ホーム 01【食べに行く】 人生詰んだら、とりあえず「ひさご」へ

人生詰んだら、とりあえず「ひさご」へ

目に見えない何かと戦い疲れた時、友人と「傷を舐め合う会」を不定期開催している。久しぶりだったので、近況報告も含め、今夜の議題は多くなりそう。とりあえず、近くの小料理屋「ひさご」へ。

店主:ノンアル?あっちから好きなの出してきてー。

店に入ると、某グルメ系口コミサイトで「いらっしゃませ」も無し、あまり愛想も良くない、と書かれている店主が、ニコニコしながら冷蔵庫を指さす。

松阪市飯高町にある小料理屋「ひさご」の店主は、常連さんたちから「まーちゃん」と呼ばれ親しまれている。ちなみに発音はまー(↓)ちゃん(↑)、一音目が下がって後半に上がる田舎特有?の抑揚が採用されたニックネームである。今夜もカウンターには3人の常連さん。

店主のまーちゃん

席に着いたらすぐに、綺麗に炊いたかぼちゃなどの煮物、お刺身がテーブルの上に置かれた。

店主:L I NEで送ったバイク、かっこよかったやろ?

店主の手でアメリカン仕様にカスタムされたバイク。そんな写真が数日前に送られてきた。店主はバイク乗りで、お店はライダー達がよく集まる「道の駅飯高駅」のすぐ近くにある。ちなみにツーリング客が集客できそうな日曜日、ひさごは開いていない。だって、俺も乗りたいやん?それが理由らしい。

バイク好きっぽい店内

次に揚げ出し豆腐、それからチーズと長芋の揚げたやつ?次々とテーブルに運ばれる。揚げ物はサクサク、どれもうまい!!

仕事で失敗し、泣きながらこのラーメンを食べた日も。

店主:なんか他に食べたいものある?

友人:だし巻き卵!

店主:よっしゃ、スーパーでこうてきたろ!笑

そうい言いながらも、よく喋る店主は厨房へと消えていった。しつこいようだが、某グルメ系口コミサイトで「いらっしゃませ」も無し、あまり愛想も良くない、と書かれているこの店。

けれど、料理をテーブルへ届けに来てくれるたびに、映画「トップガン」の字幕の楽しみ方だの、新しく赴任してきた駐在さんがどーのこーの、たくさん話をしてくれる。

私たちも今夜は議題が多いので、トム・クルーズの話はそこそこに。といっても傷を舐め合う会なので、問題が解決するわけでもなく。そこで、居合わせた常連さんに人生相談をしてみた。「そーんなこと、私らぐらいの年になれば笑い話になるってー!」

妙に納得のいくその答えと、店主の話を聞いていたら、なんかもう、なんでもいいや!友人も私も、最後にはそんな顔をしていたんじゃないかと思う。

人生詰んだら、とりあえずひさごへ。そしてトップガンを見よう。

ひさご
松阪市飯高町宮前709-4
0598-46-0022

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