四日市から車で走って1時間弱。
決してアクセスがいいわけでもない。
周りにはそこのお店以外何もなく山と自然に囲まれている。
そんないなべの山のふもとに僕が魅せられてやまないお店がある。
それがMYHOUSEというお店だ。
いなべの山奥にあるお店「MYHOUSE」
お店というよりはのどかな田舎の風景を思わせる。
家の周りを鶏も歩き回っている。
山羊も歩き回っている。
ぱっと見はお店があるとは分からないそんな場所にそのお店はある。
中に入ると、落ち着く店内の様子が広がる。
ランチのメニューは1品のみ。
そしてその時期によってメニューは変わる。
その時にだからこそいただける自然を生かした料理を味わうことが出来る。
そこに使われている野菜は全て自分たちで育てたものか、三重の信頼できる友人たちから入荷したものだという。
そして、鹿肉と猪の肉は狩猟によってとってきたものだ。
サラダに使われているドレッシングも自家製で玉ねぎとお酢をベースに作ったものだ。
調味料も可能な限り自家製のものを使うというのがこのお店のスタイルだ。
エアコンはなく暖房と言えるのは薪ストーブだけ。
でも天気もよく心地い風が入ってくる。
10月の半ばではあるが心地よい暖かさだった。
自然の中で生きるとは
店内にずらりと雑貨達も並んでいる。
これらはご主人が狩猟をして手に入れた鹿や山の中で手に入れたものを加工したものだ。
命をいただく以上肉だけではなく角や皮、骨に至るまで有効活用したいというご主人の意向によるものだ。
鹿や猪を狩猟するのはただ単に食べるためだからではない。
そのまま鹿や猪を放置することで、繁殖してしまうことで畑を荒らしてしまうからだ。
決していたずらに狩猟をしているのではなく、それが自然環境の保護に繋がっている側面。
それ以外にも、山でリスがかじった松ぼっくりの跡なども置いてある。
木の実やつるを加工したリースもある。
そこには背伸びもしない、変に飾られてもいない自然のままの良さを感じられる雑貨に囲まれている。
お店の周りには山羊が放牧されている。後で聞いたところ雑草を食べてもらうために買い始めたのだとか。
だが、山羊たちもグルメな様で自分たちに都合のいいようには食べてはくれないのだという。
そんな思い通りにいかないところもまた面白い。
身の周りの「物語」のあるものを交換する
月に1度物々交換の場としてこの場所が解放されている。
ここではそれぞれが自分たちで作った野菜や、お味噌やみりんなどの調味料。
果ては山で拾ってきた木の実、子供が作った絵葉書などもその中に含まれる。
逆にお店で買っただけのものはNG。
そのものに「物語」があるかどうかがその物々交換の基準になる。
ここには身近な関わるちょっとした情報も集まってくる場ともなっている。
ゆるく集まることの出来るこのコミュニティはまるで主婦たちが集まる井戸端会議のようだった。
慌ただしく生きる僕たちに、「それだけじゃない」と教えてくれる。
社会で生きる中で私たちは様々なストレスにさらされている。
理不尽に耐え続ける生活に耐えがたくなったら、ここに行ってみるといい。
コンビニも娯楽もない。
でも自然の恵みを生かすとはこういうことなのかと肌で感じることが出来る。
忙しさに追われる私たちに足りていない何かを教えてくれるだろう。
詳細情報
MYHOUSE
住所:511-0436 三重県いなべ市北勢町新町1333
営業日:金・土・日・月
営業時間:11:00~17:00
四日市育ち。OTONAMIE公式記者。
美味しいものと豊かな生活を求めて三重に舞い戻る。三重の田舎にコミュニティスペースを作るべく、日々活動中。
軽度の自閉症の診断済。自分の特性を活かし、楽しく生きる方法を配信中。