パンダが18。
地元の人からちょこちょこと聞く「パンダが18」という店が気になっていた。
パンダが18は、鳥羽市にある1978年開業の「鳥羽ショッピングプラザ ハロー」の中に入っているカレー屋さん。
店頭にある食品サンプルのショーケースを覗いてみた。
充実のスパ系。
一方カレー系は、想像力が試されるディスプレイ。
カラフルな扉にぐいぐいと引き込まれます。
ビンテージなカウンターチェアに腰をおろす。なんだか落ち着く。
メニューは至ってシンプル…と見せかけて、ちょっぴり難しい。
エビフライが入っているのはメキシカンカレーで、ハンバーグが入るとダブルカレー。カツカレーはカツカレー。
そしてビーフカレーの少し辛いのがパンダカレーで、次いでパンダメキシカンとパンダダブル、パンダカツというパンダ展開もあるから要チェック!
ちょっぴり難しい注文を終え、ホッと一息。
気になる元カガミ。
そうこうしていると、友人のカツスパが、佳境を迎えようとしていた。
ライブ感満載で出てきたカツスパ!
私はパンダメキシカン。このボリューム伝わるかな。
しっかり煮込まれていて、野菜もお肉も溶けこんだ濃厚なルー。
パンダなのでほんのり辛めね。そしてエビフライにメキシカンの要素が詰まっている(気がする)。
懐かしいというか、ひと口目から馴染むお味だ。
創業42年のパンダが18。気になる店名の由来を店主にお伺いすると、「特に意味はない」というご回答。
元々この店をスタートさせたのは別のオーナーさんで、その半年後に現店主が引き継ぎ、名前を変えずに「パンダが18」をコンティニューしたのだそう。
(そもそもパンダは可愛いというのと、前オーナー夫婦の名前に因んだ由来らしい)
昔からお客さんは野球部など部活帰りの高校生が多いゆえ、ご飯の量もたっぷりサービス。今でも数十年ぶりのOBたちが食べに来て、想い出話をすることもあるのだそう。
この日もちょうど、高校1年生の頃から約40年間通っている常連さんがいらしていた。当時、部活帰りや土曜日の午後に来ることが多かったそう。
――パンダが18での思い出はありますか?
常連さん:当時ここは何故か少年ジャンプが二日早く読めたんですよ。だから回し読みの取り合いでしたね。だって本来は月曜日発売なのに、不思議と土曜日にあったんですよ?おかげで僕はドラゴンボールのギニュー特戦隊の動向を先取りできましたね。
――懐かしい!ギニュー特戦隊のあのポーズよく真似したものです!
カウンターで弾む会話。店主は耳を傾け微笑みながらも、手は休めずにスピーディーに動く。
きっとこんな感じで40年前も、高校生たちが集い、出会い、アオハルしていたんだろうな。
photo / y_imura
取材日/2020.6.24
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事