〜ビン牛乳~
きっと、そこまで特別なものでもないのであろう。
私たちの親世代では学校給食に毎回のように出るものであり、
今でも、スーパーに行けば普通に飲めるものである。
でも、私にとっては何か特別な時に飲むものであると感じる。
普通に1Lのパックからコップに注いで飲む牛乳より、クリーミーな味わいがするのがビン牛乳であると私は感じている。中身が違うのにここまで感じられるのはどうしてなのだろうか。
~カフェオレと並ぶ「山村牛乳」~
実は山村牛乳の店舗は伊勢外宮の真ん前にあるが、
伊勢市駅に一番近い「参道TERRACE」でも飲むことができる。
創業大正8年、伊勢の食文化を「乳製品」で支えてきた山村乳業さん。
お洒落で500円以上するカフェオレや抹茶ラテが並ぶカフェで300円山村牛乳を楽しむことができるというのは、それほど山村牛乳が地元に愛されている証拠であろう。
山村牛乳を注文すると、目の前で店員さんに蓋を開けてもらえる。
そして、伊勢市駅を一望できるテラスでそのまま飲むことができる。
自然が感じられるようなすっきりとした味わいながらも、クリーミーさを感じられるのに加え、瓶の冷たさとどこか懐かしいにおい、窓ガラスから光が差し込み、瓶の空洞からうっすらと光が差し込む姿。
五感で感じられる、あの「ビン牛乳」ならではの特別感。
高級フレンチを食べているわけでも、1000円以上する高いドリンクを飲んでいるわけではない、けれど心が満たされるのだ。
ビンには「YAMAMURA」という文字と、可愛い牛乳屋さんのキャラクターが描かれている。
人気スポットじゃなかろうが、幸せになれる。
きっと、三重には小さな幸せを味わえる場所がたくさん転がっている。
この「ビン牛乳」は伊勢に転がる「小さな幸せ」の1つなのだ。
津市生まれ津市育ち大学生。地域文化団体、NPO法人への所属経験から地域活動に興味を持つ。三重県の学生活動や津市の魅力について発信する。