”ビジネスマーン ビジネスマーン
ジャパニーズ ビジネスマーン”
懐かしい栄養ドリンクのCMソングを、
口ずさみたくなるビジネス街 東京・銀座。
鳥居がありました。
伊勢うどんがありました。
三重が色々ありました。
伊勢うどんってどんなもの??
そんな質問をしてきた友人は、
ネイビーのスーツをビシッと纏った、
THE 銀座のビジネスマン。
『柔らかくて平和なおうどんだよ』
という私の答えに、
全く腑に落ちていない様子。
それ以上ムダな質問をすることもなく、
小伊勢うどんを注文する友人。
出てきた伊勢うどんを見て、
まず汁気がないことと色に驚いたようだ。
尾鷲ヒノキの升に入った天かすをパラパラし、
友人:『いただきます』
さて、初伊勢うどんの感想は・・・。
友人:『おー、ふーん、うんうん、新しい食べ物って感じだね』
―—優しさ、感じる?
友人:『優しさ?いや、それはよくわからないけど素朴だね。思ったよりもタレにコクがあって味噌かと思ったよ』
―—どんな時に食べたい??
友人:『基本元気で、ちょっと弱ってる時かな』
三重県伊勢で400年以上前から愛されてきた伊勢うどん。
この柔らかさは、
お伊勢参りの旅人の胃を気遣ったという説を話したら、
とても納得していた。
三重の食材に魅了されたオーナーみっしぇるさん
ここは銀座六丁目にある
ISE-UDON BAR 伊勢物語。
三重県の食材を多数扱っているが、
オーナーさんが三重出身というわけではない。
『ある店で伊勢うどんを初めて食べた時、その美味しさにすっかりはまってしまったの』
みなみ製麺を手に話してくれたのは、
オーナーのみっしぇるさん。
関東では中々出会えない伊勢うどんだが、
みっしぇるさんは、
三重出身のママがいる東京・浅草の食堂でたまたま食し、
その美味しさに衝撃を受けたという。
うどんといえばコシ!!
というのが世の主流となっている中、
ふわっと柔らかな伊勢うどんは、
幼少期の想い出を蘇らせたそう。
みっしぇるさん:『風邪引いた時とかに作ってもらうおうどんて、柔らかくて優しいでしょ』
すぐに有楽町で23年やっている、
まんぷく食堂という居酒屋で提供するため、
みなみ製麺さんから取り寄せをした。
はじめ、店のスタッフたちは、
柔らかいうどんに対して後ろ向きだったが、
たまたまコラムニストであり伊勢うどん大使の、
石原壮一郎さんの記事を見付けスタッフに紹介。
ふわっと優しく、
平和的な伊勢うどんは、
やわらかさを通じて大人の何たるかを教えてくれている!
と解く石原氏の伊勢うどんへの愛に触れ、
スタッフ皆の感覚が変わったという。
また記事の切り抜きを店に張り出した直後に、
石原氏本人が来店したという驚きの展開もあったそう。
その後、まんぷく食堂では、
伊勢うどん始めとする、
三重食材の取り扱いを増やしていったが、
なぜ三重??と聞かれることも多かった。
そこでわかりやすく、
伊勢を出した名前で新たに銀座にオープンしたのが、
こちらのISE-UDON BAR 伊勢物語とのこと。
―—銀座の方々に伊勢うどんの評判はいかがですか?
みっしぇるさん:『賛否あるものの、ランチや飲んだ後に食べたいなど、ビジネスマンのファンは多いですよ』
尾鷲ヒノキの升に入った松阪牛すき焼めし
伊勢うどんも好評だが、
ランチの人気メニューは、
松阪牛のすき焼きめし。
柔らかな松阪牛に、
卵を絡めていただきます。
友人:『尾鷲ヒノキのほんのりとした香りがまたイイね』
土地柄、外国人客も多いため、
このヒノキの升はとても喜ばれるのだそう。
他にも期間限定で登場する
松阪牛の100%ミンチのハンバーガーも人気。
昼間からお酒が飲めるので、
ビール片手にビジネスランチをされている方々もちらほら。
あの栄養ドリンクのキャッチフレーズ、
”ジャパニーズビジネスマン、24時間戦えますか?”
は今の時代にはそぐわないが、
伊勢うどんから優しさを、
松阪牛から英気を養って、
午後からの仕事にも気合が入る…はず!!
ISE-UDON BAR 伊勢物語
住所:東京都中央区銀座6-3-7 AOKI TOWER 1F
電話:03-6264-5721
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事