四日市に、
すごいラーメン屋がある。
ほら。
もう入口からただならぬオーラ。
扉を開けて、いざ。
迷宮入りしそうなメニュー
平静を装い、
店内に視線を走らせた。
が、早速、入口すぐの、
おしぼりセルフルールに、
ちょっと動揺。
そして圧倒されるのは、
壁に貼られた短冊メニューの数。
その数、約130種類。
豊富すぎるメニューを
把握するだけでも大変なのだけど、
更に苦労するのは、
そもそもメニューを見ても、
なんだかよくわからないという点。
魔法のラーメン(一度食べたら又食べたくなる)
秘法ラーメン(秘法中国四千年秘伝の味漢方薬膳)
極秘ラーメン(胡麻ニンニク入り)
梅台湾メン(世界広しここだけ)
爆弾ラーメン(ニンニクコロコロスタミナつくつく)
謎のラーメン(東洋の神秘 南蛮渡来なぞのスパイス入り)
幸福ラーメンetc…
なんのこっちゃ。
もはや迷いどころがわからなくなってくる。
ラーメンの注文で、
あわや迷宮入り。
一周回って、
「普通のラーメン」というメニューもあった。
思わず、
ありがとうって言いたくなった。
幸せになりたくて…夏
頼んだのは、
おすすめゾーンにあった、
特製チャーシューメン(800円)
と、幸福ラーメン(600円)
まずスープをひと口。
あ、美味しい…。
コクのあるスープに
唐揚げやチャーシューの旨みが、
イイ感じにしみている。
少し甘めのメンマの味付けも、
また絶妙。
ネーミングセンスは斬新だけど、
どこか懐かしい昔ながらの美味しいラーメン。
大将のO・HI・GE!!YEAH!!
―—大将、ちょっとお話伺ってもいいですか??
『いいよ』
と振り向いた大将にズキュンっ。
―—大将、そのOHIGE!!めちゃ素敵ですね!
大将:『昔はもっと長かったんだけどねぇ』
OHIGEが素敵な大将の
ご出身は三重県の南伊勢町。
名古屋の中国料理店にて修業をし、
24年前にこの桃仙(トウセン)を創業した。
”桃”は中国では縁起物。
食卓を囲む幸せを、感じられる場であること。
そして店の立地上、
山が近いということから”仙”
二文字を合わせ、
桃仙とつけたのだそう。
絶妙だったメンマやチャーシュー、煮卵の
味付けは全て大将のオリジナルで、
梅干しなども全て自家製。
―—これだけメニューがあると迷っちゃいますね。大将が特に推しのメニューはありますか??
大将:『うーんそうだなぁ、漢方薬膳ラーメンかな』
漢方薬膳ラーメンの短冊を見ると、
”世界で一番 二十一種類の薬草入り”と添えてある。
その言葉通り、
独自ブレンドの漢方に、
台湾BBQソースやヒラメの卵の燻製、
干海老や自家製オイスターソースなどを練り、
スープに調合するのだそう。
―—そ、それ、絶対美味しいですね。
大将:『そりゃ、美味しいよ』
はて、何故おすすめゾーンに、
漢方薬膳ラーメンが入っていなかったのかしら。
そう壁を見直すと、
システムが週替り制だった。
これは行く度に、
楽しみが出来ちゃうパターンだYO。
笑顔とOHIGEが素敵なマスターと、
クールなママさんが二人三脚で営む桃仙。
メニュー選びから楽しめるその一杯に、
お腹と心はぽかぽか。
この日、
次の次に食べたいメニューまで決めたけれど、
結局また来た時に迷うんだろうな。
photo / y_imura
桃仙(トウセン)
四日市市内(店舗情報非公開)
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事