ホーム 04【知る】 04人を知る 気になる扉をノックしてみたら、モケジョじゃなくてもわくわくしちゃうおじさんがいたよ。

気になる扉をノックしてみたら、モケジョじゃなくてもわくわくしちゃうおじさんがいたよ。

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気になる扉にknock knock!

―—ここ何の店だろう。

って気になる場所あるよね。

だって、この・・・気になる。
何屋さん??

勇気を出してノックしてみた。

 

「どうぞー」

中から返答をいただき、
お邪魔するとそこには、

ジオラマがずらりん。

お城や看板、
昭和レトロなドールハウスがぎっしり並んでいる。

うかがうと、
実はこちらは店舗ではなく個人宅だった。

作っているのはご主人の上山さん昔、お父上が営まれてたガス店を
趣味スペースとして使用しているだけとのこと。

ジオラマは販売や展示をしているわけではなく、
定年後に娘さんから
お父さん、ボケないでね♡
とプレゼントされた城キットをきっかけに、
はまっていった老後の趣味だそう。

娘さん、ナイス!

あー、懐かし。

井村屋のメロンボールか、
雪印のバニラブルー食べたいわー。

 

キットといえども器用さ必須!

ドールハウスも市販のキットで製作。

キットと言えど、
その工程はさすがミニチュア、
とにかく超細かい。

柿の実一つとっても、
粘土を丸め、
リアルな光沢を出し、
へたを作ってピンセットで装着する。

程よく粉をまぶして干し柿にも。

木の枝は、
熱を加えて自然なしなりを演出。

煎餅店は、

店先の煎餅まで。
漬物店は、

店の奥の千枚漬けまで作りこむ。

店頭のカブは粘土、奥の千枚漬けは発泡スチロールで作られている

百福は、赤福のもじりかな。

これまた店奥の草履まで
細か~く可愛くできている。

下駄も粘土で

”モケジョ(模型好き女子)”ではないけれど、
昔、シルバニアファミリーの家や小物に
わくわくしたあの気持ちを思い出した。

 

江戸時代、この付近は旅人の休憩場所だった

ジオラマを作っている上山さん邸は、
三重県桑名市の矢田町にある。

江戸時代は
東海道の立場(宿場と宿場の中間)で
旅人が休憩する茶屋などが集い賑わっていた場所。
今でも民家の壁に、
馬を繋ぎとめた鉄環や連子格子が残っており、
中々味わいが深い。
この街道沿いに掲げられた看板や表札は、
上山さん作のものが多い。
これもご趣味。

 

一見強面だけれども、実は・・・

話しだすと、
とても気さくな上山さん。

ニックネームは

なぜ猿なのか・・・は聞かなくても納得。

気候の良い日は、
扉は網戸にしてあり、
子供たちが通りがかりに声をかけていくのがまた長閑。

「おっちゃんただいまー!!」

「おぅ、おかえりー」

私にも「ほら、好きなん買っておいで」
小銭入れを渡し
家の横の自販機に促してくれた。

缶コーヒーと共に、
上山さんのお話を伺う。

「暇やでな」

そう仰る上山さん。

明るく柔和なお人柄で、
なんというか女心をわかってもらえるというか
気持ちを汲むのがとてもお上手。

・・・見た目的に、ちょっと意外。

聞くと、
現役時代は某企業にて技術職に就かれており、
女性の多い部署での管理職経験もあるという。

あーなるほどねー。

とにかく人が好きというのが伝わってくる。

単身赴任の時には
毎日誰もいない部屋に向かって
「いってきまーす」「ただいまー」を
元気よく大きな声で続けていたそう。

上山:「だってそうでも言わんとほんとに寂しいヤツやないか」

そして、秘密をひとつ教えてくれた。

上山:「そこのカーテン開けてみ」

―—ん?これ何ですか??

上山:「飼ってたワンコの寝床よ。もう亡くなっちゃったんだけどね、匂いがまだ残ってて、そこに置いてあると1日ずっと一緒にいる気分になれるんよ。こないだもふっと気配感じてねー。奥さんにその話したらちょうど命日やったん。やっぱいてくれるんやねー」

―—それ、わかる。。。

 

そんな上山さんてば、1年後にはキットでは物足りなくなって・・・

そんなこんなで
立ち寄るようになって約1年。

上山:石取祭の祭車を図面からおこしてみたんよ」
最近は、もっぱらオリジナルの物を作っており、
ついには自分の町内の祭車のミニチュア版を
図面からおこして作り出したそう。

―—これ写真撮っていいの?

上山:「ダメな理由あらんやろ。色んなところで展開してくれたらそんな嬉しいことないやないか」

 

石取祭(いしどりまつり)とは、
毎年8月に桑名市にて行われるお祭り。装飾を施した40台前後の祭車に、
鉦や太鼓をつけ、
一斉に打ち鳴らすため、
日本一やかましい祭り」との異名も持つ。

ユネスコ無形文化遺産にも指定された、
桑名の夏の風物詩である。

 

―—それにしても材料を確保するのも大変そう。

上山:「そう!!大変なんよ!!」

使う木材は堅い紅紫檀。これが自然の色というから驚いた。

上山:「微妙なラインを切り出すのも難しくてねー」
提灯は竹ひごで枠づくりから。

ろうそくは祭車のサイズに合わせて型取り、
鉦は近所のお友達に特注でお願いしたもの。

奮闘約3ヶ月。
完成した祭車がこちら。
立派!!

「どや!」といわんばかりに
道に面してディスプレイされた祭車。

町内の方からとても喜ばれているそう。

―—上山さん、次は何作るんですか??

上山:「もう既に2台目作りはじめとるわ」

―—え、もう??

 

進化を続ける上山さん。

来年には一体何を作っているのだろう。

 

ユネスコ無形文化遺産にも指定された
日本一やかましい”石取祭り”は、
8/4(金)24:00から8/6(日)にて開催される。

 


上山さんち
住所:三重県桑名市西矢田町内(旧東海道沿い)

 

福田ミキ
フクダミキ。OTONAMIE副代表。OTONA MASTER。
仕事は東京の企業の社長秘書兼オフィスワークセンター長。数年前から社会人学生でもある。2014年に夫の都合で東京から三重県桑名市にお引越し。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。この記者が登場する記事
※くわブロにて情報更新中

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