「実はオフシーズンのキャンプ場借りちゃって…」
明和町にできた明和観光商社(以下、明和DMO)との打ち合わせ中、不意に出たポロリ。
しかも堂々と言い切る「借りているのは4月上旬まで。使い方はノープラン」
なんていうか、そういうところ…
明和DMOのチャームポイントだからね!!
って声を大にして言いたい。
そのキャンプ場とは、目の前に美しいビーチが広がる大淀ふれあいキャンプ場。
希望とあらば明和DMOをハブとして、メイドインメイワ食材も入手可。その地ならではを存分に愉しめるバーベキューもできちゃうらしい。
ノープランだけあって、遊びやフェスなどの”こんなことできる?”からおもしろがって一緒に考えてくれるのが特徴だ。
シーズンがオンになる前に、やってみよう冬キャンプ。
大丈夫。エアコン完備のバンガローがあるから最悪凍えない。
ゆるふわっと集合。メイドインメイワとは…
12月某日 正午。
今回のキャンプの中心となる三重大生が集合。
明和町に対するイメージは、みな見事にゼロ。
そこでまずは食材を通して風土に触れるべく、はじめに昔ながらの製法にこだわった酒造りを続けている創業明治8年の旭酒造へ。利き酒付きの酒蔵見学を通して、豊かな水と温暖な気候に恵まれていることが見えてきた。
続いてはコックから農家に転身され、メロンやバジルなど様々な野菜を育てるiBroomにお邪魔して、きゅうり狩りを体験。肥沃な土壌で育まれた農作物と新規就農者を受け入れる町の人たちの温かさを知った。
最後は、本格的な牡蠣養殖業の準備を進めている若手漁師を訪ねた。明和町の海は、養分を多く含む河川と黒潮が混じる海水環境のおかげで栄養価が高く、旨味ある牡蠣を育むのだそう。
地域の風土を活かした食。何より生産者の個性と遊び心満載で取り組む姿に胸がときめいた。
15:30
刺激を受けた学生たち。
自らも釣竿を持ち、キャンプ場前に広がる海へと繰り出す。
毎年ウミガメが産卵に訪れる穏やかな海岸。春は潮干狩り、夏は海水浴客で賑わう。
結局1匹たりとも釣れやしなかったけれど、手配いただいたメイドインメイワな食材がこちら。
●胡瓜/胡瓜の佃煮/ロメインレタス(iBroom)
●純米酒/純米大吟醸 神都の祈り/芋/仕込水(旭酒蔵)
●芋/かぶ/黒大根(六月農園)
●いちご(東農園)
●青柳姫貝(下井水産)
●伊勢ひじき(辻丈蔵商店)
●牡蠣(山中謙志郎)
●明和産海苔
●コシヒカリ御糸米
さぁ、どう調理しよう。
ある意味、超絶贅沢なキャンプ飯
16:30
早くも暮れてゆく空(さすが冬!)
冬キャンプに必要不可欠かつ醍醐味とも言える焚き火を熾す。寒さにしみる火のありがたみ。
心なしが団結力も増した気がする(さすが冬!!)
焚火というのは、非日常的ながらも安らぎを感じられるから不思議。
個人的には、虫の存在に怯えなくていいのがものすごくストレスフリーだ(さすが冬!!!)
17:00
調理を始めようとしたタイミングで、明和町の倒木を活用して燻製をしている地元の達人や、日中見学に伺った先の生産者さんたちが集まってきた。
「黒大根??珍しいね。フライパンでソテーしてみようか」
「みんなー!ピッツァリアがオープンしたよー!」
「どう?煮えてる??」
「キャンプで鍋が嬉しいのは冬ならではだね」
「苺と日本酒のマリアージュやばい!」
「大根のソテー、味噌つけてみようよ」
「海苔炙るとすごく良い香りする!」
「うわっ、飯盒の米粒立ってる!」
「胡瓜の佃煮、絶対合うわ」
「芋はやっぱり焼き芋が一番!」
学生:「胡瓜のピザってどうですかね」
生産者:「それは考えたことなかった!ズッキーニ風で意外とイケるやん」
学生:「ひじきご飯にしてみました」
生産者:「ひじきの製造加工で明和町は全国7割を占めていたこともあるんだよ」
生産者:「明和は牡蠣養殖をするのに理想的な地形なんだよ」
学生:「そういうお話聞きながら食べると一層美味しいです!」
学生:「牡蠣の旨みたっぷりのご飯ってありですか?」
生産者:「いいじゃん、やろう!」
食をいただく消費者側と、作り手である生産者側との双方向の交流。そして地域内外の多様な人との触れ合い。
「地域の食材から選んで献立を考えるのって楽しいですね」
「食材を作っている人に、美味しいって顔を見てすぐに伝えられるのが嬉しい!」
「旨みを活かした食べ方を知るプロに聞きながら調理するの勉強になります」
ススだらけの表情からもみえる高揚感。
冬の星空と焚火と酒と…
22:00
暖を求め火を囲む。火を囲むと語りたくなるのは何故だろう。
波と薪の燃える音をBGMに、ゆったりと更けていく夜。
ふと見上げた空は、まるでプラネタリウムのように丸かった。
山がない平らな土地は夜の景色もひと味違う。そういえば、明和に暮らす人たちはよく”空が広い”と言う。
「星空の貸し切りみたい」
両手を広げてそう呟く人もいた(なんてロマンチック)
「自分が居ぬ間になんか楽しいこと起こりそう」
とトイレを我慢する人もいた(それはすぐ行こう)
煌めく満天の星空も、空気が澄んだ冬ならではのアクティビティ。
五感に染み渡る朝の冷気
7:00
朝明けの空に導かれ海岸へ出る。
ちょうど自分と太陽を結ぶように、光の道が延びた。
眠そうな顔をしながら次々にバンガローから出てくる学生たち。澄み切った空気の中、旭酒蔵で分けていただいた酒の仕込水でコーヒーを淹れる。
冬の朝は静かだ。
ツンとした冷気を感じながら、湯気立ち上る熱いコーヒーをすする。
五感に染み渡る幸福感。
家に籠りがちの冬。そこを敢えてアウトオブドアしてみると、寒い季節からこそ味わえるロマンと心に刻まれる感動があった。
次はここでなにしようか。
今日も明和町の空は丸くて広い。
photo / y_imura
【タイアップ】
10月末から4月上旬迄の期間で大淀ふれあいキャンプ場を利用希望の方は明和DMOまでお問い合わせください(食材手配や寝袋レンタル、イベントやフェス開催など、趣向を凝らした企画からのご相談受付中)
また明和DMOは新たな繋がりを歓迎しています。
ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。
一般社団法人 明和町観光商社(DMO)
三重県多気郡明和町大堀川新田9番地
tel 0596-67-6850
hp https://dmo.hana-meiwa.jp
fb https://www.facebook.com/一般社団法人明和観光商社-875539542792788/
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事