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終戦の世界へ!書道家はラピュタの地に立った @ 路上アーティスト

2016年、激しく蝉が鳴く夏。

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彼を見ていると厳粛な時間は、場所や形、時間に囚われるものではない事を感じる。

1.8㎡の和紙を芝生の上に広げ、書道家伊藤潤一が黙想に入った。その姿は祈りである。71年前の日本とアメリカの戦争の事実を考察し、彼は書の造形芸術を作り上げる。

近鉄中川駅の路上で、彼は書道パフォーマンスをしていた。その活動を続けるには困難があった。だが路上で出会った人の繋がりで、わずか10年で世界に羽ばたいた。そして伊勢志摩サミットで、彼の活躍を多くの人が知る事になった。以前から記事にしたいと思っていた私は、特別な場所で彼に撮影したいと申し出た。

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背後に見えるのは第二砲台跡。その前で曲と歌詞を聴き取り、自身の世界を作りだしている。

 

 

和歌山県にある無人島、「友ヶ島」

 

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友が島は軍事要塞島しての面影を残す。今は観光の島となっている。
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書のパフォーマンスをする事になった第二砲台跡、風化により廃墟と化した姿はまさしくラピュタだ。

その場所とは旧日本陸軍の軍事施設が風化し、自然に飲み込まれていく姿を見ることができる。別名ジブリ映画に出てくる「ラピュタ島」と呼ばれている。和歌山県加太(かだ)の港から1日に数回の船が出ているのだ。

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弾薬庫があったとされる廃墟に手を添え、日本が戦争をしていた事実にふれる。

7月24日この島で一つの曲を演奏し、そのメッセージと共に書のパフォーマンスを行う。課題は「伊勢志摩サミットから広島へ」。このテーマに軍事施設の廃墟で感じる想いを足す。さて彼はどんな表現をするだろうか。このテーマを共有できる数人の路上アーティストに私は声をかけ実行した。

この記事は2016年5月に世界首脳会議が行われた伊勢志摩サミットで、商業メディアの多くは経済効果だけに光をあてる。だからこそ三重の感受性の高い芸術家の表現を、利益に囚われないオトナミエの記事の一覧に加え残しておきたかった。これは社会的に価値があるとは思われない路上アーティストと、サミットで活躍した書道家の作品だ。

___ TIME ___

( 歌われる歌詞を少しわかりやすく書いてみた。)


人は365秒、365分、365時間、365日と言った時の中で生きる。人間の命と言うのは何かを成すには短い事実がある。時に人は1つの爆弾のような問題を抱えた時、1日は24時間では足りなくなる。

ひとりの子どもが生まれ育って行く。全てに時あり、私の命は365週あるのか、それとも365ヶ月か、果たして365年後の世界はどうなっているのだろ。

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黒の表現にこだわる事は、墨汁を作り出すこと。それはスミとニカワを混ぜ自分の黒を作り出す事。

偏見の壁はすでに取り払われている。小さな事に光を当てない社会へ、私たちをみつけてください。もしみつけたら呆れながら笑ってくれたらいい。

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振り下ろす筆はまるで楽器を演奏するかのようだ。音が聴こえてくる。

1つの核をそこに落として14万の人が消えた広島。無限の罵倒があっても、キミのたった1つのキスで救われた人もいるのだ。

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色すべてを混ぜると黒になる。決して黒は白になれない。その中にある赤色は白の上にあればこそ、これは一つの決意を示している。

そこにどんな光が見えるだろうか。食べる事しか見えない私たちの目、衰えていないと言えるだろうか。

ここにあなたと私が、共に生きた証を見せる事ができるだろうか。そんな私たちでも足して行くなら、きっとうまく「欠点」を埋めあえるはずだ。

では動画でご覧ください。

 

 

8月15日、終戦記念日

ポツダム宣言を受け入れる日本には苦難と忍耐が訪れる。最大の愛として自国のために命を投げ出した国民の想いもある。とても難しい決断をした昭和天皇を道徳的模範として教えるハーバード大学、サンドラ・サッチャー教授の事を知った。玉音放送に至るまでのプロセス、際立つ愛や忍耐、そして個人の命に向き合う感心深さと、惨苦の中でのリーダーシップと言った内容だ。

玉音放送、それは終戦の詔勅(しょうちょく)。解りやすく訳してある。「それぞれが最善を尽くしたにもかかわらず、戦局は必ずしも好転せず、世界の大勢も我々にとっては有利な状況をもたらしていない。そればかりか敵国は新たに残虐な爆弾を用いてしきりに無実の国民までも殺傷し、凄惨な被害の及ぶ範囲はまさに予測できないほどに至った。(中略)これこそ、私が日本国政府に共同宣言を受諾するよう命じた理由である。(中略)

考えてみても、今後我が国の受ける苦難は言うまでもなく尋常なものではない。あなた方国民の気持ちも私にはよくわかる。しかしその気持ちを理解していても、私は時の赴くままに従い、耐え難く忍び難い思いをこらえて、永久に続く未来に向けて平和な世の中を切り開いていきたい。」(現代語訳:ダイヤモンド・オンライン編集部の物を引用)

 

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第三砲台から弾薬庫へ続く道、この路上で演奏したかったのだ。そしてogurockとmitsukiが歩いてくる。
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戦争体験者のお祖父ちゃんおの棒ネクタイをして上陸したOgurock記者。今生きていれば102歳だという。

オバマ大統領は広島で、世界には戦争に向かう力が解き放たれた…「核のない世界は簡単に実現できるものではない」と語った。勝者が正しいとされる戦争ではあり得ない大統領の訪問が私たちの世代であった。敗戰国の日本から、リーダーの模範を学ぼうとする学生たちがいる事。私たちが思うより時代は早く流れているのかもしれない。

多くの人は自分の事に大きな感心を持つ。はたして目は衰える事なく今を捉えていけるだろうか今回の記事は人を癒す話はではありませんが、目線をもっと高く「天空の城」のような場所から地上を見たとすると、平和を掴み取るには厳しい忍耐が必要だとわかる。そして世界の兵器が早く「ラピュタ」の様になればいいのにと思うのです。

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私たちの近くでも沢山の人が戦争に赴いた事実がある。

 

友ヶ島に上陸する前、無性に鳥羽の神島に残る監的所から、オバマ大統領が飛んだ空を眺めてみたくなった。自分たちの住む空で、世界史の一場面を目の当たりにする事は二度と無いと思えたからだ。そして第二次世界大戦では命が命を取り合う話がたくさんある。その中でオグロック記者のお爺ちゃん(神島出身)も出兵したと言う話を聞いた。私はその面影を持って旧陸軍跡地で感情移入をしたかった。

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時には空を見上げたくなる。

 

 

 

白と黒、そして赤は「命」

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想いと体、全てを捧げた作品に朱印をする。

書道家伊藤潤一は「神」「人」「悪」を揮毫(きごう)したのだ。http://ameblo.jp/itojunichi/(彼のブログで解説している)

仮に和紙が白地図なら、そこに世界の営みが記される。私たちに欠けた事実とは、黒に焦点が合いやすい事だ。まして光が強くなれば反射率の高い存在は見えなくなってしまう。そして朱印の赤色は、私には血液、つまり「 命 」にみえた。これは宇治山田の路上ミュージシャンと、書道家伊藤潤一が残す伊勢志摩サミットの感懐。どうか感性を持って読んで頂けたら私たちも救われます。

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蝉の声が聞こえなくなる事は、戦争を知らない子どもたちの世界になるような事かもしれない。その声を聞こうとしてもその時は聞こえないのだ。だがまた夏がやって来ると蝉は鳴く。その後に自分が土になる事になっていても。

 

 


路上から世界へ

書道家伊藤潤一のアトリエは松阪市内にある。ロケの打ち合わせは忙しいスケジールの中、時間を作って頂いた。彼と戦争について話し合う時間はとても有意義であった。

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宇治山田駅の路上にもミュージシャンとして現れている。

県内よりも他の地方から人気に火が付いている。今回の友ヶ島での書道パフォーマンスは、同行したVIVO TVの撮影クルーが記録している。そして自身のブログで今回の書の解説をしている。http://ameblo.jp/itojunichi/

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自由な発想、自由な表現というものは、一つの枠にはめた教育ではないと言う。路上での表現には楽譜は存在しない、ましてそれは必要ないという話にもなった。

 

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ほんの小さな事ですが、私たちの持つ欠点を埋めあえたらと思います。

 

おまけの動画

 

 

 

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