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【大台町へのIターン夫婦】森の奥深くで木工作家になった理由とは?

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みなさん、こんにちは!キャスターマミです!

三重県大台町にあるホテル奥伊勢フォレストピアや道の駅奥伊勢おおだい隣にある観光案内所奥伊勢テラスなどで販売されている木工雑貨、スプーンやアクセサリーを見かけたことがあるでしょうか。

温もりのある手作りの木工作品。アクセサリーは可愛くてお洒落なデザインに惹かれた女性も多くいらっしゃるでしょう。

 

どんな作家さんが作っているのか?

今回は、大台町で製造し、複数の販売先を持ち、イベント出店での販売もされている「zakka sukui」に焦点を当てていきます。

 

zakka sukuiの正体は、三重県四日市市を生活拠点とされていたIターンの移住者である若いご夫婦、渋谷昌俊さんと理紗さんです。まずはここ大台町で暮らはじめた最初のストーリーから伺っていきましょう。

 

憧れの田舎暮らし、移住地の選定

田舎暮らしへの憧れを抱いていたお二人。雑貨屋さん巡りが二人の趣味でした。

昌俊さんからの提案で、移住を前提に各地に行く旅が始まりました。夫婦でどちらかがその地を気に入っても、どちらかはピンと来ないということを繰り返し、移住地の選定には長い時間がかかりました。

ある日、ネットで空き家バンクを調べていて、大台町の空き家バンクが目に止まりました。

旅行がてら、伊良湖岬からフェリーで船に乗り、鳥羽市に入って大台町へ。大台町にあるホテル奥伊勢フォレストピアに宿泊されます。

今までに見たことのない川の透明度と山並みの美しさに「この町に住みたい」と二人の意見が一致しました。

 

「仕事と住居」を探すため四日市から大台町に往復する日々

移住先を大台町と決めたことが始まりで、次は仕事と住居探し。

2016年当時、地域おこし協力隊として大台町の魅力を発信していた私キャスターマミのもとに、四日市在住のFacebook友達から連絡が入りました。

「大台町に移住したいという夫婦がいるので、今度現地に行った時に話をしてあげてほしい。」

渋谷夫婦が大台町役場に来てくれた日は、たまたま町内の求人説明会の開催日でもありました。この日だけでも、導かれるような偶然が重なりました。

地域のカフェに行けば情報収集できると思い、地域の人に積極的に声をかけてみたことも。

理紗さん「四日市で務めていた職場を離れる予定はなく、定年退職後に田舎暮らしもいいよね、という感覚でした。こんなに早く移住を決めることになるとは。あれよあれよと進んでいきました。」

昌俊さんは当時募集があった地域おこし協力隊に応募することに。提出する作文の中で何となくの思い付きで「木を使ったワークショップを開催したい」と記載したことが、二人の今後の運命へのきっかけとなりました。

昌俊さんは2017年4月より地域おこし協力隊として大杉谷登山センターで勤務をされています。

 

木工への挑戦

以前は趣味でシルバーアクセサリーを作っていた昌俊さん。シルバーはたくさん作っても生活に取り入れ活用するものでもないし、あの時の作文に木工の事を書いたなと思い出し、何本あっても困らない「木のスプーン」を作ってみようと挑戦しました。

木工作家として有名なウッドクラフト廣田さんに工房で相談に乗ってもらい、その時に木を少し分けてもらったそうです。

試作品を作り、新たな材料の調達が必要になりました。二人が移住を決めて家や仕事を探しているときに、昌俊さんは宮川森選組の森つなぎプロジェクトに参加していました。そのイベントの参加者を通して知った武田製材さんを思い出し、連絡を取ってみたそうです。

武田製材さんが取り扱う多種多様な木から、カトラリー向けの木を聞いて購入して持ち帰り、あとはひたすら作って自分の手で確かめ、使う木を選定していきました。

 

zakka sukuiの誕生

2017年に奥伊勢フォレストピアで開催された「どんとこい大台まつり」で昌俊さんの職場である大杉谷登山センターが出店します。そのブースの一部に手作りの木製カトラリーが並びました。

販売目的で作り始めたわけではないけれど、祭りのお客様に実際に手に取ってもらったり、いいねと声をかけてもらったりしたことが励みになり、お客様に喜んでもらえるならと、この日決意を新たにスタートラインに立ちました。

一方、スプーンの製作にあたって、どうしても出る端材を処分しようとしていた時、理紗さんはこれも何か活用できたらと思いました。その頃ちょうどアクセサリーがほしくて、木のアクセサリーを探しても実際自分が身に着けたいと思う配色やデザインは売っていなくて、自分で作ることにしました。

昌俊さんがシルバーアクセサリーを作っていた頃の道具があり、理紗さんは隣でその作る様子を見ていたから、ある程度の作業工程が分かります。アクセサリー作りの環境が整っていたから、すぐに始めることができました。

自分用に作った木のアクセサリーを友達に見せると、「これは売れるよ」と言ってもらえたそうです。来年開催のどんとこい大台まつりでは、アクセサリーも出してみようと目標立ててスタートしました。

 

見せ方・世界観と情報発信

昌俊さんがカトラリーでイベント出店する際、理紗さんにも付いてきてもらっていたそうです。理紗さんは、並んだ商品を見て思いました。「もっとこうすれば、より多くの人の目に止まるのに・・・」そこから、ディスプレイを工夫するようになりました。

sukuiのロゴマークは亀と鳥。亀はカトラリー担当の昌俊さん、鳥はアクセサリーや小物担当の理紗さんです。

二人が暮らす地は、大台町の中でも旧宮川村、清流宮川の最上流部、大杉谷地区。「大台町の森のずっとずっと奥深く」と表現しています。

実際の二人が作業されている場所の風景です。山々に囲まれ、空気は澄み渡り、ここにいるだけで癒されます。

「この町に来て知った木の色の豊かさや木目の面白さを伝えたくて、全て無着色で一つ一つ手作業で作っています。」

sukuiの世界観は、是非HPやSNSでゆっくりとご覧ください。日常というストーリーの中に、鳥と亀の関係性まで見え隠れしています。

何気ない日々、平和な暮らしこそが「幸せ」と伝わってきます。

[Instagram]zakka_sukui [Facebook]Zakka_sukui [HP]https://zakkasukui.thebase.in/

 

鳥と亀によるsukuiのイベント出店

いよいよ2018年11月、どんとこい大台まつり。sukuiとしての出店です。

出店ブースを見てくれたお客様からの第一声は「可愛い」。全身に染み渡らせたいくらいその言葉が嬉しかったと理紗さんは当時を思い出します。ヘアゴムもピアスも、母娘で嬉々として手に取って見てくれました。

どんとこい大台まつりに毎年出展されている「お茶を楽しむ会」主宰の近藤美知絵先生が理紗さんに声をかけました。

「わたしたち大台町ファンは、この地で新しいモノを作ったり新しいコトを始めようとしている人たちを待っている。あなたたちのような若者が移住し、新しい風を送り込んでくれるのがとても嬉しい。応援させてね。」

関東から日本各地に自生する在来種のお茶「自然茶」を求めて探している近藤先生。ここ大台町の森にも在来のお茶の木があり、毎年お越しいただいていて、大台町ファンであると公言していただいています。

2019年2月、6月には、また新しい挑戦として、昌俊さんと理紗さんが別々でメインとなり、奥伊勢フォレストピアのロビーにて展示販売会を開催。

イベント出店時の倍近いスペースを任され、空間の演出や商品のバリエーション、品揃えの豊富さなど、課題は山積みではあるけれど「とことんやってみたい」という思いから、全力疾走で今できることを出し切って、そこからたくさんの得るものがあったそうです。

 

「木」を扱う作家の聖地、武田製材

9月某日、大台町江馬にある武田製材さんで木を仕入れに行くのに同行させてもらいました。

武田さんのお客様は、作家さんが多いそうです。

木工作家、クラフト作家、組木絵作家が木を買いに集います。

「三重県で一番ふざけた製材所」と謳う武田製材さん。広葉樹、針葉樹、果樹など、国産材を幅広く扱っています。ここに来れば見たことのない木材も見つかると、お客様は全国各地から足を運ばれています。

「きっと宝物が見つかるはず。」

「木はここに揃っている。アトリエになり得る空き家も大台町にはたくさんある。特に、都会にいる作家さんで作業スペースを探している方々に集まってきてもらって、ここで木を調達して存分に活躍してもらいたい。」と武田さんは語ります。

多様な作家さんと情報交換をされている武田さんは、渋谷夫婦にこうアドバイスします。

「作り手としての考えで、この木は実用的ではないと思っていても、その木で作られた商品がほしいお客様もいる。先入観にとらわれず作ってみるといい。」

この日は20種類近い木材を仕入れていました。

 

オーダー品からヒントを得て、商品の幅が広がる

zakka sukuiはお客様から「こんな商品を作ってほしい」とリクエストを受けることも多いそうです。

今まで作ったことのないヘラの注文が入り、作ってみると他のお客様からの需要もあったり、黒いピアスのオーダーが入り、コクタンで作ると素敵なものに仕上がったり、お客様から生まれた商品も多々あるそうです。

また、雑貨屋さんからのアドバイスで、ブローチやネックレス、新しい商品にも挑戦し始めているそう。

理紗さんは、「カトラリーもアクセサリーも長く愛着を持って使ってもらえるものを作っている。自分がもし購入したお客様の立場だったら、メンテナンスを頼めるのは嬉しい。持続可能な範囲で、これから長くsukuiとして活動していきたい」と話します。

 

10月20日イベント開催、sukuiの二人から直接購入できるチャンス!

10月20日(日)、道の駅奥伊勢おおだいの隣にある観光案内施設「奥伊勢テラス」にてsukuiのお二人から直接購入していただけるイベントを開催します。

お二人に、イベントに向けた意気込みをお伺いしました。

「商品を既にお持ちのお客様にはメンテナンスをし、感謝の気持ちを伝えたい。また少し進化したsukuiの新作にも触れてもらう機会にもしたい。10月20日に向けて頑張ります。是非たくさんの皆様、お越しください。」

 

奥伊勢テラス スペシャル企画

Focus Odai vol.1

奥伊勢テラスが1つのお店やテーマをフォーカスし、この町で作られた物と人がここで繋がる、そんなスペシャルな一日。

大台町で開発された新商品「森のしずく」の試飲会も同時開催。

[開催日時]2019年10月20日(日)10:00~16:00

[住所]三重県多気郡大台町佐原663-1

[電話]0598-84-1050

あとがき

私もsukuiさんのファンのひとり。

モデル:キャスターマミ・撮影:ヤマグチハルク氏

2019年7月21日に開催された「クリエイター女子募集」をOTONAMIEでも紹介させていただきました。

このイベントを主催したのは、大台町で空き家、空き店舗、空き地の新しくて楽しい利活用をデザインするAWAプロジェクト

今回の取材で尋ねた武田製材さんの言葉が印象に残っています。

「場所も材もある。大台町にもいろいろな作家さんに来てほしい。」

sukuiさんが田舎への移住を考えている作家さんのモデルケースの一例を作り上げてくれたと思います。

作家のみなさん、まずはぜひ現地を見にいらしてください!

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます♪

キャスターマミでした♪

 

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