ホーム 03【お店へ行く】 大学卒業したてのサーファーが20年後、しっかりと気遣いの出来るステキな呉服店新社長に。

大学卒業したてのサーファーが20年後、しっかりと気遣いの出来るステキな呉服店新社長に。

津市久居烏木町 国道165号線沿い、数体の和装のボディが敷地内とは言え、屋外に並んでる呉服店を知ってますか??

一見とても奇妙…。

でも、165号線の丁度カーブの所に突然現れるので、相当なインパクト!!

看板の代わりに、古い着物を屋外にディスプレイしたらおもしろいかなと!

こんなありえない展示方法を考えたのは、
今年で創業39年目に突入した「きものひろば」社長 奥田浩明さん。

 

1の質問が100で返って来る。そこにも優しさが。

昨年、新社長に就任された奥田さんは、私と同じ50年生まれの卯年、42歳。

なのに同級生とは思えないほど、色んな知識の引き出しの多さに驚かされます!

着物も事はもちろん、その他に関しても話題が豊富。そして、とにかく話がおもしろい(笑)

お客様の質問には、着物の事以外でもその場ですぐに応えたいから。

ご来店頂いた方を楽しませたい、喜んでいただきたいという想いが伝わる。

でも、この笑顔を見ると↑↑ご本人が一番楽しそう!

この日も引っ切り無しにお客様がご来店され、色々な話題で盛り上がってました。

お着物のクリーニングの相談やリフォーム、お客様の引越しのお手伝いを引き受けたり、

地元出身の和太鼓奏者の話、近所の畜産農家の話、大門にある同級生のお店の話…もう何でもあり!

その上、OTONAMIEや私の事までお客様に紹介していただきました。笑

ありがとうございます!

 

私の取材に応じていただきながらも、耳は奥で接客中のお客様と奥様の会話もしっかり聞き逃さず、

また新たにご来店されたお客様にも配慮をしながら…と、とにかく器用で、回転が早く、店内をクルクル動き回る。

そんな、奥田さんの仕事スタイルは、いつ培われたものなのでしょうか。

 

「仕事」とは何かを教えてくれた師匠の存在

大学卒業後、呉服の勉強の為に修行先を静岡県に選んだのは「大好きなサーフィンがしたいから」との理由。

しかし、修行に行った先の呉服店は、業界では名の知れた超繁盛店。そして、社長は厳しい事で有名。

一つ一つ仕事を教えてくれる様な事は無く、とにかく「見て覚えろ!」のスパルタ式!

大学卒業したての若いサーファーボーイは、毎日毎日師匠に叱られ怒鳴られ、

連日大勢のお客様の接客にヘトヘトになりながらもその中で仕事の楽しさも見出し、

実に11年間もお世話になる事になります。

 

今も師匠は「大嫌い!」(←言い方は愛情を感じる「大嫌い」でした!)だけど、

あの怒涛の11年間で、全部教えてもらった。叩き込まれた。

 

仕事で壁にぶち当たった時、思い出すのはあの頃の修行の日々。

 

厳しいけど愛があり、そこにはしっかりと芯が通っていた師匠のように。

 

全てお客様第一。

 

 

 

ずっと販売したかった自社ブランド 「sasatte」

呉服店というと、敷居が高く、気軽には立ち寄れないイメージ。

「きものひろば」さんは呉服店なのに、もんぺや貫頭衣、バッグ、アクセサリー、靴下、ハンカチ、布小物をたくさん販売していて、ちょっとした買い物にも入りやすい。

そのほとんどがオリジナルブランド「sasatte」。

sasatte?  「ささって」て、なに??

奥田社長曰く、三重県の方言「あした、あさって、ささって、しあさって」の「ささって」。

でも、私の地元では「明日、明後日、明々後日」であって、「ささって」なんてなかったからビックリ‼️

奥田さんは大学時代にお友達との会話の中で、ご自身は当たり前に使っている「ささって」が通じない事に非常にビックリしたという思い出が忘れられず、

ブランド名を「sasatte」と命名。

三重県でも一部でしか使われていない!この言葉がとってもお気に入りみたいです。

一部の地域では「明日、明後日、ささって、明々後日」なので3日後は「ささって」と言うらしいですね。

皆さんの地域では使われてますか??

 

藍染の絞り柄がとっても爽やかな印象のカードケース。

手触りの良さや、素材、使い勝手の良さも研究。

ブランドネームタグにもこだわり、付ける場所や織りネームタグに変更するなど様々な工夫が施されています。

「じゃあ、ささってね!」

さて、伝わるでしょうか??

地元の作家さんに発注しているアクセサリーなども可愛くディスプレイされています

オリジナルの鼻緒を使用した、和装には欠かせない下駄。

そして、奥田社長が自ら制作されている本革のストラップ!!

こんな風にポーチに取り付けてポシェットにしたり、キーホルダーにするなど使い方は様々!

奥田社長自ら制作↑手際の良さと仕上がりは、もはや職人のよう。

この時も目線は下を向いてますが、意識は奥にいらっしゃるお客様へ向いていました。

 

今回、改めて奥田さんとお話しをさせて頂いて感じた事は、

お客様はもちろん、地元の皆さんやお友達、関わった全ての方々、一人一人ときちんと誠意を持って接しようとする人なんだと思いました。

そして、こんな楽しそうなイベントも企画されてます!

今の時代、着物を着る機会がない!それなら機会を作りましょうと、奥田さんらしい発想!

毎月「着物の日」に着物を着て、カフェや、博物館などにみんなで出かけるというイベント。

初めての方も大丈夫です!興味のある方は是非、お問い合わせください!

 

☆基本情報☆

「きものひろば 」

住所:津市久居烏木町488-1

電話:059-255-6006

営業時間:10:00~18:00

定休日:水曜日

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