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参加者募集!日々三重「三重の暮らし体験会in名張・伊賀」ディープな魅力を地域プレイヤーがナビゲート

OTONAMIEでは、オンラインとリアルで三重の人や地域とつながるコミュニティ「日々三重」(三重県移住促進課)の企画運営をしています。

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おかげさまで今年で3年目の日々三重。SNSでの情報発信に加え、移住をお考えの県外の方を対象に年に数回、1泊2日の「三重の暮らし体験会」を行っています。

前回の三重の暮らし体験会in鳥羽・度会の様子

いままで三重の暮らし体験会では三重県内各地を巡り、次回は2026年2月28日(土)〜3月1日(日)に「名張・伊賀」を訪ねます。
毎回ナビゲーターとしてOTONAMIEより村山福田に加え、訪問先の地域で活躍する方々にもナビゲートいただき、より深く地域の暮らしを体験していただけます。

そこで今回、名張・伊賀ツアーでナビゲートいただく方々をご紹介させていただくとともに、移住して地方に暮らす魅力などもお伝えできればと思います。

 

暮らしを試着できる場所

名張市や伊賀市は三重県西部にあり、周囲を山に囲まれた盆地に位置する。山から流れる豊富な伏流水に恵まれ、ブランド米の伊賀米や地酒、また伊賀牛など食の産地であり、忍者に代表されるような深い歴史は今も暮らしのなかに息づいている。

一日目の舞台となる名張市は人口約7万人。近鉄大阪難波駅からは特急で約1時間とアクセスが良好な、関西圏のベッドタウン。

今回ナビゲートいただくのは、コワーキングスペースFLAT BASEを運営するお二人。設計士として古民家などのリノベーションを手掛ける野山直人さんは名張出身。一度は県外に出て暮らし、11年前にUターンして工務店「イエノキ」を起業。
もうひとりは北森ひとみさん。大阪出身で結婚を機に三重に移住した小学校の元教員で、その影響からいまでも「ひとみ先生」と呼ばれている。

FLAT BASEがあるのは、名張駅から徒歩約10分の通称「旧町」と呼ばれるエリア。江戸時代にお伊勢参りで多くの参拝者で賑わった奈良から伊勢神宮に続く初瀬街道沿いにあり、昭和レトロな商店街が残る地域。いわゆる中心市街地だが、全国の地方と同じく商店や人も減り、空き店舗や空き家が増えている。

FLAT BASEはひとみ先生の義母の実家であり、住む人がいなくなったため空き家になっていたところ、地域の場づくりをしたいと思っていたひとみ先生と野山さんが意気投合。3年前にコワーキングスペースとしてオープン。いまでは様々な人が通うようになり、地域コミュニティ化している。

取材当日、FLAT BASEを訪れていたのは、夫(後述するのまちの図工室を運営する長岡造形大学の先生)の都合で1年前に名張に移住した妻のもとこさん。福岡に生まれ育ち、名張の前は浜松の都市部で暮らし、小学生以下の3人の子どもを育てるお母さん。

もとこさん:もともと、人と深く関わるコミュニケーションは苦手な性格でした。でもFLAT BASEにいたら、いろんな人がいておもしろいことが始まっていきます。実はもうすぐ、引っ越しするか名張に留まるか決める時期なんです。最初は福岡に戻ろうと考えていたのですが、ここで知り合った方々との関係性を終わらせたくない。子どもたちもいままで暮らした地域のなかで、一番元気に遊んでいます。知り合った人たちと、もう少し何かご一緒したいなと。名張に残りたいという気持ちを深く考えています。

もとこさんが感じる、名張の魅力を聞いてみた。

もとこさん:買い物などは不便に思わず、案外何でも揃います。あと、ここでお話をする名張の方々は、会話のなかで「名張」という言葉をよく使います。いままで暮らした地域ではそんなことはなくて、皆さんが「まちを意識して暮らしていて、意思を持って住んでいる」と感じさせてくれることも魅力ですね。

うなずきながら話を聞き入るひとみ先生は…

ひとみ先生:もとこさんが楽しいと思えるまちを、一緒につくろう!って、本人より思い過ぎるのが私です…。

野山さん:それが良いときもあれば、悪いときもあるやん!そんな具合で、本音で話すところもFLAT BASEらしさですかね(笑)。

いつも夫婦漫才さながらの関西弁で元気に話すお二人に、ツアーで巡る旧町の一部をご案内いただいた。

築170年を越え、登録有形文化財に指定されている古民家「kyucho hotel」は来年春に民泊施設として開業予定。FLAT BASEがチェックインなどの窓口を担う。

野山さん:おかげさまでFLAT BASEの視察や県外から遊びにきてくれる人も増えました。旧町には飲食店はあるのですが、宿がなかったんです。旧町の暮らしをそのまま体験して欲しいと考えていたところご縁をいただき、民泊を始めることにしたんです。

歴史有る古民家はかつて、旅籠をしていたこともあり、江戸時代に精密な日本地図を完成させた伊能忠敬の観測隊も分宿として使ったそう。

野山さん:実はこの宿の支配人やお手伝いも募集しようと思っていて、宿だけでなく地域づくりにも関わっていただけると思います。

宿を後にして旧町を歩けば、お二人はなじみの店に顔を出し、そこでは笑顔で談笑が始まる。栗羊羹で有名な和菓子屋、地酒を扱う酒屋、そして店だけでなく井戸端会議をしているおばちゃんからも家に招かれる。そんなお二人の元へ、地元の方々から空き家の相談に加え、企業や大学からも相談がくる。

空き店舗になった元クリーニング屋は現在、まちの図工室として長岡造形大学の山口貴一先生が管理している。

アートと地域づくりに関する検証の場として、子どもから大人までまちの人が訪れ、定期的に大学生のインターンシップも滞在して作品づくりやまちの活動に参加するなど、交流も活気づいている。

まちの散策の傍ら、お二人はどのように移住を考えている人と接しているのかを聞いた。

野山さん:まちの暮らしを案内できる人って、いそうであまりいない。私たちはまちと移住者のつなぎ役とも思っています。名張は高度経済成長期からベッドタウンですが、今は住宅地でも空き屋が増えてきました。住むのは住宅地、暮らしを楽しむのは旧町というパターンも案内できます。

散策の道中、立ち寄った家でワインをもらう野山さんとひとみ先生。

野山さん:移住をして知らない地域での暮らし。理想の暮らしを円形と例えると、移住前はある部分がピザのようにひと切れ欠けていて、そこを補うために移住をする。でも移住して「補った」と思っていた部分は、円からはみ出ているのが普通です。暮らし続けて、はみ出ている部分が徐々に削られていく。そこで、上手に削れていくような暮らしのお手伝いも、わたしたちはできると思っています。

ひとみ先生:何というか、与えることはできませんが、受け入れることはできます。暮らしを埋めるのではなく、作っていく感覚です。

懸命に言葉を探しながら、一言ひと言を絞り出して語るお二人を見ていると思うことがあった。それは活動内容が今まで存在しなかった概念であるため、言葉が見つからないこと。具体的には人口減少が進む時代に、自分たちが楽しいと思える暮らしを自ら作っているということ。

 

どんどんまちが、好きになっていく暮らし。

2日目に伺うおとなり伊賀市は城下町であり、国から伝統工芸品に指定される伊賀焼や伊賀くみひもは現代に継承され、城下町には和菓子店など100年以上の歴史を持つ店や企業も多い。

伊賀をナビゲートいただくのは神崎千春さん。広島で生まれ育ち、東京でライターや編集者のキャリアを持つ。夫の地元である伊賀へ20年前に移住し、伊賀を中心にライティングやディレクションなどの仕事を手掛けている。

待ち合わせをしたのは伊賀鉄道・上野市(忍者市)駅前。電車を眺めながら神崎さんは話す。

神崎さん:あの電車、東急電鉄の車体を使っているんです。東京からこっちにきたので、なんだか不思議な感覚になります。

神崎さんはライティングなどのクリエイティブの仕事以外にも、以前は駅前商店街の利活用事業にも広報担当として携わっていた。

一時は衰退が進み、空き店舗化した駅前商店街。

約12年前に新天地Otonariとして空き店舗をチャレンジショップ化し、テナントの活用を進めたところ、イタリアンやカフェ、雑貨屋などが入居した。

現在も食堂、美容院、弁当屋などで賑わっている。

神崎さん:店主さんは地元の方が中心ですが、UターンやIターン組のチャレンジの場になっています。以前は空き店舗ばかりで薄暗く、人通りもなかったこの場所が賑やかになってよかったと思います。

続いてご案内いただいたのは、まちの精肉店。神崎さんが伊賀に移住を決めた理由のひとつがここにあるそう。

神崎さん:伊賀牛は地元の精肉店が一頭買いをするという独自の流通があるので、地域外にあまり出回らないんです。地元の方は精肉店で伊賀牛を買う人も多く、贈答や特別な日以外でも普段使いする人も珍しくありません。初めて伊賀にきて伊賀牛を食べた時、その美味しさに感動していたら夫や地元の方は「牛肉はこれが基本だよ」というので衝撃を受け「ここに住む!」って宣言しました(笑)。

精肉店から、藤岡組紐店へ歩いて向かう道中、私自身県内のいろんな地域を見て来たが、伊賀は商店が比較的多く営業している印象だった。聞けば、伊賀牛以外でも地域内消費が多いのではないかと神崎さん。

神崎さん:伊賀はチェーン店が少ないんです。顔馴染みの店で買った方が安心できるというか。気心が知れているので、注文するときに細かなことまで分かってくれている良さもあります。20年も住んでいるとチェーン店の方がドキドキしちゃいます。

藤岡組紐店では若女将のかほりさんが迎えてくれた。かほりさんも富山出身の移住者。

かほりさん:夫の地元に嫁いでから組紐職人になりました。ここでは父や母も合わせて4人全員が組紐職人です。

伊賀に組紐産業が根付いた背景にはもともとは農産地であり、農業が休みの期間の活用のため。また夏は暑く、冬は底冷えをする盆地のため、コツコツと細かな仕事をする忍耐強い人が多い地域性もあるそう(忍者の里でもある)。

かほりさんに、移住して感じた伊賀らしさについて訊ねた。

かほりさん:夫もそうなのですが、古いものを大切にします。組紐も、もともとは家庭で母親が子育てをしながら組んでいた内職です。小さな子どもは組紐の重りがおもちゃ代わり。そのように育った人にとって、組紐は特別なものではなく、暮らしのなかにある大切な一部なんだと思います。

神崎さん:組紐の他にも伊賀焼や、酒、味噌、醤油の蔵など、古くから続く仕事も多い。東京や広島で暮らしていたとき、周りにいる人は会社勤めの方が多かったのですが、伊賀のコミュニティにいると職人さんが普通にいるというのも驚きました。そういう環境で育つと、暮らしのなかにある古いものに愛着を持つ人が自然と多くなり、まち全体にそのような気質が根付くのでしょうね。

最後に訪れたのは菊野商店。伊賀や名張の地酒を揃えていて、店内にあるSAKEサーバーではコインを入れると様々な地酒が有料試飲ができる。

神崎さんがパッケージデザインを手掛けた地酒

神崎さん:もともと日本酒が好きで、伊賀地域に酒蔵が多くてラッキーでした。好きが高じてお仕事もさせていただき幸せです。

神崎さんに移住前と移住後の、暮らしの価値観の違いを聞いた。

神崎さん:伊賀では、常に顔が見えるコミュニティのなかで暮らしている感覚です。移住したてのときは正直、そこに驚きました。けれど今では、心地良さを感じています。私はそんな血の通った関係性が好きです。あと、古い町並みが残っていて、まちから少し離れたら自然が豊か。どこを切り取っても絵になります。

どんな移住者が、伊賀の暮らしに向いているのだろう。

神崎さん:移住ではないですが、観光という面では上級者向けの地域だと思います。伝統工芸や城下町の情緒や世界観が好きだったり、古いものを大切にする暮らしがあったりと、そういう価値観が合う人はハマると思います。個人的にはアートやデザイン、クリエイティブなことが好きな人は、移住に向いていると思います。私自身、移住したときから「刺激的でファンキーなまちだな」と思っていて、今でも新しい発見があり、暮らすたびに、どんどんまちが好きになっています。

 

大切にしたい、暮らしを体験。

取材を終えて帰る道中、不思議な感覚になった。暮らしは楽しむことも作ることもできる。今まで個人的に暮らしについて考えるとき、家族や友人単位が多かった。これを地域単位で捉えてみたら、もっとおもしろい暮らしが見えてくるような気がした。

名張市
伊賀市

そして、古くとも丁寧に扱われたまちは、それぞれに独特の魅力を放っている。そんなまちの魅力に気がついたとき、暮らしに彩りが生まれる。

今回のツアーでも、暮らしの魅力を体験したい、移住をお考えの方を募集しています。ご興味のある方はぜひご覧ください。

 


 

スケジュール

2月28日(土)
午後
名張駅集合
FLAT BASEの見学や活動等の紹介
旧町の散策や空き家の見学(活用事例含む)
夕方
宿チェックインと休憩(トマルカフェSANKAKU

夕食会&交流会(トマルカフェSANKAKU

3月1日(日)
午前
ゲストハウスサープレ伊賀
・お試し移住施設の見学
・先輩移住者とのおはなし会
–テーマ
・伊賀の好きなところ/移住のリアル
–ゲスト
・サープレ伊賀:オーナー兼ホスト 百中 宏幸さん
・ライター/ディレクター:神崎 千春さん
・青山ハーモニー・フォレスト施設長:西木 稔さん
正午
昼食(内容未定)
午後
神崎さんナビゲート「伊賀の暮らし散策」
夕方
解散
※内容は予告なく変更する場合があります。

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