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山口研物店で包丁をキトンキトンに!私の歳末の支度。

我が家は、年末になると漁師の友人からマダイがまるごと一匹届きます。滅多に魚を捌かないのですが、そのときだけ年イチで使う特別な出刃包丁と柳刃包丁(刺身包丁)があります。

この包丁は数年前に父が、割烹料理店を閉店した知り合いから譲り受けたもの。実家にはすでに出刃も柳刃もあったので、もらい受けました。

錆びている出刃包丁
柳刃包丁も錆びている。
さらに刃先が欠けている。

いいものとは分かっているのですが、普段使わないので錆びたり、メンテナンス不足で刃が欠けたりしています。

11月、夕方には寒さを感じる時期。もうすぐ年末。年イチ包丁のメンテどうしよう。そんなことを考えながら、津市内を運転していたときでした。

そうだ!プロにお願いしてみることにしました。

山口研物店は津名産のうなぎ屋、新玉亭の前にあります。津市に生まれ育った私は、山口研物店の存在を知っていたのですが、店で包丁を研いでもらうという発想はありませんでした。はじめて入る店は、なぜだか少し緊張します。

そもそも先が欠けている包丁でも大丈夫なのかお店の人に尋ねると、これくらいの欠けなら問題ないとのこと。店には業務用の断裁機などで使う大きな刃物もありました。店のお客さんは、そのような業務用と家庭用とで半々くらいとのこと。

包丁にペンで、ささっとマーカーを引く職人さん。

店の職人(父):この包丁はよく使い込んどるなー。週明けまでには仕上げておきます。

そして月曜日。
すんごっ!

ピカピカでキトンキトンです!
これぞ包丁!という仕上がり。
店の人にお話を聞きました。

欠けていた刃先もキトンキトンにリニューアルオープン!

創業を尋ねると、いつから研物店をやっているかは不明だが、戦前は大門の方にあったそうで、戦後に現在の丸之内に移転したそうです。対応している刃物は、ノコギリと日本刀以外のほとんど。刃物はそれぞれに材質も異なり、用途に合わせて職人が仕上げています。

店の職人(息子さん):切れ味を長持ちさせるなどお客さんのオーダーに合わせ研ぎを詰めていき、いいところで止める感じ。そんな手仕事が強みです。

そもそも研ぎの技術はどこで習得するのでしょう?

店の職人(息子さん):私で4代目。3代目の父の背中を見て仕事を覚えました。専門学校みたいなところは無いと思います。

この日も名古屋へ刃物の出荷に追われていて忙しそうな3代目。帰り際に少しだけ質問。

私:毎年この包丁が錆びてしまって。なんで錆びるのですか?

3代目:シンクまわりの下に入れてない?湿気が錆びの原因です。使ったら洗って拭いて、乾燥しているところに置くといいですよ。

ちょっとした悩みも解決して少しすっきり。家に帰り妻にアップデートされた年イチ包丁のことを知らせると・・。

確かに我が家のステンレス製文化包丁(ギフト本でチョイスしたやつ)では薄く切れない。

妻:トマトがこんなに薄くスーッと切れる!

そこは魚で試そうぜ、と言いたくなるのですが・・。

さぁ!来い!
まるごと一匹のマダイでもブリでも何でも来い!
私の歳末の支度は整った。

 


 

山口研物店
津市丸之内養正町4-13
tel 059-228-7242

 

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