ホーム 02【遊びに行く】 おかみさん達の協力で町全体が絢爛豪華に飾られる『あげきのおひなさん』~前編~

おかみさん達の協力で町全体が絢爛豪華に飾られる『あげきのおひなさん』~前編~

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新春の幕開けに続き立春が過ぎ、寒さも和らいだ季節になると、
三重県の最北の地、いなべ市の中でも昔ながらの町並みが今まだ残る阿下喜のあちらこちらで
お雛様が飾られる。




いなべ市の中心に位置する阿下喜は、
員弁川の支流が集まる場所だったことからかつては船着き場があり、河川交通の要所であった。

~郷土資料・史学庵蔵より~

各地から特産品である竹や材木、米、炭などが筏や高瀬舟で運ばれ、木の積み降ろし場という「木を上げる」ことから「上木」と地名が付いたと言われる阿下喜は、様々な地域、世代を超えた人々が集まり、数百件もの商店が軒を連ねるような繁栄を極めた時代もあったものの、昭和後期頃から一軒、また一軒と閉店する空き店舗が増え、今では昼間でもあまり人影も見られなくなってしまった…

~昔の郵便局の木造洋館造りの建物 1939年(昭和14年)~

そんな阿下喜商店街が賑わうのは、年に1度、
『あげきのおひなさん』が開催される2月中旬から3月上旬。


町の店舗や個人宅など約100カ所に華やかなお雛様が飾られ、
町歩きをする観光客の姿で阿下喜の町も賑わいを取り戻す。

年代物であったり、その家族にとって思い出深い物であったりと様々なお雛様が出揃う中、
一番の見どころは「ウッドヘッド三重」の2階に飾られる22段のお雛様だ。
その数なんと約800体!

例年は2月初旬から約2週間かかるという22段の飾りつけだが、
今年は1月21日に雛出し(倉庫からお雛様を出す)をして、1月22日からこの800体のお雛様の飾りつけをしていくという。
飾りつけをするのは『あげきのおひなさん』を主宰する「はなもも会」のメンバー12名。

商店街のおかみさんが大多数の「はなもも会」のメンバーは、昼間は自営業があるため、
お雛様の飾りつけを行なうのは毎晩19時半から21時半まで。
雛壇は人間の重さには耐えられないので、梯子から手を伸ばして手が届く範囲で、
上段から順番に飾りつけを行うのだが…
途中まで飾ってきて、全体を眺めてみると、少々の手直しが必要となり、
体をよじって奥の方に何とか手を伸ばすなど、本当に大変な作業の連続だという。
お雛様一体一体に真剣に向き合い、それでいて和気藹々と飾りつけに励む夜が続く。

さらには昼間のお店の営業時間内でも、空き店舗や郵便局などにお雛様を飾り付けに行くなど、
『あげきのおひなさん』までの約1ヶ月間は休む間もなく「お雛様飾り」一色…

~お揃いのジャンバーやハッピでPR活動に励む「はなもも会」~

ところで、三重県内ではこの時季、7ヶ所程で「お雛様」のイベントがあるが、
『あげきのおひなさん』には他にはない、ここならではの魅力があるという。

それは今から10年前に来場された方のこんな一言がきっかけになった。
「ここは吊るし飾りがないわね」

そう言われ、東伊豆町の稲取、山形県の坂田、福岡県の柳川といった全国三大「つるし雛発祥の地」まで視察に出かけ、メンバー皆で知恵を出し合い、試行錯誤をしながらつるし雛を作り、その翌年には早速『あげきのおひなさん』にもつるし雛が加えられた。
それから10年、毎年、様々なつるし雛が披露され、県内一多く、手づくりの立派なつるし雛が飾られるまでになってきた。



さらには、30段飾りで有名な長野県 須坂、また、福井県など全国の様々なお雛様を視察に訪れ、
アイデアを出し合い、研鑽を積み、その年ごとに異なる趣向が凝らされた22段飾りは、
光輝く作品とまでに成長を遂げてきている。

昨年2017年には、白と黒とのコントラストが特徴の22段飾り。
さらには、12か月の月日の移り変わりを表現した作品が会場にさらなる華やかさを添えた。


一昨年2016年には、鈴木知事が来訪、
伊勢志摩サミット用に7か国の国旗を掲げたお雛様も披露された。


~伊勢志摩サミット用の雛人形~

だが、毎年「はなもも会」のメンバーがお雛様のために費やす日々はお雛様飾りや片付けが終わっても続いている。
一年のうちで休めるのは4月のみ、5月からは翌年のアイデアを出し合い、
せっせとつるし雛作りに精を出すのだそうだ。

また、毎年8月には地元阿下喜の女性達に募集をかけ、
「つるし雛講習会」を開催しており、地元にも多くの協力者ができてきたという。

そして、今春14回目を迎える『あげきのおひなさま』には、手づくりのつるし雛飾りの集大成!

「はなもも会」のメンバー全員が、ひとり1200個の小さな飾りを作り、合計約1万個の集大成がウッドヘッド三重に飾られる。
お楽しみに。

今年の『あげきのおひなさん』は特に見逃せないイベントとなりそうだ。

大正・明治・昭和の時代を見て来たお雛様はどんなお姿を披露されるのか。

各家で大事にされてきたお雛様はどんな思い出話を語りかけるのか。

今年の『あげきのおひなさま』はどのような感動に出会えるのか。

「来ていただいた方全てに感動を与え、
親から子、子から孫に繋いでいく」と「はなもも会」初代会長は語る。

※お忙しい中、阿下喜の町を少しでも明るくし、昔の賑わいを感じていただきたいという思いの
「はなもも会」のメンバー3名の方にお話を伺いました。

左側 和菓子屋を営む田中さん
創業70年以上の老舗和菓子屋であり、「はなもも会」の初代会長。アイデア豊富で、22段飾りの構想などを手掛ける。

右側 玩具屋を営む近藤さん
お風呂屋、自動車屋、木炭屋、ミシン屋、八百屋を経て、昭和25年頃から玩具屋を営む。手先が器用で、アイデア豊富、さらには材料調達役も引き受ける。

中央 昭和35年創業の家具屋を営む水元さん
「はなもも会」現会長。リコーダーのグループ「かあちゃんズ」代表。人と人との橋渡し&調整役を務める。

ご協力いただきまして、ありがとうございました。
写真協力 水元暁美さん 藤井樹巳さん

お話は<後編>へと続く…

『あげきのおひなさん』

開催期間 平成30年2月17日(土)~3月4日(日) 9時~15時半
開催場所 三重県いなべ市北勢町阿下喜地内

メイン会場 ウッドヘッド三重
住所 三重県いなべ市北勢町阿下喜1991

~~~~~~着物カフェ~~~~~~
日時 平成30年3月4日(日)
会場 ウッドヘッド三重

お着物を無料で着付け・貸し出しをしてくれます。
大人・お子様のお着物もご用意されておりますよ。

ぜひ、お着物を着て阿下喜の町歩きをしてみてください。

フルート四重奏/11時~/13時~
マジック/13時40分
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◇折り紙教室 期間中随時(10時~15時)
メイン会場の「ウッドヘッド三重」には折り紙のお雛様が展示

【体験コーナー 申込みの必要なものもあります】
●「木工教室」 2月18日(日)10時~
●「リングひな作り」 2月20日(火)13時~
●「子ども向けタペストリー(流しびな)作り」 2月25日(日)13時~
●「ちぎり絵」 2月26日(月)10時~
「小物作り」 2月23日(金)&3月1日(木)10時~/12時~
(みかん・鳩・お手玉雛からお選びください)

◆土日限定スタンプラリー
2月17日(土)・18日(日)・24日(土)・25日(日)
3月3日(土)・4日(日)

◆バルーンアート
2月24日(土) ウッドヘッド三重

◆お子さんの作品展示
●阿下喜小学校1年
●ほくせい幼稚園

ひろえぽん
富山県出身。結婚を機に東京へ、名古屋を経て、その後、子どもの小学校入学を機に、三重県いなべ市に落ち着きました。昼寝が趣味!ぐうたら主婦です。得意ジャンル:イベント

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