森の中という抜群のロケーションに、3世代で泊まって十分楽しめる広いお部屋、一戸建ての別荘のような木のぬくもりが心地よいコテージ、川沿いのキャンプ場、温泉、釣り堀、森の中の散策と、一日たっぷり遊べる三重県・大台町のホテルといえば?
正解は、筆者キャスターマミの推し観光スポット、奥伊勢フォレストピアです!
フォレストピアの中でも、レストランが特にお気に入り。
2023年4月、奥伊勢フォレストピア「レストラン アンジュ」に新料理長が就任したということで、さっそくランチに行ってきました。
レストラン アンジュのランチメニューは月替わり。
2023年6月は「おくつろぎランチ」ということで、選べるメイン料理にサラダバー・ドリンクバー付きで、ゆっくりと楽しめます。
まずは、レストラン アンジュ新料理長、田所厚樹(たどころあつき)さんにお話を伺いました。
田所厚樹さん
三重県多気郡多気町五佐奈出身。フォレストピア創業10年目となる2006年からアンジュでシェフとして勤務。三重県立相可高校食物調理科の一期生。野菜ソムリエ資格有。2023年4月~アンジュ料理長就任。
Q.多気町出身とのことですが、幼少期の思い出は?
田所料理長「小さい頃は祖父が牛を一頭飼っていたので、一緒に世話をして遊んでいました。動物が好きで、犬や猫など常にペットがいました。小学校時代はフラフープが得意。今はSHARPの工場やお店もできて活気がありますが、当時は『山』といった感じ。多気中への登校は山の中を通って行く感じでしたね。自然に囲まれて過ごしていました。」
Q.料理との出会いは?
田所料理長「小学校高学年くらいだと思います。両親が共働きで忙しかったので、簡単な料理を自分でやってみようと挑戦したのがきっかけです。初めての料理は肉を炒めて、火入れをしすぎて硬くなってしまったことがうっすら記憶にあります。」
Q.料理を好きになったのは?
田所料理長「中学時代、テレビ番組『料理の鉄人』が流行っていて、料理への憧れが少しずつ芽生えていきました。進路を考えた時に、たまたま三重県立相可高校に調理師免許が取れる食物調理科が新設されるということで受験しました。」
Q.相可高校食物調理科一期生としての学生生活
田所料理長「生徒は39名。そのうち男子は3名だけ。肩身の狭い思いをしました(笑)先輩がいないので、みんなが手探り状態の3年間でした。当時は、調理師免許を取れるのは20名限定と枠が決まっていたので頑張りました。運動部にも入れたので、バレーボール部に所属していました。今の相可高校食物調理科の生徒とは生活リズムが全く違うんじゃないですかね。今は調理クラブが中心になっているから。」
Q.当時の村林新吾先生の印象、先生に学んだことを教えてください。
田所料理長「恐かったっていうのはありますけど、村林先生は料理に対していつも真摯に向き合っていました。今でも仕事に取り組む時、先生が言っていた『とにかく美味しいものを作っておけ』という言葉が蘇ります。」
Q.2011年「高校生レストラン」としてドラマ化された時の気持ちは?
田所料理長「すごいなとは思いましたし、周りでもすごいよな~と話題になりましたが、在学中は『まごの店』の影も形もなかったので、一視聴者として楽しみました。」
Q.高校卒業後の経歴は?
田所料理長「松阪のフレックスホテル、大阪のホテルで洋食を、松阪市愛宕町の赤玉寿司、松阪市飯高町の菊壽では日本料理を学びました。日本料理の経験も、朝食のメニューなどで活かしています。」
Q.アンジュで働くことになったきっかけと、当時の印象は?
田所料理長「実はこれも、村林先生からの紹介です。以前働いていた飯高町の菊壽とよく似た山の中の環境が合いそうだと感じて来ました。大台町は自然豊かで静かな町という印象でしたが、働き始めた初めての夏、すごくたくさんのお客様が遊びに来て忙しくて驚きました。前料理長の姿勢に付いていくのに必死でした。まさか今回自分が料理長を務めることになるとは思ってもいませんでした。」
Q.月替わりランチのコンセプトやこだわりは?
田所料理長「去年から、ランチは前料理長にメニューを考えるよう言われ、その時の旬の食材を最大限活かしたメニューをと取り組んでいます。月替わりランチのコンセプトは季節感を大切に、今月までは前料理長が考えていましたが、来月からは私が考えていきます。」
Q.2023年6月ランチのオススメメニューは?
田所料理長「夏の味覚、日本一の清流・宮川が育んだ鮎を使った『大台町産 鮎のムニエル』がオススメです。バターでしっかり表面を焼いて、焦がしバターとバルサミコ酢のソースで仕上げています。」
ということで、私も新料理長オススメの「大台町産 鮎のムニエル」をいただきました。
ヒレや尾が特にパリッと、バターの上品な香りとスイカの香りにも例えられる鮎の爽やかな香りがマッチ。
内臓のほろ苦さにバルサミコ酢ベースのソースを絡めると新しい味に。
骨まで美味しくいただけます。
見た目にも可愛い付け合わせは、野菜本来の味と甘みが引き出されていて、野菜好きの私も大満足!
人参と星のようなギザギザズッキーニの間に挟まれた黄色い野菜は、見たことのない野菜でした。「バターナッツカボチャ系?何やろ?」と思いながらその美味しさに舌鼓。
珍しい野菜が登場するのは野菜ソムリエの資格を持つ新料理長だからこそ?
引き続きお話を伺っていきましょう。
Q.野菜ソムリエの資格を取得したきっかけは?
田所料理長「何か特技を身につけたかったのと、小さい頃から周りは畑ばっかりで、様々な野菜を食べて育ったので、それに特化した資格なら取ってみようと思ったのがきっかけです。」
Q.田所料理長がこれから考案していくディナーは?
田所料理長「これから登場予定のメニューは、大台町産 稚鮎のフリッター』。衣を付けて揚げる料理ですが、衣の中に企業秘密の“あるモノ”を加えてアレンジする予定です。今月中にコースディナーのメニューとして加わる予定ですので、お楽しみに。」
田所料理長「地元のものを積極的に取り入れたディナーにしていきたいです。野菜に関しては、お客様が見たことのない、聞いたことのないようなものを使っていきたいと思っています。近くに無農薬で野菜を作っている農家さんがいるので、そこから仕入れています。例えば、今は旬が過ぎましたが、図鑑でしか見たことのなかった『カーボロネロ』という黒キャベツ。ほろ苦くて美味しいんですが、先月はチップスのようにパリっとさせて提供しました。野菜ソムリエの資格も活かして、アンジュでは変わった野菜が食べられることも一つの魅力になればと思います。」
Q.料理長としての今後の夢は?
田所料理長「全ての食材を大台町産のもので賄えたら素敵だなと思っています。お客様に喜んでいただけるよう、頑張っていきます。」
「美味しいもの」を作ることが一番大事という村林イズムを根底に、近隣の生産者さんのもとへ足を運び、奥伊勢地域を代表するホテルとして地域一体となって盛り上げようとする新料理長。
奥伊勢がグルメのまちとなり、さらに人が集まることに期待します。
さて、奥伊勢フォレストピアの周辺もホタルが見頃となりました。
宿泊、ディナーを利用すると、この季節限定の人気イベント「ホタル観賞ナイトツアー」に参加することができます。
田所料理長によるディナーを楽しんだ後にはぜひ、大台町の美しい夜空を彩るホタルの景色で癒されてください。
▼田所新料理長インタビューと6月ランチ「鮎のムニエル」を動画でもぜひ♪
奥伊勢フォレストピア
キャスターマミ。OTONAMIE記者。松阪市出身。生まれ育った三重が大好きで、三重を盛り上げたくて地元タレントに。テレビ・ラジオ出演、祭りやイベント、ブライダルMCとして活躍中。この記者が登場する記事