最近、県庁所在地 津でざわざわしていること。
”サンバレー跡地に、すごいイオンができるらしい…”
サンバレーとは1978年に開業し、
約40年に渡って地域に愛された、
イオン津南ショッピングセンター サンバレーのこと。
大型ショッピングセンターの先駆けともいえる存在で、
サンバレーで過ごした想い出がある人も多いと聞いた。
「自転車こいでサンバレーに行って、寿がきやを食べるのが生活の一部というか・・」
と語る、サンバレー近くの津出身 OTONAMIE代表の村山。
―—あれ?OTONAMIEって、イオンに行くしかない週末を変えたくて立ち上げたという経緯がありませんでしたっけ?
村山:ちょ、余計なこと言わないでくださいね。
生活の一部だったサンバレーという場所
ここは11月9日オープンのイオンモール津南。
快く迎えて下さったのは、
ゼネラルマネージャーの阿江さん。
今回は、イオンモール津南内にある、
その名もサンバレー公園でOTONAMIE代表村山との対談となった。
村山:イオンといえば郊外のイメージがありますが、今回、津市南部の市街地にあたるサンバレー跡地を選んだのはなぜですか?
阿江:サンバレーは約40年地域の方々に親しまれたショッピングモールです。あれだけ地域に親しまれた場所をなくしてしまうのはもったいないと思ったのです。
▲Instagram「#サンバレーのおもいで」キャンペーンより
村山:確かに私自身、ドキドキしながら初めてゲームセンターに行ったのも、初めてのホワイトデーを買いにいったのもサンバレーだった気がします。あと、初めて芸能人を生で見たのもサンバレーでした。
阿江:当時はトップアイドルの歌謡ショーも行われ、多い時では2万人以上のお客さんが訪れ屋上まで一杯だったという記録があります。日本にショッピングセンターというのが初めてできたのが1970年。サンバレーがオープンしたのは1978年なので、ショッピングセンターの先駆けともいえますね。
村山:私は1979年生まれで、親近感があります。そして父となり、息子がまだ幼稚園くらいのときに、サッカーボールを買いにきたのもサンバレーでした。
阿江:実はサンバレーに植えられていた木が8本、このイオンモール津南に戻ってきているのですよ。
村山:色々思い出します。サンバレーに行くと、寿がきやもよく行きました。安いし早いし、学生のときから何だかんだでよく行きました。当時ファーストフードって、今ほどなかった気がします。
阿江:・・。実はイオンモール津南には寿がきや入ってないんですよ。
村山:え・・。寿がきやがないサンバレーなんて、サンバレーではない(笑)。これから入るご予定は?
阿江:現時点ではないですね。近隣のイオンにも入っているので、考慮した結果なのですが、このエリアでは寿がきやはインフラなんですね。
村山:そうなんです。ラーメンを食べに行くとかではなく、寿がきやは寿がきやで・・。そんな寿がきやに行きたくなるというか。それと同じで私のような地元民には、イオンというより、サンバレーはサンバレーでした。
阿江:イオンモール津南はこれからも未来永劫、サンバレーの愛称で呼ばれそうですね♪
”津ながる”ランドマーク
イオンモール津南のコンセプトは”津ながる”
―—地域にとってここをどんな場所にしていきたいですか?
阿江:サンバレーの恩恵を受け、認知は十分ありますので、もう一歩踏み込んでエンゲージメントしたいと考えています。多目的ホールや公園、健康を目的にモール内を歩けるウォーキングコースマップもありますから、地域の方々に自発的に使ってもらえる場所になったら嬉しいです。また津は県庁所在地。市内だけでなく、ここから三重県全域へ”津ながる場”として、県内の文化や伝統を知る機会も作りたいです。従来はイオンがお手伝いするというスタンスでしたが、これからは、地域の人たちに上手に使って頂けるような場所にしていきたいですね。
村山:三重県の人の動きは北へ向く傾向があります。北勢部は名古屋を向いていますし、中勢部から南勢部へ行く流れもあまりないです。実は私もOTONAMIEを始めるまでは南勢部はほとんど知らなかったです。東京から地元の津に帰ってきて、それこそ週末はイオン。またなんとなくつけたTVから流れるドラマの再放送を観て過ごす休日というのに疑問を抱き、これは三重県内の情報が無さすぎるからじゃないかと思ったのが、OTONAMIEを始めたきっかけです。脱イオンとか言っちゃってましたすみません。
阿江:いえいえ、そういう意見を伺うのも勉強になります。そうなんですよね、情報なんです。そういう意味でも、このイオン津南では、売り手と買い手というよりも、皆さんがショッピングセンターに参加してもらうというイメージ。体験や記念、文化交流のきっかけが散りばめた場とし、既存のイオンとはちょっと違う意識を感じてもらえればいいなと思っています。私自身、このイオンモール津南をきっかけに三重に来て、伊勢の貫禄や熊野の神秘などを体感して興奮しました。
村山:ただ買い物にくるだけでなく、つながるところなんですね。例えば三重南部などの魅力をここで知ってもらい、そこから実際に南部に行ってみる、みたいなことも実現できそうですね。ここを軸に津からいろんな地域につながる。また、三重に暮らす多くの人が参加したCMは伊勢志摩から始まっていますね。みんなが集まり、何かでつながる。そしてそれが、地域の人の生活の一部となれば、それこそサンバレーが培ってきたポジションを未来につなげることになるのかと思います。サンバレーがあった地域住人の一人として、そういったサンバレーのDNAみたいなものが、より広がることを期待しています。
▲CMの最後に登場する「つ」のモニュメントは、モール内に展示あり。
阿江:実はここのゼネラルマネージャーに就任して、思っていた以上に地元の人のサンバレーを想う気持ちが強くて驚きました。そして売上云々のプレッシャーもあるのですが、それ以上にそういったサンバレーへの期待に応えられるかのプレッシャーの方が、大きく感じています。
村山:少しだけモール内を拝見しましたが、入っているお店やモールの雰囲気など、数段階アップデートされたサンバレーというか。地元の人の期待以上のモールだと思います。ただし、寿がきやがないこと以外は・・。
阿江:(笑)私は大阪の人間なので寿がきや圏ではないのですが、東海の方の寿がきや愛はすごいですね。
じゎじゎ浸透したらいいな!津ポーズと三重ポーズ
一見、タイプの違うお二人だが、
いつの間にか地域への想いを熱く語り合い、
更には好きな場所が同じということがわかって、
盛り上りをみせていた。
村山:あそこいいんですよ。あまり人がいなくて、でもきれいなビーチで。私も好きで、気分転換に堤防でパソコン広げて仕事をすることもあります。
阿江:景色が良く、静かで落ち着きますよね。今まで仕事で全国を転々としていますが、三重の暮らしは快適です。食べ物も美味しいですね。飲食店での白米の量がどこも多めな印象ですが、三重あるあるですか?
村山:えっ、普通と思ってましたけどそうなのかな。言われてみれば、白米の量が多いかもしれないです。今度調べてみます。
阿江:そうそう、”津ながる”という象徴的なワードと共に、ハンドサインがあるんですよ。
村山:どんなサインですか??ご一緒させてください。
村山:実はOTONAMIEで勝手に三重ポーズというのも提唱しているんですよ。
阿江:ほぅ、是非教えてください。
なんだかすっかり意気投合。
顔の見えるイオンモールへ
今回、東海初出店10店舗、三重県初出店34店舗含む、
170の専門店が集結するイオンモール津南。
「売上よりも地域の期待に応えられるかどうかが課題」
そう阿江氏が仰っていた通り、
開店前の現場見学会への応募は異例の多さだった。
サンバレー時代のスタッフが、
リターンするという動きも出てきているというから、
地域の期待は大きいであろう。
また地元の企業である三重交通と組み、
津駅から高茶屋小森南区間のバスが増便され、
学割も適用。
(高田高校前などの乗り降りも対象内)
ドライなイメージが強かったイオンモールだが、
このイオンモール津南は、
サンバレーのDNAを引き継ぎ、
モノやコト、人と人も津ながる仕組みに尽力している。
これから地域の良さを生かし、
どのような賑わいの拠点になっていくのか楽しみである。
イオンモール津南
2018年11月9日(金)AM9:00グランドオープン
住所:三重県津市高茶屋小森町145番地
電話:059-238-4100
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事