あなたが暮らす町に、おにぎり屋はありますか?
私が暮らす津市に「はらぺこおにぎり」というチャーミングな名前のおにぎり屋ができました。2020年1月24日にオープンしたおにぎり屋は連日完売。店主の鵜飼さんにお話をうかがいました。
鵜飼さん:ひとりでやっているので、そんなに量は作れません。全部で20種類くらいのおにぎりがあり、その中から5〜6種類を日替わりで出しています。作りすぎて売れ残っても、もったいないですし。
人とのつながりが、こだわりのおにぎりに。
おにぎりのこだわりを聞くと、千年以上の稲作の歴史を持つ津の農村で、安心にこだわって作られている辻農園のお米を使用。海苔は千葉産の江戸前物で、塩は奥能登塩田村の揚げ浜塩。10種類以上の塩を試し、納得する味に仕上がったという鵜飼さんは県外の食材に関する知識が豊富。
実は「はらぺこおにぎり」は、鵜飼さんが営む旅行会社の一角にある。
鵜飼さん:仕事柄、全国のいろんなところに行くと、どの町にもおにぎり屋がある。津には少なかったし、元々おにぎりが好きなこともあり、ずっとやってみたかったんです。
具材にも、例えばたらこは北海道の虎杖浜(こじょうはま)産にこだわるなど、旅行屋という職種が知り得る、食の知識がおにぎりに活かされている。
鵜飼さん:新潟で鮭の焼き漬けに出会いました。鮭を焼いてから醤油に漬ける郷土料理です。おにぎりにも合うんですよ。
具材にひと手間加えるこだわりは、おにぎりの定番ツナマヨにも。
鵜飼さん:ツナを醤油、味噌、ダシなどで炊いてからマヨネーズと合えて味に深みを持たせます。あと、おにぎりは機械を使っていないのでほっこりとしています。
楽しそうにこだわりを教えてくれる鵜飼さんは、過去に社会貢献型ボランティア団体(津青年会議所)の理事をしていて全国を飛び回った時期もあり、その時に築いた人たちとの繋がりも大切にしている。そして今は津でJAZZフェス(津ぅのドまんなかジャズ)の運営を通じて町に賑わいを創る。JAZZフェスの仲間である飲食店の人におにぎりの作り方を教えてもらったり、辻農園さんと知り合うなど、繋がりや好奇心は「はらぺこおにぎり」開店のきっかけとなった。
あたらしい「場づくり」のかたち。
会社の一角にあるコーナーで、副業的に好きなことをやってみる。最近よく「地域の場づくり」という言葉を聞きます。こういう場が町に増えたら、きっと働く人も暮らす人もたのしい時間が増えると思いました。
家に帰り、はらぺこおにぎりをいただきました。
ツナマヨおいしい!!マイルドで濃厚な旨味の余韻が残ります。
シンプルながらも奥が深いおにぎりは、毎日食べても飽きない不思議な食べ物だなと思いました。
はらぺこおにぎり
津市乙部2017番地1(トラベルラボ内)
tel 059-221-7000
hp http://harapeko-onigiri.com
fb https://www.facebook.com/harapekoonigiri/
in https://www.instagram.com/harapeko_onigiri_2020
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事