きっと人は、それぞれ生まれ育った土地で見ていた風景に、心を落ち着かせるのだと思う。
伊勢湾の浜がある海を見て育った。小学生のときの学校行事も浜であった。店や会社が建ち並ぶ国道23号線から少し入ると穏やかな海がある、そんな町で育った。
そして逆に非日常だからこそ、心躍る風景がある。
私はリアス海岸を眺めるのが好きだ。リアス海岸は山からいきなり海になる。山と海という自然がギュッと詰まっている。とっても地球だなと見るたびに思い感動する。
自分で書くのもおこがましいが、私はリアスフェチだと思う。
県内のリアス海岸しか知らないのにフェチと書いていいのかわからないが、利尻島のリアスも死ぬまでに見てみたい(オススメのリアス海岸があれば教えてください)。以前に鳥羽から熊野まで、リアス海岸に沿って車で走ったことがある。志摩辺りのリアスは山が低い。モコモコとした小島がたくさんあり可愛らしい風景。南伊勢まで行くと山は高くなる。内瀬の小島は映える(萌える)。阿曽浦の橋から見る小島の夕景も萌える。紀北の古里の海からも美しい小島が眺められる。
小さな漁村が点在する尾鷲に入り、国道311号から見るリアスは少し固いイメージがある。固く黒く男性的なイメージ。しかし熊野に近づくにつれ、柔らかい白い女性的なイメージになる。
そんななか、砂浜が少ない熊野灘に三木里海水浴場がある。砂浜から青い海が広がり、奥には深い緑と青空。
ずっと見ていられる(怪しい人)。
三木里には海の家はないが、訪れるとキッチンカーが営業していた(海での営業はお盆まで。詳しくはこちら)。
尾鷲ICを下りて主婦の店でしこたま飲み物を買い込んでいたが、現地でいただくものはテンションが上がる。小さな子どもも連れていったので、アクティブに海を泳ぐことはあまりできなかった。
でも、私はリアスフェチ。
ビールを飲んで眺めているだけでもニコニコ笑顔になれる(怪しい人)。
帰りに尾鷲市内の来々軒という中華料理屋に行った。昔ながらの町の中華屋という感じ。
夏に食べる餃子好きの私にとって魅力的な三種類の餃子があり、それぞれ頼んでみることにした。
個人的に辛口餃子がとても美味しかった(辛旨)。焼き加減も家ではできないお店の味。
そしてマスタードを付けて食べるスタイルは初めて。
リアス海岸と餃子があれば、もうそれだけで私にとっては充実した夏の想い出。いやー喰った喰ったと、美味しいものは心も満たしてくれるのでした。
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事