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三重県から瀞ホテルに行って来た

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瀞ホテルは、その立地や歴史的背景が多くの人を魅了していることから、ここで説明するまでもない有名な観光スポットになっています。

住所は「奈良県吉野郡十津川村」ですが、建物の前は「瀞八丁」と呼ばれる北山川の大峡谷、ここに「奈良・和歌山・三重」の三県境が合わさる場所があります。そのため、いずれの三県から瀞ホテルまで足を運ぶことになりますが、私は三重県からのアプローチがいちばんお勧めだと思っています。

東京や大阪の人にとっては三重県までも距離がありますが、前乗りして熊野市か御浜町のホテルに前泊するといいでしょう。

瀞ホテルまでは、風伝峠、通り峠、丸山千枚田、赤木城跡、道の駅「熊野・板屋九郎兵衛の里」、紀和鉱山資料館、湯ノ口温泉など、沢山の見所があります。世界遺産、近代化遺産、大自然、名湯、グルメとジャンルは幅広く、それらが広大な自然の中に点在します。瀞ホテルもそのひとつです。

一見遠隔地のようで、実は三重県からは意外と遠くないので、はるばると言わずにもっと気軽に訪れてもらいたい。

名前のとおり元々は旅館だったのですが、今は喫茶処としてランチやカフェが楽しめたりします。今回訪れた目的のひとつが、看板メニューであるハヤシライスを食べること。前日の午前中までに予約が必要だったので、事前に電話でお願いしておきました。

 

車で着いた先にはバス停があります。十津川村方面から村営バスが走っているようですが、本数はほとんどありません。この待合室の存在がなんだかホッとします。電話ボックスもいい雰囲気。すぐ隣には駐在さんもいらっしゃるようです。

「瀞ホテルはどこにあるの?」と思ったら、駐車場の下にありました。崖の途中に建っているため、駐車場の上から階段を下るのです。これが不思議な感覚。

「瀞ホテル」の看板を確認し、更に進んでいくと正面玄関に着きました。こちらの建物は2017年2月14日に奈良県の有形文化財に指定されています。開放感のあるアプローチで、思わず「ただいま」と言いたくなります。

お客様は先に2組ほどいらっしゃいました。目の前に広がる瀞峡、晩秋の日の光を浴びながら食べるハヤシライスはとても美味しかったです。デザートに、手作りのスコーンと自家製ジンジャーエールもいただきました。

食事の後、店内を見せてもらいました。

カフェスペースの奥には、地元作家さんとコラボしたグッズや雑貨が販売されています。遊び心満載のディスプレイで、お店のセンスがキラリと光ります。レトロなデザインのオリジナル葉書が気に入って、2枚を購入。

続いて2階へ(※)。

歩くたびにミシリと音を立てる木造建築、木の香りも懐かしく感じられます。ひとつ下の階から見るより目線は高く、眼前に広がる瀞峡がさらに堪能出来ます。鳥になった気分とはこのこと。

※現在2階は貸し切り休憩室(有料)として、ご予約の方のみご利用いただけます。

大正6年の創業時、瀞ホテルは「あづまや」という名前で、筏師の宿として営業を開始しました。当時は紀伊山地の林業が全盛、伐採した木材は筏師が筏で川を流下し、新宮の集積場まで運んでいたそうです。昭和に入ってダムが建設されると筏師は減少、やがて瀞ホテルも観光客のための宿へと変化していきました。(参考:瀞ホテルHP、北山村観光サイト)

店内に飾られていた筏師の笠と櫂(オール)がその歴史を語ってくれています。

また、川を下った筏師が徒歩で帰ったその道は「筏師の道」と呼ばれ、今はハイキングコースとして人気だそうです。

瀞ホテルの歴史にとって、「筏師」の存在は欠かせないものですが、ここでは大切にそれが残されていて、それを体現出来る稀有な場所でもあります。

私がここを訪れたもうひとつの目的が、思い出の体現でした。

小学生の頃に家族で初めてここ瀞八丁を訪れ、その記憶がうっすらとあります。

下の写真は、その時に乗ったウォータージェット船のチケット。母が大事にアルバムに綴じておいてくれました。船を途中で降りて全員で記念撮影をした場所が、今まさに私が来ているこの場所であったと記憶しています。タイムスリップ、贅沢な時間旅行です。

後々調べたところ、2011年の「紀伊半島大水害」以降、ウォータージェット船は事業停止となっていました。作業員の高齢化や新型コロナウィルスも影響したようです。瀞ホテルの前に「かわせみ」という看板が出ていましたが、今では唯一の川舟観光だそうです。お客様を乗せて悠然と川を下って行きました。

昔乗ったウォータージェット船も、林業を背負っていた頃の筏師も、宿も、今は存在しませんが、観光客として初めてここを訪れる人や、私のように思い出を辿って来る人を迎え入れるために、新たな視点で形を変え、それでいてなくせないものは意志を持って残している。それが瀞ホテルのすごいところであり、再開させた4代目のすごいところでもあるのです。

変えないまま変えることがいちばん難しくて尊い。人の変化、環境の変化、世界の変化とは対象的に、瀞八丁の壮大な峡谷美はずっとここにあり続ける。それを体現するために、たくさんの人がここを訪れてくれると嬉しい。

瀞ホテル (dorohotel.jp)

住所
〒647-1581 奈良県吉野郡十津川村神下405
電話番号
0746-69-0003(電話には出られない場合があります。メール優先でご連絡ください。)
info@dorohotel.jp
営業時間
11:30から(喫茶は売り切れ次第閉店。ご予約のお客様が優先となります。)
定休日
不定休(必ずホームページをご確認ください。)

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