私は “職人” という言葉が好きです。
ジモト三重県はもちろん、世界に江戸前寿司を伝えた寿司職人が現役を引退されました。
勢いのある声、バッと開いた目、キリッとしたオーラ。そして高圧的な話し方はしない寿司職人、大寿司代表の松田さん。
「大寿司が店を閉める」
そのウワサを聞いて、とても驚きました。
「地物を中心に握らせてもらっていいですか?」
松田さんはニコっと笑って握ってくれました。
本当かどうかはわかりませんが「大寿司のトロは1貫1,000円」と、小学生のときにお金持ちの同級生が言っていたのを今でも覚えています。
オトナになったら大寿司のカウンターで寿司を食べる!
その夢は最初で最後というカタチで叶いました。
お客さんも徐々に帰り始めた、夜9時半過ぎ。
「ちょっとお先に失礼しますわっ!」
すべての寿司を握り終えた松田さんは店を出て行きました。
他の職人さんに、どこに行くのか聞いたところ
「今から仕入れに行くんですわ。カプセルホテルでちょっと寝て、そのあと柳橋(名古屋の中央卸市場)で仕入れです。週に何回か、あのペースなんですよ。」
えっ今から・・・。正直驚きました。
そして私は、松田さんにお会いすると元気になる理由がわかった気がしました。
今の自分は、本気で仕事に向き合っているだろうか?
自分に言い訳をして、ごまかしていないだろうか?
いや、そんなことを思うくらいだから、しっかりと気持ちのヒモをギュッと締め直して仕事をしよう。
“本物の寿司職人が、本物の名店がジモトに存在していた。”
どうしてもそのことを記録したくてこの記事を書きました。
オトナが憧れる、粋なオトナ。
大寿司の過去記事
>>全国放送ぶっこみジャパニーズ出演のカリスマ寿司職人 大寿司の松田社長インタビュー@津市
>>うわさを生むうまさ。東京大寿司 潜入取材@津市
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事