鈴鹿山系藤原岳の麓には1300年もの昔、平安初期に最澄により開山された寺がひっそりと佇んでおります。
建立当時は七堂伽藍を有する広大な境内があった聖寶寺ですが、700年続いた栄華も戦国時代に織田信長の家臣・滝川一益の員弁攻略のための兵火によって焼失してしまったと言われています。
唯一焼失を免れた回遊式の庭園からは、平安時代当時の藤原期の華やかさをうかがい知ることができます。
その庭園が一番美しさを放つのが秋!
三重県の最北端に位置する聖寶寺では、県内ではいち早く赤や黄色の彩が楽しめます。
ただし藤原岳の中腹に位置する聖寶寺の秋の風景を目に収めるには、なんと約300段もの石段を登りつめなければならないのですが…
石段を登る前の入り口には、聖寶寺の建立の際に守護神として祀られた鳴谷神社があります。
この鳴谷神社には狛犬ならぬ珍しい狛猿が鎮座しております。
今年6月には除幕式が行われ、狛猿は4体に増えております。
4体全ての台座に「見ざる・言わざる・聞かざる」のお猿さん達が描かれています。
三猿の諺はいつの時代にも賢い猿に学ばなければならない戒めですね。
そんな諺を胸に刻みながら石段を登っていきますが…
300段はなかなか険しい道のりです…
やっと300段を登り、一番最初に通る「もみじ庵」にてまずは腹ごしらえ。
「もみじ庵」ではもみじ祭り期間限定で、休日には「おもてなし御膳」、平日にはその日の朝に打ち立てのいなべ産の「お蕎麦」が楽しめます。数に限りがあるため、早めのお食事がおススメです。
【おもてなし御前】 800円 1日80食限定
平成29年11月18日(土)・19日(日)・23日(祝木)・25日(土)・26日(日)の11時~14時
※「おもてなし御膳」は好評のため事前予約を頂いた方が確実です。
ご予約は児玉様(090-1417-7489)までお早目にお申込み下さい。
【手打ち蕎麦】 1日40食限定
ざる蕎麦 600円/天ぷら蕎麦 700円
平成29年11月20日(月)・21日(火)・22日(水)・24日(金)の11時~14時
※お蕎麦が苦手な方のために天ぷらうどん(500円・限定40食)もあり、そば、うどん共におにぎり、漬物、デザート付です。
その他、「もみじ庵」入口にて、玉せん(100円)や焼きもち(100円)が15時頃から販売されます。
本堂右手の庫裏(くり)では土日11時~14時限定でお茶席(お抹茶+和菓子・500円)を楽しむこともできます。
※「お茶席」は予約の必要はありません。
さて、お腹を満たしたところで、本来の目的である聖寶寺の秋を味わいたいと思います。
もみじ協力金(中学生以上 200円)を支払い、さらに石段を登った先には…
戦国時代にこの地で亡くなった僧侶たちの思いがこの木に宿り、燃えるような真っ赤な色に紅葉すると言われる血の紅葉が本堂前を見事に彩っていましたが…
残念ながら、10年程前に血の紅葉が敢えなく枯れてしまいましたが…
でも、いまでも本堂の景色は紅葉で囲まれ、別の意味での輝きが見られます。
一方、今来た道を振り向くと、黄葉の美しい大きな銀杏の木が仰げます。
ハッと息をのむ瞬間です。
庭園に足を踏み入れると、一歩ごとに違った風景が心に刻み込まれます。
聖寶寺の傍を流れる藤原岳の伏流水が集まった鳴谷滝では日々水量の変化により滝の様々な姿を見ることができます。殺伐とした日常から離れ、心洗われるひとときを過ごせることでしょう。
土日祝日の夜に照らし出される紅葉の様は、昼間とはまた違った輝きを目に焼き付けてくれることでしょう。
日々、寒さが厳しくなってまいりましたので、お出掛けには防寒のご用意をされて、『鳴谷山 聖寶寺 もみじ祭り』で、ぜひ、心ときめく瞬間を味わってくださいね。
『鳴谷山 聖寶寺 もみじ祭り』
開催期間
平成29年11月18日(土)~26日(日) 9時~17時
境内ライトアップ
11月18日(土)・19日(日)・23日(木祝)・25日(土)・26日(日)
17時~21時(入山は20時半まで)
協力金 200円(中学生以下 無料)
駐車料金 300円
【祈祷願書】伊勢西国三十三観音霊場二十九番所
平安時代より続く古巡礼の霊場。
もみじ祭りの期間中、皆さんのお願いを住職が祈祷。
【ご本尊ご開帳】19日(日)10時~20時
年に1度、十一面千手観音菩薩のご開帳日。
【フォトコンテスト】
もみじ祭り期間中の聖寶寺および庭園を撮影した写真を募集。
【もみじ仏前結婚式】11日(土)夕方より
【もみじコンサート】
第1部 13時~/第2部 17時~
18日(土) なつかしバンド(バンド演奏)
19日(日) かあちゃんズ(リコーダーアンサンブル)
23日(木祝) 可児社中(箏の演奏会)
25日(土) 古川晴海(ギター演奏)
26日(日) 石崎旭(演歌)
写真 南野哲志さん

富山県出身。結婚を機に東京へ、名古屋を経て、その後、子どもの小学校入学を機に、三重県いなべ市に落ち着きました。昼寝が趣味!ぐうたら主婦です。得意ジャンル:イベント