ホーム 04【知る】 04伝統・団体を知る 知られざる驚愕のカオス!!竹成五百羅漢はオーマイゴッドな空間だった。

知られざる驚愕のカオス!!竹成五百羅漢はオーマイゴッドな空間だった。

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三重県菰野の竹成エリアに、
異様なオーラを放ちまくるスポットがある。

何も知らずに訪れた人は、
恐らく『オーマイゴッド!!』となるであろう。

そう、そのリアクションは多分正しい。

だってここには、
あらゆる神と仏と偉人が集まっているのだから。

高さ7ⅿ程の小高い山に、
仲良く並ぶ多様な石像。

その数、なんと約500体。

知られざる驚愕スポット
「竹成五百羅漢(たけなりごひゃくらかん)」

 

これぞ究極のダイバーシティ!?

どこらへんがオーマイゴッドなのか、
その内訳を一部見てみよう。

まず、仏教の開祖 釈迦

地蔵菩薩

真言密教の教主 金剛界大日如来

天狗

七福神の布袋 

三蔵法師

半諾迦尊者

俳人 松尾芭蕉

三猿(見ざる 聞かざる 言わざる)

十大弟子(釈迦の弟子でとりわけ優れた人達)

真言宗の開祖 弘法大師

そして、地獄で亡者の罪を裁く10人の王。
上段中央に君臨するのが閻魔大王だ。

閻魔大王が持つ檀茶幢という杖には、
頭が二つ付いており、
左頭は亡者の生前の善を、右頭は悪をしゃべり明かす。

更に浄頗梨の鏡には、
亡者の生前の悪い行いが、
動画で映し出されるという。

つまり私たちが娑婆にいた時の一切が、
見透かされるということ。

閻魔大王と共に鎮座する王は、
冥土での裁判員にあたり、
それぞれの役割や説がまた面白いのだが、
長くなるので割愛。

兎にも角にも、
オーマイゴッドな空間なのだ。

建立を発願したのは、
竹成出身である照空上人(神瑞和尚)

右:照空上人

平和で安穏そして地域発展を願い、
私財を投じて、
桑名の石工石長こと藤原長兵衛に依頼。

その一門の手により、
約15年を費やし1866年完成したわけだけど、
照空上人は完成をみることなく、
1855年に68歳で入滅された。

因みに、
羅漢は現世で厳しい修行を積んだ小乗仏教の聖者。

地蔵菩薩や大日如来等は、
現世を生きた仏ではないのに対し、
羅漢は本来は生身の人間だったというところに、
より親しみを感じることができ、
中には自分や身内に似た石像がいるともいわれている。

ゆえに写真がなかった当時は、
こどもに先祖の顔を伝えるために、
似ている羅漢像を見付けて伝えていたという説も。

一見奇妙な珍スポットだが、
眺めるだけで心温まるのは、
この場を地域の方々が、
とても大切にされているからこそであろう。

 

全国的にも珍しいダブル如来像

竹成五百羅漢は、
太平山松樹院(大日堂)の境内にある。

本堂には室町中期の、
善通聖阿弥陀仏と名乗る僧の発願により、
刻まれたと伝えられる大日如来坐像が鎮座。

三重県指定有形文化財

二体が鎮座するというのは、
全国的にも珍しい光景とのことなので、
一見の価値ありだ。

また境内には、
藤や菩提樹が植わっており、
季節により華麗に咲く花を鑑賞することが出来る。

 

20数年かかった五百羅漢の調査

今回、竹成五百羅漢を、
20数年かけて調べ続けている方と、
お会いすることが出来た。

三重県四日市市出身の黒宮朝子先生。

黒宮先生は元々保育士さんで、
五百羅漢は通勤経路上にあった。

拝すると疲れも癒え、
拝みに寄るのが日課となった中で、
訪れる時刻や季節によって、
羅漢の表情が異なることに気付いた。

それは天候の影響だけではなく、
自分の心が千変万化するように、
笑い顔や怒り顔など、
その時の心にあった羅漢が、
見えてくるようになったそう。

また通ううちに、
五百羅漢を大切に信仰されている、
地域の方々の温かさにも触れ、
約500体ある羅漢について調べている方とのご縁もあった。

その方の貴重な調査記録を引き継ぎ、
黒宮先生が更に歳月をかけて調べあげ、
自費出版したがこちらの書籍。

1冊5000円

大日堂は檀家のいない寺。

先生は150冊を寄付され、
売上の全てが五百羅漢を守る費用に充てられている。

 

じっくり見学したい人は事前連絡がおすすめ

改めて、
黒宮先生のと共に、
五百羅漢を拝する。

気になった石像がどのような像なのか、
照らし合わせると一層に面白い。

背中に刻銘があるものと、そうでないものがある

山頂から、
羅漢さんらの後姿を眺めるのもまた壮観。

ただ、今、
竹成五百羅漢は
保存修復問題に直面している。

石像は地元の花崗岩で作られているのだが、
像を彫る素材として風化が激しく最適ではない。

特にここ数年で起きた震災により、
破損や欠損は加速化。

竹成五百羅漢を管理している菰野町竹成観光協会は、
安全を考慮し、
参拝は柵外からのみとする苦渋の決断をした。

といっても、
事情を理解の上、
協会へ事前に連絡をすれば柵の中に入山可能なので、
じっくり拝したい方は予約がおすすめ。

多くの方にいつでも安心して参拝してもらえるよう、
菰野町竹成観光協会の修復へのご尽力は続いている。

「神も仏も一仏一体」という神仏習合な竹成五百羅漢。

当時の庶民信仰そのものが反映された光景に何を想うか。

羅漢さんを通して、
自分の心と向き合うのもいいかもしれない。

 


竹成五百羅漢
住所:三重県三重郡菰野町竹成2070

菰野町竹成観光協会
電話:059-396-0837

福田ミキ

フクダミキ。OTONAMIE副代表。OTONA MASTER。
仕事は東京の企業の社長秘書兼オフィスワークセンター長。数年前から社会人学生でもある。2014年に夫の都合で東京から三重県桑名市にお引越し。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。この記者が登場する記事
※くわブロにて情報更新中

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