いまや絶滅危惧種の”たぬきケーキ”
昭和40〜50年にかけて大流行した、
たぬきケーキをご存知だろうか。
たぬきケーキとは、
たぬきの形をしたバタークリームのケーキ。
かつてケーキといえば、
主流はバタークリームだったが、
時代の共に生クリームへとシフト。
その流れでたぬきケーキも減少し、
今や絶滅危惧種として存続が危ぶまれている。
私が幼い頃も、
近所のケーキ屋に生息していたが、
いつしか姿を消していた。
それでも記憶の片隅に居続け、
時々、無性に食べたくなるのだ。
懐古の念を抱くなか、
再会は不意に訪れた。
い…いた…。
変わらぬ味を守り続けてきた潮騒
再会を果たしたのは、
三重県志摩市、
近鉄鵜方駅の近くにある欧風洋菓子店「潮騒」
ケーキ=バタークリームの時代から、
変わらぬ味を守り続けてきた、
創業は約60年の老舗である。
懐かしのバタークリームを求めて、
遠方からのお客さんも多いという。
店名は、
先代が営まれていた喫茶店のお名前を、
引き継がれたそう。
昭和の時代に一世風靡したたぬきケーキ。
こちらが潮騒版。
ビジュアルに、
各店の差はあるもの、
鼻がシュッと上がっているのは共通な気がする。
店員さんに伺うと、
仕上げに指でキュッとつまむのだそう。
カットするとこんな感じ。
ジャムの入ったココア生地のスポンジ。
その上にバタークリーム。
周りはチョコレートでコーティングされている。
まったりとしたバタークリームと、
程よくパリパリのチョコレート。
意識高めの横文字系ケーキにはない、
素朴な味わいが絶妙。
25年以上ぶりとなる再会に、
喜びを噛みしめた。
会えるのは、たぬきだけじゃない。
ショーケースには、
たぬきの他にも、
ファンキーな動物がいる。
この日会えたのは、うさぎとパンダ。
パンダケーキは、
どこか小学生の、
手作りバレンタインを彷彿させるビジュアルだが、
味は保証のラズベリーレアチーズタルト。
他にもレトロ感満載の、
バタークリームケーキ群など、
常温OKなので手土産にはもってこい。
因みに、
奥にうっすら見えるのが潮騒のご主人(86歳)
魔法の味から地物のクッキーなどなど
潮騒を語る上で人気商品の、
魔法の味アーモンドパイははずせない。
100層以上の生地から成るアップルパイや、
地物のあおさを使ったクッキーなども、
根強い人気。
また合点だったのが、
アーモンドパイなどの人気商品には、
堅めバージョンが用意されていたこと。
これは、
サックリ食感では物足りず、
しっかりとした歯ごたえを好む、
ベテラン層向けのバージョンなのだそう。
なんとなく合点。
時代を越えた美味しさに出会える、
欧風洋菓子店『潮騒』
たぬきケーキに昭和魂をくすぐられた方は、
ぜひ潮騒で捕獲くださいませませ。
取材日:2018.11
欧風洋菓子店 潮騒
住所:三重県志摩市阿児町鵜方1669-1
電話:0599-43-0416
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事