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三重県の木にこだわって60年 -ウッドクラフト廣田 廣田利夫さん79歳-

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「この木は、昭和58年12月から、工場で乾燥さしてます。
歪みが出ないように、しっかり抑えていますので、製材した時に狂いが、出ないと思いますよ。」IMG_4553三重県大台町で60年以上大工をしてきて、傘寿を前に今もなお現役で木工製品を作り続けている、ウッドクラフト廣田の廣田利夫さん。ますます意欲的に、新しいものを作ることに挑戦しています。
<荻原神社の宮司さんと一緒に>

また、地域の神社やお寺の建築も手がけてこられました。

私が廣田さんに初めてお目にかかったのは、自分で里山について学びたいと思って、カメラを背負って、母の実家があった三重県大台町へ取材を兼ねて休暇を過ごしに行った時のことです。

最初はとにかく農業や木のことをお仕事にされている方にお話を伺ってみたいと思ったのがきっかけで、ウッドクラフト廣田さんのお名前をインターネットで見つけてからずっと気になっていました。

取材を申し込んで初めてお話を伺った時は、廣田さんも私も少し緊張していましたが、お話を進めていけばいくほど、どんどん深いところまで聞かずにはいられなくなる衝動を抑えることが大変でした。

私が「里山」に興味を持った大きな理由の一つは、そこに暮らす人生の先輩方に、人生にとって大切なことを、様々な観点から伺ってみたいと思ったことでした。

廣田さんは60年間ずっと大工をしてきたことから、お仕事を通して、様々な、人生にとって大切なことを教えてくれました。

三重県の木にこだわって大工仕事をし、今は木工製品を作っています。伊勢神宮に流れる宮川の源流を有する大台町に生まれてずっと、この神の川とも呼ばれる宮川の水や三重県の大地の栄養を吸収して育った木を使って仕事を続けてきています。

お父さんが厳しい職人さんだったことから、こんなに厳しいのはかなわないなあと思って、早く一人前になって、厳しく言われないようにしようと、一生懸命仕事に精を出したんだそうです。

また、木のことをするのが本当に大好きで、大工道具はそのために必要に応じて自分で作ったりもしたそうですが、世の中のいろんな道具がコンピューター化されていく中で、大工道具は今でも昔からの形のまま、今も使われています。大工道具ほど完璧なものはないと思います。と話す廣田さんの言葉から、大工道具に対する敬意と愛情も感じられました。

廣田さんから他にもいろんなお話を伺って、その全てをたくさんの方々と共有したいと思ったのですが、私がここに文字にしてしまうと、なんだか廣田さんのお話が損なわれてしまうような気がします。

ウッドクラフト廣田さんは、見学も大歓迎ですので、もしよろしければ、ぜひウッドクラフト廣田さんへ遊びに行って、直接お話してみてください。職人としての廣田さんは、お父さん譲りの厳しさも持っていらっしゃいますが、普段はとっても暖かいお人柄で、人を思う気持ちを大切にしていらっしゃる素敵な職人さんです。

ウッドクラフト廣田
代表:廣田利夫
電話:0598-76-0767
FAX:0598-76-0767
住所:〒519-2506 三重県多気郡大台町天ケ瀬209番地
営業:朝9時〜午後5時(ご訪問の際はご予約をお願いします)
http://woodcrafthirota.blogspot.jp

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今廣田さんがもっとも関心があるのは、ご自身の工場の1階に四半世紀も前から乾燥させている木を使って何かを作っていくことです。

これまで培った大工の技をいたるところに散りばめる廣田さんの、60年間休まず動かしてきた手から生まれてくる木工製品は、どれも見事で美しく、寸分の狂いも許さいない匠の息づかいと緊張感さえ漂うのに、優しさと温もりも感じられる、素晴らしい作品となって生まれてきます。

そして、それらの木工製品は、どれも使う人のことを考え抜かれた工夫も散りばめられています。

下の写真の積み木は、大人が遊んでも楽しそうですが、子どもも使うことも考慮して、角はみんな綺麗に削ってあります。しっかりと磨かれた木肌は滑らかで、ずっと触っていたくなる触り心地です。

また、着色する際は植物の天然の色を塗るようにしているんだそうです。でも着色しなくても十分、様々な木々の本来の色がカラフルに並んでいますよね。
椅子とテーブルのセットも、木本来の優しい風合いを大切にしています。この下の写真の可愛らしい椅子は、座ったり立ったりしやすいように、天板が回転する仕組みになっていたりしています。
廣田さんは、新しいアイデアが浮かんだと言って、テーブルの天板の上にも、回転する部分を作っていたので、「回転」は廣田さんにとって、大切な表現の一つでしょうか?と伺ったら、ものすごく真面目な顔になって、「はい、人生は回転です。」とおっしゃいました。なんだかじーんとしました。

ほら、私が文字にしても、この空気が上手く伝わらないような気がします・・・。

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79歳になって、ますます精力的に新しい製品を作ることに挑戦を続ける廣田さん。広報用に廣田さんのビデオを作ってみたいということになって、改めて工場へお邪魔しました。

初めて廣田さんにお目にかかった時から、廣田さんの言葉の虜になっていた私は、ビデオでもぜひインタビューをさせていただこうと思って、廣田さんと一緒に時間を過ごさせていただいて、一緒にお食事をさせていただいたり、仕事場にずっと一緒にいさせていただいてお話を伺ったりしながら、木のこと、大台町のこと、お客さんとのエピソード、家族のこと、お仕事仲間との何気ない会話まで、いろんなお話を伺いました。

そしてできたビデオがこちらです。
ウッドクラフト廣田「木のことに携わって60年」

 

また、廣田さんは、地域の子どもたちのために小さな椅子をいくつも寄贈したり、仕事場や仕事の内容を伝えたりもしていらっしゃるそうです。

工場の中には丁寧に手入れされた道具や機械が、きちんと整頓されて並んでいます。それを見ると、廣田さんのお仕事に対する気持ちが伝わってくるようです。

カクカクだった木の棒が、あっという間に綺麗に丸く削られていきました。これも、力の入れ具合や職人の勘と技術がなければ、こんなにまん丸でスベスベに削れないでしょう。

あと、これらの機械と、その電源を入れて電気をつける廣田さんの60年続けてきた様式美を見るだけでもかなり価値があるのではないかと思っています。

廣田さんの技術を見せていただいたり、作品に会いに行くこともさることながら、廣田さんに会ってお話を伺っていると、帰る頃にはきっと、ほっこりした気分になって、また明日から頑張ろうって思えることが、何よりも、廣田さんを訪問する時間を豊かにしてくれています。

廣田さん、いつもありがとうございます。

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