伊賀に住んで11年。
住み始めた当初に驚いたのが「和菓子店」の多さ!
城下町とはいえ、数分で歩ける距離に和菓子店が10軒以上。
まさに「軒を連ねる状態」!!
創業400年を筆頭に、どのお店もしっかり歴史と技と誇りがあって、それぞれに美味しい・・・。何よりそれだけの和菓子店が長きに渡って存続するくらい、使いこなしている消費者・・・つまりは「伊賀の文化」もすごい。
歴史ある店構えの和菓子店・・・はじめての方は入りにくいかもしれませんが・・・私は声を大にして言いたい!
「伊賀へ来たなら絶対、和菓子店へ入って欲しいっ」
前を通り過ぎるだけなんてもったいないですよ。
と、前置きが長くなりましたが・・・今日はそんな和菓子店の中から
【伊賀酒】とのコラボで誕生した和菓子をご紹介します。
大正9年創業の和菓子店「お菓子司 くらさか風月堂」さんの冬季限定「蔵さかまん」です。
伊賀の蔵元・大田酒造さんの銘酒「半蔵」の清酒と酒粕を使用した冬の和菓子です。
さっそく、お店を訪ねてみました。
伊賀鉄道「広小路駅」から伊賀街道を東へすすむこと・・・約10分(←私の場合)
街道沿いの古い街並みを楽しみながら歩けますよ♪
白い麻のれんと大きなガラス戸が目印の趣きあるお店です。
入口には季節の和菓子のご案内が出ています。今の季節はちょうど「さかまん」でした。
店内に入るとずらっと和菓子が並んだショーケース越しに、笑顔の奥様とお母様が出迎えてくれます。
現在、店の和菓子を手掛けるのは3代目店主、倉阪浩充さん。奥の工房でひとり黙々と、丁寧に、大切に和菓子づくりをしています。
2014年からはじまった伊賀の定期市「伊賀風土FOODマーケット」へほぼ毎月出店している同店。そんな中、寒い季節に外でもアツアツで食べてもらえる和菓子を・・・と、誕生したのが蒸したてで提供できる「蔵さかまん」でした。
いろんな酒蔵の酒粕を検討し、大田酒造さんの清酒と酒粕を使用することに決めたと言う3代目。口にしたときの味わい、香りが「合う!」と感じたそうです。
「半蔵」の清酒と酒粕で仕込んだ生地が、甘さ控えめでなめらかなこし餡を包み込む「蔵さかまん」。言うまでもありませんが、餡から手づくり、ひとつひとつ手包み、そして蒸しあげて仕上げていきます。
蒸している最中、工房の中はお酒のい~い香り。アツアツをはふっと頬ばれば、口の中にふわりとお酒の風味が広がり、やさしい甘味が、じんわり・・・あぁ、幸せ・・・と、頬が緩んで勝手に笑顔。
お酒の風味も甘味も絶妙な塩梅で、キツ過ぎず、甘過ぎず品の良い仕上がりです。冷めても美味しいし、冷やすとこれまた違った表情。いろいろ楽しめる逸品です。これは酒好きも和菓子好きも納得のお味!
▼巻き紙もとってもオシャレ。
「蔵さかまん」の「蔵」の字は「半蔵」のロゴを使用。
半蔵・くらさか・酒蔵など、いろんな思いがぎゅっと詰まった名前です。
※2月14日(日)の「伊賀風土FOODマーケット」でも販売を予定しているそうです。雨天中止の場合は実店舗で販売。
ちなみに、この「くらさか風月堂」さんの店内には、ステキな「お茶飲みスペース」があります。購入した和菓子をここで頂くこともできるのです!
お茶はセルフで「ご自由にどうぞ」。
陽だまりで、おしゃべりをしながら、和菓子を頬張り、お茶をすする・・・和みます。時がゆっくり流れます。心がほどけます。
そして「お茶飲みスペース」後ろの棚の中にも注目を!昔から使われてきた御菓子の「木型」がずらり。季節の花や鯛、扇など多様な模様が。「くらさか風月堂」さんでは今も使っているというから、これまた驚き!
ショップカードはそんな「木型」を組み合わせたデザイン!!
季節感や伝統を大切にする同店の思いが伝わります。
今すぐに行けない!という人は、3代目の奥様目線でかかれているFBページを覗いてみてください→facebook.com/kurasakafuugetudou
普段見ることができない和菓子の制作過程や、家族ならではのこぼれ話し、そして「焼きたて」「できたて」情報などなど、とにかく濃密!
何より、和菓子を通して「季節」が感じられます。日本の四季はこんなにも細かく移ろいでいるんだな・・・と、気付かせてくれる内容です。
お菓子司 くらさか風月堂
住所:三重県伊賀市上野車坂町753-3
電話:0595-21-2866
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜、第2・4月曜
FB:facebook.com/kurasakafuugetudou
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kanzaki chiharu。OTONAMIE公式記者。伊賀市在住のフリーライター。出身地、広島のタウン誌→東京の編集プロダクション→フリーランスとして独立して早20年。現在は伊賀に拠点を持ち、伊賀の情報誌の執筆をはじめ、企業広告コピー、イベント企画提案などを手掛ける。日本酒好きが高じて、「伊賀酒DE女子会」の企画運営をはじめ、日本酒関連の執筆、コーディネート、イベント運営も行う酔っぱライター。得意ジャンルは日本酒、伊賀情報。2016年「日本酒女子普及委員会」会長に就任。https://ameblo.jp/iganonihonsyudaisuki/