桑名駅近くの高台。
通るたび、多くの人が気になっていた洋館がある。
外観からも感じられる風格。
一体なかはどうなっているのだろう・・・。
って思うでしょう。
―――洋館の一部が明らかに・・・
建物の一部は2014年9月に、
Bagel&Cafe『Manon(マノン)』として開放された。
正直、
今までベーグルに興味なかったのだけれど、
MANONの味を知ってからは、
見事、ドはまりしたからね。
![10850057_1028947163798106_9075313050322194267_n](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/10850057_1028947163798106_9075313050322194267_n.jpg)
それはもう中毒レベル。。
↓↓MANONの記事はこちら↓↓
あぁこのむっちり・・堪らない・・・『Manon』のベーグル
―――帝国ホテルを設計したあのフランクロイドライト調
建物の話に戻ろう。
カフェとして一部解放されたことで、
ますます気になる扉の向こう。
プライベート空間である本邸を、
家主のKさんにご案内いただいた。
扉を開けた瞬間から、
異空間へ迷い込んだかのような錯覚に陥る。
![DSC_0172](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/DSC_0172-644x1024.jpg)
それもそのはず。
実はこちらの邸宅は、
世界三大建築家といわれる、
フランク・ロイド・ライトの弟子(※推論)が手掛けたとされる文化的価値のあるお屋敷なのだ。
![IMG_9495 (1)](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/IMG_9495-1.jpg)
帝国ホテルを設計した、
あのフランク・ロイド・ライト。
明治村(愛知県)や東武ワールドスクウェア(岐阜県)では、鑑賞用建造物となっており、
「空間の魔術師」とも称される、
あのフランク・ロイド・ライトです。
土地としては、
元々は圓妙寺の境内だった一帯。
![IMG_9961](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/IMG_99611.jpg)
資産家の松本長蔵氏の邸宅として、
大正時代建てられ、
築年数は推定90年。
当時、桑名には二つの財閥があり、
一つは松本家、もう一つは諸戸家。
諸戸家の邸宅は、
鹿鳴館の設計で有名な建築家
ジョサイア・コンドルが手掛けた”六華苑”
![IMG_4930](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/IMG_4930.jpg)
西のライト、東のコンドル。
市内に、著名な外国建築が二棟もあるってすごくない??
———お屋敷をぐるり見せていただいた
土地だけと思っていたから
木々にひっそりと覆い隠されていた邸宅の存在に驚いた。
もうだいぶ朽ちていたそう。
調べていくうちに、
邸宅の由緒と歴史を知り、
建築の研究をしている
大学の教授へ視察を依頼。
結果、ロイド・ライトの要素が随所に確認でき、
教授陣による大がかりな復元計画が建てられた。その後、ライト風の図面をもとに、
約2年半を要して復元。
なかでも調度品まで
ライト思想に統一されたお部屋がこちら。
![DSC_0192](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/DSC_0192.jpg)
ブラボー!!
クラシカルで高級感たっぷりなところが、まさに帝国ホテル。
ゲストルーム専用の檜風呂もあり、
軽井沢の万平ホテルを彷彿させる。
![IMG_9506](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/IMG_9506.jpg)
室内に飾られている
奥様のお花や押し花の作品がまた抜群に合うのです。
見た目だけではない。
暮らしやすさも
細部にわたって追及されており、
階段は登りやすいように、
表面が少し湾曲している。
![IMG_9518](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/IMG_9518-225x300.jpg)
瓦の化粧材は木で、
熱を吸収し、雨音を和らげる工夫。
![IMG_9525.jpg](http://blog-imgs-86.fc2.com/t/e/n/tenmie/IMG_9525.jpg)
床は厚みのあるムク材で、ぬくもりを感じる。
![IMG_9933](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/IMG_9933-225x300.jpg)
要所要所にある通気口により、
空気が循環し、冬は暖かく、夏は涼しい。
日本家屋のような大黒柱ではなく、
壁の厚みと中の角材で
大空間をとっているところが外国建築の特徴。
―――ゆらめく炎にどっぷりと浸る時間
広間では、
暖炉にくべられた樫の木がぱちぱちと鳴る。薪の香りと音、
身体と共に、
眼球がじんわり温かくなっていく感じが心地よい。
同時に心も穏やかになっていく。
暖炉というのは、
室内の悪い空気を吸って焼き、外へ排出する。
そのため、室内は快適になるのだそう。
友人がぼそっと
「人の邪気も吸ってくれるかな」って。
そ、それは知らんよ・・・。。
遠赤外線で焼かれたお芋は、ねっとりほくほく。
![DSC_0214](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/DSC_0214-1024x683.jpg)
なんて優雅で贅沢な時間なのだろう・・・。
―――暮らしながら残すということ
受け継がれてきた古き良きものに、
現代の快適さを取り入れる。
この邸宅には、
ハイブリットに”暮らす”工夫が施されている。
遮断して保存するのでなく、
伝統と文化、知恵や技術とともに
暮らしながら残すという豊かさがここにある。
―――サロンのような社交空間
広間はもともと社交場であったのもあり、
家主Kさんは、
この歴史ある邸宅を
もっと多くの人に楽しんでもらうことで、
家が喜び、活きるだろう考えていらっしゃる。
建築に興味がある人、
優美な時間に浸りたい人、
非日常な異空間でなにかをしたい人etc・・
諸々興味のある方は、
Bagel&Cafe「MANON」さんとの相談で
このスペースをおかりすることができる・・・かも。
![IMG_4834](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/IMG_4834.jpg)
美味しいスイーツ片手に語り合いたい方々には、
こんな素敵なお茶会を、お願いすることができる・・・かも。
![15978131_1865533580349347_1614981520_n](http://otonamie.jp/wp-content/uploads/2017/01/15978131_1865533580349347_1614981520_n-225x300.jpg)
由緒ある空間を、
見て回るだけでなく
実際に使うことで価値を実感する。
見て、触れて、感じて、浸る。
それこそ満喫といえるのかもしれないな。
☆Bagel&Cafe Manon☆
住所:三重県桑名市東方1364
電話:0594-22-7422
時間:10:00-17:00(カフェ11:00-17:00)
定休:日曜・木曜
備考:広間と店舗を開放した場合、収容人数は20名程
![福田ミキ](https://otonamie.jp/wp-content/uploads/2015/10/0c6abe6ba47f91287c049ca7f0a65986_2-150x150.jpg)
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事