ホーム 01【食べに行く】 かぶせ茶の生産量日本一。四日市市水沢地区で生まれ育った、茶農家の幼なじみが取り組む挑戦。

かぶせ茶の生産量日本一。四日市市水沢地区で生まれ育った、茶農家の幼なじみが取り組む挑戦。

古民家を利用した、お茶農家が営むかぶせ茶カフェ。初夏の新茶の季節には茶摘み体験や新芽の天ぷら、夏場にはかぶせ茶を使ったかき氷を求めて多くの客で賑わう。

カフェがあるのはかぶせ茶の産地、四日市市水沢地区。鈴鹿山脈の麓にあり山からは冷気を含んだ鈴鹿おろしが吹き、寒暖差が美味しい茶葉を育てる。かぶせ茶は名前の通り、収穫前の一定期間、黒いシートでお茶を覆って育てることで、渋みを抑えて旨味成分を引き出す伝統農法。かぶせ茶はお茶所京都の宇治にも古くより出荷している高級茶葉。

茶農家の三代目であり、マルシゲ清水製茶の清水加奈さんはカフェを営む理由を教えてくれた。

清水さん:小さなお茶農家は高齢化などで廃業することが多いです。また日本人のお茶離れも進んでいるので、いきなりかぶせ茶の茶葉を購入してもらうにはハードルが高く、まずは産地のカフェで気軽にたのしんでもらいたいです。

カフェで提供しているお菓子もかぶせ茶を使ったもの。

右:清水さん・左:堤さん

清水さんの幼なじみであり、明治期に創業した老舗茶農家まる万製茶の五代目、堤ちはるさんが手作りしている。お茶農家として育った堤さんが子ども時代の話をしてくれた。

堤さん:小学生のとき、同級生はゴールデンウィークに旅行やレジャーへ。しかしお茶農家は収穫の繁忙期。親は寝ずに働き、子どもも戦力として手伝います。汗だくになって軽トラックで収穫したお茶を運んでいるとき、同じように軽トラックに乗っていた清水さんとすれ違って手を振るんです。自分だけじゃないんだ、と少し嬉しくなりました。もう36年の付き合い。二人とも今は子育てもあり忙しいけど、旦那に先立たれたら一緒に住もうと話しているんですよ。

そんな堤さんがお菓子の販売を始めたきっかけは、かぶせ茶への誇りからだった。ペットボトルの緑茶の味に慣れている人にこそ、本物のお茶の味を知って欲しい。そのためにはお茶の味を引き出すお菓子でかぶせ茶の魅力を伝えたい。お茶農家ということもあり、茶葉をふんだんに使ったケーキやプリンなどのお菓子はカフェでも好評。中でも日持ちするクッキーはしっとりとした食感にお茶の贅沢な香り、そして茶葉を練り込むことで食感にアクセントを持たせていてリピーターも多い。

最後にお茶農家の二人に、かぶせ茶のたのしみ方を訊ねた。

堤さん:熱いお湯で煎れると渋みが出て二日酔いの時などにいいです。手に持てる程度の温めのお湯で煎れると甘くなり、お出汁のような旨味がでます。家では一年中、水出しかぶせ茶も作っています。渋みがないので飲みやすく、子ども達の水筒に入れるのですが友達に『ちょうだい』と言われることもあるみたいです。

清水さん:いろんな温度で、かぶせ茶のあるゆったりとした時間をたのしんでください。

 


 

マルシゲ清水製茶
四日市市水沢町998
https://marushige-cha.jp/
059-329-2611

明治創業の老舗茶農家 万次郎
四日市市水沢町1320-10
https://manjirocha.jp/
090-2573-9484

 

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