ずっとおうちにいる毎日。みなさん何をしていますか?
「こんなときだから」次のお出かけへの楽しみを膨らませる、
おうちでの過ごし方をご提案したいと思います。
<今だから見られる動物たちの姿を見つけてみよう>
お出かけの定番、動物園や水族館も今はお休みのところばかり。
でも、職員のみなさんが、SNSなどで今の動物たちの様子を発信してくれています。
例えば、私も大好きな鳥羽水族館のTwitterでこんな投稿を見つけました…
水中のフィギュアスケーター、ラッコのメイちゃんの挑戦をノーカットで❗️無観客でも頑張ります‼️(ホントは観客がいると、そっちに興味がいってしまって、こんな事やりません😁) #鳥羽水族館 #ラッコ #コロナ対策で休館中 #フィギュアスケート pic.twitter.com/1kRLIoufry
— 鳥羽水族館(TOBA AQUARIUM) (@TOBA_AQUARIUM) April 16, 2020
すいません、根っからのラッコファンなもので、ついついラッコに目がいってしまうのですが(笑)
でもでも、すごくないですか!!
「なんで彼女はこんなに回るのだろう」って疑問がわきながら、いろいろ想像しちゃいます。
「ホントは観客がいると、そっちに興味がいってしまって、こんな事やりません」
と動画に書き添えられた職員さんのコメント。普段は見られない、こんなときだから発見できる姿なのかもしれませんね。
日頃から、お食事タイムのトレーニングでたくさんのすごい能力を見せてくれるメイちゃん。「こんなこともできるんだ!」と気づきのある情報を発信してくださる鳥羽水族館のみなさん、ありがとうございます。
生まれたばかりのバイカルアザラシの赤ちゃんや、セイウチのポウちゃんのうがいなど、いろいろな動画やユーモアたっぷりの写真などがアップされています。
すでにチェック済みという方もたくさんいると思いますが、まだ見たことがない方はぜひ!
「お出かけできるようになったら、鳥羽水族館へいってあの子に会おう!」と未来の予定をつくってください。
鳥羽水族館だけでなく、各地の動物園や水族館の方々がたくさんの情報発信をしてくださっています。ちょっと疲れちゃった時に、動物たちの姿にホッとするのもいいですよ。
<「会いたいあの子」をおうちでリサーチ!>
さて、会いにいきたい動物が見つかったら、お出かけをもっと楽しくするためのご提案をもうひとつ。
その動物のことをおうちでインターネットや本を使って調べてみましょう。
オススメなのは、まずはその動物についての疑問を書き出してみること。
私がメイちゃんの動画を見て、「なんで彼女はこんなに回るのだろう」と想像したように、動物たちがくれる不思議はいっぱいあると思います。
・この動物ってどんな鳴き声なんだろう?
・耳ってどこにあるんだろう?
・どんなものを、一日どれくらい食べるんだろう?
・野生ではどこに住んでいるのかな?
・なんでこんな仕草をするんだろう?
・かわいい、きれい、かっこいいって思うのはなんでかな?
など、どんどん疑問を浮かばせて、それを解決していくと、ただインターネットに名前を入れて検索するよりも、バッチリ記憶に残るはず。
全部正解が見つかるとは限りませんが、調べたり、考えたりして「こうなのかな」と思ったアイデアを持って動物園や水族館へいくと、動物たちとの出会いはいつもより面白くなると思います。現地に行って見つかる答えもあるでしょう。
保護者の方はぜひご家族でやってみてください。各々に動物を決めておうちで発表会をするのもいいかもしれませんね。お子さんの調べ学習の練習にもなり、疑問を抱いたり、自発的に考えたりする力を養えると思います。すぐに答えが出ないことも、「分かんないね」とせずに「どうしてだと思う」と一緒に想像するのもきっと楽しいですよ。
<ちょっとだけお伝えしたいラッコの秘密>
「例えばこういう話だよ」ということで、ラッコに関する豆知識をふたつご紹介します。
(正直に言えば私がお話ししたいので書きます 笑)
ラッコ豆知識その1) 「あんなにいっぱい食べるの?」
お食事タイムに、ひとつ、またひとつと、貝やイカを食べるラッコのメイちゃん。
「見かけの割によく食べるのね」と思うお客さんが多いのか、食べっぷりへの驚きと疑問の声はよく耳にします。
そう、ラッコはよく食べます。それはなぜか。寒い海で暮らすには脂肪が少ない体、体の中から熱を生むためにはたくさん餌をとらないといけないんです。その量は体重の4分の1以上ともいわれます。以前に、鳥羽水族館飼育研究部次長の石原さんからお聞きした話では、飼育下では野生よりは少なめとのこと。
鳥羽水族館では、ウチムラサキガイ、スルメイカ、アマエビなどをあげています。ほぼ丸ごとのイカを豪快に食べる姿はぜひ見ていただきたい。ちなみに、一口大に切らず、丸ごとの状態であげるのにも、飼育員さんの意図があるのだとか。その理由は考えてみてください。
ラッコ豆知識その2) 「めっちゃかゆいのかな?」
ホッペからシッポの先まで体中をゴシゴシ。その愛らしい姿は見る人の心をわしづかみにします。とはいえ、おそらく「ゴシゴシしすぎじゃない?」と感じた人の口から出るのが「かゆいのかな?」という疑問。これもラッコの水槽の前でよく聞くセリフのひとつです(筆者調べ)。
このコミカルな仕草はグルーミング(毛づくろい)。たくさん食べるのと合わせて、寒さから身を守るために毛皮を乾かしきれいに保つのは生きていく上で不可欠なこと。石原さんによれば、ラッコは前足を使って、水を弾くツヤツヤの毛並みを維持するそうです。その出来栄えは人間がドライヤーなどを使っても真似できないほど。そのメカニズムは解明されておらず、飼育員さんの間ではラッコの前足は「マジックハンド」と呼んでいるのだとか。大海で生き抜くために身につけた、ラッコだけの魔法。ロマンのある話です。
とはいえ、ずっと毛づくろいを見ていると、ふと「もしかしたらかゆい時もあるんじゃないだろうか」なんて思う時もあります。みなさんはどんなことを感じるか、足を運んで実際に目にしてみてください。
「かわいい」「面白い」動物たちの姿の裏側には、思いがけない理由が隠れているもの。その秘密に一歩近づけると、もっと楽しく動物園や水族館にお出かけできると思います。「こんなときだからこそ」遊びにいく日への万全の準備をおうちで整えて、ワクワクを膨らませませんか。
愛知県あま市出身。日頃は、コピーライターとまちづくりと講師の三足のわらじで活動。ライフワークはラッコの魅力発信。鳥羽水族館LOVE。得意ジャンル:まちづくり、はたらく、学ぶ、ラッコ