ホーム 00秋 家でも職場・学校でもない。第三の居場所「CANPiNTAN」から生まれる、松阪のスケボーカルチャー。

家でも職場・学校でもない。第三の居場所「CANPiNTAN」から生まれる、松阪のスケボーカルチャー。

スケートパークをハシゴする、ローカルスケーターたち

以前記事に書いた、松阪市総合運動公園スケートパーク記事はコチラ)で、こんな会話が聞こえてきた。

「まーくんとこ滑りに行ってくるわ!」
「今日はまーくん、呂布カルマみたいなシャツ着てたよ!」

スケボーキッズのママたちがまーくんと呼ぶのは、スケートパークCANPiNTAN Skatepark & Shop(以下、CANPiNTAN)のオーナー中西将基さん。どうやらローカルスケーターたちは、スケートパークをハシゴしているらしい。

▲温厚な人柄で愛されているオーナーの中西将基さん。この日はバンドTでした!

CANPiNTANは、2021年1月4日にオープンした屋内スケートパーク&ショップ。ランプ(楕円を半分に切ったようなセクション)がメインのパークで、大きさの異なる4つのランプを完備。補助ロープがついたものもあるので、初心者でも挑戦しやすい。併設するショップでは、スケートボードやアパレルが販売されている。松阪市総合運動公園スケートパークから車で約20分、近鉄山田線松ヶ崎駅から徒歩1~2分でアクセスできる。

▲屋外滑走エリアは18時まで

スノーボードが好きな中西さんは、ワーキングホリデー制度を利用してカナダのウィスラーという街に滞在し、毎日スノーボードとバイトに明け暮れていた。夏のオフシーズンには、自然とスケートパークへ出向くように。それがスケボーとの出会いだった。

中西さん:スケボーはカナダで27歳の頃に始めたんですが、ワーホリから帰ってきたら地元の松阪に松パー(松阪市総合運動公園スケートパーク)ができていて。松阪はスケボーが盛り上がってるなってゆうのと、雨の日は滑るところが無いよなって思っていたんです。それに、松パーにはランプも無いんで、ランプメインの室内パークを作りました。

補助ロープもついていて小さな子でも安心して始められそう!いつも元気なキッズスケーターで賑わっている。(※パーク内での撮影は邪魔になるので、空いている日に撮影。)

▲まーくんのことが大好きな、原邊さんちのスケーター姉妹。

-ハマる人はどハマりするイメージが。スケボーの魅力ってなんですか?

中西さん:スノーボードと違って、スケボーは手軽にパッとできるのがいいですね。大人も子供も一緒になって楽しめるのがスケボーの魅力です。それにスケーターって、気さくな人が多いんですよね。

確かに!車輪がついた板の上に乗るという共通点だけで、会社帰りのサラリーマンも学校帰りの学生も、世代を超えて声を掛け合い、すぐに打ち解けるのが不思議。これってスケーターあるあるなのか。

スケーターあるあるといえば私、色々と気づいたことがあるのです!


まーくんは「イエー」って言う

誰かが技をメイクすると、まーくんこと中西さんは「イエー」と言って一緒に喜んでいる。中西さんだけではなく、滑っている他のスケーターも、イエー!と笑顔だ。どうやらスケボーは年齢、性別、上手い下手関係なく、お互いを讃え合うスポーツらしい。スケーター同士、声をかけ合うもよし、自分のペースで黙々と滑るもよし。CANPiNTANとは、互いを認め合える一つのコミュニティなのだと思う。家でもなく職場や学校でもない第三の居場所、それがここCANPiNTANなのかも知れない。

クリエイティブな人、多くない?

CANPiNTANの受付に飾られたアートやZINE。これらは常連さんの作品なのだという。

この日、たまたまパークに来ていた松本さんはバンドマン、丸山さんはDJ。スケーターって、なんだかクリエイティブな人、多くない?

▲ムードメーカーな奥山さん(左)、バンドマンの松本さん(右)
▲DJをしている丸山さん(右)

スケーターがアートや音楽などのカルチャーと密接なのは、一体何故なのだろう。


スケーターはそもそも、街の見え方が違う説

車や自転車で通りかかった街の、何でもない階段や斜面。この高さなら飛べるだろうか?この斜面ならどう使うのか?と、遊び方を考えがちな彼ら。その視点こそがまさにクリエイティブなのだと、私は思っている。遊び心がもたらすクリエイティビティと、アートや音楽を自由に愛する探究心。頭がカチコチな私は、そんな彼らが心底羨ましい!

最後に、中西さんに聞いてみたいことがあった。店名には何か、とてつもなく深い意味があるのでは…。

CANPiNTANってまさかあの、干からびたやつのこと?

中西さん:そうなんです、三重弁で「干からびたもの」という意味のカンピンタンなんですけど。特に深い意味はないですね!(笑)

意味なんて探さなくたっていい。もっと軽く、そしてもっと自由に!私もそんなふうになれたらな…そう願いながら、CANPiNTANの夜はふけていきました。


CANPiNTAN Skatepark & Shop

三重県松阪市久米町1258−1
instagram:https://www.instagram.com/canpintan_sk8/?hl=ja

 

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