目の前で織りなされるデザートのコース。
ソレとコレを組み合わせちゃうの?!
驚きのマッチングを魅せるパティシエール。
食い入るように見る観客。
一体どんな味がするのだろう…(ごくり)
お客さんは目の前の限定6名。大人の甘い時間。
あどけない表情と大人っぽいデザート。
そのギャップがもうたまらないと、
ファンをじゎじわと増やしているのが、
この日、限定6名のお客さんにデザートを披露した、
パティシエールの水谷みきさん。
有名ケーキ屋やカフェでの修行を経て、
現在は歴史あるレストラン兼結婚式場にて、
チーフパティシエとして勤務。
時間さえあれば、
食材を求めて産地に足を運び、
新作を開発する日々。
そして最近独立に向けて展開を始めたのは、
勤務先や知り合いの店舗などを間借りし、
お客さんの目前でデザートを振る舞うライブスイーツ
今回、彼女が間借りしたのは、
夜になるとオープンするBENIYAFACTORY。
コーヒーにこだわり抜いたR20のカフェである。
夜景を一望しながらの、
優雅で甘い時間がスタートした。
驚きから始まったデザートのコース
水谷さんのライブスイーツは、
旬の果実を使ったデザートのコース。
こだわりは、
素材そのままの味わいを活かしつつ、
もっと美味しいその先を、
味・食感・温度・見た目・香りなどから追及すること。
まず一皿目に出てきたのは、
嶺岡豆腐と桃のすり流し。
水谷さん:「嶺岡豆腐とは江戸時代に徳川吉宗将軍が、牧場で”豆腐が食べたい”とわがままを放ち、牛乳で作らせた豆腐のことだそうです。すり流しとは日本の伝統料理のひとつですね」
そんな説明を入れながら、
生姜の泡と紫蘇の花を乗せていく。
意外な組み合わせで魅せるのも、
水谷さんの得意技。
新しい世界を広げる瞬間を探るようで、
ゾクゾクするのだとか。
続いて二皿目は、
スペインの伝統スイーツであるクレマカタラーナ。
表面をバーナーで炙ると、
キャラメルの香ばしい匂いが漂う。
更に芳醇さを出すため、
パイナップルとマンゴー、
オレンジの果汁と一緒に煮詰めたジャムが添えられる。
フレッシュな果実の香りに、
焦らされる時間もまた心地よい。
「あー、今すぐその果汁かぶりたい!」
「香りがすごい!見えた!」
お客さんのリアクションや質問に笑顔で応えながらも、
器用にナイフを操る姿はさすが。
更に更には、
キウイとマンゴーとラム酒のアイス、
甘みを爽やかに惹き立てるライムとピスタチオが乗り、
白ワインのゼリーを被せたら、
二皿目が完成。
なにこのsummer感!!
まるでジェリーフィッシュ。
「もうずるい!!」
焦らされたお客さんたちから拍手があがる。
自然と始まる撮影タイム。
「涼しげで可愛い!」と王道アングル。
「やだ、ちょっと恥ずかしいやつ」とローアングル。
作られていく工程を見ていた分、
味わいにも表れる立体感。
ラストは最高級コーヒーとのマリアージュ
コースはいよいよラストプレートへ。
間借り先である、
BENIYAFACTORY一押しのコーヒーとの、
マリアージュを考えたデザートだ。
今回、セレクトされたコーヒーは、
どこまでも透き通るような酸を味わえると、
世界一の評価を得た最高級豆である、
パナマ エスメラルダ農園ゲイシャ『Private Collection』
そして完成した、
コーヒーとのマリアージュプレートがこちら。
『最高のコーヒーにこれ合せてきたかー』
客席から漏れるため息。
驚きからスタートした甘い時間は、
深い納得で締められた。
実店舗を持たない飲食店のスタイル
場所に捉われないスタイルで、
ライブスイーツを展開し始めた水谷さん。
彼女のように、
今、世界中で広がりを見せているのが、
ミニマムなコストで運営できる無店舗型の飲食店。
固定の実店舗を持たず、
シェアキッチンなどで調理を行い、
UberEatsなどのデリバリーサービスを通じて営業をおこなう”ゴーストレストラン”や、”イベント出店”をメインに営業するスタイル、依頼主の指定した場所に出向いて料理をする“出張料理”などが挙げられる。
水谷さんの場合も、
開業資金や家賃などの固定費を抑えることで、
営業スタイル・ライフプランを、
模索しながら進められる運営が可能となっている。
また対面式の接客も、
ストーリー性の演出や客層に寄り添うケアなど、
身の丈に合っているようだ。
一方、仕込先の問題、機材の搬入出、
冷蔵庫の共有環境、毎度の集客などなどハードルもたくさん。
とはいえ、
走り始めた水谷さんを応援する声は多く、
この日も称賛と共に、
温かく厳しいアドバイスも飛び交い、
懸命にメモを取る水谷さんの姿が印象的だった。
最後に、
間借り先にて腕を振るう面白さについて聞いてみた。
水谷さん:「まずは場所によって層の違うお客さんと出会えること。同時に場所を問わず自分のデザートを求めて足を運んでくれるお客さんが視えること。そしてその場所だからこその意味あるメニューを考え、間借り先の方とアイディアを出し合って、可能性が広がることも面白みだなと感じています。これからもっと色んなスタイルでの展開も考えていきたいです」
走り始めたフレッシュなパティシエール。
間借りというスタイルだからこそできる、
自由で斬新な挑戦。
今後の展開が楽しみだ。
MAGARIパフェKIMI情報は、
Instagram「kimikiri0724」にて要チェック!
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事