急な坂道を登り、息を切らせてやってきた隠れ家的なカフェバー&ギャラリー。
数席だけの小さなお店には、アフリカンチェリーの大きな一枚板のカウンター。
店内には木製の酒器や箸置きなどの食器、雑貨やアクセサリーなど。
地元の食材やお酒を中心にした和洋折衷の家庭料理がひと品ずつでてくる。
料理は少ないながら定番メニューと季節に合わせた小鉢やおつまみ。
日本酒をメインとしたこだわりのお酒を楽しめる店で、少人数の貸切、女子会、デート、お一人さまにもおすすめ。
松阪市の町の中心にあるこのお店はとても静か。
なぜなら松坂城址内にあるからだ。
お城の敷地内にあるので近くに店などはない。
松阪の町並みや城壁を眺めなら地元の食や酒を、地元の木を使った作家物の器で。
秋の夜長を愉しむ大人におすすめのお店だ。
お店を切り盛りするのは、三重県産の素材を使ったオリジナルブランド「Amyat`s」を手掛ける前川あつ子さん。
料理好きが高じてリニューアル(2022.9.11)に合わせてお店を任されたという、あつ子さん。
気取らない家庭料理は、どれもお酒によく合う。
素材本来の美味しさが伝わってくる優しい味わい。
松阪のみならず三重の食材も気に入ったものは出しているという。
まるで三重の食のセレクトショップのよう。
ときに塩の話でもりあがったり、お酒の味の違いを愉しんだり。
デザートにはとね菓子館(津市)の和菓子をトッピング。
あつ子さん:刀根菓子館の菓子職人・刀根武士(たけし)さんにちなみ武士パフェです。武士さんだけに。
とね菓子館で人気の塩バターどら焼きと抹茶、そして塩味が効いた味わいはお酒のあとにぴったり。
松坂城と松阪の町を築いたは武士の蒲生氏郷。
信長が一目で認めた猛将だ。
松坂城の敷地内には本居宣長の博物館や旧家もある。
城を下って町を歩けば、松阪木綿や長谷川治郎兵衛などの豪商の家を訪ねることもできる。
映画好きには言わずもがな、小津安二郎の出身地でありお城の敷地内の記念館ではその世界観に触れることもできる。
そんな旅のシメにでも、また明日からの旅にこころ躍らせるひと時にもお城の敷地内で呑めるのは気分が上がる。
月見やぐら アンド エー
松阪市殿町1538-1 松坂城址内
tel 080-7499-2556
in https://www.instagram.com/tsukimi.a/
hp https://tsukimiyagura.com/
※2022.9.11リニューアルオープン
村山祐介。OTONAMIE代表。
ソンサンと呼ばれていますが、実は外国人ではありません。仕事はグラフィックデザインやライター。趣味は散歩と自転車。昔South★Hillという全く売れないバンドをしていた。この記者が登場する記事