日だまりにいるような。
そんな感覚になるコーヒー店。
窓から電車を眺めると、日々の喧騒と程よい距離を感じる。
ゆったりとした時間に身を置くと、自身が充電されていくようだ。
四日市の霞ヶ浦駅。
歩いてほど近くにPOLLOCK COFFEEはある。
私はコーヒーに詳しくない。
メニューをしばらく眺めていると、店主がどんなコーヒーが好みなのかを訪ねてくれた。
苦めが好きだと伝えると、グアテマラとブレンドをおすすめしてくれた。
コーヒー好きなら知っている人も多い、伝説の喫茶店大坊珈琲。
POLLOCK COFFEEは大坊珈琲監修の手回しロースターを使っているとのこと。
どんなお客さんがここに訪れるのだろう。
店主の金森さんにお話をうかがった。
金森さん:いろんな方がお見えになりますが、パソコンを開いて仕事をする人もいますよ。
お店は飾った雰囲気ではないし、かといってシンプルなだけではない空間。落ち着いた気分で仕事ができそうだ。
店内では萬古焼の作家である岡井翼さんがご紹介する、器の展示販売もしている。
フードメニューはホットサンドやベイクドチーズケーキのみ。
そう、よけいなものがない。
けど、ゆったり過ごすには必要なものがある。
それはこのお店のデザインにも出ていると思った。
金森さん:グラフィックデザインは四日市の増田満さんにお願いしました。
尖っているのではなく、まるみのあるスタイリッシュなデザインと空間。
金森さん:近所のおばあさんやコーヒーを飲めない人もこられます。
このお店はいろんな人がそっと身を寄せ、羽根を休める場所。
本棚を眺めていて、ふと気になる一冊があった。
Jackson Pollock(ジャクソン・ポロック)。
20世紀を代表するアメリカの抽象画家。
キャンパスを床に置いて、絵具缶から直接絵具を滴らせる独特のスタイルは、ドリップ・ペインティングと呼ばれた。
あ!なるほど。
金森さん:Jackson Pollockが好きで。
このお店の名前は、POLLOCK COFFEE。
店内はドリップされ、滴るコーヒーの香りに包まれていた。
POLLOCK COFFEE
四日市市羽津中1丁目-7-20
hp http://pollock-coffee.com
Instagram https://www.instagram.com/pollockcoffee/
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事