ホーム 01【食べに行く】 01テイクアウト・お取り寄せ えっ、志ぐれ煮は誰かのヘソだって!?そんなことあってたまるかい!で、現場検証に行ってきたよ。

えっ、志ぐれ煮は誰かのヘソだって!?そんなことあってたまるかい!で、現場検証に行ってきたよ。

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そ、そんなことないよね…そんなホラーなこと…

はまぐりをたまりと生姜で炊いた
志ぐれ蛤(しぐれはまぐり)」。

瑞宝志ぐれ公式サイトより

これ実はだれかのおヘソだったんだよ、内緒だよ

そんなホラーな噂を聞いたある日。

いやいやそんなことないよね。

志ぐれ蛤は、
木曽三川河口の汽水域があり、
美味しいはまぐりが育つ三重県桑名市の特産品。

460年前、同市の赤須賀漁港にて考えられたもので、
東海道が整備されたことにより、
伊勢参拝の旅人の土産や将軍への献上品として、
全国に広まったとされている。

当時は、志ぐれ煮=志ぐれ蛤であったが、
蛤は高価なため、
今はあさりやしじみ等で作られるものが多い。

ほらほら、貝じゃん。ヘソなわけないじゃん。

因みに、『佃煮(つくだに)と何が違うの?』

とよく聞かれるけれど、
佃煮は、江戸の佃島が発祥で醤油や水飴で煮たもの、
志ぐれ煮は、三重県桑名が発祥で、たまり醤油で炊いたもの。

 

ひそひそと囁かれるヘソ説…

まことしやかに囁かれているヘソ説。

なぜそんな話が流れているかというと、
あるんです、記録が。

それが…『生け捕られた雷さま』という民話。

早速、読んでみよう(以下概略)

昔から桑名の町に雷様の嫌っているところがある。そこは赤須賀という漁師町。
⇒うんうん、志ぐれ煮の発祥地ね

ある日 お婆が飯を食べていると、ピカピカゴロゴロと雷様がやってきた。
⇒きたきた~

雷雲に乗った雷さまは大暴れ。ところがあまり暴れまわったひょうしに、お婆の家の井戸の中に落っこちた。
⇒どんだけ~

お婆は布団をかぶって震えていた。
⇒そりゃ恐ろしいよね

すると、庭の方で叫び声がする「助けてくれ」。お婆はおそるおそる布団から出て、耳をそばだてると、井戸の中から声がする。
⇒お婆はやく逃げて~!!

覗きこんでみると、雷様が頭に大きなコブを作って助けをもとめていた。
⇒情けなし(/ω\)

お婆は井戸に蓋をして雷様を閉じ込めてしまった。
⇒え~(゚Д゚;)、お婆っ!

「もう決してここには落ちやせんから助けてくれ」とあんまり必死で頼むので、お婆は「それなら蓋を開けてやるから何か残していけ」と言った。
⇒まさかの交換条件Σ(゚口゚;)//

「今は何も大したものを持っていないが、今朝作ったばかりのヘソの佃煮ならおいていこう」雷様はヘソの佃煮をお婆に渡した。
⇒わわわわっ((((((((゚Д゚;)

お婆がそれをつまんで口に入れると、今まで味わったことのないような美味しさ。
⇒食べるんか~いっΣ(~D~ノ)ノ

「この佃煮はなかなかうまい。作り方を教えてくれ。そうすりゃ、すぐに井戸から出してやる」雷様は仕方なく佃煮の作り方をお婆に教えた。
⇒本当に布団かぶって怖がってた人(゚◇゚;)!!???

それからというものお婆は、この佃煮を作って市場で売るようになり大繁盛した。
⇒お婆、アナタスゴイヨ(゚-゚;)

しかし、お婆にはヘソは手に入るわけありません。仕方なくヘソによく似た蛤の身を佃煮にして売った。
⇒仕方なくって・・・・ヾ(-д-;)オイオイ

これが、有名な桑名の”しぐれ”のはじまりだと言われています。
⇒マジかヽ(゚ロ゚;)

おしまい

ツッコミどころが多すぎてお腹いっぱい。
お婆の素晴らしい豹変っぷりに拍手!!

って、ヘソじゃん!!

 

いざ、現場検証へ

このいわく付きの井戸、
本当にあるからビビる。

場所は話の舞台にもなっている、
三重県桑名市赤須賀町にある赤須賀神明社

境内の一角に…

ありました、
こちらがお婆と雷様の折衝が行われた現場です。

雷さんがたんこぶつくってはまってたというのが、この井戸です。

 

驚愕の事実を知ってしまったから…

志ぐれ煮のはじまりを説いた民話に驚愕し、
いてもたってもいられずに、
訪れたのは『瑞宝志ぐれ』工房。

井戸のある赤須賀神明社に、
馬の銅像を寄贈された企業でもある。

対応してくださったのは、社長の水谷茂さん。

まずは雷様の民話について聞いてみると、
「面白いですよね!」と笑顔。

漁師町は女性がしっかりしているから、
主人公のお婆さんを通して、
そういう像も表しているのかもしれませんねとのこと。

なるほどー。

 

へそ?へそなの??

瑞宝志ぐれの初代は元々赤須賀の漁師で、
43年前に志ぐれ屋さんに転身された。

瑞宝という屋号も、
漁師時代の船であった瑞宝丸からつけ、
永遠に栄えて広がるという意味だそう。

当時、志ぐれ煮は、
辛い(濃い)や食べ方がわからないなどの理由から
都市部での受けはあまりよろしくなかった。

更に値段が高いのもあり初代は、
毎日気軽に、美味しく食べてもらいたい!
という想いを抱いていたという。

そして創業時、志ぐれ煮の肝となるたまりを、
たまり屋と共に開発を行い、
そのたまり屋が事業を辞めることになった15年前には
調合ノウハウを引継ぎ、現在は完全自社製造。

因みに、
醤油とたまりの違いは、
原材料の配合比と熟成期間。

どちらも大豆・小麦・塩を使うが、
たまりは大豆の割合が多く熟成期間が長いのだそう。

志ぐれ煮の主力商品はあさりで、
4~5月の産卵期前の
ぷっくりとしたあさりを使うとのこと。

よかった、おヘソじゃなかったYO…。

なんだったんだろう、あの全くメリットのないお話。

 

志ぐれ煮を炊いてる様子を見せてもらった。

工房へお邪魔すると、
ふぁーーっといいにおいの湯気に包まれた。

瑞宝志ぐれさんでは毎日、
昔ながらの直火の浮き炊きで、
約1時間半かけじっくりと炊き上げる。

1度に出来る量は少ない製法であるが、
たまりのなかを貝が回転するため、
煮くずれせず均等にふっくら柔らかく仕上がるのだそう。

三温糖を使っているので優しい甘さの志ぐれたまり

炊きあがった後は
異物(貝殻や小蟹など)がないか、
人の目で確認。

袋詰めし、1晩熟成させ、
味を落ち着かせるという工程。

昔ながらの伝統的な味付けの「昔味」と、
若い人や女性陣の要望を叶えた「甘口」があるのがまた面白い。

保存食のイメージがあったのだけど、
たまりは発酵食品のため、
真空になっていても味や香りは変化していく。

だからこそ瑞宝志ぐれさんでは賞味期限は短めに設定し
毎日炊き上げているのだそう。

水谷社長のおすすめの食べ方は、
ご飯に志ぐれ煮と海苔を乗せ、
番茶を注ぐ志ぐれ茶漬け

『桑名の殿様、時雨(しぐれ)で茶々漬』
と民謡で歌われるほど愛されている食べ方。

そしてこれは私のお気に入りであるが、
瑞宝志ぐれさんのしぐれ肉巻きおにぎりはおすすめ。

たまりで炊いたご飯が巻かれている。たまりから自社製造なので新商品開発が活発。

 

今日も食卓に並ぶしぐれ煮

桑名には数百年続く老舗の志ぐれ屋がたくさんある。

お客さんそれぞれに、
昔からのごひいき店があり、好みはさまざま。

各企業、切磋琢磨しており、
志ぐれ煮の味は昔よりもとても美味しくなっていると聞いたことがある。

まだ新参となる創業43年の瑞宝志ぐれ 水谷社長は仰る。

老舗・同業があるからこそ業界は栄える。業界全体が盛り上がることを考えていきたい

歴史深い名産品の未来と、
お婆の逞しさと強さを感じながら、
今日も食卓に並んだ志ぐれ煮を噛みしめる。

うん、ヘソじゃなーい。

 


瑞宝志ぐれ
【本  社】  三重県桑名市福岡町384-1
【赤須賀本店】 三重県桑名市赤須賀港町526-1
【外 堀 店】   三重県桑名市外堀145
【ずいほう志ぐれ茶屋】 三重県桑名市桑栄町2番地桑栄メイト2階

福田ミキ

フクダミキ。OTONAMIE副代表。OTONA MASTER。
仕事は東京の企業の社長秘書兼オフィスワークセンター長。数年前から社会人学生でもある。2014年に夫の都合で東京から三重県桑名市にお引越し。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。この記者が登場する記事
※くわブロにて情報更新中

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