「近所のタナカさん(仮名)が梅いっぱいくれたでなー。
あんたも梅干しつけるやろ!はよ取りにおいなー。」
この1文だけで「わかる!」と共感してもらえる人はどのくらいいるだろう。
春だと「梅」の部分が「たけのこ」になったり、「キャベツ」になったり、これからの季節だと「きゅうり」だの、「トマト」だの。
「近所のタナカさん」は時として「職場のサトウさん」になったり、「親戚のオオタさん」になる。(全部仮名。読みながら当てはまる名前に変換してください。笑)
だいたいどの方もおおよそ1回では食べきれぬ程の、旬の野菜や果物をくれるのだ。
そして母はありがたい(たまに迷惑な)ことに、そのたびに私の分ももらっておいてくれる。
まあ、私も頂きものを消費する時に1番頼りにするのは母なのだが。
というわけで、まだ梅雨空の6月はじめ、
冒頭の母の一言によりたくさんの梅が我が家に届き、梅干しつくりがはじまりました。
まず梅を洗って、ヘタの部分をつまようじでぽちぽち取ります。
わが家はこれをする時、水分も一緒に取れるように机の上にタオルを引いて梅をそこにずらーっと並べます。
小さい頃から、手を動かしながら母とあれこれ喋りながら作業した記憶が。
その時に、桃のような甘い香りに包まれていつも味見しそうになる。
強烈に酸っぱいことは十分わかっているのに。
甘い香りに包まれて、そんな事を思いだしながら、梅と塩の分量を計測しジップロックにつめていきます。
この時少量の砂糖も入れる。
そうすることで、ふっくらとしまろやかなコクも出ておいしくなるそう。
そうそう、ジップロック?!と思う方もいるかもしれません。梅干しといいえばおおきな瓶にたっぷりとつくる・・・イメージですが、場所もとるし私はこのジップロックで漬ける方法がお気に入り。
1~2日経つと、梅から水分がでて梅酢があがってきはじめ、1週間ほどでひたひたに浸かるくらいの梅酢が。そうすると次のステップ、赤じそ漬けのタイミングです。
赤じそを買いに行かなきゃな~と思いながら、実家に立ち寄ると、やはりありました。
さすがです、お母さん。
赤じそは塩でよく揉みアクをとるのですが、ちょっと余分かな?と思うくらい揉むといいよ!と聞いたので、揉み揉み。もみもみ。
そうすると、鮮やかな色がでて梅干しにもきれいに色がつくみたい。
塩もみした赤じそをジップロックの中に投入。
1週間ほどでいい頃合いの色になってきます。
そして梅雨が明けたくらいに「土用干し」。
梅干しをザルなどにのせ、風通しの良いところで天日干しにします。
水分が少し抜けてくると小さくなり、表面がしわしわになった頃が干し上がりの目安だそう。
この季節【#梅しごと】がSNSにたくさん上がってくるけど、3割くらいの人はこんな感じで頂き物だったりするんじゃなかろうか。。
なんて思って少し調べて見ると、三重県は意外にも梅の産地でした!
梅といえば和歌山県なイメージですが、熊野市や御浜町、紀宝町を中心とるす紀南地域は梅の栽培が盛んで、2021年は10aあたりの梅の収穫量は全国2位だったそう。(全体的な収穫量では、和歌山県、群馬県についで3番目みたいです。)
頂きものが多いのも、頷ける。
三重の温暖な気候が、柑橘系の果物と同じように梅にも好まれているのかもしれませんね。
梅干し以外にも、梅酒や梅シロップなど、手間と時間がかかるけれど出来上がりが楽しみな#梅しごと。
今年も無事完了です。
伊勢のストリートミュージシャンogurockの嫁。という事で肖像権はほぼないようなもの。見知らぬ方からの声かけにも慣れました。家業かつお節屋『小久保商店』の嫁としても活動中。お出汁をもっとたくさん広げたい! 5月から、松阪市にて『カブクノニカイ』はじめます。得意ジャンル:グルメ、伊勢市、料理、コーヒー