”大人の渋谷”といわれる奥渋谷
東京 渋谷。
賑やかで若者のイメージが強い街であるが、
渋谷駅から10分程歩き、
Bunkamuraオーチャードホール方面へ進むと、
ざわめきは一転。
閑静で落ち着いた雰囲気の中、
洗練されたカフェやギャラリーが点在する
奥渋谷エリアへと入る。
元寿司職人がつくる美しき玉子サンド
コーヒーの香りに惹かれ、
思わず足をとめてしまうのは、
スタイリッシュなコーヒースタンド
『CAMELBACK sandwich&espresso』
イートインは表の小さなベンチのみ。
こじんまりとした空間から、
伝わってくるこだわりと世界観。
2014年12月に開店して以来、
美味しいサンドウィッチと、
本格的なエスプレッソコーヒーが飲めると、
人気のコーヒースタンドなのだ。
CAMELBACKを運営しているのは、
高校時代からの友人という男性お二人。
バリスタの鈴木さんと、
サンドウィッチを担当する成瀬さん。
ラテやエスプレッソなどのドリンクから、
ユニークなサンドウィッチメニューが並ぶなか、
特に人気なのは…
Egg Omelet Sandwich。
玉子サンドである。
日本とアメリカで、
寿司職人としての経験を積んだ成瀬さん。
お箸を使いサンドウィッチを
一つ一つ丁寧に作り上げる姿を眺めていると、
まるで寿司屋に来たような錯覚を覚える。
CAMELBACKのサンドウィッチは、
大葉や柚子など和との融合を楽しめる、
個性的なメニューが多いのが特徴。
早速、美しき玉子サンドについてお話をうかがった。
玉子サンドを支えるのは桑名もち小麦
熟練の技が光る焦げ目のない玉子焼きと、
それをむっちりと包むコッペパン。
CAMELBACKの定番メニュー”玉子サンド”
このコッペパンは、
人気のパン屋「カタネベーカリー」に、
特注でお願いしているもの。
実は生地に配合されているのは、
三重県桑名市で栽培されている『桑名もち小麦』
小麦のでんぷん質がもち性で、
モチっとした食感が得られる小麦粉である。
当初、玉子サンドを、
食パンで作っていたこともあったそうだが、
試行錯誤を重ねるなかで、
カタネベーカリーから桑名もち小麦の提案を受けた。
試してみると、
甘みと深みと芳醇な小麦粉の香り。
心地よい粉っぽさが、
しっとりとした玉子焼きにとても合った。
以降、玉子サンドはこのコッペパンで、
定番メニューとなったのだそう。
ぽてっと可愛いコッペパンに、
きめ細やかな玉子焼きというビジュアル。
横から見ても美しい。
ひと口食べると成瀬さんの仰る、
「心地よい粉っぽさ」の意味が分かるだろう。
モチっと柔らかく、
食べ応えのあるコッペパン。
出汁がきいてほんのりと甘い玉子焼き。
うっすらとひかれたバターの香りに、
ピリッとする和からしが味を引き締める。
そして交互にラテ。
合う…超絶合う!!!
都会のオアシス的なコーヒースタンド
相性抜群のサンドウィッチとコーヒーなのだけど、
双方が寄せているわけではない。
サンドウィッチを突き詰める成瀬さんと、
コーヒーを突き詰める鈴木さん。
それぞれが自分の分野を追求するのが、
CAMELBACKのスタイル。
そのシンクロを求め、
開店と同時にお客さんは絶えない。
年齢や国籍は様々で、
ご近所さんから観光客まで、
とにかく幅広い客層。
英語でも日本語でも、
自然体でコミュニケーションをとっており、
都会的でありながら親しみを感じる空気感。
CAMELBACKという店名は、
成瀬さんが住んでいた、
アメリカ・アリゾナ州にある、
キャメルバックマウンテンにちなんだもの。
”二人の男”をふたこぶに例えてのラクダ、
という意味も含んでいるのだそう。
また三周年を迎え、
テーマに掲げているのは”トーキョーサバク”
たくさんの人で溢れる大都会・東京。
もちろん良いところはあるわけだけど、
厳しく過酷であり、
人間関係が希薄になりがちなところに、
ある意味の砂漠っぽさを感じ、
人と人を繋げる、
都会のオアシス的な場所になれたら…
そんな想いが込められているのだそう。
これはCAMELBACKを始めた理由でもあり、
原点回帰だと聞かせてくださった。
ふらっと立ち寄り、
コーヒーやサンドウィッチが出てくる間の会話を楽しむ。
「いってらっしゃい」と明るく送り出してくれる声に、
地域に根付いた、
日常の延長線上にある心地よさを感じた。
CAMELBACK sandwich&espresso
住所:東京都渋谷区神山町42-2
電話:03-6407-0069
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事