ホーム 01【食べに行く】 国宝の寺で「蓮」会席、贅沢とはまた違う時間【高田本山専修寺・夢告】

国宝の寺で「蓮」会席、贅沢とはまた違う時間【高田本山専修寺・夢告】

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皆さんこんにちは、歴女まっしぐら、かつ食レポ出身のライタ・TOSHIです!以前、取材させていただいたお寺が国宝になって、びっくりしました。

三重県津市の高田本山専修寺は、「御影堂」と「如来堂」の2棟が国宝に指定されました。三重県内で、建築物での国宝は、こちらが初めて!!すごいですね――。

そんな高田本山専修寺が、特別拝観、なんと、一般には公開されていない建物の中で、「蓮」会席料理で参拝者をもてなして下さるというのが「夢告」です。

「夢告」をTOSHIがルポします!よろしくお願いいたします。

国宝の寺で会席。「夢告」とは?ちょっと緊張の前夜

ちなみに「夢告(むこく)」とは、親鸞が悩んだ末、六角堂(京都)に籠もられた折、観音様からいただいた夢のお告げです。

このお告げにより親鸞は迷いを捨て、「お浄土の教え」に出会うことができたといわれています。

蓮は高田本山専修寺のテーマだとか。蓮のオーナーも募集しているそうです。

それにしても国宝の寺で会席なんて、ちょっと緊張しちゃいますね。会席料理は時々、いただきますが、こういう機会は初めてです。

当日。遠くから見る専修寺、近くの町並みもおすすめ

それにしても、また専修寺に行けるんですね――。うれしいです

私はいつも、津駅の方から車で行くんですが、ちょっと遠くから見える専修寺もおすすめ。広々とした緑豊かな、ゆったりしたところに、突然、距離感が狂うぐらい、大きな屋根のお堂があるのを見るのが好きです。

今回、専修寺で国宝に指定されたうちの1つ、御影堂は、全国の現存木造建築の中でも5番目の大きさだってご存じでしたか。

近くの町並みも、すらっと通ってとてもきれいです。

国宝の寺で会席。いきなり・・・!

さあ、ここは専修寺の「御対面所(おたいめんしょ)」です。こちらは国指定重要文化財なんですよ。大正元年まで、法主が門信徒に対面する場所だったため、こう呼ばれています。

ほどよく年月に磨かれた、金を基調にした空間に、丹頂鶴がたたずんでいます。

まあ、美しい献立書・・・。

白地に蓮のもようと「Senjuji」の文字が浮き出た紙に、鴇色(ときいろ。鴇の尾羽とつばさの色)で書かれた「夢告」の文字巻紙は藤色に染め上げられています。

横に見えるのは格調のある屏風に琴・・・。素敵なことが起こりそうな予感がします。

妙なる音楽が流れ、香のかおりが漂います。季節は秋でした。

緑を見ながら涼しいそよ風に吹かれているのは、率直にいうと、まず最初は、本物のお姫様になれたような気分でした。照れますが。

本物、本当に素晴らしいものにだけ囲まれた、この上なく豊かなひととき。いや、それだけじゃない。なんだろう?この時はまだ分かりませんでした。

とにかく、こういう所ではまだ若い私。もっと入りにくい感じかと思ったんですが、そんなことはありませんでした。さすが三重。

資料の写真を撮っていたら、優しそうなご夫婦に話しかけられました。記事を書く予定だとお話すると、

「まあ、じゃあ、あなたこれからルンルンね」

と笑顔で言われ、思わずほっこり。

三重県人って優しいと思います「これがあたりまえ」だと思っていると、そうではないことに時々気がつかされます。

高田本山専修寺「夢告」、「蓮」会席のお味は!?

食前酒が運ばれてきましたよーー。「自家製果実酒」です。グラスがまた素敵繊細で品がある感じ。

この段階で、もう帰りたくないと思った私です。

前菜です。「蓮根胡麻和え、蓮根のし焼、博多蓮根、射込み蓮根、サーモン昆布〆蓮巻、蓮根もろ味噌和え」。

あっ、おいしい!おいしいですよ!!

蓮根胡麻和え・・・私、胡麻和え(ごまあえ)で、こんなにうっとりさせられたのって初めてかもしれません。

恍惚もののクリーミーな和え衣に、しゃっきりした食感の蓮根がベストマッチ。今、思いだしてもまた食べたい一品です。

ほかも皆おいしい。私、昆布〆(こぶじめ)大好きなんですよね。博多蓮根も久しぶりに食べました。

吸物は「蓮根すり流し、蓮根餅」。こんなに美しいのに、ほっとする味。

焼物です。「鰆蓮味噌焼、蓮根たまり煮」。「鰆(さわら)蓮味噌焼」とは・・・これも凄くおいしいです。蓮根たまり煮は、しんまでムラなく真っ黒!

煮物の「蓮根飛龍頭、生姜、法蓮草、粟麩」。器も美しいです。

揚物は「蓮根替り揚」。留の「炊き込みご飯、留椀、香の物」。水菓子は「季節の果物」でした。

ごまかしが利かない、といわれる日本料理。素材を大切にした上品な味つけで「蓮」をメインにするという制約があるにもかかわらず、この高いクオリティの味とバリエーション、至福のひと時でした。

食後には、合掌して、食後のことばを言いました。

「われ今 このうるわしき食を終わりて 心ゆたかに ちから身に満つ ごちそうさま」

本山は廊下も広い、天井が高い!

そして、今回国宝に指定された「御影堂(みえいどう)」、「如来堂」へ。一般公開されていない場所にも入れました。

とにかく、廊下が広い、天井も高い!

あったかい時期でここにお布団ひいたら、いくらでも人が住めちゃうなっていうくらい、なんか笑っちゃうくらい廊下が広くてずっと続くんですよ。この廊下だけでも見る価値ありです。

とてもこの世とは思えない御影堂

「御影堂」は宗祖親鸞の木像を安置、歴代上人の御影を敬置しているお堂です。畳が739枚(!)敷かれたこのお堂は極彩色と金の華麗な装飾がきわだつとてもこの世にあるとは思えないくらい本当に美しい、ありがたいところです。専修寺のお坊様からお話を聞きながら、中陣から、内陣の拝観もできました。

実は、この取材に私の母が同行していたのですけれど、母もこの世界に魅了されたようで、お浄土を表現しているというところを見ている時、「お母さん、お浄土からは戻ってこなあかんよ」と、考えればまずいことを言ってしまいました。

「贅沢」とはまた違う、ひたすらに心ゆたかな時間

御対面所に戻りました。法話、箏曲、呈茶の時間です。

仏法に関するお話を、初心者でも分かりやすいようにお話して下さり、とても心が安らぎました。そして琴の演奏、お抹茶、「蓮の風」という名前のお菓子をいただきました。

琴の音色が、専修寺の鐘の音とあわさって聞こえた時、今日はなんて豊かな一日なんだろうと、涙が出そうでした。

この日に「贅沢」という言葉はふさわしくない気がします。贅沢をした日は、人間はもっと、おごった気分になるものです。

私が専修寺の「夢告」で今、いただいているのは、現実をのりきるヒントが与えられる、ひたすらに心ゆたかな時間でした。

そして「賜春館(ししゅんかん)」へ。貴賓接待のための書院で、ここが完成したころ、明治天皇行幸の「行在所(あんざいしょ)」とされることが通知され、それを祝って賜春館と命名されました。明治天皇の行幸は明治13年(1880)年に実現されました。重要文化財です。

安楽庵を見た後、山門に登らせていただくことができました。

皆さん、そして母の感動と興奮は最高潮に・・・。ここでも普段見られないところを見せていただいたのですが、真っ先に行った母の後ろ姿を忘れません。

山門の上から専修寺の境内を見て、「まるでお城だね!」と大興奮の母。非常に立派だという意味だったのでしょう。

「どこ行くよりよかったわあーー」

と言ってくれました。実は地中海クルーズも最近一緒に行ったんですけれどね。

でも本当に、こんなにありがたい、豊かな一日。母も喜んでくれてよかったです。

真宗高田派 本山 専修寺「夢告」
http://www.senjuji.or.jp/thismonth/2017/kaisekiryouri_mukoku.php

真宗高田派 本山 専修寺 「高田山・蓮の会」
http://www.senjuji.or.jp/scenery/lotus/owner/index.php

TOSHI

「それでも東海は世界一」と愛してやまない、ほぼ食レポ出身のライター。三重県出身だが、最近三重のよさに目ざめた。某調理師専門学校の通信生。旅と食、人間の美がライフワークです。別名は竹井夙(たけいとし・「夙」の字は「しゅく」で変換可)。https://ameblo.jp/6104163/ 得意ジャンル:食レポ、旅行関係、人間の美の追求

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