夫と移動中、
ビビビビビっ!!と反応した
”気になる”センサー。
「おー!あそびに来てくれたん??」といきなり。
■だ、誰!?
おじさん:「ありがとう、ありがとう。せっかくやから入ってって」
ヤバいと思ったのか、即ことわる夫。
おじさんは、1分だけでいいからという。
なんとなく断れない空気。
(おじさんは住職だった)
私と夫の名前を聞かれる。
おじさんは、私たちが長男長女という前提で話をしてくる。
(すごい、その通り)
そして出会って1分で
私は”アントニオ・ミキ”と名付けられた。
だから仏様に”元気ですかー!?”と言わないといけないらしい。
(なんて斬新な誘いかた)
■おそるおそる室内へ入った
絵の中からも、さかもと(住職)が呼びかけてくる。
”あなたをずっと待ってるよ”
”さかもと待ってますよ”
さかもと・・・・・。
壁には子供たちの絵がたくさん。
”たのしいおてら”
”お寺・お寺・おじちゃん”・・・。
「近所の子らが、おっちゃんが寂しくないようにと書いてくれたんよ。」
嬉しそうに目を細める。
■子供は多く、大人は少ない寺
この寺は、
門徒がおらず、
包括宗教団体に属していない単立寺院。
おじさんもとい住職は、
3か月前に
山梨からこの寺に来た。
7時~20時の間、
寺の鍵は開けていて、
子供たちが自由に出入りしているとのこと。
「子供はよう来てくれるけど、大人は少ないから嬉しいわ」
寺の出入りって、
高齢者>子供のイメージだけど、
この寺は逆なのか。
しかもたった3ヶ月で、
近所の子供たちと親しんでいるのがすごい。
■仏様に自己紹介
手の合わせ方から、
仏様と友達になる方法まで教えてもらった。
今のうちに仏様と友達になっておくと
今後の人生、何かとお得らしい。
「仏様、元気ですかー!!」も言わされました言いました。
この時だけ、
”恥ずかしいだろうから”
と、ソッと影に隠れる住職。
ジェントルマンです。
■なぜか和太鼓をたたくことになった夫。
住職から
「南無妙法蓮華経」のリズム指導を受け、たたく。
繰り返したたく。
ポイントは、
頭を4歳に戻すこと。
これ、どういう状況??
ぽかーんとしていた私にも、
太鼓と木魚が与えられ、
いつの間にかセッション。
意味わからないけれど、
楽しくなってきて
リズミカルに太鼓をたたく。
■ネクストステージへの切符
「あなたたちには音楽的センスがある!!」
住職と共に部屋を移動。
出た!また太鼓!
どんだけあるんだ・・。
これでもかって、うちわ太鼓や鐘も加わる。
こういう音は、
仏様が喜ぶのだって。
住職曰く、
最終的な演奏の良し悪しは、
ミカンでわかるとのこと。
演奏を聞かせたみかんが美味しい=良い演奏だった
ということらしい。
先日は、
子供たち自らが
寺の打楽器を使った演奏会を開き、
親御さんたちを驚かせていたとか。
なんかわかるわー。
住職、褒め上手なんだもの。
■住職も仏様もおじちゃん
それにしても賑やかな壁。
住職:「子供たちはいつも祭壇に”おじちゃんこんにちはー!!”と言うのよ」
-あれ、おじちゃんって住職のことでは?
住職:「私も仏様もおじちゃんだよ」
-本当、仏様とお友達みたい。
住職:「だんだん会話出来るようになるよ、仏様に心はあるから」
例えば、
自分の好きなコーヒーを買い、仏様に供える。
数分したら自分で飲む。
仏様のおさがりを頂くことで、
飲み交わした気持ちになるという。
■スピリチュアルな世界
はっきりとは言わなかったけれど、
住職は、色んなものと会話ができる気がする。
境内には、
水子地蔵があり、
寒そうだから何とかしてあげたい
と本気で悩む住職。
また訪問者から感じる気配(霊??)に
涙することもあるそう。
因みに、
この日、住職は
夫と会ってからお腹に違和感を感じているという。
夫の先祖に、
腹の病いに悩んだ方がいるのかと心配していたけれど、
実はこの日、
夫自身がお腹の調子が良くなかったらしい。
なんと・・・。
■なにかが不思議・・・。
何がと言われると分からないのだけれども、
ここは何かが不思議。
住職っぽくない住職に、
おじちゃんと呼ばれる仏様。
自然と子供が集まる環境と、
自由すぎる空間。
集会でも何でも
使ってもいいよという和室。
「おじちゃんペンキ貸して」と言われ、
貸したらこうなったという玄関
子供たちが作ったヘビの墓
お地蔵さまが
退屈しないようにと、
手にはボール。
最後に、
お酒は好きか聞かれ、
くださったお供えのおさがり。
お経を聞かせた酒が美味しい=良いお経がだった
ということ。
1分だけとお邪魔した寺だったが、
いつの間にか1時間以上。
受け容れ、褒め、
一緒に楽しんでくれる住職の存在は、
まるで日本昔ばなしに出てくる、
小さな村の”おしょうさん”のようだった。
最上稲荷 大祥寺
住所:三重県桑名市大字東方船着町1175番地の6
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事