ホーム 00春 都の西北、学生の街で三重グルメを満喫する~早稲田編

都の西北、学生の街で三重グルメを満喫する~早稲田編

高田馬場駅から500メートルほど早稲田通りを歩くと、明治通りに面します。ここから先は飲食店も派手な看板もなくなり、古書店が立ち並ぶ、いかにも学生街といった風情へと変わります。

 

■アカデミックな雰囲気の早稲田

早稲田は神保町・本郷と並ぶ東京では有名な古書店街で、ネット調べによるとこの界隈に30店舗もあるそうです。私も講義の合間の時間潰しやレポートのヒントを得るために、日常的に利用していました。古書から伝わる紙の匂い、店ごとに違う品揃えやこだわり、掘り出し物に出会えそうなワクワク感が古書店にはありました。

SNSが普及した今でも、早稲田の学生たちはこれらリアル店舗を利用しているのでしょうか。

*それぞれの「顔」がある古書店


このまま真っ直ぐ進めば目的地方面ですが、あえて左折してグランド坂通りから本キャンを目指すことにします。


坂の途中には厳格な雰囲気の「早稲田大学 中央図書館」があります。

ここは蔵書数も多く、研究や調べものをするにはとても良い場所です。一般開放はされず、大学関係者や教職員の利用が主ですが、協定校の学生や卒業生も身分証等の提示により利用が出来ます。

そのまま進んで右に曲がると、地元の人や学生が利用する庶民的な「大隈通り商店会」、これを抜けると「大隈記念講堂」、通称「大隈講堂」が見えてきます。

*キャンパス内から見るこの景色は、スン!と気持ちが引き締まる

大隈講堂は1927年に竣工した記念講堂で、2007年に重要文化財にも指定されています。

こちらは、キャンパス内に設置されている「大隈重信銅像」。

大学の創立50周年を記念して、1932年に造られました。角帽にガウンを着用した壮年期の出で立ちが大学総長の風格で、大隈講堂と並ぶ早稲田のシンボルです。


早大南門通り、新入生歓迎のサークル立て看板がエネルギッシュに訴えかけてきます。
公認サークルだけで500もあるマンモス大学らしい風景。

私は文学部でしたので戸山キャンパスの利用ばかりで、「本キャン」と呼ばれるここ早稲田キャンパスは通学の通り道に過ぎませんでした。アルバイトにばかり精を出さずサークル活動などをしていれば、本キャンの住人としてもう少し華やかな早稲田ライフが送れたように思います。


■スロープがシンボルの戸山キャンパス

穴八幡宮のある馬場下町の交差点まで来ると、すぐ目の前が戸山キャンパスです。

第一文学部・第二文学部があった戸山キャンパスは、2007年に再編され、現在は文化構想学部と文学部が設置されています。

この緩やかな長いスロープがシンボル。
重いテキストを手に抱え、何度ここを通り抜けたことでしょう。

ゆっくりスロープを上ると、「ここは変わっていないな」と、一瞬時間旅行をした気になるのですが、施設全体をじっくり俯瞰で見ると、やはり時代の流れとともに大きく変化しています。

生協の中にあった学食は「戸山カフェテリア」として38号館に移設。
記念会堂は老朽化により解体され「早稲田アリーナ」として生まれ変わり、各校舎は当時の雰囲気のかけらもない近代的な建物になっています。

*開放感があり、明るい雰囲気の戸山カフェテリア


*この生協の中に学食が入っていました

私が入学した80年代は、早大闘争から15年も経っていましたが、学生運動の火がまだくすぶっていました。学生によるアジテーションやバリケード、ストによる休講もしばしばありました。校内の壁や床には過激な思想のビラが散乱して、薄暗く、スモーキーで古い校舎でした。しかし、そのバンカラさこそが早稲田らしさであり、学生たちは皆、私も含めそのアンダーグラウンドな雰囲気に陶酔していたように思います。

今ではそれが一変。

緑化された早稲田アリーナの屋上「戸山の丘」で、学生たちは芝に座り、寝転び、天を仰ぎ、瞑想に耽り、カフェやランチ、読書や談笑を楽しんでいます。充実した施設の中できらびやかに学生生活を謳歌しています。それもまた新たな「早稲田らしさ」やダイバーシティの象徴となって、今の学生の心と人生に刻まれていくのでしょう。


*植栽により緑化された戸山の丘


*構内を後にしてスロープを下る


■学生たちの台所でもある早稲田

たくさん歩いたため、お腹が空いてきました。
馬場下町交差点「キッチンオトボケ」を横目に、2軒目の三重グルメのお店を目指します。
*知らない人はいない、安くて美味しい定食屋「キッチンオトボケ」


東京メトロ東西線早稲田駅すぐの雑居ビル、その2階に「とりいち 早稲田店」があります。

三重県では有名な「とりいち」ですが、ご存知ない方のためにお伝えしておきますと、松阪市のソウルフード「鶏味噌焼き」を提供しているお店です。新鮮な鶏肉を秘伝の味噌だれに漬け、網焼きにして食べます。三重県内では店舗数が多いですが、東京ではここ早稲田店と江戸川店の2店舗だけです。

コロナ禍に一度来てみましたが、当然閉まっていました。今回は事前に確認し、予約をしました。

そろりと2階へ上がり、店内に入ります。開店して間もないせいか、お客様は私1人だけ。ゆっくり過ごせそうです。
店内は広くはありませんが、アットホームな懐かしい雰囲気が漂います。
*4名席テーブルが全部で6台、落ち着ける空間です

お酒はホッピー、鶏肉は二種盛りや希少部位の「クビ」などを注文。
自分好みの加減で焼くのも楽しそうでいいですよね!
*「ナカ」(焼酎)の入ったグラスに「ソト」(ホッピー)を好みの量入れて飲む

トングでお肉を掴み目の前の網に乗せると、ジュ~ッという音とともに煙がモクモク立ちます。見ているだけでワクワク。
焼きあがったお肉はいろいろな食感を楽しめて、甘辛い味噌のタレもすごく美味しいです。これは無限に行ける…
*めずらしい部位をお好みの焼き加減で

私はホッピーだけで居酒屋風に楽しみましたが、鶏味噌焼きはご飯にもピッタリなので、お腹いっぱい食事したいという方にもオススメです。
いろいろなシチュエーションや楽しみ方が出来る「とりいち」は人気店で、学生や会社員のお客様で普段はにぎわいます。

久方ぶりの早稲田の地で、「とりいち」の鶏味噌焼きを食べられたことに幸せを感じた自分でしたが、たくさんの東京の人にここを訪れてほしいと思っています。

 

*とりいち 早稲田店

所在地
東京都新宿区馬場下町61 FFKビル2階

電話番号
03-6302-1680

営業時間
18:00~23:00 L.O.22:00

営業日・定休日
日曜日

交通
東京メトロ東西線「早稲田駅」地上行きエレベーターからすぐ

 

*今回歩いた場所*

 

 

 

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