日本の”美味しい”をOYAKIに包む
東京・新宿三丁目のビルの一角に、
好奇心をくすぐられる素敵な店、
『OYAKI Company(おやきカンパニー)』がある。
選び抜いた日本の食材をOYAKI(おやき)に包み込み、
世界一健康なファーストフード店を目指しているお店だ。
おやきとは、
信州でよく食べられる郷土料理で、
小麦粉・蕎麦粉などを練った生地に、
野菜などの具材を包んで焼いたもの。
OYAKI Companyのおやきは、
100%日本産の食材で作られたハンバーガーサイズ。
小麦粉・漬けもの・雑穀・伝統野菜・味噌・醤油etc…
伝えたいもの、守りたいもの、残していきたいものを、
まるっと包み込んでおり、食べるとふわ~っと物語が溢れ出す。
食との出会いがギュッと詰まったおやきなのだ。
手掛けているのは、
10年目の食ユニットとなるノムさんトモさん。
元々このエリアでダイニングバーを営んでいたお二人。
もっともっと”本当においしいもの”を追求し、
大都会の中で気軽に片手で食べられるものを!と
2016年12月にOYAKI Companyをオープン。
肝となったのは三重県産の小麦粉だった
餡のラインナップは旬によってどんどん変わる。
今回はノムさんおすすめのたまご焼きおやきを注文。
炭火でじっくり焼かれるおやきを
目の前のカウンターで眺めていると、
ほわっと小麦粉の香ばしさが漂ってくる。
炭は遠赤外線効果でうまみ成分を閉じ込め、
中までふっくら焼き上がると聞いたことがある。
両面こんがりと焼かれたおやき…
たまらず焼きたてにかぶりつくと、まさにその通り。
表面パリッと中むっちり♡
噛めば噛むほど、
生地の旨みと甘みを感じることができる。
実はこの生地に配合されている小麦粉は、
三重県桑名市で栽培されている『桑名もち小麦』
小麦のでんぷん質がもち性なので、
モチっとした食感が得られるのが特徴。
今、めきめき人気の小麦粉である。
料理担当のトモさんに伺うと、
信州のおやきにヒントを得てから、
程よい食感と冷めても美味しい生地を作り出すために、
タピオカ粉等も含め、7~8種類の粉で試作を重ねていたのだそう。
そんな時に、料理研究家の先生に
桑名もち小麦の存在を教えてもらったという。
この桑名もち小麦があってこそ初めて完成する、
OYAKI Companyおやきだと教えてくれた。
イキイキな生麹の信州味噌と…
たまご焼きおやきの中身もすごい。
ほのかに甘い卵焼きに、
長野県で創業110年の俵屋麹店の信州味噌が絡んでいる。
北アルプス山麓の湧水と澄んだ空気の中、日本古来の伝統製法で、麹や味噌作りの技術を磨き上げてきたという麹屋さんだそうで、味噌の風味が全然違う。
この味噌も桑名もち小麦同様、
OYAKI Companyの肝なのだ。
生きたままの酵素にイキイキ。
こちらの無添加生麹で作られた甘酒ラテも人気。
そしてジューシーな卵焼きの中で、
コリっとアクセントになっているのは、
幻の豆とも言われる、はところし豆。
一見物騒な名前なのだけど、
飛騨高山で100年以上の歴史ある伝統品種。
大きくて鳩が慌てて食べてのどにつめる程美味しいというのが、名前の由来とか。
それと…「お気に入りはこれ♡」
と見せてくださったのは、なんと、
三重県桑名市で創業1798年の油清の桑名こめ油。
世界一健康的なファーストフードを目指して
ノムさんトモさんのお話は、
食材の説明の枠を超え、もう物語。
野菜とおやきを口いっぱいに頬張ると、
なんだか新しいけど懐かしくて、
スマホは置き、食材とじっくり向き合いたくなる感じ。
イートインは基本午前中のみで、
主にデリバリーやイベント出店など、
気軽に片手で、でも、じっくり味わってほしい日本を、
おやきに詰めて「届ける」ことに注力されている。
そのためのお二人の手間暇は半端ない。
まず大事にされているのは、
真摯に美味しいものを作っている生産者を見つけること。
そして、なるべく直接会いに行き、
沢山の方に食べて頂きたいと相談をする。
素材の味を活かす餡を煮たり炒めたりして作る。
桑名もち小麦はじめとする小麦粉と天然酵母をこね、
生地を発酵させる。
生地に具をたっぷり包む。
鉄板で両面を焼き、丸い形を固める。
せいろで蒸す。
最後に炭火でカリッと焼きあげる。
ふわぁ、すごい。。
国産や無農薬にこだわるのは安心安全というよりも、
その素材が育つ風景や環境、伝統や文化を守りたいというお二人なりの挑戦なのだそう。
そう、OYAKI Companyが目指すものは…
「片手であじわう日本の○」
〇の中には、太陽・風土・知恵・作る人たち、いい循環が入るとのこと。
そしてノムさんトモさんの溢れる愛がすごい
カウンターのみの小さなお店で、
広大な大地を感じるOYAKI Company。
この心地良さは、食材はもちろんなのだけど、
二人のお人柄が醸し出す空気が大きいと思う。
食材や人への愛が溢れるノムさんトモさんユニットに、
魅了されるファンは数知れず。
飲食店として何を提供するかを常に考え、
進化し続けているノムさんトモさん。
『食を通して、想いに共感したり、応援したり、一緒に活動したり、一緒に盛り上がったり、そんな仲間がどんどん増えていったらいいな』
そう聞かせてくれた。
因みにOYAKI CompanyのブログのURLは、
「nomusantomosan.com」というお茶目さ♪
愛と夢がたっぷり包まれたOYAKI。
”東京で見付けた三重”を探すなかで出会えたのは、
「食べる」幸せを感じ、心身ともに満たされる場所であった。
OYAKI Company(おやきカンパニー)
住所:東京都新宿区新宿3-1-32 2階
電話:03-3356-2570
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事