こんにちは,こにちゃんです。
今日は,大学の後輩の挑戦を後押しするために,彼を紹介する記事を書きたいと思います。
弓矢 Jack 樹
名前は,弓矢 Jack 樹 Yumiya Jack Tatsuki。
三重大学2回生。
彼が挑戦しようとしているのは「世界一周」だ。
いま,彼は世界一周の切符を掴むために,「Backpack FESTA 2020」に参加している。
Backpack FESTA 2020
https://bpf.tabippo.net/2020/
このイベントでは、全国から「世界一周をしたい!」と志す学生が集まり、その想いをプレゼンテーションする。その中で一番になった学生には、世界一周の切符が与えられるという仕組み。
彼は、まさに世界一周の切符を得ようと必死になっている。
なぜ,彼は世界一周を目指したのか。
彼の過去からさかのぼる。
アメリカ生活
彼の名前を見て,ミドルネームがあることにお気づきだろうか。
両親は日本人だが、将来的にアメリカで活躍してもらうために、彼のことを考えてJackというミドルネームを付けたという。
由来は,両親が好きなジャックバウアーから、らしい。
彼は、幼い時から好奇心旺盛だった。その中でも転機は、アメリカの高校生活。
ハイスクール・ミュージカルのような高校生活をイメージしてもらうとわかりやすい。
アメリカの高校生は,本当に自由にキャンパスライフを謳歌していた。
彼のそこでの驚きは,同級生に全く同じような価値観を持つ友達がいなかったことだという。それぞれが自分の信念のままに,授業で議論し,遊びで楽しむ。
全く異なる多くの価値観をもつ同級生に囲まれ,常に刺激を受け、ワクワクする青春を過ごしたという。
「この世界には,いろんな人がいる。」
その気づきから,彼は自然と「人間」に興味をもち,たくさんの人に会い,そして,その人たちの話を聞き、様々な価値観に触れてきた。彼は,そこで得た気づきを,自身の糧とし,人間的成長をなしていく。
それは,僕自身が彼をみていて思う。とにかく行動力がすごい。
首里城火災の報道があれば,自分のスキルをいかし,集めた基金を全額募金。
オーストラリアの森林火災の時も,駅前で募金活動を行い,数十万と集めることができる。
キングコングの西野さんのファンで,西野さんがイベント開催すると聞けば,翌日の大学の定期試験をぶっちして,飛行機に乗る。
彼の好奇心と行動力と人を思いやるあたたかさに,圧倒される人も多いが,彼のこころは,アメリカの高校生活にあると,自身も振り返る。
時を戻そう。
彼が,アメリカで行った活動としては,折鶴の普及活動がある。
彼は,若干20歳で折紙講師という姿も持つ。祖母の影響で,毎日のように祖母から折紙の折り方を教えてもらい遊んだ。次第に彼はアメリカで,日本の伝統的教育素材である折紙を広めたいと考えるようになる。アメリカの友人に折紙を指導するのはもちろん,自身の個展や折紙教室を開催を成功させ,大きな反響を呼んだ。
折紙の普及活動の最中,祖母の言葉を思い出す。
「折紙に夢を書いて,鶴を折ると夢が叶う。」
彼は,アメリカの高校を卒業。進路はアメリカの大学ではなく,日本の大学。
三重大学だった。
理由はいくつかあると語るが,両親がJackに「日本文化にも触れてほしい」と考えたゆえだった。Jackはアメリカに家族を置いて、単身来日。
三重県で一人で大学生活が始まった。
しかし、そこで待っていたのは,キラキラしたキャンパスライフではなった。
圧倒的退屈,だった。
決められた授業に出席,部活・サークルにもなじめず所属せず,友達も安定志向で,同じような友達同士で和をつくり日々を過ごす。アルバイトなど時間の売り買いだと想い,馬鹿らしくてやってられない。
僕は、彼に聞いたことがある。日本の「同調性」には、驚いた、と。
「空気を読む」ことに、非常に違和感をもち、苦しんだという。
嫌なことに「嫌だ」といったら、嫌な顔をされ、理解ある友人から「言い方を変えた方がいい」とアドバイスを受ける。
先輩後輩の縦社会が強い日本で、少し年上の人間に接する時の、敬語、気を使う行為は彼にとってストレスでしかなかった。
このストレスは、自由の国アメリカで、過ごしてきた彼にとっては非常に苦しいものだっただろう。
圧倒的退屈。
アメリカに帰りたい。
そんな中、偶々目にした「Backpack FESTA 2020」。
「これだ!これしかない!」
Jackの世界一周の第一歩だった。
What’s your Dream?
Backpack FESTA 2020の詳細はここでは割愛する。
世界一周を求めて登壇するプレゼンターは,5分間のプレゼンテーションをする機会を与えられる。
過去の優勝者は,プレゼンの上手さはさることながら,「世界一周したい」という想いが明確である。
自分の過去に照らし合わせ,今の活動の発展のために,将来の夢をかなえるために,登壇者は貪欲に,熱心に,プレゼンづくりに奮闘する。
Jackは早速自身を見つめなおし,自分に問いかける。
「俺は,インタビューしながら世界を回りながら,一緒に折鶴を折って,みんなの夢を応援したい!」
Jackは授業そっちのけ,遊びそっちのけで,プレゼンづくりに没頭した。
「俺には,このチャンスしかない」,この時の彼の熱量はすさまじかった。
Backpack FESTA 2020
2020年1月5日,日曜日。
Backpack FESTA 2020のセミファイナルが開催された。
JackはBブロック。
同じブロックには,ほかに4名のプレゼンターがいる。
まず,この名古屋で開催されるBブロックを勝ち抜き,次のファイナルへ進まなくてはならない。
会場には約800人のオーディエンス。
そのオーディエンスは,プレゼンターに投票する権利を持つ。
彼らに,世界一周への想いを100%届けることが出来なければ,投票はなく,必然的にここで落選となる。
Jackの緊張は高まる。
しかし,一方でこれまでやってきた練習からくる自信,応援してくれる仲間がいる安心感。そして世界一周への想いは,自分が一番だという確信が,背中を押してくれていることが,ワクワクする実感を得る。
「ワクワクすっぞ!」
ドラゴンボールのキャラクターから,Jackのプレゼンが始まる。
「世界中をインタビューして回り、みんなの夢を折鶴にして羽ばたかせます!」
それからの5分間,彼が20年間生きてきて,最も短く,そして最高にワクワクした瞬間だった。
「ありがとうございました!」
持ち時間の5分を10秒オーバーした。これは,減点対象になるが、今となっては彼にはどうでもよかった。「やることはやった。みんなありがとう!」この気持ちでいっぱいだったと、のちに語る。
しかし,いざ結果発表となると,やっぱり緊張する。
世界へ出たい!みんなの期待に応えたい!その想いが強ければ強いほど,緊張と不安,焦りが増してくる。
ファイナルへ
結果はファイナル進出!
セミファイナル通過を受けて,彼からコメントもらった。彼の人柄を知ってもらうために,一字一句,その通りに記載する。
バックパックフェスタ名古屋をウインク愛知に観に来て下さったみなさん、ライブでご覧になったみなさん。僕のプレゼンは楽しんでいただけましたか?
次はファイナル。
2020年2月25日。会場は大阪。
ぜひ彼の雄姿を見届けるために,足を運んでほしい。
JackのSNS
Twitter:mobile.twitter.com/jacktointerview
Instagram:Instagram.com/jacktointerview
小西 凌 三重大学地域イノベーション学研究科 博士課程前期。大学院では、教育学と社会学を専攻にしています!この記者が登場する記事