ホーム 01【食べに行く】 鯉泳ぐしパンも焼くよ。昭和レトロな珈琲館はせ川のモーニング@桑名

鯉泳ぐしパンも焼くよ。昭和レトロな珈琲館はせ川のモーニング@桑名

シェア

木曽川・揖斐川・長良川・はせ川

ブレンドコーヒーにゆで卵とトースト。

トーストのパンは自家製で、
バターと蜂蜜がたっぷりとかけてある。

蜂蜜orジャムが選べる

珈琲の香りを楽しむ休日のモーニング。

ここはかつて東海道の宿場町として栄え、
木曽三川(木曽川・揖斐川・長良川)の恵みを受ける三重県桑名市。

桑名城跡の本丸及び二之丸跡に造られた、
九華公園近くに建つ、
今年で創業50年の老舗喫茶『珈琲館はせ川』である。

はせ川看板が3段

木曽川、揖斐川、長良川に…ちっちゃなはせ川

そう店主は笑って言った。

 

 街に2軒しかない舟屋さん。

珈琲館はせ川の店主は二代目

そして精海丸という屋号の舟屋の三代目でもある。

落語でも『桑名船』という演目があったが、
江戸時代、東海道五十三次の宮宿(愛知県名古屋市熱田区)からこの桑名宿(三重県桑名市)までは海路。

双方渡船場として賑わい、
旅籠屋数では東海道における1位と2位の規模を誇ったといわれている。

舟文化残る桑名にて、
創業当時の精海丸は、
潮干狩りや釣り客で繁盛していたそう。

焼玉エンジンを導入した船は、
桑名では精海丸が初めてだったと
初代であるおじいさまから聞いたことがあるらしい。

娯楽が少ない時代だったからと店主は振り返る。

時代と共に舟屋は減っていき、
精海丸も今は予約のみで、
出航は遊覧船と釣りの時くらいだそう。

 

 創業時は社員寮も制服もあった。

時代の流れで舟屋の仕事が減るなか、
『食べることは毎日のこと』と、
先代であるおとうさまが珈琲館はせ川を開業。

桑名では36軒目の喫茶店だったそう。

”面倒見の良い人だった”と、
他界された先代や当時を振り返りながら、
店主が写真を見せてくださった。

最初、店舗の形は箱型(写真右)、
改築後に三角屋根がついた(写真左)。

その後も改装を重ね、
今も変わらないのは入口の位置のみ。

店名は苗字から採用。

創業時は社員寮があり、制服もあったそう(写真右下)

わぉ、ミニスカ!!

店主の小学校入学式には、
両親に代わりおばあちゃんが列席するほど
忙しかった喫茶店の日常を、
幼い頃からずっと見てきた店主。

先代の真似をして、
シェイカーを振る様子も写真に残されていた。

幼き店主の嬉しそうな表情から、
その場のあたたかな空気感が伝わってくる。

写真というのはやっぱり良い。

2018年のはせ川もしっかりと記録。

 

昭和レトロな喫茶に鯉と音楽

古き良き昭和の感じさせる珈琲館はせ川。

メニューサンプルも懐かしい感じ

この店、中の構造がちょっと不思議。

店の中央に鯉が泳いでいるがあるのだ。

そして、その池を囲むように配置されたテーブル。

壁や棚に飾られた
個性的な雑貨を眺めるのも楽しい。

何これ!?というグッズも、
所狭しと並べてある。

店の横の倉庫にも、
物が沢山積んであり、
店主の遊び心が垣間見える。

昔ながらのリヤカーが出てきた!これで何か出来んかなー?と店主

また店主がジャズ好きというのもあり、
音楽好きが集まる店でもある。

音楽を楽しめる場所を作りたいと、
毎月第一土曜日18時~21時は、
音楽好きな人が楽器を持ち込み、
フリースタイルの交流会「うたあそび」も開かれている。

多くのステレオが設置されている店内で特等席は、

多分ここ、大きなステレオの前。

座ると音楽に、
後ろからガシっと抱きしめられるような…

なんというか、
あの大ヒットドラマの名シーン、
”俺じゃダメか?”のあすなろ抱きを彷彿させる感じ。

やだ、うっとり。

―—マスター、珈琲に鯉に音楽に、色々楽しいお店ですね。

店主:「そう、こんな時代だからこそ楽しんでやっとらんとね!」

お店の歴史のこと、桑名のこと、鯉のこと、音楽のこと、これからやりたいこと等々、とっても楽しそうにお話してくださる店主。

このお人柄ゆえ、
店主と話す時間を楽しみに通うお客さんも多い。

その隣で奥様から
”火に油注がんといて~”
という声は聞こえなかったことにしよう( *´艸`)

 

行く場所があるということ。

昔ながらの喫茶店というのは、
常連さんにとって大事な居場所。

朝の散歩とモーニングを兼ねるというのもよく聞く。

行く場所、行く理由があるって良いなと思う。

この日ふと目に入ったのは、
窓際の席で煙管を楽しむお客さんだった。

この渋い煙管は、
1600年頃から続くご自宅の蔵から出てきたものだそう。

1600年と言えば、
関ヶ原における決戦を中心に、
全国各地で闘いが繰り広げられていた時代。

煙管を通して、
まるで時代を吸っているような気持ちになるという。

お客さんはお家の15代目で、息子さんが16代目。

「やっと徳川を越えたわけですよ」

煙をふーっと吐きながら仰った。

なんて粋!!

店内を見渡すと、
常連さんたちはれぞれの落ち着く席にて
新聞を読んだり、鯉を眺めたり、
おしゃべりをしたり、ぼーっとしたり。

奥まった席の方には、
ちょっぴり大人な事情がありそうなアベックがいることも。

因みに店主のおすすめは、
池の鯉がよく見えるこちらの席。

楽しみ方が幅広く、
思い思いの時間を過ごせるのがこのはせ川。

珈琲の香りとジャズに包まれる空間。

うん、良い朝だ。

 


珈琲館はせ川
住所:三重県桑名市三之丸32
電話:0594-23-3233

福田ミキ

フクダミキ。OTONAMIE副代表。OTONA MASTER。
仕事は東京の企業の社長秘書兼オフィスワークセンター長。数年前から社会人学生でもある。2014年に夫の都合で東京から三重県桑名市にお引越し。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。この記者が登場する記事
※くわブロにて情報更新中

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で