旅行などで海外に行ったとき、その地のスーパーに立ち寄るのが楽しみだったりします。その土地の生活を感じられる品揃え、見たことのないフルーツに驚いたり、日本製インスタントラーメンのパッケージデザインの微妙な違いなど、何かと発見があります。
私が暮らす三重県にも様々なスーパーがあり、ローカルに行けば行くほど、どこか懐かしい雰囲気を醸すローカルスーパー。今回は、三重県度会郡南伊勢町(旧南島町)にあるローカルスーパーをご紹介。
津市を出発して高速道路で尾鷲方面に向かい、牛乳で有名な大内山ICを下り、海沿いの道を志摩方面に走ります。
危ない!クルマがああー!というトリッキーな店構えの鈑金屋カトウボデー。
店主に理由を聞いたところ「車の修理をする鈑金屋であることを、分かりやすく伝えるために考えたらこうなった」とのこと。なんともパンチが効いた表現なのです。
ここは南伊勢町村山という地区です。
ちなみに私の名字も村山なのですが、そんなどうでもいいことは置いといて、村山の言われが書いてあるので読んでみました。
とのこと。村山村・・。
「上から読んでも山本山。下から読んでも山本山」でお馴染み「山本山」系です。さて、この看板から少し行ったところに、ローカルスーパー、サンバードコトブキがあります。
またまたどうでもいい話なのですが、私の家業は印刷屋で屋号は「寿印刷工業」といいます。村山にあるコトブキ・・。ワタクシ的には、偶然出会った人が同じ誕生日だったくらいに、勝手に親近感です。
では、三重県で一番の漁獲量を誇る南伊勢町のローカルスーパーを探訪!
入り口には南島産の炭が売っています。黒潮に沿った温暖な地域である九州、四国、和歌山、そして三重のリアス海岸沿いには原料となる木が自生するため炭の文化があり、数年前に南伊勢を舞台に映画にもなりました。
多肉植物も販売中。
店内に入ると野菜コーナーには地元のものも多く陳列。その先の鮮魚売場へ。さすが港町だけあり、販売面積がほぼ一匹丸ごとの魚。
しかも地元産でめちゃくちゃ安い。
お店の人に聞いたところ、店の近隣にある方座浦、奈屋浦、贄浦などの港に直接入札に行っていて鮮度も良いとのこと。
ソマと書かれた魚はソウダカツオ。この地域ではソマカツオを呼ばれています。安い!
赤ヤガラも売っていました。津市民的には阿漕平治のお話に出てくる魚です。安い!
タチウオも一匹丸ごと販売。ちなみに高級魚ですが、やっぱり安い!
イガミ。始めて見ました。調べたところイガミ=ブダイで、和歌山南紀ではは祝魚としてお祭りやお正月に欠かせない食材とのこと。英名はパロットフィッシュ(かっこいい)。
きつねがつお(腹)。以前、漁を取材したときにいただきました。カツオですが身はキレイなピンク色で脂乗りが良く、味はマグロの中トロとカツオの間のような美味しさでした。(腹)と部位まで表示してあるところに港町の食文化を感じます。そして安い!
惣菜コーナーも充実していました。
お惣菜やお弁当は、ここのキッチンで手作り。美味しそうな香りが店内に広がります。
伊勢志摩の郷土料理てこね。美味しそうです!
そして印刷屋的に気になるのがチラシ。
レトロな金赤1色刷りのチラシや、手書きの感じ(右上のサンマのイラスト最高!)がいいです!
最後にお店の人にお話を聞いたところ、サンバードコトブキは先代のおばあちゃんが畳一畳から始めたお店。お弁当の仕出しなど、高齢化が進む地域の需要にも応えているとのことでした。
旅行や仕事で伊勢志摩を訪れたら、少し足を伸ばしてローカルスーパー探訪を楽しみませんか。
サンバードコトブキ(吉津店)
度会郡南伊勢町村山1119-2
0596-76-1309
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事