私は仕事で三重県内をグルグルと移動している。
ときどき独特な雰囲気を醸しているバス停を見つけることがある。
そんな被写体をiPhoneで撮って、あとで眺める。
そこには、暮らしから垣間見える誰かの日常がある。
無意識に蓄積された記憶。
残された体温。
三重交通「花の窟」バス停留所
日本一長い砂礫海岸「七里御浜」の前に佇むバス停。
視界に収まらない海と空。
20代のときに会社をサボって津からひたすら南下してここまできた。
捉えきれない自然のなかで大きく息をする。
気持ちが整えば、さぁ帰ろうと思う場所。
三重交通「高良城橋」バス停留所
津から伊賀に抜ける国道165号線。
山越えが続く、長い一本道。
ぽつん、という言葉が似合う小さなイス。
だれかの小さな愛。
ぽつん。
三重交通「大山田支所前」バス停留所
地元を描いた絵画があるバス停。
まっさらな心地良い気持ちが伝わる。
きっと初夏は瑞々しい田園風景が広がり、春は桜が素敵なところ。
菰野町コミュニティバス「草里野」バス停
よく晴れた初夏の日だった。
もうすぐ梅雨になって夏がくる!
そんな気持ちを盛り立ててくれているかのような色合い。
菰野町コミュニティバス「平江」バス停
思わずブレーキを踏んだ。
トトロ!よくわからないけどトトロ!
同乗していた映像クリエイターと盛り上がる。
私はジブリ的な世界観に弱い。
もともとは蔵にあった桶のようだ。
今日もいい天気。
過去記事
いつかのバス停
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事