---自分が生まれた町は好きですか?
---地元の自慢はできますか??
■愛知県に隣接。南北に10㎞の町。
三重県の北東端、
木曽川の最下流に位置する木曽岬町(きそさきちょう)。
人口は約6,460名。
南北に10㎞しかないという広さだが、
トマトの生産量は三重県一。
観葉植物の栽培や鰻の養殖も盛んで、
入手まで数年待ちの”魔法のフライパン”を製造している企業があるのも木曽岬町。
しっかりと根付いた産業がある町。
■こどもたちは高校で、外の世界を知る。
ただ、町に小学校と中学校は各1校のみ。
高校はない。
つまりこどもたちは、
9年間、同じ顔触れのなかで学び、
高校にて町を出て、外の世界を知る。
中学生へのアンケートで、
木曽岬町に、
積極的に定住し続けたいと回答した人は10%
■戻ってきてほしい。そして住み続けてほしい。
進学により、町外に出るのは仕方ない。
でも卒業したら、
木曽岬町に戻ってきてほしい。
その為にはどうすればよいのだろうか。
大切なのは、今こどもたちに、
木曽岬町にある知恵・手間をかけた「もの」や「こと」を、知ってもらうことではなかろうか。
多様な人と関わることで、
木曽岬の「できる」を実感してもらおう。
そう立ちあがったのは、木曽岬町役場。
■「実はこれ、まだ名前が無いんです」というイベント
今回、木曽岬町役場とタッグを組んだのは、
三重大学と、
三重県で実践型インターンシップ・キャリア教育事業を行う一般社団法人わくわくスイッチ(通称:わくっち)で活動する三重大学や県内に住んでる大学生。
町のこどもたちに、大人たちに、
さらには町外の人たちにも
木曽岬をもっと知ってもらおうと、
着々と企画を詰めてきた。
■そのまんまです。まだ名はないんです。
名はないが、開催日は、
12月24日(土) に決まっている。
みんなのイベントなのだから、
名前だってみんなで考えればいいじゃんってこと。
■なにをするかは、大きく3つ。
メイン企画は、
中学生による町民の取材レポート。
取材をとおし、町の「できる」を掘り下げる。
取材レポートの流れは、
①町民を取材する
②ポスターをつくって表現する
③一般の人たちの前で発表する(イベント当日)
発表する中学生も、
発表を聞いた人たちも、
やるじゃん!木曽岬!!
と思ってもらえたら、最高。
取材先は事前に決まっており、
トマトや米、観葉植物、南瓜の生産者や
海苔、鰻の養殖、農業アドバイザー等、計8名。
■取材レポーターに立候補したのは、中学一年生
木曽岬中学校1年生の女子4人。
同じテニス部に所属する仲良しさん。
取材も、ポスター作りも、人前で発表するのも、
すべて初めての彼女たち。
さ~て、一体どうなる!?
■まずはプロに学ぶ。
さぁ、どうぞ。・・・と言われても、
何をどうしてよいのかわからない。
まずは、取材レポート&ポスターの作り方を、
プロから学ぼうの会が設けられた。
講師は、
名古屋のデザイン会社「株式会社クーグート」の高橋佳介社長。
WEB新聞”サカエ経済新聞”と”名駅経済新聞”の発行もされている方。
OTONAMIEとしても、学ばせていただきます!
■最初は自己紹介
大学生から自己紹介スタート。
中学生の番になると、
トップバッターを誰にするか、作戦会議がはじまった。
ごにょごにょごにょ。ふふふふ。
普段、中学生と関わることなんてないから新鮮。
小学生と違って奔放さはないが、
「恥ずかしさ」が勝るお年頃でもある。
大学生ともなると、場数踏むから、
適度に自由な発言ができるようになるよね。
■ポスターってこうして作るのよん。
ポスターをつくるにあたり先生から、
役割と進め方のおはなし。
知る わくわく・調べる・質問する
↓ (イメージする)
考える 話し合う・選ぶ・決める
↓ (納得する)
つくる イメージして組み立てる
大切なのは、
目的 (木曽岬の魅力的な人を紹介する)を忘れないこと。
またポスターから、
共感・感動・ドキッ・びっくり・おもしろーい等、感じてもらうのもポイント。
大人も唸る内容だ。
理解しようと一所懸命な中学生たち。
少なくとも私は唸っていた。
うーーーーむ。
■実際に、ポスターをつくってみよう。
練習として、
この日の参加メンバーの中から、
取材される人を選定。
そこに、役割のある3名がついて班となる。
「取材される人」
+
①コピーライター :中学生
②デザイナー :大学生
③ディレクター :役場職員
今回、私は取材される人となった。
■伝えたいことの軸を決める
取材のミソは、
対象者に興味を持ち、好きになること。
その人の魅力を、最大限に引き出す軸を決める。
懸命に私について取材してくれ、
軸となったのは「好奇心」。
実は、中学生 ゆづきちゃんも好奇心旺盛。
初めて挑戦する取材レポートに戸惑いながらも、
共通点を見付けた時は、目がキラッとさせていた。
■ヒアリング後、ポスターのラフ画を考える
イメージを膨らませ、
自由な構図で表現しよう。
そして、あがってきたラフ画がこれ。
えっ・・・・。
こ、これは私の似顔絵ですか・・・?!
「そ、そういうわけではないですー」
焦り気味の大学生 あおちゃん。
”好奇心旺盛”からイメージした絵とのことだが、
もしこれが似顔絵だったら、私、人生考え直します。
”※あくまでもイメージです”と追記してくれた、
心優しき大学生 あおちゃん。
■発表タ~イム!!
インタビュー&ラフ画作成まで、
約30分間というタイトな時間で完成へ。
私のポスターのキャッチコピーは
「毎日 知りたいことだらけ」となり、
中学生 ゆづきちゃんが、
自分との共通点をもとに、発表。
ここで、先生からのアドバイス。
①絵の構図について
・主人公(中央)を、もっと大きく描こう
・主人公が興味を持っている三重県の食べ物等を散りばめるのもいいかも
②キャッチコピーについて
・その人を表現し、その人にしか使えないキャッチコピーにすること
・「毎日知りたいことだらけ」・・・・、その先はなに?
だからこんな素敵なのですという部分まで訴訟すること
・考えた本人の個性も出せるとベスト
他の班の発表にも、
それぞれ先生がアドバイスを下さった。
いや~これかなり難しいねぇ。
ボキャブラリーや経験を積んだ大人でも難しい。
暗くなってきたため、
ここで中学生メンバーは帰宅。
■本番に向けて話し合う大学生と大人たち
久々の中学生との関わりは、懐かしい時間だった。
ピュアな繊細さに触れ、
自分がいかに図太くなったかを実感。
この絵も、あながち間違っていないのかも。
振り返りにて、
多く出ていた戸惑いポイントは、
中学生から答えがかえってこない時の対応について。
考えている”間”のか、
もち合わせていない”無”なのか。
じっと待つべきなのか、
少し誘導すべきものなのか。
せっかくならば、
大人の感覚で導くのではなく、
中学生らしい観察力と感受性で表現してほしいと思う大人。
純粋な視点でしか見られない世界。
そんな、ハッとする世界観を
ポスターを通して見てみたいものである。
取材レポート発表の本番は、
12月24日(土) 13:00~16:00@木曽岬町役場
詳細はこちら
因みに、来年1月には、
日本若者協議会初代代表理事、
Club World Peace Japan 理事長の、
富樫 泰良さんを迎えての講演会を開催予定。
木曽岬町の今後の活動、要チェックです♪
福田ミキ。OTONAMIEアドバイザー/みえDXアドバイザーズ。東京都出身桑名市在住。仕事は社会との関係性づくりを大切にしたPR(パブリックリレーションズ)。
2014年に元夫の都合で東京から三重に移住。涙したのも束の間、新境地に疼く好奇心。外から来たからこそ感じるその土地の魅力にはまる。
都内の企業のPR業務を請け負いながら、地域こそPRの重要性を感じてローカル特化PRへとシフト。多種多様なプロジェクトを加速させている。
組織にPR視点を増やすローカルPRカレッジや、仕事好きが集まる場「ニカイ」も展開中。
桑名で部室ニカイという拠点も運営している。この記者が登場する記事