校へは自転車で通っていた。お盆休みが終わる数日後には、またアップダウンが激しい道を8キロもこいで、部活に勤しむ日々が待っていると思うと憂鬱な気持ちになっていた。そして、お盆を過ぎても太陽はきっとまだ元気なはず。なので、肌の境界線が今よりはっきりとしてしまう。親戚が集まる特別な空気感とは裏腹に、自らの明日を1番気にしてしまう、そんな自分勝手な思春期を思い出す。

暑さのなかにも、はっきりと秋の空気が感じられる、8月の下旬。

高校生になった私は、路線バスで松阪の市街地の高校へ約1時間半を掛けて通って、毎日部活に明け暮れる日々。久々に部活が休みだった日、用事を頼まれて近所を自転車で走る。日中は、まだまだじっとりと暑く、茶畑の小さな影にでさえ、隠れて涼を取りたくなる。
用事を済ませて家に帰ると、自分の部屋で寝転びながらパラパラとファッション雑誌をめくる。カラフルに煌めく紙面は、流行りを感じるための小さな窓を眺めているよう。

やりたい事や、漠然とした将来の展望など、もくもくと雑誌の煌びやかな世界に空想する私がいる場所は、目の前の殆どの部分が緑色。卒業後は、色鮮やかでいろいろなモノやコトが溢れる場所に身を置きたい!と願いながら、新学期に間に合うよう、スカート丈を直すためにミシンを踏む。そんな、ふつふつとした思いや淡い憧れを抱えながら過ごす、田舎者の高校生の日常。

稲藁の刈り取り直後のみずみずしさと、香ばしさが入り混じったような香りが、空気の中に濃く漂うと、私は秋の気配を感じる。

部活は休みもほとんど無く、疲れ切って家に帰ると、ひんやりとした畳の上でうだうだと過ごす。外からも、家の中からでさえ、うるさいぐらい響く、秋の虫の音が夏の終わりを感じさせる。

 

山の子であれ。

高校時代を終え、少しの期間だが、都会と呼ばれる場所や日本以外の場所にも住んでみた。そこでは、見たことのない色や形が溢れ、目に留まっては流れていくのを繰り返していった。でも、自分の中身といえば何も変わらず、内向的な山育ちの人間でしかなかった。

強いて変化があったといえば、失礼の無いようにと多少社交的に振る舞えるようになった事くらいだ。そしてわかったのは、自分の故郷は美しいという事。

ふわふわと飛び交う蛍を見つけ、兄弟で大はしゃぎした夕べ。幼なじみと道に寝転がって見てた流星群。趣味に夢中になりすぎて、徹夜した時に見た、朝霧の中の太陽。

ぜんぶ、故郷とともにあった私の記憶。
飾り気など何も無いものが、実は1番心に残っていたんだ。

私は山の子どもだ。
それは、ずっと続く性分。

この先、年を老いてもあり続けて欲しいと願う場所。
それが飯南の、谷の小さなふるさと、なのだろう。

少しだけ物分かりが良くなって、目尻のしわが増えた今でも蘇る、故郷の光を背に感じながら、明日からも飾り気の無い瞬間を、大切に記憶していこうと思う。

私はこの先も、山の子どものまま生きていく。

(おわり)

 

 


 

 

(おまけ)
私の田舎の日常風景

櫛田川にいる小さいヨシノボリのことを地元の年配の方は
「オカババ」と言い、地域で呼び名が変わり
「ギンシャ」「イショコ」「ジョンコ」などと
呼ぶらしい。集落によって呼び名が変わるのは
田舎らしい小さなトリビアみたいでなんだかおもしろい。

家で焼肉をするときは
近所の焼肉屋で肉とタレを調達する。

黒色の七輪が多い。

道の駅飯高で売っている「よもぎのだらやき」。
味はホットケーキみたいな感じで
よもぎが入っていなかったら
ほぼプレーン味のホットケーキ。
知らない人に伝える時の説明が難しい。

自宅で採れた野菜。
形がいい物や大きい物はご近所にお裾分けするので
不格好な野菜が自宅用になる。

鯉を飼う家庭が比較的多いように
感じるのは私だけか。
水は山の湧き水。

夏休みにプールが開放されて喜ぶ。

茶畑のすき間に隠れて遊ぶ。
背中でお茶の木をぐるんとまわる
ローリング茶畑をして怒られた。

小学生のときは秋葉山公園によく行った。

地元だけでなく
他の地区の夏祭りにも友だちと通った。

たまにご近所さんからオロナミンCをもらう。

餅まき専用の台がある。

一家に一台はある軽トラ。

岳さん(局ヶ岳)を見ると
今でも心が落ち着く。

 

記事:hiromi(飯南町出身)

 


 

タイアップ
株式会社三ツ知製作所

地元雇用を推進しています。

弊社、株式会社三ツ知製作所がある飯南・飯高地域は、少子化や若者の都市部への流出により、過疎化が進んでいます。弊社が創業より大切にしてきた地元の方の採用が、将来的に厳しくなっていくと考えています。地域内の雇用は地元を元気にする基礎です。人口減少が進む時代のなか、今までの採用活動をいちから見直し、地元である飯南町・飯高町の魅力を発信することで少しでも興味を持っていただければと考え、持続的に地元の魅力の発信を行う一環として、前回に引き続き今回の記事を作成しました。

▼前回の記事
「ただいま〜私のまち」松阪市飯南・飯高地域のあの日に帰る旅

弊社は1971年に飯高町で創業し、現在は三ツ知グループとして国内10ヶ所に拠点を持ち、更には中国、アメリカ、タイにグループ会社を設立しています。創業から「冷間鍛造(れいかんたんぞう)」をコア技術とし、自動車関連部品や建築資材の製造を行っています。
「冷間鍛造」とは、素材となる鉄に熱を加えることなく、常温のまま圧力を加え加工する技術です。加工時に出る廃棄物がとても少なく、エコで地球にやさしいSDGsの時代にふさわしい技術です。

 

求人や地域活動にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

三ツ知製作所の製品の多くは世界に向けて輸出しています。緑豊かなこの町から、世界に通用するモノづくりをできることが私たちの誇りです。
最後までお読みいただきありがとうございます。私たちの大好きな飯南町・飯高町にぜひ遊びにきてください。

株式会社三ツ知製作所

三重県松阪市飯南町大字向粥見159番地の3
三ツ知ホームページ
https://www.mitsuchi.co.jp/
TEL 0598-32-2200(担当:堀出)

【イベントのお知らせあり!】米、干物、かつお節、美味しいごはんと未来の為に、日常に一手間を。


和食と聞いて思い浮かぶものはなんですか?

お茶碗いっぱいに盛られたつやつやの白いご飯、一口飲めば「ほっ」とする、お出汁のきいた味噌汁。
パリッと香ばしく焼かれた魚の干物がそこにあれば、もう、最高ですよね。

最近、そんな和食をいつ食べましたか?
外食?実家に帰った時?それとも昨日の晩御飯?

糖質を減らしたいから、白いご飯は少なめに、お出汁は面倒でよくわからないから、顆粒出汁や出汁入り味噌でお味噌汁。
魚は手間だし、骨が多いからそもそも家であんまり食べない。
そんな声も、多く聞こえてきそうです。

でもね、今日はそんな和食に欠かせないものを作っている人たちの話。

よかったらお付き合いくださいね。


 

北村魚店は1950年創業の尾鷲にある干物屋さん。
4代目となる清水理恵さんと清水泰斗(たいと)さんはお店を手伝いはじめたところ。

理恵さんの実家である北村魚店。
2代目にあたる祖父が亡くなったタイミングで「後継がいない北村魚店はどうなっていくんだろう」と、実家の今後を考え始め、大学生だった20歳のタイミングで家のことを考え始めた理恵さん。

しかし、長年、魚がとれなくなってきて現状を両親から聞いていたこと、尾鷲から出ていたこともあり、自分一人が尾鷲に戻り継いだ所で、できることもあまりなく難しいと考えていました。
当時静岡に住んでいたこともあり、自分の中では「両親がやりたいうちだけ、遠方でもPRでお手伝いができたらいい」という考えにとどまっていました。

北村魚店の干物はオンラインショップでも販売中。

しかし、泰斗さんと結婚したことで、理恵さんの人生が大きく動いたのです。

「贔屓目ももちろんあるけど、実家の干物が1番美味しいと思ってる!」と言われ、理恵さんが焼いた干物を食べた泰斗さん。
「こんな美味しい干物、食べたことない!」と思うほど、カルチャーショックを受けたといいます。

「正直、ひもの=おじいちゃんおばあちゃんが食べるものというイメージがありました。しかし、美味しさに衝撃を受けたこと、後継者がおらず、味を途絶えさせるのは常連さんに申し訳ないという思いと、自分の手に職をつけたいと思い、当時勤めていた会社を退職し、結婚を機に尾鷲市に移住しました。」
泰斗さんの決意に背中を押してもらい、「今できることを自分たちなりに頑張ってみよう」
2人の試行錯誤の日々が始まりました。


 

さて、この記事を書いている私、小黒ヒロナはかつお節屋の嫁。

結婚する時「かつお節屋を一緒にやってくれ」とは一言も言われず、サラリーマン兼、ミュージシャン兼、家業がかつお節屋の旦那と結婚し、気づいたら一緒にかつお節屋をやっていました。

かつお節屋小久保商店はここ数年、旦那と義母と私、それぞれ別の仕事をしつつ、みんなで協力しながら配達や店番をするスタイルで続けてきました。

それ以前はパパ(私は会ったことないが義父をパパと呼んでいる)が営むかつお節屋さんだったのだ。突然に倒れてしまうまでは。
お店や仕事に関しての引き継ぎを全くできぬままだったので、初心者夫婦でやらざるをえなくなってしまったというのが、本当のところ。

でも、さすがかつお節屋で育った旦那の味覚は鋭く、かつお節屋を継ぐことになった時、卸先のうどん屋さんや食堂の出汁を全て食べて味を覚えたそう、すごいな。

削れないけど、経験もないけど、知識なら蓄えることができる!と、夫婦で仕入れ元である鹿児島県の枕崎市へ行ったり、静岡県の焼津市や高知県土佐清水市などかつお節の産地へ赴き、直接生産者の方にお話を聞き、作り方を教えていただきました。
そこで活躍してたのは、同年代の生産者たち。

初めましてなのに工場の見学までさせて頂いた、高知県のたけまさ商店さん。

 

かつお節のことを知れば知るほど、こんなに手をかけて作られた食材なのに、主役になれない・・どころか、お出汁離れが進んでいることに憤りを感じることも、正直多くあります。

だからこそ、「それなら使う人を増やそう!」とSNSを活用し本枯節のけずり体験を県内外で開催したり、かつお節の魅力を伝える活動にも力を注ぎ始めたところです。

徳島県でのWSにて。


そんな私達と北村魚店のお2人を繋いでくれたのは、以前取材させてもらった尾鷲にある米屋、世古米穀店の嫁ミサキさん。

世古米穀店を取材した以前の記事はこちら。

世古米穀店も、尾鷲で60年以上続くお米屋さん。

息子さんである大介さんは関東で就職したものの、やはり地元に戻り家業を継ぐと決意し、ミサキさんと一緒に夫婦で切り盛りするようになっていったお店だ。

世古米穀店の店頭にはたくさんの種類のお米が並ぶ。

ミサキさんは前職の経験から動画やコンテンツ作りが非常に上手で、尾鷲の活性化事業の一つ尾鷲ヤーヤー便のPRや、お米屋さんのYoutubeコンテンツも制作している。
今やお米マイスターをとるほど、お米屋さんとしてもバリバリ活動しているミサキさんが最近感じることについてお話をききました。

ミサキさん:私がこの仕事をしだして8年ですが、その間も日本人の米離れ、お米の消費が減少していることを感じます。
私が嫁いだ当初のお店は、10kgと5kgに精米したお米が数種類並んでいました。
今は少子化や核家族化が進んだこともありますが、10kgで用意しているお米は1種類のみ。あとはほとんど5kgで用意しています。

日本人のお米の消費量は、消費減退するばかり。

朝ごはんを食べない家庭も多く、炭水化物は敵とばかりに糖質制限ダイエットをする人も増え、お米を食べない人が多いです。
また、朝ごはんはパンを食べる方や、そもそも朝食を抜いていると言う声も聞いたことがあります。

ミサキさん:私も米屋になる前はそうだったのですが、「お米ってどれも同じだからなんでもいい。」と思っていましたし、そのように感じている方が多い印象です。食べ比べをワークショップなどで行うと、その違いに驚かれる方がほとんどなので。
また、「あまりお米は食の中で重要ではない。そんなに食べない」と言う人や、お客様の家族や知人の声も聞いたりします。米屋としては寂しい声ですね。

昭和40年頃には日本人一人が1年間に食べるお米の消費量は約120kgあったのが、平成17年には約半分の60kg。
そして、令和3年には約50kgと半分以下になっています。

この数年、バターや小麦が高くなったのはみなさん実感しているところではないでしょうか?でも実は、お米の価格もここ数年で値上がりしていくと予想されています。
実際にこの一年位で、私がスーパーで買っているお米5kgの価格は500円程度上がっていて、高くなったな・・と感じていたところ。

また今年、各地のスーパーでお米がない!と報道されていたのは記憶に新しいですよね。

日本のお米農家の平均年齢、何歳か知ってますか?
・・・なんと69歳!
高齢化によるお米生産農家の減少から、食料自給率も低下し続けている今「お米がある、食べれるのが当たり前」という今の「当たり前」がいずれは来なくなるのでは、という危機感を感じていると、ミサキさんも言います。

 


同じく北村魚店の理恵さんにも、干物屋さんを継いでから感じることについて聞いてみました。

理恵さん:継ぐ前に両親から聞いていましたが、今、魚がどんどん取れなくなってきています。原因は海外での漁獲量の増加と、地球温暖化による海水温を含む海の変化、農業と同じく漁業に携わる人の高齢化と後継者不足・・問題だらけですね。

秋の風物詩のさんま。今までスーパーで1尾100円以下で買えてました。
最近は200円以上でもなかなか買えないくらい高級な魚になってしまい、さんまだけでなく、キス、かますなど、メジャーな魚もとれなくなってきています。

魚は自然のもので、0から自分だけの力では作ることができません。
生態系も今後変わっていく可能性もあり、今食べられている魚が何年か後にはいなくなり食べられなくなる可能性もあります。

尾鷲市は田舎といえど、漁場にも事業者さんにもすごく恵まれた環境だと感じますが、尾鷲だけでなく全国的にも稚魚がいなくなってきてますし、漁業従事者の方も年々減っている現状に溜息がでます。


話を聞きながら、大きく首を縦にふる私。
かつお節屋が抱える問題点も、ほぼ同じようなもの。
生産地に赴いた時も、同じように嘆いてる声が聞こえました。
伊勢市内にあるかつお節屋は、今はうち1店舗のみですが、30年前には3〜4店舗はあったそうです。

親世代が子供の頃はみんな家でかつお節を削っていたけれど、今では顆粒出汁やめんつゆが主流。
粉末や液体に姿を変えて家庭で消費されていす。
液体のめんつゆにふわふわのかつお節からとった出汁が使われているなんて想像すらされず消費されていくことに、寂しさを覚えます。

改めて文字にして可視化すると、商売をしていくにはなかなか厳しい現実。
出口の見えないトンネルにいるようだけど、悲観ばかりしてても仕方ないのでこうやって作戦会議をしてみたりして。

30代で干物屋、お米屋、かつお節屋を継いだ私たちが、今改めて思うのは
家業を守っていく為にも、自分達と同じ世代に「昔から身近にある日本食の価値を伝えていきたい」ということ。

 

例えば、魚を好きになって、たくさん食べるようになると、魚に今よりもっと価値が生まれ、もっと船を出すことができたりする。
養殖魚を増やすための資金を投じたり、事業が生まれる。
私たちにはわからない便利な技術が生まれ、魚はこれからの海で生き残っていけるかもしれない。

例えば、お出汁の代表的な素材のかつお節と昆布にはお出汁をとったあとの、出汁がらにも栄養がたくさん詰まってるって知ってましたか?
その出汁がら、かつお節はおかかのふりかけに昆布は佃煮にすることで、最後まで食べきり食材ロスを減らすことができる。
おにぎりのラインナップに「おかか」と「昆布」があるのは、お出汁の文化があったからに違いない。
SDGsなんてとっくの昔からやっていた、日本食って改めてすごいな。と思うのです。

干物もかつお節もお米も、もちろんそれ以外にも、
「何を食べるか」「どこで購入するか」を意識して選ぶことは、
これからの未来に繋がっている。」ということを、たくさんの人に自分ごととして考えてもらいたいと思います。

そしてそれを楽しく体感していただき、伝えられる場所があるといいなと思い、この度3店舗合同でのイベントを企画しました!

 

〜かつお節×お米×干物〜ワークショップ開催のお知らせ〜

「そのひと手間でもっと美味しく味わってほしい」

かつお節屋が伝授する美味しいお出汁の取り方や

米屋がすすめる美味しいごはんの炊き方、

干物屋が紹介する美味しい干物の焼き方などを伝えるワークショップです。

————————————————

日時:2024年10月13日(日)

①10時〜 ②13時30分〜/2部制

場所:カブクノニカイ(三重県松阪市)

参加費:1人2,500円

(※2名以上の申し込みで1人2,000円)

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お申し込みは各お店のInstagram内のメッセージからお願いします。

①氏名②人数③年齢④連絡先を記入ください。

みなさまのお越しをお待ちしております!


Instagram
kokuboshouten
@seko_kome
@kitamurauoten



参加者募集!三重県移住体験ツアーin名張 11月・紀北 2月

三重に暮らす・旅するWEBマガジンOTONAMIEを始めて約8年。
つまり、三重県各地を取材してきて8年が過ぎました。

この記事は県外の方もお読みになっているかなと。はじめまして!OTONAMIEの村山です。

取材等を通じて出会った人たちのなかには県外からの移住者も多く、皆さんの暮らしを知ると「たのしそうだな、幸せそうだな」と思うこともあります。

私は三重県津市のまちの方に生まれ育ち、都会へあこがれ「三重なんて、なにもない!」と意気込み、進学や就職で地元を離れました。
その後、いわゆる積極的移住ではなかったのですが、結果三重にUターンしました。

美しいリアス海岸の海や
神々しい深い山地。

戻ってきたかった訳ではなかったのですが、帰ってきたら三重の良さに気がついてしまいました。「なにもない」と思っていた「なに」が、三重には沢山あったのです。それがWEBマガジンOTONAMIEを始めたきっかけでした。

移住者の方々の取材をしていて「いいな」と感じるのはきっと、皆さん移住という道を積極的に選び、自分たちの人生を創っているからだと思います。
そこには、自分が都会にあこがれて地元を出た(これも移住?)ときのワクワク感に似たものを感じます。

OTONAMIEや日々三重※を通じて、いろいろな移住者や移住希望者とお話してきました。そして皆さん、移住のきっかけが違うことを知りました。まさに十人十色です。

※三重の人や暮らしとつながるコミュニティ「日々三重」
Instagram
Facebookグループ
HP

ある親御さんは子どもの育つ環境を考え、ある芸術家はPCで仕事をすることにサヨナラをして自然のなかで創作活動がしたいと思い至り、ある移住者はとにかく海の近くで暮らしたいと願うようになったと聞きました。

 


 

今回、ふたつの移住ツアーをナビゲートさせていただくことになりました。
コンセプトは「自分が想い描く移住について、もう少し具体的にイメージを深める」です。

写真:名張市観光協会

ひとつめの移住ツアーの舞台は三重県名張市。
山々に囲まれた自然豊かな盆地に位置し、歴史文化も深く、電車で大阪へ1時間、名古屋へ1.5時間と交通アクセスが良好で、関西圏のベッドタウンでもあります。
テーマは「転職なき移住ができる三重」。
通勤が可能なエリアでの、暮らしを感じる移住体験プログラムをご用意しました。

写真:ええとこやんか三重

ふたつめの舞台は三重県北牟婁郡紀北町。
東側は熊野灘に面した風光明媚なリアス海岸が続き、西側は紀伊山地。漁業と林業が基幹産業で、海と山のダイナミックな自然とともに暮らせるまちです。
テーマは「三重での新たな生活」。
アドベンチャー的に、漁業、林業、農業、二拠点生活を体験できるプログラムをご用意しました。

それでは現時点で企画されている移住体験ツアーの内容をご紹介します。

 


 

三重県移住体験ツアーin名張
-転職なき移住ができる三重-

写真:名張市

▼場所
三重県名張市

▼日時
2024年11月9日(土)10:00 〜 11月10日(日)14:30

▼集合
10:00 近鉄名張駅東口(スタッフが車でお迎えに上がります)

▼解散
14:30 近鉄名張駅(スタッフが車でお送りします)

▼概要
ー1日目
名張の自然を感じるエコツアー体験(田園ウォーキング・野菜収穫体験・古民家での手作りランチなど)、赤目四十八滝・幽玄の竹あかり(希望者のみ)、温泉入浴(希望者のみ)、名張への移住者との交流会、世界を旅したオーナーが運営するゲストハウス宿泊
ー2日目
赤目四十八滝散策(希望者のみ)、まちめぐり、サイクリング体験(希望者のみ)、移住者が営むカフェでランチ、まちの駅でお買い物

▼ツアーのイメージ

▼ポイント
名張での暮らしを、地元の方々と一緒に体験し、移住のイメージを具体化できる。
先輩移住者との交流も深め、移住後の感想も聞くことができる。
ベットタウンにも空き家が増えているなど、移住に関する情報を得ることができる。

▼参加費用
無料(ただし、現地までの交通費や現地での昼食費等はご負担いただきます)
※現地での想定負担額は、おひとり5,000円程度(食費等)の予定です。

▼参加資格
①三重県外在住の方(対象年齢:20代〜40代の方)
②地方への移住を考えている方

▼募集人数
5名程度
※応募多数の場合は抽選

▼ナビゲーター
日々三重ミキサー 村山祐介(OTONAMIE代表)
※三重に暮らす・旅するWEBマガジンOTONAMIE
https://otonamie.jp
名張市役所 広報シティプロモーション推進室
三重県庁 移住促進課

▼ゲスト
観光分野で活躍する移住者さん(調整中)

▼参加応募方法
下記URLよりご応募ください
https://forms.gle/Z4wSqy6eUQBxm5mh7

▼応募期間
2024年9月16日(月)~10月11日(金)

▼お問い合わせ
https://forms.gle/LTgjnw7dTbypv7K38

 


 

三重県移住体験ツアーin紀北
-三重ならではの自然あふれる暮らしと働き方に挑戦!-

写真:紀北町

本ツアーは現在、詳細を調整中です。
参加者募集は12月頃に開始予定です。
もうしばらくお待ちください。

▼場所
三重県北牟婁郡紀北町

▼日程
2025年2月22日(土)〜2月24日(月・祝)
※集合、解散は近鉄松阪駅の予定(スタッフが車で送迎します)。
※集合、解散時刻は未定です。

▼概要(調整中)
「紀北町のヒト・モノ・コトを知る」をテーマに、「暮らしが想像できる」体験をご用意します!
紀北町が誇る一次産業にスポットをあてた漁師体験、農業体験、林業体験のほか、地域を盛り上げる事業者の方たちとの交流も行います。
移住したときにどんな働き方・暮らし方ができるかを考える密度の濃い移住体験をご提供します!
仕事も遊びも子育ても、自然と触れ合う遊びも充実する紀北町の魅力にどっぷりはまること間違いなしです!

「新たな可能性を追い求める!JAZZ DUO 『KAWAI & JUDY』

JAZZ DUO『KAWAI & JUDY』

ベーシスト 川合 進

ボーカリスト JUDY(山路 由美子)

ご縁あって知り合った事業者仲間のJUDYさんが、私の地元である多気町でコンサートを開催されるということで、三重県各地の様々なライブスポットやイベントなどでデュオライブ活動を行っている、JAZZ DUO KAWAI & JUDY(ジャズ デュオ カワイ アンド ジュディ)のお二人に、ジャズデュオ結成のきっかけや今後の展望などを取材しました。

1. 「KAWAI & JUDY」デュオ結成のきっかけ

毎週木曜日、松阪市ジャズ茶房サライ(https://www.jazzserai.com/)で開催されるジャムセッションに参加したことがきっかけです。ジャムセッションとは、ジャズ愛好家たちが集まって楽譜やアレンジに囚われず、即興演奏を楽しむことを指します。

JUDYさんが自分の楽譜を持ってジャムセッションに飛び入り参加した日のホストが川合さんでした。ホストとは、セッションの進行をする人で、演奏をしたり、お客さんをサポートしたり、時にはアドバイスもするセッションのリーダーのことを言います。

川合さんは大ベテランのベーシストで、みんなが胸を借りにくる存在です。JUDYさんは最初からDUOを組むことを目的としていたわけではなかったそうですが、共通の知り合いの方から「川合さんとデュオを組んでみたら?」という一言があり、川合さんに頼んでみると、二つ返事で快諾してもらえたそうです。

人生の転機はどこに転がっているかわかりません。チャンスを掴みにいく行動が、人生を変えるのですね!

2. お互いの第一印象は?

お互いの第一印象について聞いてみました。

川合さんから見たJUDYさんは、「ボサノバ、ラテン系の音楽が合う方だな」というのが第一印象。川合さんもボサノバ、ラテン系音楽を演奏するのが好きで、そういう音楽が一緒にやれるなら面白いだろうなと思われていたそうです。

一方でJUDYさんからみた川合さんは「寡黙なのに、ものすごい存在感」というのが第一印象。ベーシストさんは沢山いらっしゃいますが、その中でも川合さんの演奏は特別で、ラテンやボサノバを歌っているとベースが後押しをしてくれて、とても気持ちが乗ってくるそうです。

3. 音楽を始めたきっかけは何ですか?

川合さんが音楽を始めたきっかけは、中学生の時に同級生がギターを始めたことから「よし、自分もやってやろう!」と自宅にあったお姉さんのギターを借りてコードや奏法を独自で学び覚えたことがきっかけ。

その後、川合さんは高校で陸上部に入り、音楽活動からは離れますが、いつかちゃんとやりたいなと思い続け、大学生になって入部したのがジャズの音楽クラブで、たまたまベースの後継者を探しているということでベースを担当することに。

大学時代に、そのビッグバンドオーケストラをやりながら、大学のクラブ以外でも音楽活動を続け、色々な音楽のジャンルを経験し、ベースの魅力にハマっていった川合さん。特に師事した先生はなく、有名な演奏家のレコードを聴いたり、先輩方の演奏を見聞きしながら、ベース演奏を身につけてきたそうです。

独自の感性で音楽仲間から一目置かれる存在となっていった川合さん。たまたまが重なりフリーのベーシストになられたわけですが、運命的なものを感じますね。

JUDYさんが音楽を始めたきっかけは、高校生の時に「バンド活動をするのでキーボードを弾いてくれないか?」と誘われたことがきっかけ。ボーカルとしての活動は、短大を卒業して地元に帰ってきた頃、音楽がやりたい!という気持ちが再び湧き上がった時に、行きつけのブティックのオーナーさんがジャズサックス奏者で、ラテンバンドのボーカルが足りないからと誘われて、最初はコーラスを主に担当していたそうです。

JUDYさんがボーカルとして本格的に活動をし始めた当初は、大ベテランの先輩方から可愛がられ、沢山アドバイスをいただいたそうですが、今はその経験が自分の音楽活動に活かされているとのことです。

4. ジャズに魅了された理由を教えてください。

最初は、JUDYさんも、川合さんもすでに生活の一部になってしまっているので、何と言って良いかわからないということでしたが、しばらく考えた後、JUDYさんは『自分の個性や想いで自由自在に演奏できる面白さ』『即興のスリル・醍醐味がある』という点が魅力的とのこと。

ジャズは決まったパターンをどんどん自分流に崩したり、即興的に演奏したり、歌ったりしていくので、全てがどうやっても表現する人の持ち味で独自の演奏スタイルが生まれるそうです。

川合さんもジャズの魅力は、POP、ロックは元歌があって、みんなそのイメージで聞いている。それを完全コピーでやっても上手だなという印象に過ぎない。しかし、ジャズは元を辿れば1940年代くらいの曲を演奏しているが、オリジナルを知っている人なんてほとんどいない。だからみんな『自分流に自由にアレンジして演奏できる』という点とのこと。

ベースはパターンが決まっていると思われがちですが、人によっても全然違うそうです。川合さんは演奏されていて「今の音、カッコよかったな!」と思われる瞬間があるそうですが、皆さんも仕事でもスポーツでも同様のご経験があると思います。

音楽とは「自由」であり「自分流にアレンジ」できるため、どれだけ勉強しても、どれだけ演奏を重ねてもゴールがなく、自分をどんどん高みへと近づけていけるところに音楽の魅力があるのだなと、お二人の話を聞き、そう感じました。

5. 演奏する曲はどのように選んでいますか?

ライブで演奏する曲はJUDYさんが主に選んでいて、季節感や演奏する場の雰囲気で曲を選び、後は川合さんに選曲を伝えると、どんな曲でも対応してくださるので、アップテンポでいくのか、ラテン調でいくのか、ゆったりしたテンポでいくのかをお二人で相談されるそうです。川合さんからJUDYさんの個性に合う曲を提案されることもあるそうです。

「のんびりしたい時に、ゆったりとした曲が流れてくると気持ちいいですよね?」とJUDYさんに尋ねられ、確かにそうだなと思いました。音楽ってその人の気持ちを豊かにしてくれたり、落ち着かせてくれたりと、人生の様々な場面でとても大切なものですよね。

6. 既存の曲をどのように自分たちのスタイルに合わせていますか?

JUDYさんも川合さんも「自由な中でも、二人とも目標とする人がいて、その人の曲を研究し、応用して使う。真似はしたけれども、自分のものになっていく。経験を重ねていくことで熟成されていく」とのことです。

最近、JUDYさんは、川合さんとのデュオの経験を重ねる度に耳が鍛えられ、以前は聞こえていなかった音が聞こえてくるようになったそうです。去年聞いていた曲と同じ曲でも違う聞こえ方になり、その時に合ったニュアンスで、川合さんはベースラインに変化をつけてくださいます。

7. 演奏する時、どんなことを一番大切にしていますか?

川合さんもJUDYさんも共通して、お客様には楽しんで演奏を聴いて欲しいから、いつもお客さんの顔を見ながら演奏することを大切にされています。また、JUDYさんが、体が揺れているかどうかも見ていて、音楽が相手に伝わると自然に肩が揺れてくるのがわかると言うと、川合さんも、笑顔で「演奏中に寝ている人をみると、一発かましてやろう!と思う」とのことでした。演奏が心地よくて、つい眠くなっても、眠らずにちゃんと聞きたいですね笑

そして、お二人は演奏中にお互いアイコンタクトで伝え合い、即興のアレンジやテンポの変化にも柔軟に対応できるようにしているそうです。これにより、ライブごとに異なる一体感を生み出し、観客に新鮮な驚きや感動を提供しています。

2024年1月28日(日) 三重県津市大門18−7「Bar Bran」でのライブの模様

JUDYさんは「常に調和やバランスを意識し続けてきたら、この動画当時より一年弱で、演奏に反応する可聴域と気持ちの余裕が増した気がします。」とのこと。

8. お二人の普段の生活において、音楽はどのような役割を果たしていますか?

音楽は生活の一部であるお二人ですが、JUDYさんにとっては自分を整え、高めるもの。

川合さんは、現在週に2〜3回音楽以外の仕事をしていて、自分をリセットしてくれるものだそうです。

お二人にとってJAZZなどの音楽は、自己実現の手段であり、心の安らぎをもたらす大切な存在なのだと思います。

9. 音楽以外で情熱を注がれるものは?

川合さんは家族旅行。川合さんは、家族との時間を大切にされていて、特に家族旅行は楽しみの一つ。新しい場所を訪れることで、リフレッシュし、新たなインスピレーションを得ることができるそうです。

また、JUDYさんは、家族のために家事をこなしつつも、自分一人の時間を作ることで、心身のリフレッシュを図っています。一人になる時間を通じてリラックスし、音楽活動に向けてのエネルギーを蓄えることができるとの事でした。

10. 二人の音楽活動において、今後挑戦したいことは何ですか?将来的に達成したいものは?

ジャズフェスにデュオで出演すること。レコーディングをすること。

ピアノとボーカル、ギターとボーカルはよくあるデュオですが、ウッドベースとボーカルのデュオは珍しく、「この二人ならこんなデュオができるんだ!」と思ってもらえるようなデュオとなっていくことが目標。その為に、いろんな事に挑戦していきたいそうです。

そして、川合さんは、「あちこちで演奏の機会に恵まれ、コアなジャズファンからベースソロ曲のリクエストを頂くなど、ますます可能性が広がっていくのを感じています。そのように活動していく中で、ひとりでも多くの人がFunになってくれることを期待しています」とのこと。

ウッドベースとは、ジャズやポップスなどでエレキベースと区別して一般的に呼ばれている和製英語で、世界共通の名称はコントラバスなのですが、実際にウッドベースの演奏を間近でみて、川合さんの所作のカッコ良さに惹かれる女性 fanの声があちこちで聞かれるそうで、これからますます注目度が増しそうですね。

また、JUDYさんは「オリジナル曲の作詞・作曲の構想を実現させたり、機会があれば将来はビッグバンドでも歌ってみたいです」とのことでした。

川合さんの奥さんの提案で撮影された写真。力強い書ですね!

このインタビューを行なった日は、多気町丹生の神宮寺(丹生大師)で満月を迎えるトワイライト ヒーリングライブに夫婦でお招きいただき、ヨガティーチャーでもある JUDYさんによる、川合さんの演奏に乗せた、満月の誘導瞑想でリラックスしたあと、デュオでの楽曲演奏を聴かせていただきました。

私は、学生の頃からボサノバやラテンが好きでCDを持っていたり、奥さんともジャズライブに行きたいねと話をしていましたが、これまで音楽活動をしている知人はいませんでした。

お寺の中での生ジャズ ライブも初めての経験でしたが、外は小雨が降っている中、JUDYさんが話されていた通り、その場所と外の雰囲気にぴったりの穏やかでゆっくりした曲調の音楽が奏でられ、とても心地良い時間を過ごすことができました。

また、8月11日(日)には、私が主催している「津田っこ夏祭り」にもKAWAI & JUDYのお二人にご出演いただきました。夏の夕暮れの晴れた空の下、櫓(やぐら)の上でアップテンポの曲を中心に演奏してくださり、来場者が肩を揺らして聴いていたのがとても印象に残っています。

津田っこ夏祭りでは、様々なイベントで司会経験をお持ちのJUDYさんがMCとしてトークでも盛り上げてくれたお陰もあり、来場者の皆さんから「とっても楽しかった!開催してくれてありがとう!」大好評を頂く夏祭りを開催できました。

JUDYさんへのイベント司会依頼はこちら▷▶︎▷https://ticket.tsuku2.jp/events-detail/04132264321000?t=3&Ino=000011412300

この夏祭りも、多くの皆さんのご協力のもとに開催でき、成功裏に終える事が出来ました。

企画から運営まで、今年の夏祭りを共に作り上げてくれた夏祭り実行委員会の皆さん、竹燈籠作りや盆踊りの開催に向けて、協力者してくださった多くの方々、運営資金や景品提供などにご協力いただいた協賛者(スポンサー)の皆様、ブースの運営を手伝ってくださった津田地区スポーツ協会の皆さん、素敵な花火を打ち上げてくれた辻傳煙火店様など、あたたかいご支援をくださった皆さん、ありがとうございました!

また、お忙しい中、東京や名古屋、松阪市、玉城町や大台町など、遠方から駆けつけてくれ、夏祭り実行委員会のメンバーと共にカラオケで歌声を披露してくれた方や、一緒にメルマガ登録を手伝ってくれた方など、夏祭りを盛り上げてくれた仲間もいました。これから地元に限らず、多くの仲間たちが集う夏祭りにしていきたいと思っています。

一度長い間途絶えていたところを、有志と共に復活させたこの津田っこ夏祭りが、ますます笑顔に溢れ、これから100年先も続く夏祭りとなる様に頑張りますので、ぜひご協力よろしくお願いたします。

2025年度 津田っこ夏祭りの特設ページのURLはこちら▷▶︎▷https://home.tsuku2.jp/f/3einformationmarche/tudanatsumatsuri/tudanatsumatsuri2024

今回の取材やコンサートを通して、音楽の世界にはパフォーマーたちが即興で音楽を演奏したり歌ったり、みんなで参加型で楽しめるコミュニティの場があることを知りました。

神宮寺での落ち着いた音楽と、津田っこ夏祭りでのアップテンポの音楽を聴く観客の表情の違いをみて、また、私も夏祭りのカラオケコーナーで歌う機会があり、自分もパフォーマー側としてオーディエンスとの一体感を経験できたこともあって、音楽はその場の雰囲気を作り、人々の気持ちを様々に変えてしまう不思議な力を持っているのを感じました。

これからのお二人の音楽活動を近くから応援する楽しみもできました。これを機に、私も音楽にもっと親しんでいきたいと思います。

皆さんも、ぜひ、KAWAIさんとJUDYさんの活動をチェックしてみてくださいね!

◇JAZZ DUO KAWAI & JUDY

◇今後の活動予定

・会場:三重県津市島崎町9(津駅から徒歩15分)

「PIZZAハウス TOWER−Z(タワーズ)」

・予約電話番号:059-222-7239

・駐車場あり

・会場:度会郡南伊勢町五ヶ所浦3917 町民文化会館 大ホール(伊勢自動車道 玉城ICより30分)

・予約不要

・駐車場あり

 

◇この記事の記者 澁谷のホームページやメルマガ、Instagramはこちらです。

三重インフォmarcheホームページ:https://tsuku2.jp/3emarche

三重インフォマルシェメルマガ:https://home.tsuku2.jp/merumaga_register.php?mlscd=0000211301

三重インフォmarcheインスタグラム:https://www.instagram.com/mie.informationmarche?igsh=MnEyZHhsbGNsM3ho&utm_source=qr

OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2024.9.12update】

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

地域を動かす!脳動ゼミナール@三重テラス

主催者より
日本橋・「三重テラス」にて、元遊牧民や漁師、NHKディレクターや教師、ビジネス層コミュマネなど、地域ビジネスやコミュニティ活性化等に関わる仕掛人たちをゲストにお呼びして、プロジェクトの創出につなげていく講座を開催します。
ローカルと接点を持つ機会を探してる首都圏の人、
ローカルのリアルな動きを感じたい人、
新たな視点で事業をつくりたい人、
首都圏在住で、三重とゆかりがある人などに相性のよい企画です♩
ぜひ一緒に楽しめたら嬉しく思います。

日時等の詳細はこちら
https://x.gd/fA8tI

主催
三重県

 


村松紺成 展「Flashbacks」

主催者より
– Flashbacks –
本展のフォトドローイング作品は、作家自身がニューヨークで撮影したストリートスナップを基に制作。
ペイントマーカーで写真を囲んだコンタクトシート(写真フィルムの一覧)がインスピレーションの源となっています。
憧れの街、ニューヨーク。
そこでの経験や出会った人々、当時の思いを回想する、村松紺成の“フラッシュバック”です。

日時
開催中〜2024年9月16日まで
10:00〜16:30(入館は16:30まで)

問い合わせ
0599-66-1138(伊勢現代美術館)
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


小塚康成 展

  

主催者より
雨や霧を通して見える曖昧な自然の風景_
作家はその見え方に興味を持ち、作品を制作しています。
変わらぬテーマとして追求、表現するのは、「奥行き」の美。
極薄の雁皮紙に画像を転写し何層にも重ねることで、奥行きと抽象性のある美しさを生み出しています。
樹形をモチーフにした作品は、主にドイツで撮影した写真を基に制作。
冬の空を背景に見上げた樹々の姿は、まるでその姿を空に刻印したかのように、はっきりと浮かび上がり印象的であるといいます。
作家の体験と制作における偶然性が相まって完成する作品群。静かな森の中に身を置くような感覚を味わいながら、ご覧頂ければ幸いです。

日時
開催中〜2024年9月16日まで
10:00〜16:30(入館は16:30まで)

問い合わせ
0599-66-1138(伊勢現代美術館)
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


 

プッシュ🏃クラファン

本当にやさしい洗いごこちを。100周年の老舗が作る肌のことを本気で考えた固形石鹸

主催者より
SOMALIや12/JU-NIで知られ、伊賀市で商品の製造を行う木村石鹸工業株式会社が、今年創業100周年を迎え、”石鹸屋”として原点に立ち戻り7年に渡って開発した固形洗顔石鹸をMakuakeで先行予約販売を実施しております。

プロジェクトページ
https://www.makuake.com/project/kimurasoap/

ポイント
①一般の方も見学ができる工場”IGA STUDIO PROJECT”で製造。9/28.29にイベントも。
「木村石鹸の木村石鹸」が作られるIGA STUDIO PROJECTは、一般の方も見学ができる工場です。(三重県伊賀市治田山梨3209-12)
「モノをつくる工場から、「楽しい」をつくる」をコンセプトに新しくユニークなものを産み出す場所として「STUDIO」と、様々な活動の拠点となることを願って「PROJECT」と名付けられています。
<イベント情報>
9/28.29には木村石鹸にゆかりのある全国の作り手30社以上が集まり『木村石鹸百年祭~100周年だョ!全員集合~』を開催いたします。
本イベントでは、木村石鹸のセール価格での販売だけでなく、アパレル・フード・雑貨などの物販・ワークショップ・トークイベント・工場見学など、様々なコンテンツが楽しめます。
詳細:https://www.kimurasoap.co.jp/a/c/journal/l/event/100th-festival?srsltid=AfmBOoqRL_wIGTo3r2wV4BQp0b63Lc-45bKi05xwGXgNAscsZSPPpD14

②「木村石鹸の木村石鹸」
今年100周年を迎えた木村石鹸が”石鹸屋”としての原点に立ち戻り、7年にわたって開発した商品です。
職人技でじっくりと作られる「枠練りコールド製法」という製法で厳選された材料のみを使用し、究極的にシンプルな処方で作られています。
しっとりと肌に優しい洗いごこちのオリーブオイルをメインに、同じくマイルドな洗いごこちで少し石鹸を固くするシアバターを多く使用。
さらに、さっぱり感と泡立ち性のためにヤシ油を使用しました。

イベントやクラファンに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.makuake.com/project/kimurasoap/

イベントも主催者や後援者
木村石鹸工業(株)

プロジェクト終了日
2024/10/4

 


 

皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントやクラファンを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報や地域が元気になるようなクラファン情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

全貌は誰も知らない….江戸時代から続く謎行事「お月見どろぼう」がもはやロマン

お月見泥棒って知ってますか?

桑名に移住した当初、地域の人に「お月見どろぼうで余ったから」とお菓子を頂いた。

「え?なんですかソレ」と驚くと、逆に知らないことに驚かれた。

そういえば、スーパーにも「お月見どろぼう用菓子」コーナーが。
泥棒用に菓子が売られているってどういう事?と思ったもんだ。

あれから約10年。
いつの間にか普通に受け入れていたお月見どろぼう。

「うちの子がお月見どろぼうでさ」という話を聞いても、もう驚かない。

が先日、津の人に「え?なんですかソレ」と驚かれ、逆に知らないことに驚いた。

え、桑名だけなの?

 

図らずとも、お月見泥棒調査はじまる

桑名市内の2つのお寺さんに聞いてみた。

善西寺の住職さんと教覚寺の坊守さん

お月見どろぼうとは、十五夜に子どたちが、「お月見ちょうだい」や「お月見つかせて」と言いながら地域をまわり、お菓子をもらう風習。

もともとは、お供えのお団子や里芋をスッと盗る(つく)もので、一説では子どもは月の使いとみられ、お供えがなくなると縁起が良い(豊作)と考えられていたとの話も。

三重県では、桑名・朝日町・四日市あたりの北勢エリアの一部に残っているよう。

とはいえ、それも曖昧。

 

ーー何をするんですか?

善西寺「玄関先に並べたお菓子を、子どもたちが取っていくのが定番ですね」

ーーどこの地区がやっているんですかね

教覚寺「どうかしら。なんとなく、うちの日進地区はあるということくらいしか。桑名だと福島や江場あたりもあるって聞いたことあるような」

善西寺「道路をはさんで、こっち側はなくて、あっち側はあるとかありますね」

 

ーー地区内では全ての家がやっているのですか?

教覚寺「お家によってそれぞれね。やってたり、やってなかったり」

ーー何をいくつくらい準備するのですか?

教覚寺「お家によってそれぞれね。20個だったり、50個だったり、駄菓子だったり、ジュースだったり」

娘さんが小学校時代にもらったお月見泥棒のお菓子

ーー旗ふり役というか、取りまとめがいるんですかね?

教覚寺&善西寺「誰も。どの管轄下でもないですね」

 

聞けば聞くほど、全てがふわっと。
なんとなくが脈々と続いているのが分かってきた。

そんななんとなくに、子どもたちは「あっちいってみよう、こっちいってみよう」と経験値と情報交換で探し当て、回るらしい。
まるでロールプレイングゲーム。

「おばあちゃんがお嫁に来た時に、お供え団子が知らぬ間になくなって驚いたと言ってたわ」
との証言もあったため、昭和10年頃にはあったと考えられる。

気になるではないか。

 

数珠つなぎの調査は続くも、謎深まる沼

創業約50年の和菓子屋の店主(70代)を訪ねた。

幼少期からお月見どろぼうを経験されており、今は子どもたちに、お菓子を渡しているそう。

「子どもが喜ぶのが嬉しいし、地域の文化やでな」
と笑顔で仰っていた。

その後も、役所やPTA、福祉関係者や長老など、地域の人たちがどんどん紹介して下さり、数珠繋ぎのヒアリングリレー。

「子どもの頃、色んな家に突撃ピンポンしてた」
「コロナ前までは手作り団子を用意してたよ」
「ちらし寿司出してくれるお寿司屋さんがあった」
「娘はリュックがお菓子でパンパンになるのが嬉しかったみたい」
「ありがとうがない!と怒る大人に遭遇したことがある」
「回るのは学区内だけ!と学校で注意があった」

と、幼少期にお菓子をもらっていた時の想い出、お菓子を提供してきた中での原体験、自分の子どもたちのエピソードなど様々な証言が出てきた。

しかし、全貌を把握している人はゼロ。
わかったようで、何もわからない沼。

ちょっと心折れそうになりつつも、飲食店でお月見泥棒の話をすると、大人たちが楽しそうに思い出話をしてくれる。
なんなら知らない人も話題に入って来るほど盛り上がる。

この熱量はやっぱりいいな。

 

もしかしたら歴史にヒントがある?

生き字引とも敬される桑名市博物館の元館長(現歴史専門官)大塚さんを訪ねた。

桑名市博物館元館長の大塚さん(現歴史専門官)

月見の夜に限って供え物を盗っても良いというお月見泥棒は収穫祭。全国の農村地帯に多い行事ね」

ーーなぜ収穫祭で泥棒なんですか?

大塚さん「子どもは天からの授かりもの。供えた団子や芋を、将来ある子どもたちに盗られるということは、収穫ものびて縁起が良いと考えられていたようね」

 

ーーいつからあるんですかね。

大塚さん「お月見はもともと武家や貴族階級の行事。お月見泥棒は庶民の概念なので、おそらく余裕が出てきた江戸時代中頃じゃないかしら」

ーーここまで色んな人にお話うかがったのですが、全貌を知る人がいなくて….

大塚さん「それはそうよ(笑)」

 

ーーなぜ三重県の北部は残っておる地区が多いのですかね

大塚さん「わからないけど、江戸時代の絵図をみると、羽津・桑名・朝日・川越・四日市などの一部から伝播して残っているのかも。今でこそ行政区分は色々ですが、三重県史にはどこの藩領だったという資料があって、旧桑名藩領というのが何か関係があるのかもしれないわね。基本は農業が盛んな地域に根付く文化。なので城下町はやっていないわね」

ーー地域によってやり方も全く違いますよね。

大塚さん「そうね。昔は団子や餅は記念すべき日しか食べられない貴重なものだった。それを子どもたちが奪い、その場で食べるのが規則。畑の特定1列だけの芋を盗るなど、地域によって違うようね」

 

ーーお月見ちょうだいと呼ぶ地区もあったのですが

大塚さん「近年になってからは、泥棒という言葉が相応しくないということで、行事が禁止になったという話もありますね」

 

歴史からお月見泥棒の背景が紐解かれ、誰に聞いてもわからないことが理解できてきた。

 

管轄がないからこそ

ここまででわかったのは、とにかく明確なルールはなく、誰も管轄していないということ。

そして子どもたちは、情報を言伝しあい、高学年生が低学年生の面倒をみあい、純粋に行事を愉しんでいる。

管轄なしで続いているのがすごい!と思っていたけれども、実はリスク管理で身動きできなくなる現代においては、管轄しないからこそすり抜けられ、持続可能になり、むしろ時代に合っているのかもしれない。

「子どものことやで」とお寺さんが仰っていたのが蘇る。

受け継がれてきた根底には「子どもは地域が育てるもの」という温かさ。

桑名では、今年、一部の大人たちが、お月見泥棒を復活させようと動きもある。

ただ大人が旗を振り過ぎると、大人のルールとなり、大人の事情によって絶える。
その儚さも自覚しながら、想いは「どうしたら子どもが喜ぶかな」と地域の子どもたちとの関わり方。

脈々と続いてきた文化を絶えさせないように。
子どもたちが楽しく過ごせる地域であるように。
将来この地域での思い出をいきいきと話せるように。

絶妙な距離での寄り添い方を模索する大人たち。

これから長い月日が流れたその時には、お月見泥棒はどんな文化になっているのかな。

謎行事お月見泥棒。
今年は9月17日(中秋の名月)です。

わに!わに!わに!津市大門にできたカジュアル町中華「わに飯店」!

むかしに比べ、町中華のお店が随分減ったとさみしく思っていた矢先、津の大門に新たにオープンしたカジュアル町中華「わに飯店」。

場所は人気うなぎ店「はし屋」さんの近くです。
どこかで見覚えがあった、わに飯店。
以前、南伊勢町五ヶ所にあるシェアキッチン&カフェ「うみべのいえキッチン」に3ヶ月ほど出店されていて、イベントでおじゃましたときにチラシがあり、気になっていたお店でした。
地元・津に実店舗ができ、とても嬉しい気持ちです。

週替わりランチはAとBの2種類。
ちなみに、わに料理ではないのでご安心ください。
この日は高菜炒飯と揚げシュウマイのAランチにしました。

炒飯は優しい味付けながらしっかりと旨味があり、パラパラとした食感も良かったです。

で、気になるのは、わに。

写真左上にも、わに!

店内のあちらこちらに、わに。

店主に理由をお聞きしたら、あだ名が「わに」だからとのこと。

ハリネズミまんも追加でいただきました!(こちらはわにではない)

店を出て歩いていると大門で働く友人に遭遇。

友人:で、どうやったん。わには?

やはり地元民として気になっている様子。
美味しかったし、お店の方も気さくだったことを話すと、

友人:ランチしかないやろ。一品メニューを待っとるんさ。一品を。

後日Instagramをチェックしていると、一品メニューの夜営業が始まったそう。(友人に伝えなくては!)

昭和レトロの雰囲気を醸す、飲み屋街「大門」にできた町中華。
Instagramには他の友人のコメントも発見。
(みんな気になっとるなー)

夏になると、無性に中華が食べたくなるときがあります。
今年の夏のちょい飲みに、もってこいのお店になりそうです。

 


 

わに飯店🐊
津市大門4−8
Instagram

水中に咲く花

 

梅花藻(バイカモ)を知っていますか?

一昨年だったか去年だったか、私はSNSで初めて写真を見て以来、とても興味を持っていました。

きらきら光る水の中で泳ぐ緑鮮やかな水草と、小さな白い花。

15℃ほどの低い水温の清流にしか生育しないというその貴重な植物が、いなべ市藤原町で見られるということで、行ってみることにしました。

詳しい場所がわからないのだけど、どうやら藤原町古田の多目的集会所の近くらしいのでとりあえずそこまでは行ってみたものの、同じいなべ市内に住んでいるとはいえ、初めて来る馴染みのない場所。

おまけに方向音痴の地理音痴。

なので当然、

 

(ここからどう行けば…?)

 

なんとなく田んぼのほうに歩いてみます。

ざわざわと風に揺れる稲と、とろとろと響く用水路の涼しげな音。

とても感じはいいのだけど、見たいのは梅花藻。

 

どうしても見たい。梅花藻。

 

これはもう、誰かに訊くしかありません。

集会所から5分ほどの『手づくり菓舗 えぼし』さんで、名物の草餅を買いがてら訊いてみました。

「この近くでバイカモ?(←言い慣れていないので発音がたどたどしい)が見られるところがあると思うんですけど…」

お店の女性はわざわざ外に出て、

「そこに見える白い建物がうちの作業場なん。その前の坂をおりてってもらうと、田んぼの用水路にあるよ」

 

さらに、用水路のカミ(上流)が湧き水であること、だから水温が低くて梅花藻が育つんだ、ということも教えてくれました。

言われたとおりに行ってみると…。

 

 

 

おっ!!

 

やっと見つけました

 

私のずっと見たかった水中に咲く花は、少し拍子抜けするくらいに「普通の」用水路にありました。

でも、これって凄いことです。

日常の中に、当たり前みたいに、貴重な植物があるのです。

 

きれい…

 

カエルがおる

 

この色が好き

 

梅花藻とハグロトンボ

 

やっぱり心惹かれてしまう梅花藻。

ずっとここに「普通に」あり続けますように。

 

 

えぼしさんの草餅と梅大福。美味しかった♪

 

 

梅花藻がみられるところ

『古田多目的集会所』近くの用水路

 

手づくり菓舗 えぼし

三重県いなべ市藤原町古田1152

(9:00~17:00 水曜日定休)

OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2024.8.23update】

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

村松紺成 展「Flashbacks」

主催者より
– Flashbacks –
本展のフォトドローイング作品は、作家自身がニューヨークで撮影したストリートスナップを基に制作。
ペイントマーカーで写真を囲んだコンタクトシート(写真フィルムの一覧)がインスピレーションの源となっています。
憧れの街、ニューヨーク。
そこでの経験や出会った人々、当時の思いを回想する、村松紺成の“フラッシュバック”です。

日時
開催中〜2024年9月16日まで
10:00〜16:30(入館は16:30まで)

問い合わせ
0599-66-1138(伊勢現代美術館)
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


小塚康成 展

  

主催者より
雨や霧を通して見える曖昧な自然の風景_
作家はその見え方に興味を持ち、作品を制作しています。
変わらぬテーマとして追求、表現するのは、「奥行き」の美。
極薄の雁皮紙に画像を転写し何層にも重ねることで、奥行きと抽象性のある美しさを生み出しています。
樹形をモチーフにした作品は、主にドイツで撮影した写真を基に制作。
冬の空を背景に見上げた樹々の姿は、まるでその姿を空に刻印したかのように、はっきりと浮かび上がり印象的であるといいます。
作家の体験と制作における偶然性が相まって完成する作品群。静かな森の中に身を置くような感覚を味わいながら、ご覧頂ければ幸いです。

日時
開催中〜2024年9月16日まで
10:00〜16:30(入館は16:30まで)

問い合わせ
0599-66-1138(伊勢現代美術館)
info@ise-muse.com

主催
伊勢現代美術館

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.ise-muse.com

 


オキシトシンカンタービレvol.8

主催者より
2019以来5年ぶりに、地元三重県川越町あいあいホールで開催いたします!
前回は伊勢湾台風60周年の年にシャーリー・マクレーンさんが
寄贈して下さったピアノで地元川越中学校ブラスバンド部と共演しました。

三重のみなさん
夏休み最後に、ぜひお子様と一緒にお越しください♪

今回は音楽の本当の力がテーマです。
ピタゴラスは全ての病は音で治療できるという言葉を残していますが、
今まさにそれが現実になっています。
身体の不調や精神の不調に実際にさまざまな変化が起きています。
音楽を聴くだけでもれなく100%、身体のコアである丹田とスシュムナー管のエネルギーが入り、学習能力・運動能力・精神力といった自分本来のパフォーマンス能力が手に入ります✨
統合医療クリニック徳 院長 高橋徳先生からの、大切なお話も聞いていただけます!

出演者プロフィール
https://www.taichisugimaru.com/%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%88%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%ACvol-8%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB

お申し込み
チケットぴあ
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2430155&rlsCd=001

✴︎受付でのお取置きも可能ですので、
公式LINEからご連絡下さい。
https://lin.ee/zqJeLPr

日時
8/29(木)
14:30〜16:30

料金
一般 2,000円
高校生以下 500円
未就学児 無料

問い合わせ
090-5626-2894

主催
音乃家事務局

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
https://www.taichisugimaru.com/

 


伊賀酒DE女子会2024秋~3酒蔵巡り女子会ツアー

主催者より
「伊賀酒DE女子会」酒蔵ツアー第二弾です。
伊賀市にある森喜酒造場、大田酒造、若戎酒造3蔵のお酒と、リスイタリア料理店による伊賀食材を使ったお料理を酒蔵で楽しむ20歳以上の女性限定の酒旅プランです。
お客様もお迎えする側も女性だけ。
森喜酒造場の森喜るみ子、大田酒造の大田智洋、若戎酒造の重藤邦子の3人の女将がご案内します。各酒蔵では、蔵案内、買い物、プチ試飲。お食事会場(若戎酒造吟醸館)では3人の女将とともに「酒蔵DE女子会」を楽しみつつ、二胡の生演奏プチライブも。
飲むだけでなく、お酒がつくられている現場へ足を運ぶ、酒体験ツアーへどうぞご参加ください。

開催日:9月7日(土)9:20~17:45頃
①3酒蔵巡り日帰りバスツアー  ¥14,000/定員20名
※料理+3蔵の酒+3蔵巡り+女子会お猪口+バス運賃+お楽しみ
②酒蔵DE女子会 半日コース  ¥9,000/定員16名
※料理+3蔵の酒+1蔵巡り+女子会お猪口+お楽しみ

参加蔵元:森喜酒造場、大田酒造、若戎酒造
昼食会場:若戎酒造・吟醸館2F(〒518-0226 三重県伊賀市阿保1317)
料理:リス イタリア料理店(出張料理)
受付:コスモス観光・InstagramのDM、もしくはLINEより受付です。
コスモス観光ホームページ/https://cosmos-kanko.com/
伊賀酒DE女子会2024Instagram@igasake.de.jyoshikai

問い合わせ
コスモス観光 0595-22-1188(担当=山口)
igasake.de.jyoshikai@gmail.com

 


 

皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

お寄せいただいたすべてのイベントやクラファンを掲載できる訳ではありませんが、OTONAMIEの読者の皆様が楽しめそうなイベント情報や地域が元気になるようなクラファン情報を、編集部がピックアップして掲載いたします。
お気軽に下記フォームからイベント情報をお寄せください。

掲載申込みフォーム

閉店した田舎のお菓子屋が十数年の時を経てカフェに生まれ変わった話――大内山牛乳がつなぐ今と昔【前編】

リヤカーに商品を乗せて売り歩く、「行商」と呼ばれる移動販売でモノを手に入れるのが一般的だった昭和の時代。

JRの本数は今の何倍も多くあり、大内山駅に車両が到着すると、停まっているその数分のうちに、席に座る乗客に向けて窓の外から大内山牛乳を販売していました。

ここは、大内山牛乳の里、三重県度会郡大紀町。

とらや製菓の店舗は、JR大内山駅前にありました。70年前に牛乳配達から始まり、お店も何もない田舎だからと、地域貢献のために店舗を構えたといいます。

和菓子屋さんでありながら、大内山牛乳や大内山バターなど大内山酪農の商品をはじめ、子どもたちのための駄菓子、食品、生活用品などを扱っていました。

2代目店主は、名古屋に修行へ。生クリームの美味しさに感動して洋菓子を作り始めました。

ケーキにシュークリームにクレープ。地元に愛されたとらや製菓ですが、今から十数年前、人口減少に伴い店舗をなくして、常連だったお客様からの受注販売のみで営業するようになりました。

かつて、大紀町の国道42号沿いにはたくさんのカフェがあり、今も名残をとどめています。

2009年に紀勢自動車道「大宮大台IC」から「紀勢大内山IC」が、2013年には「紀勢大内山IC」から「紀伊長島」が開通しました。一般道路を通る車は少なくり、また、町の高齢化も進み、カフェの数は徐々に減っていきました。

2022年7月、とらや製菓がカフェになってよみがえりました。

「店を閉めてからは外に働きに行くようになりましたが、今でも地元の方からの誕生日ケーキの注文などをいただきます。そんな時は夫が余分に作ってくれるので、『今日はケーキもあるんですよ』とカフェのお客様に提供しています。団体のお客様の予約が入ったと話すと、ケーキを作ってくれることもあるんです」

昔からカフェがやりたかった、そして廃れてしまった大紀町のカフェを復活させたいという夢を叶えたのが、とらや製菓の店主パティシエを支えてきた妻・薗部眞理子さんです。

場所は、昭和から営業し、7年前に閉店したという大内山の国道沿いの喫茶店。

閉めてからもオーナーの娘さんが綺麗に管理していたそう。薗部さんの声に、「使ったらいいよ」と気楽に貸してもらえたことが、とらや製菓のカフェのはじまりでした。

夫であるパティシエからスイーツ作りについて徹底的に学び、コーヒーを習いに行き、オープンに向けた準備を念入りに。

カフェの名前とロゴデザインは「とらや製菓を土台に」という薗部さんからのリクエストに応じ、娘さんが決めました。

カフェらしくオシャレで親しみやすいイメージで「Tora8」と書いて「とらや」と読ませます。絵本が好きだという娘さん。店内には名作絵本が並ぶコーナーも設けられています。

「Cafe Tora8」の定番スイーツは、とらや製菓時代の人気商品をアレンジしたクレープです。

大内山牛乳と大内山バターを使用したカスタードとカステラ、バナナが包まれた極上の甘さが味わえる逸品。コーヒーとの相性が抜群です。

フードメニュー「Tora8ゴロゴロミートボールのスパゲティー」と「焼きたまごサンド」は、薗部さんが子育て中に実際に作っていたもの。ミートボールには松阪牛をブレンドするこだわりです。

カフェメニュー考案中、お子さんに「美味しいから商品化したら?」と背中を押されて、お店に適したものに作り上げたそうです。

焼きたまごサンドやモーニングについてくるトーストは、近くにある「大内山ミルク村」の絶品食パン。モーニング、ランチと名付けられていても、営業時間中ならいつでも提供してくれるのは、大内山を訪れる人への優しさです。

休みの日には、お子さんやお孫さんが店を手伝いに来てくれると笑顔を見せる薗部さん。普段は一人で店を切り盛りされています。Instagramでの情報発信は、19歳のお孫さんが運営してくれているそう。

「ゆっくりとくつろいでもらうのが何より」

インバウンドも多く受け入れている大紀町。今度はヴィーガンの勉強に行くという薗部さんは最後に、「日々勉強」という言葉をくれました。

営業スタイルを変えながらも、変わらないものがある。この地では、今も昔も変わらずに大内山牛乳が地域を繋がりを作り出しています。今年75周年を迎え、様々な企画を実施している大内山酪農。次回も、大内山牛乳が繋ぐ歴史にまつわる話をお届けします。

Cafe Tora8

住所 三重県度会郡大紀町大内山727-1
営業時間 8:00~16:00
定休日 水曜
Instagram https://www.instagram.com/toraya__8/

取材・文 キャスターマミ(西口茉実)

島と海の未来を思い描く。菅島発のサガラメパック開発の仕掛け人はどんな人?

2024年7月、僕の周りのSNS界隈で何だか気になる「サガラメ(アラメ)を使ったフェイスパック」の商品開発プロジェクトの話題が盛り上がっていました。僕も思わず、クラファンに一口支援をしたらアレヨアレヨと目標を達成。現時点(2024/08/08)で支援者112人・応援購入総額も100万円に達し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでプロジェクトが進行しています。

どんな人がプロジェクトを仕掛けているんだろう?と思っていたら、某日、鳥羽市の離島 菅島の海女さんから着信が。おっ何だろう?とお話をしてから数時間後…僕は菅島で仕掛け人と会っていました。

菅島に導かれて..仕掛け人は鳥羽市の地域おこし協力隊

プロジェクト仕掛け人は合同会社菅島喜樂の竹久友理子さん(以下、竹久さん)。竹久さんは2024年4月に鳥羽市菅島の地域おこし協力隊になると同時に、「さがらめパック」の開発者兼販売を担う合同会社菅島喜樂を設立しました。

竹久さんが初めて菅島を訪れたのは去年(2023年)で、とある取材で1ヶ月間ほど島に滞在しました。滞在期間中に菅島の魅力にどっぷりハマっていきます。それと同時に、菅島の問題にも気が付くことになりました。問題とは急速な少子高齢化で過疎化が著しく、経済状況が年々悪くなっていること。一方で魅力は、素朴ゆえに守られ続けてきた菅島の自然や人々の暮らしでした。

ーこの島の魅力を守るために何かできることがあるんじゃないか

そして、キセキの海藻・サガラメと出会い、現在へとつながっていく….

という内容が「サガラメを使ったフェイスパック」の商品開発プロジェクト」クラファンページで詳しく紹介されています。とにかく続きが気になる..という方は以下のリンクをチェックしてみてください。

クラファンページはこちらから

※.期間は8月16日(金)まで

お会いした竹久さんの個人的な印象をお伝えすると、一筋の芯を持ち、考え、目指す未来に向かい突き進んでいる方。クラファンの支援者数に裏打ちされるように、島の方々はもちろん、たくさんの方がプロジェクトに期待を寄せています。

ー竹久さん「少なくとも、去年に私が菅島に来た時と今と比べると、動けば変わる。一緒に頑張ろうみたいな雰囲気の変化は感じています。」

実際にプロジェクトが動き始めた今、島の空気感にも変化が起こっています。

サガラメエキスへの思いと展望

ー竹久さん「プロジェクトをきっかけにして、もっとサガラメエキスを広めたいという思いがあります。」

昔、菅島にあった民宿 村田屋のサガラメ(アラメ)風呂が肌に良いと評判だったという話しを聞いた竹久さん。島暮らしの中で、気軽な気持ちでサガラメ風呂を試してみたそうです。煮出したサガラメのエキスをお風呂に入れて湯船に浸かってみたところ…これがめちゃめちゃ良い。

薬事法の関係で詳しい表現はできないものの、竹久さんはサガラメのポテンシャルに惚れ込んでいます。

ー竹久さん「商品を広めることで菅島PRとサガラメエキスへの注目を集めていきたいですね。」

現在、全国の海で磯焼けが起こり、サガラメの生育環境は悪化しています。その結果として収穫量が減少、サガラメの希少価値が上昇し、価格も高騰しています。価格の高騰には、出荷されるサガラメが食用のみであることも一因です。そこで、竹久さんは食用以外の用途を切り開くことで、新たな価値を見出そうとしています。サガラメパックの開発・販売が一段落した次のステップとして、食用に適さないサガラメを有効活用することを目指しています。

ー竹久さん「もしもサガラメエキスがフューチャーされて、色んな人たちが欲しがるようになれば、まだ実現化していない養殖の可能性も出てきます。」

サガラメパックの販売から始まり、サガラメエキスへの注目及び活用、そしてサガラメの養殖。

竹久さんが思い描く未来には、海の循環の実現がありました。

サガラメパックの開発は…まだ序章に過ぎない

定期船乗り場から見送ってくれた海女さんと竹久さん

サガラメパックはすでに販売先が決まっていて、2024年9月には伊勢志摩各地で購入することができます。菅島発のサガラメパックの発売をきっかけにして、鳥羽の離島から何やら大きな潮流が巻き起こりそう、そんな予感がします。僕自身はサガラメパックが手元に届くのが、とても楽しみです。

クラファンページはこちらから

※.期間は8月16日(金)まで

OTONAMIE PUSH イベント&クラファン 【2024.8.8update】

お寄せいただいたイベントやクラファンの情報をご紹介していきます。
※各イベント等へのお問い合わせは、各イベント等のお問い合わせ先にお願いします。
※イベント等の詳細はフライヤーまたは、各HP、主催者にご確認ください。


プッシュ👀イベント

 

津田っこ夏祭り

主催者より
この夏祭りは「子供たちが大人になった時に、楽しかったなと思い出してもらえる様な、素敵な夏の思い出を作ってあげたい。
​子供たちが楽しそうに遊び、笑い合う、そんな場所を提供したい」と思い、2016年から始めて、2020年からコロナで3年間休止してましたが、去年から再開し、今年で6回目の開催になります。
​夏祭りという特別な機会に、夜の学校のグラウンドで遊んだり、出店やキッチンカーで買い物を楽しんだりという普段とは違うワクワク感や、最後に打ち上げる花火が、子供たちの良き思い出になるように夏祭り実行委員会みんなで一丸となり、様々な企画を考えて取り組んでいます。
また、子供達だけでなく、県外に出ている方々が久しぶりに同窓会の様に会う交流の場となれる夏祭りをこれからも継続していけるように頑張って取り組んで参ります。

日時
2024年8月11日(日)
18時~21時

問い合わせ
09010211888
shibuya2279@gmail.com

主催
夏祭り実行委員会

イベントに関するHPやSNSなどのリンク先
◇津田っこ夏祭り2024 特設ページhttps://home.tsuku2.jp/f/3einformationmarche/tudanatsumatsuri/tudanatsumatsuri2024
◇みえインフォマルシェホームページ
https://tsuku2.jp/3emarche

 


伊賀酒DE女子会2024秋~3酒蔵巡り女子会ツアー

主催者より
「伊賀酒DE女子会」酒蔵ツアー第二弾です。
伊賀市にある森喜酒造場、大田酒造、若戎酒造3蔵のお酒と、リスイタリア料理店による伊賀食材を使ったお料理を酒蔵で楽しむ20歳以上の女性限定の酒旅プランです。
お客様もお迎えする側も女性だけ。
森喜酒造場の森喜るみ子、大田酒造の大田智洋、若戎酒造の重藤邦子の3人の女将がご案内します。各酒蔵では、蔵案内、買い物、プチ試飲。お食事会場(若戎酒造吟醸館)では3人の女将とともに「酒蔵DE女子会」を楽しみつつ、二胡の生演奏プチライブも。
飲むだけでなく、お酒がつくられている現場へ足を運ぶ、酒体験ツアーへどうぞご参加ください。

開催日:9月7日(土)9:20~17:45頃
①3酒蔵巡り日帰りバスツアー  ¥14,000/定員20名
※料理+3蔵の酒+3蔵巡り+女子会お猪口+バス運賃+お楽しみ
②酒蔵DE女子会 半日コース  ¥9,000/定員16名
※料理+3蔵の酒+1蔵巡り+女子会お猪口+お楽しみ

参加蔵元:森喜酒造場、大田酒造、若戎酒造
昼食会場:若戎酒造・吟醸館2F(〒518-0226 三重県伊賀市阿保1317)
料理:リス イタリア料理店(出張料理)
受付:コスモス観光・InstagramのDM、もしくはLINEより受付です。
コスモス観光ホームページ/https://cosmos-kanko.com/
伊賀酒DE女子会2024Instagram@igasake.de.jyoshikai

問い合わせ
コスモス観光 0595-22-1188(担当=山口)
igasake.de.jyoshikai@gmail.com

 


ミニ四駆部 夏休み企画!

主催者より
子ども達の長期休暇に合わせて不定期で開催している、ミニ四駆コース開放企画!今回は夏休みに合わせて、7/20〜8/18の約1ヶ月間、ミニ四駆コースを無料開放します!

日時|7月20日〜8月18日 10:00〜21:00
場所|安濃交流会館 1F/1-C
〒514-2326 三重県津市安濃町東観音寺51-3

詳細はこちらをご確認ください!

 


KENZI MURABAYASHI POP UP SHOP

主催者より
安濃古道具店での作品展、8月は大阪在住の木彫作家|ムラバヤシケンジによる2年ぶりのPOP UP【KENZI MURABAYASHI POP UP SHOP】を開催します!
バッチやマグネット・縁起物オブジェなど、たくさんの木彫りグッズが勢ぞろい!会期中はオリジナル受注会も行います。
またPOPUP開催に合わせて、桑名市にある雑貨と本の店|poeさんにも期間中出展頂けることになりました!ムラバヤシケンジさんの作品達と合わせて、素敵な絵本達やpoeオリジナルグッズ等が店頭に並びます。

日時|8/2(FRI)-8/18(SUN)
12:00-18:00/Wed&Thu CLOSED
場所|安濃古道具店

詳細はこちらをご確認ください!

 


 

皆様からのイベントやクラファン情報も募集しています!

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8月10(土) 移転オープン!鳥羽ちゃんぽんと炙り鯖寿司の店 花清水

鳥羽には美味い「ちゃんぽんと炙り鯖寿司」のお店がある。老若男女、国籍を問わず客層は多種多様で一度食べたら忘れられない…そんなお店の名は「鳥羽ちゃんぽんと炙り鯖寿司の店 花清水」!

何を隠そう、筆者は花清水さんのコアファンです。花清水さんでは定番の鳥羽ちゃんぽんと炙り鯖寿司を筆頭に、期間限定ちゃんぽんが食べられます。一度、食べたら週1で通いたい!お店…それが花清水さんなんです。

そんな花清水さんがこの度、お店を移転することになりました。場所は鳥羽水族館から徒歩6分の場所です。花清水コアファンとして、2024年8月10日(土)11:00〜に移転オープンする花清水さんにエールを贈りたい。なので、花清水さんのことや移転先の詳細を紹介します。ぜひ、最後まで記事をご覧ください。

大阪で25年間営んだ会席料理の店の味「ちゃんぽん」に宿る

元々は大阪府堺市で約25年間、会席料理 花清水を営まれていた清水ご夫妻。料理人の清水透さん(以下、透さん)は麺料理が好きでよくご自身で作っていたことと、スープは会席料理のお吸い物に通じるという点が見事に合わさり、具たくさんで栄養バランスの良い至福の一杯「鳥羽ちゃんぽん」が鳥羽市に爆誕しました。

花清水さんの「ちゃんぽん」はまさに芸術の一杯です。一度食べれば、自ずと老若男女、国籍問わずファンになってしまうのも納得します。

初めて花清水さんを訪れた方には、まず王道の「鳥羽ちゃんぽん」がオススメ!

魅惑の期間限定ちゃんぽん

思いついたアイデアをちゃんぽんに宿す…料理人の透さんは、あくなき「ちゃんぽん道」を突き進んでいます。

妥協を許さない一杯….何か思うことがあれば1週間だけ提供なんてこともあって、幻となったちゃんぽんも。来店した時にどんな期間限定ちゃんぽんが提供されているかは、その時次第です。

肉厚でふんわり!絶品の炙り鯖寿司

花清水名物は鳥羽ちゃんぽんともう一つ、忘れてはいけない炙り鯖寿司があります。炙り鯖寿司は語るより食べろな一品。言い表すなら「肉厚・ふんわり・幸せ」です。

大阪の「会席料理 花清水」からの名物で、鳥羽で開業してから5年で瞬く間に炙り鯖寿司ファンが急増。ちゃんぽんを味わいながら、鯖寿司を頬張ることによってThe 花清水ワールドが発動して時が止まります。時が動き出して、とる行動は皆共通しています。それは炙り鯖寿司をテイクアウトすること。しかし、数量限定で売り切れも多く膝から崩れ落ち絶望する人も。炙り鯖寿司を確実に手に入れたい場合は、予約推奨です。

移転先は鳥羽水族館から徒歩6分の場所

「花清水さんのちゃんぽんと炙り鯖寿司を食べたい!」とウズウズしてくれた方に、移転先のお店情報をご案内します。

新店舗は前店舗(クボクリ)から徒歩2分の場所になります。鳥羽水族館からは徒歩6分の距離なので、観光後にランチで「ちゃんぽんと炙り鯖寿司」を食べるという素敵プランを実現できます。

移転オープン日は2024年8月10日(土)11:00〜14:00で、翌日の8月11日(日)11:00〜14:00も特別に営業されます。

※.普段の定休日は「日・月・火」です。ご注意ください。

専用駐車場は約10台駐められます。

約10台駐められる専用駐車場もあります。専用駐車場から移転店舗までは徒歩約20秒です。

2024/8/9までクラファンに挑戦中

花清水さんは2024年8月9日(木)まで、「移転の決断 鳥羽市のちゃんぽんと炙り鯖寿司店の挑戦!」と題して、クラウドファンディングに挑戦されています。

元号が令和になった2019年5月1日、「ちゃんぽんと炙り鯖寿司の店 花清水」が三重県鳥羽市にオープンしました。子どもさん達が社会人となり、以前から関心のあった田舎暮らしを求めて、色々な御縁があって鳥羽市に移住された清水ご夫妻。なぜ、鳥羽でちゃんぽん屋さんを始めたのか?というエピソード等、クラファンページで詳しく紹介されていますので、ぜひ覗いてみてください。

クラファンページこちらから

お店情報と清水ご夫妻から一言

前店舗で片付け中の花清水さん御夫婦

ちゃんぽんは味の基本を守りながら、複合的な味わいが出るように日々、考え続けています。新しいお店にて、皆さまのご来店をお待ちしています。

店名 鳥羽ちゃんぽんと炙り鯖寿司 花清水
住所 〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽3丁目32-9
営業時間 11:00〜14:00
定休日 日・月・火
駐車場 専用駐車場 約10台 (駐車場住所:〒517-0011 三重県鳥羽市鳥羽3丁目28-19)
公式Instagram hanashimizu2025
アクセス 鳥羽水族館から徒歩6分、近鉄中之郷駅から徒歩2分
備考 炙り鯖寿司をお求めの際は、事前予約が確実。

 

いつかのバス停2

私は仕事で三重県内をグルグルと移動している。
ときどき独特な雰囲気を醸しているバス停を見つけることがある。
そんな被写体をiPhoneで撮って、あとで眺める。
そこには、暮らしから垣間見える誰かの日常がある。
無意識に蓄積された記憶。
残された体温。

三重交通「花の窟」バス停留所

日本一長い砂礫海岸「七里御浜」の前に佇むバス停。

視界に収まらない海と空。
20代のときに会社をサボって津からひたすら南下してここまできた。

花の窟

捉えきれない自然のなかで大きく息をする。
気持ちが整えば、さぁ帰ろうと思う場所。

 

 

三重交通「高良城橋」バス停留所

津から伊賀に抜ける国道165号線。
山越えが続く、長い一本道。

ぽつん、という言葉が似合う小さなイス。
だれかの小さな愛。

ぽつん。

 

 

三重交通「大山田支所前」バス停留所

地元を描いた絵画があるバス停。

まっさらな心地良い気持ちが伝わる。
きっと初夏は瑞々しい田園風景が広がり、春は桜が素敵なところ。

 

 

菰野町コミュニティバス「草里野」バス停

よく晴れた初夏の日だった。

もうすぐ梅雨になって夏がくる!
そんな気持ちを盛り立ててくれているかのような色合い。

菰野町コミュニティバス「平江」バス停

思わずブレーキを踏んだ。
トトロ!よくわからないけどトトロ!
同乗していた映像クリエイターと盛り上がる。
私はジブリ的な世界観に弱い。

もともとは蔵にあった桶のようだ。

今日もいい天気。

 


 

過去記事
いつかのバス停