桑名駅近くの高台。
通るたび、多くの人が気になっていた洋館がある。
外観からも感じられる風格。
一体なかはどうなっているのだろう・・・。
って思うでしょう。
―――洋館の一部が明らかに・・・
建物の一部は2014年9月に、
Bagel&Cafe『Manon(マノン)』として開放された。
正直、
今までベーグルに興味なかったのだけれど、
MANONの味を知ってからは、
見事、ドはまりしたからね。
それはもう中毒レベル。。
↓↓MANONの記事はこちら↓↓
あぁこのむっちり・・堪らない・・・『Manon』のベーグル
―――帝国ホテルを設計したあのフランクロイドライト調
建物の話に戻ろう。
カフェとして一部解放されたことで、
ますます気になる扉の向こう。
プライベート空間である本邸を、
家主のKさんにご案内いただいた。
扉を開けた瞬間から、
異空間へ迷い込んだかのような錯覚に陥る。
それもそのはず。
実はこちらの邸宅は、
世界三大建築家といわれる、
フランク・ロイド・ライトの弟子(※推論)が手掛けたとされる文化的価値のあるお屋敷なのだ。
帝国ホテルを設計した、
あのフランク・ロイド・ライト。
明治村(愛知県)や東武ワールドスクウェア(岐阜県)では、鑑賞用建造物となっており、
「空間の魔術師」とも称される、
あのフランク・ロイド・ライトです。
土地としては、
元々は圓妙寺の境内だった一帯。
資産家の松本長蔵氏の邸宅として、
大正時代建てられ、
築年数は推定90年。
当時、桑名には二つの財閥があり、
一つは松本家、もう一つは諸戸家。
諸戸家の邸宅は、
鹿鳴館の設計で有名な建築家
ジョサイア・コンドルが手掛けた”六華苑”
西のライト、東のコンドル。
市内に、著名な外国建築が二棟もあるってすごくない??
———お屋敷をぐるり見せていただいた
土地だけと思っていたから
木々にひっそりと覆い隠されていた邸宅の存在に驚いた。
もうだいぶ朽ちていたそう。
調べていくうちに、
邸宅の由緒と歴史を知り、
建築の研究をしている
大学の教授へ視察を依頼。
結果、ロイド・ライトの要素が随所に確認でき、
教授陣による大がかりな復元計画が建てられた。その後、ライト風の図面をもとに、
約2年半を要して復元。
なかでも調度品まで
ライト思想に統一されたお部屋がこちら。
ブラボー!!
クラシカルで高級感たっぷりなところが、まさに帝国ホテル。
ゲストルーム専用の檜風呂もあり、
軽井沢の万平ホテルを彷彿させる。
室内に飾られている
奥様のお花や押し花の作品がまた抜群に合うのです。
見た目だけではない。
暮らしやすさも
細部にわたって追及されており、
階段は登りやすいように、
表面が少し湾曲している。
瓦の化粧材は木で、
熱を吸収し、雨音を和らげる工夫。
床は厚みのあるムク材で、ぬくもりを感じる。
要所要所にある通気口により、
空気が循環し、冬は暖かく、夏は涼しい。
日本家屋のような大黒柱ではなく、
壁の厚みと中の角材で
大空間をとっているところが外国建築の特徴。
―――ゆらめく炎にどっぷりと浸る時間
広間では、
暖炉にくべられた樫の木がぱちぱちと鳴る。薪の香りと音、
身体と共に、
眼球がじんわり温かくなっていく感じが心地よい。
同時に心も穏やかになっていく。
暖炉というのは、
室内の悪い空気を吸って焼き、外へ排出する。
そのため、室内は快適になるのだそう。
友人がぼそっと
「人の邪気も吸ってくれるかな」って。
そ、それは知らんよ・・・。。
遠赤外線で焼かれたお芋は、ねっとりほくほく。
なんて優雅で贅沢な時間なのだろう・・・。
―――暮らしながら残すということ
受け継がれてきた古き良きものに、
現代の快適さを取り入れる。
この邸宅には、
ハイブリットに”暮らす”工夫が施されている。
遮断して保存するのでなく、
伝統と文化、知恵や技術とともに
暮らしながら残すという豊かさがここにある。
―――サロンのような社交空間
広間はもともと社交場であったのもあり、
家主Kさんは、
この歴史ある邸宅を
もっと多くの人に楽しんでもらうことで、
家が喜び、活きるだろう考えていらっしゃる。
建築に興味がある人、
優美な時間に浸りたい人、
非日常な異空間でなにかをしたい人etc・・
諸々興味のある方は、
Bagel&Cafe「MANON」さんとの相談で
このスペースをおかりすることができる・・・かも。
美味しいスイーツ片手に語り合いたい方々には、
こんな素敵なお茶会を、お願いすることができる・・・かも。
由緒ある空間を、
見て回るだけでなく
実際に使うことで価値を実感する。
見て、触れて、感じて、浸る。
それこそ満喫といえるのかもしれないな。
☆Bagel&Cafe Manon☆
住所:三重県桑名市東方1364
電話:0594-22-7422
時間:10:00-17:00(カフェ11:00-17:00)
定休:日曜・木曜
備考:広間と店舗を開放した場合、収容人数は20名程
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事