ホーム 01【食べに行く】 宇治茶真鯛を食す。これからの養殖魚の味わい方@南伊勢町

宇治茶真鯛を食す。これからの養殖魚の味わい方@南伊勢町

シェア

人間の身体は、食べるものによって変化します。
だから健康に良いものを選んで食べて、人は身体を気遣うものです。

食べるものによって自分の身体が変化する実感を得る機会は少なく、とりわけ若い頃は健康な身体に甘えがちです。

しかし食べたものの中から栄養を吸収して保つ生命だから、何を食べてどんな栄養を吸収するかがとてつもなく大切なのです。

それは人間に限らず、生命を宿すすべてのものに共通することです。

今回は育てる漁業養殖業)において、与えるエサを変えることで魚の身体を変化させ、味わいを変える取り組みを紹介します。

生き物を育てる仕事の基本! 栄養を計算したエサ作り。

動物を育てる一次産業(畜産・養鶏・養殖魚)においては、給餌(エサを与えること)が仕事の大半を占めることになります。

そのため、与えるエサ作りがとても重要です。

人間を含めた動植物はすべて、生命維持をしながら身体を成長させるために必要な栄養素の種類と量が決まっています。

牛・鶏・魚……。

どの動物を育てるにしろ、まずはそれらの動物が成長するために必要とする各栄養素の量を把握します。そしてそれを摂取できる食材(原材料)を集めてミックスすると、配合飼料が完成するのです。

真鯛の配合飼料。基本的に毎日エサを与えます。

目的に応じて、エサに原材料を配合。

目的に合わせて、配合する原材料を変えることも可能です。

たとえば真鯛の場合、天然のものだと水深30メートル近くの紫外線の届かない範囲で生活しています。

養殖の真鯛は作業の都合で、水深の浅い場所で育てています。そのため紫外線を浴びて日焼けをして、天然のものと比べて黒ずんでしまいます。

日焼け防止で、黒色の遮光ネットを張っています。

真鯛はめでたい祝いの席で食されることも多く、見た目が非常に重要です。

そのため綺麗な赤色をした真鯛に仕上げるため、餌に工夫が施される場合があります。具体的には、アスタキサンチンという天然色素を多く含んだエサを与えるのです。

真鯛の出荷風景。

面白いことにこれは、養鶏のエサ作りでも使われています。

スーパーで売られている卵は白と赤の二色がありますが、一般的に赤色の方が人気があります。卵を赤くするためにアスタキサンチンを多く含んだエサを鶏に与えているのです。

ーーーーー

以上、一次産業の現場において行われる給餌についてと、エサを変えることによって目的に合わせた商品を作る方法を紹介しました。

そして今回紹介したいのは、真鯛のエサに宇治茶を与えて作る宇治茶真鯛。三重県南伊勢町にある友栄水産が取り組んでいます。

そうだ!宇治で鯛を作ろう。

なぜ三重県の漁師町で宇治茶なのか。

京都府宇治市には世界遺産の平等院、宇治上神社また宇治茶をはじめ豊富な文化資源があります。しかし、これといった主菜が存在しない。

それまで宇治市で建築集団として活動してきた歴史まちづくり研究会は、地域活性のためにこの問題と向き合うことにしました。

新しい宇治固有の主菜があれば、そこに住まう人たちの楽しみが増えます。訪れる人たちの楽しみが増えます。それをもてなす人たちの楽しみが増えます。そこにある建物の使い方が増えます。

建築の職能集団としての活動と並行して、食という面からもアプローチをし新しい主菜をつくることが今まで以上に街に繋がりをつくり、地域の活性化に繋がると考え「宇治のメインディッシュを考える実行委員会」を立ち上げました。
『宇治のメインディッシュを考える実行委員会』HPより引用

注目したのは三重県で生産される、伊勢茶をエサに混ぜて育てた「伊勢まだい」というブランド真鯛でした。

食事中の真鯛。

三重県内で生産されたポリフェノール類を多く含む海藻・柑橘類・伊勢茶のミックス粉末をエサに混ぜて与えて育てていく。

「ミックス粉末を 2%添加したモイストペレットを出荷前に 14 回以上給餌すること」が伊勢まだいの基準となっています。

詳しくは、伊勢まだい養殖の概要をご覧ください。

食事中の真鯛part2

伊勢茶に含まれるカテキンの渋み成分は余分な脂を落とす効果があり、あっさりとした味わいに仕上がる。それならば、同じくカテキンを含む宇治茶でも真鯛の味を変化させることができるかもしれない

注目したのは、宇治茶の栽培方法(ほんず覆下栽培)において生まれるテアニンという成分。これが独自のうま味を醸成するのではないか。

宇治のメインディッシュを考える実行委員会は、三重県で真鯛養殖を営む漁師と一緒に、宇治茶真鯛の生産に挑戦することにしたのです。

宇治茶真鯛を生産する友栄水産。三重県南伊勢町阿曽浦。

実際に食べてみました!宇治茶真鯛。

南伊勢町阿曽浦の友栄水産を訪れた日。
たまたま宇治茶真鯛の出荷に立ち会うことに。

そして有難いことに、1匹分けていただきました!

いただいた宇治茶真鯛は内臓処理をして、冷蔵庫で熟成させます。

ーーーーー

3日後。

うま味が熟した頃にいただきました。

開封の儀。
大きな真鯛!
魚を捌くのも楽しみのひとつ。
メインデッシュはもちろん刺身!
通常の真鯛よりも、かなりあっさりとした爽やかな味わいです。昆布締めなどで味付けしても美味しいかもしれません。
アラ(頭や骨)は汁物に。良い出汁になります。

気になる方はポケットマルシェで、三重県南伊勢町の漁師から直接ご購入できます。ご注文される際は、ぜひ通常の真鯛との食べ比べもしてみてください。

または宇治市へ訪れる予定のある方は、異食家styleよっしゃんで「よっしゃんの宇治茶漬け~宇治茶を食べて育った真鯛のあぶり漬けしょうゆ~」を注文いただくことが可能です。

海のない街のブランド真鯛をぜひご堪能ください!

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で