そこは青い空が広がっていて、太陽の光がサンサンと降り注いでいる。”象の背”と呼ばれる巨岩の上をゆっくりと歩いていくと、徐々にあらわになる待ち望んでいた光景。眼前に広がる山々と壮大な海の展望に一瞬、時が止まる。まるで自分が鳥になったような、そんな感覚を抱いてじっと遠くを見つめていた。
世界遺産や奇跡の清流 大自然と共生するまち
自然の魅力が溢れている三重県紀北町。その中でも、海と山の名をそのまま表した地域が紀北町の海山地区です。河口付近まで抜群の透明度をほこる”奇跡の清流 銚子川”や世界遺産 熊野古道伊勢路を代表する”馬越峠”など自然の観光スポットがめじろおしです。
“銚子川”の水面。銚子川ブルーと呼ばれ、底までしっかり肉眼で確認できます。
“馬越峠”は熊野古道伊勢路の中でも石畳が有名で、そこには先人の歩みが刻まれた神秘的な空間が広がっています。
目指せ 象の背中!便石山トレッキング
そんな“銚子川”や”馬越峠”、さらには紀北町~尾鷲市の海まで展望できるスポットがあるのを知っていますか?
そのスポットとは、”象の背”と呼ばれる巨岩がある”便石山”です。
“便石山”は標高599mあるトレッキングに最適な山で、【”馬越峠”から登るコース】と”銚子川”のほとりにあるキャンプ場【”キャンプinn海山”近くの林道から登るコース】の2つがあります。
今回は、【キャンプinn海山近くの林道から登るコース】での体験レポートです。頂上までは約1時間40分の道のりで、急な斜面を一歩一歩足元を確かめながら登って行きます。地面は滑りやすい箇所もあるので注意が必要です。
この山にはなんと・・・熊が出没する可能性があります。一緒に登った方のリュックには熊よけの鈴がついていて、チリーンという音が山に響きます。案外、その音が歩くペースをチームに知らせてくれる役割にもなっていてとても新鮮でした。
山の中は木々や植物が生い茂っていて、この地域特有の大きな花コウ岩など、”馬越峠”に近い空間の印象を受けます。
道中にはこんな木がありました。枝分かれしているところにフ○テレビの丸い球体みたいなものを設置したら面白いかな・・・なんて歩き疲れからかアホなことを考えてました。気をとりなおして・・・なかなか見ごたえのある木です。
途中にこんな鉄塔もあります。鉄塔の中から上を見上げるのも新鮮です。
ついに到着。まだ待ち望んだ光景がすぐそこに・・・
歩くこと約1時間40分。暖かな日差しが差し込み、目的地の”象の背”についに到着しました。”象の背”の後ろ姿はまさに象の背中。漫画の世界の巨象を思い浮かべました。
ゆっくり前へ・・・・
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この光景です。疲れも吹き飛ぶ、自然を身体いっぱいに浴びながら晴れやかな気持ちになります。目の前に見える山が”馬越峠”です。左下には”銚子川”、右下には”尾鷲市の町並み”が望めます。空と海の青いキャンバスがまた良いです。
※.この日は少し薄雲がかかってました。また、再トライしたいです。
象の背中で鳥になる
そんな体験をあなたもどうですか?
【“便石山”に挑戦するあなたに伝えたい注意点】
- 遊歩道は陥没箇所などがあるので一歩一歩慎重に歩きましょう。
- マムシ、ハチ、野生動物に注意が必要です。
- 空気が澄んでいる晩秋~冬のハイキングがおすすめです。
※.夏は特にマムシやハチが出るのでおすすめしないそうです。
【Q.車はどこに駐車できるの?】
- キャンプinn海山 駐車場
- 種まき権兵衛の里 駐車場
- 道の駅 海山 駐車場
※.キャンプinn海山は有料。また、繁忙期は駐車ができない可能性もあります。
【便石山 アクセスMAP】
濱地雄一朗。南伊勢生まれの伊勢育ち。三重県といっても東西南北、文化や自然・食と魅力で溢れていることに気づき、仕事もプライベートも探求する日々を過ごす。探求を続けると生まれた疑問、それが「何で◯◯が知られていないんだ」ということ。それなら、自分でも伝えていくことだと記者活動を開始。専門は物産と観光、アクティビティ体験系も好物。自身で三重県お土産観光ナビも運営中。